9話
『我は名もない魔剣なり、我の力を使いたければ、そなたを我に認めさせろ。』
なるほど。そう言うことか。
「そういえば、アベルはどこに?」
『あやつは我にふさわしくない。よって弾いた。』
なるほど。確かにアベルにこいつは合わなそうだ。
「それで、何すりゃいいの?何すれば君の姿を見れる?」
『簡単な話だ。質問に答えてもらう。』
「質問ねぇ」
『貴様は1度仲間共々死んだのであろう?その時どう思ったのだ?』
「何にも?ただ死んだって思っただけだった。特に心が痛むとかはなかったな。」
『ほう。では貴様は村人100人と自分の命どちらかしか助けられないならどちらを選ぶ?』
「速攻で自分の命を選ぶ。」
『たとえその中に貴様の知り合いがいてもか?』
「当然。今の…いや、昔から僕は自分が1番さ。自分さえ助かっていればあとはどうでもいい。」
『たとえそれが今洞窟の前で待っているアベルとかいう若造でもか?』
「話し相手がいなくて寂しいとは思う。あと、数日はへこむだろうね。でも数日経てば多分ケロッとしてるよ。」
『お前、本当に勇者か?』
「これでもね。」
『なるほど。では最後の質問だ』
『そんな貴様がなぜ我を求める。』
「何も。理由なんてない。」
『何?』
「強いて言うならば仕事を果たすために強くなりたい。」
『クックックッ。面白い、我が力を使わしてやる。』
「いいんだ。」
『どうした?』
「いや、断られるかと思って。一応聞くけど。なんで?」
『簡単な話よ。貴様に興味が湧いたそれだけよ。』
「なるほどね。ところで、名前ないんだっけ?」
『そうだが?どうしかしたのか?』
「なら僕がつける。よし、君は今日からルースだ。無情はruthless(ルゥースリィス)そこからとってルースだ。」
『ほう。無情とな、ではこれから貴様の情報を元に剣を造る少し待っておれ。』
辺りが光に照らされ出て来たのは、ブレードのところに赤い血管のような雷のような模様が付いた、真っ黒な剣だった。
一応『鑑定』できるか見ておこう。
邪剣ルース
『身体能力上昇』
『耐性無効』
『防御貫通』
『相手の能力上昇無効』(触れている時限定)
お、出来た出来た。
うわ、まんま無情。その名にふさわしいな。ってか邪剣なんだね。知ってたけど。邪剣扱う勇者ってそれはそれでどうなんだ?
『それは今更と言う奴だろう。100人の村人より自分を優先している時点で勇者としては終わりだ。』
ご最もです。
てか、わかるんだ心の中
『当たり前だ。我と貴様は今魂で繋がった状態。これぐらい息をするよりも簡単だ。』
で、いつ帰れんの?
『少し待っておれ、今返してやる。ん?これは…………』
「どした?」
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「うぉ!ビックリしたー」
『ここは試練の間だ。勇者よ』
「え?でも廃世は?」
『アイツは俺に合わん。それにすでに他の試練を受けているからな。呼びたくても呼べん。』
「そうか、なら俺にも試練を受けさせてくれるのか?」
『その通りだ。』
「何をするんだ?試練ってのは。」
『何、質問にこたえてもらうだけだ』
「なるほどな。」
『貴様は1度仲間共々死んだろ?その時どう思った?』
「とても悔しかったよ。今でも思い出すだけであの時何もできなかった自分に腸が煮えくり返る」
『へぇ。ではお前は村人100人と自分の命どちらかしか助けられないならどちらを選ぶ?』
「どっちもだ。」
『は?』
「どっちも選ぶ。」
『どうやってだ?』
「その状況から抜け出せるくらい俺が強ければいい。」
『強欲だな、本当に勇者か?』
「勇者だからだ。」
『では次の質問だ。もし、自分のせいで人が死んだらどう思う?』
「そしたら俺は、それよりも多くの人を助ける。」
『薄情だな割と。』
「そうか?」
『まあいい。では最後の質問だ』
『お前なぜ俺を求める。』
「俺が一人でも多く救い、守れるためだ。」
『なるほど。強欲、傲慢ときたか』
「悪いか?」
『ハハ。面白い、俺の力を使わしてやる。』
現れたのは真っ白な剣だった。
「お前は今日から聖剣ヘールだ。」
『勝手だな〜しかも自分で聖剣って。』
「さて、もとの場所に戻してくれ」
『ハイハイ』
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お、戻ってきた。
『やはりな。』
やはりって何が?
