何100年経っても・・・   作:ひゃん吉

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プロローグ

 

 

 

「君はそこの所有者に多大なる迷惑をかけている!!抵抗をやめて()()したまえ!」

 

再開発中の工場

 

その建築物の中に居る悪霊

 

悪霊に対して立ち退いてくれとお願いしている人間はこの世に場面は違えど山程いるだろう

 

ここはオレの工場だー!再開発なんぞ許さん!!失せろ!!

 

悪霊が興奮して窓ガラスを割るというポルターガイストを起こし、外にいた人間たちに被害が及ぶ

 

まぁ、早い話

 

この悪霊はこの工場の元持ち主で死んだ後にも工場に執着していた地縛霊

 

再開発が決まって今、デモを起こしてるって事だ

 

「失せるのはあんたの方よ。死んだ後まで世話焼かせんじゃないわよ!」

 

オレンジ色の髪をした良い体した女

 

彼女の名前は美神 令子

 

「吸印!」

 

そう言って手に持っていた幽霊を吸い込む紙

 

除霊道具といった方がわかりやすいな

 

「一丁、あがりっと」

 

それを使って悪霊を吸い取り、2度と復活などしないように紙を燃やした

 

彼女はこの業界ではトップクラスの業績を持っている

 

俺の名前は()() 聖人(まさと)

 

隣で雇い主のシャワーを覗こうとしている男は横島 忠男

 

赤のハチマキがトレードマークの異常にタフで健康で不健全な男だと思えばいいだろう

 

俺の()()()()

 

この事務所で兄弟揃ってアルバイトでアシスタントをしている理由

 

それは兄にとっては美人な女が居るからだろうが俺は死活問題だ

 

幼少期から俺は異常に霊力が高かった

 

サイコキネシスという念力を使ったり、テレポーテーションつまりは瞬間移動を使ったりと色んな超能力使用

 

後に両親がゴーストスイーパー略してGSを頼るのは生後1週間もしなかったらしい

 

そして、俺が今ここに勤めてる理由

 

給料250円で人使いが荒く、どうしようもなくがめつい女の元でちょっと違うアプローチを仕掛けようとは思わないで今日もボコられる兄を見る

 

条件は最悪だがここが適任だからだ

 

俺は絶対にこの力を物にして見せる

 

そんなことを考えていると次の仕事の件が始まっていた

 

 

 


 

 

 

日当たり良好で遠くに霞んでいるが山も見えて景色も良い

 

今から人骨温泉ホテルに向かう途中なのだが、兄がそろそろバテて来たようだな

 

「大丈夫ー?横島くん」

 

「大丈夫っス!!ははは!」

 

明らかに顔色が大丈夫ではない

 

まず、じゃんけんで荷物を持つ人を決めようと兄さんが言うからこうなったのだが・・・きまずい

 

「兄さん、俺が全部持つから美神さんと先に行ってて良いよ」

 

「え、良いのかよ?」

 

「景色も良いし普通にモーション掛ければー?俺と兄さん二卵性だから顔と髪色は全く違うけど女の人はこういう時は簡単だし」

 

普段とは気分はがらりと変わるはずだ

昔から謎の人気はあったしそれを自覚してない辺りがらしいといえばらしいけども

 

「テメーゴラァ!!おのれはモテるから良いよな!!双子でありながらこの差は一体なんだ、くそー!!」

 

「美神さん、先に行ったけど?」

 

「い・・・いかんっ!女っけが無くなって意識