『いや、先程他の魔剣の気配を感じて、もしやと思ったが、やはり試練を受けていたか。』
なるほどね。
「おーい。アベル平気だった?」
「廃世!戻ってたのか。」
「まぁ、先にね。…その剣は?」
「あぁ、これが俺の魔剣。聖剣ヘールだ。」
へぇ。なら早速鑑定鑑定。
『味方のものに鑑定するのか?貴様の場合どうしてもクソみたいな理由しか浮かばん。』
…これって聞こえないよね?
『基本はな。』
いや、敵に寝返ったとき対策とか立ててんの。
『やはりそうか。何故神はこのようなやつを勇者にしてるのかがわからん。』
まぁいい、気を取り直して鑑定鑑定。
聖剣ヘール
『魔力切断』
『身体能力上昇』
『魔法攻撃耐性付与』
『防御貫通無効付与』
ハハッ僕の天敵かよ。
『我自身が能力を持っているのと違い、そやつは剣が主人に能力を与えるというタイプか』
『魔力切断を持っているな。』
ついでに良かったらそれ教えてくんない?なんか概要見れないし。
『良かろう、何を教えればいい?』
魔力切断だけでいいよ、他はだいたい予想できる。
『魔力切断は一定の確率で刀身に触れた魔力を切断できる。それだけだ。』
エッ、超つえーじゃん。魔力ってことは攻撃魔法とか呪いとか洗脳とか加護とかいろんなものが斬れる、つまり無効化できるってことでしょ?つえーじゃん
『ただその分規制が多い。まず、魔法など魔力を元にする術には核というものがある。』
急にどうした?
『黙って聞け。話をを戻すと、その核を斬ることで魔力を斬るということが事実上可能になる。』
分かりづらいな。
『貴様は注文が多いな、……簡単に例えると魔力が卵、魔法が目玉焼きだとする。』
え?なんで?
『黙って聞け。目玉焼きを作ろうと卵を取ったとき内側の黄身だけが斬られ、フライパンに落としたとき少なくとも目玉焼きではくなる。そういうことだ』
なるほどね。じゃあ無効化ってより無力化に近いのか?
『その通りだ。』
はえー。でもすごいな。
『まぁ、難易度が高いだけでかなり有能ではあるな。』
「おーい、何ボーっとしてんだ?」
あ、いっけね。会話に没頭しすぎた。
「なんにもないよ、ただ少し考え事をしてただけ。」
「そうか?ならいいが」
「さて、そろそろ帰るか。」
「おい、お前の魔剣の名前俺聞いてないぞ!?」
「ルースだよ邪剣ルース」
「邪剣なんだな。」
「使えりゃいいだろ、使えりゃ」
「それもそうだな。」
「さて、気を取り直してもう帰ろう。」
「そうだな。」
こうして、僕の長いようで短い試練が、幕を閉じた。
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「はぁー疲れたぁー」
『大して疲れることはやってない気がするが?』
うっせ。それより、僕剣使ったことないから使えないんだけど。
『よくそれで魔剣の試練を受けに来たな。貴様は』
いや、手に入れんのアベルだけかなぁーって思って
『案ずるな。我が戦闘中に思念でなんとなく剣の型を必要に応じて教えてやる。』
分かった。ならもう寝る。おやすみ
『切り替えが早いな。まぁいい。かまわん寝ろ』
「zzzzz」
『もう寝たのか……』
魔剣とは2つあり、
1つはこの話のやつみたいに最初の契約者の情報から剣を造りその剣に魂を宿すタイプこれは契約者に能力が依存する。
2つ目は元々普通の剣が魂を宿すタイプ。この場合は宿った魂に能力が依存する。
あと、魔剣は魂を宿した剣のこと。なのでその魂の質で能力が変化する、それが後に邪剣やら聖剣なんていう称号を与えられたりする。後、試練の内容、合格ラインは魔剣の魂の性格よって違う。
聖剣ヘールの語源は無垢をヘブライ語でタヘールそこからとってヘール。能力の意味としては無垢=邪なことを知らない=特定のことしか知らない=自分の主人の魔力しか知らない=他の魔力を受け付けない。という感じです。実際は少し違うんですが、わかりやすくするとこんな感じです。
あと基本ヘールはアベル視点のときしか喋りません。あと、聖剣の試練を受けに外出したのはだいたい午後9時くらい。戻ってきたのはその2時間後くらい。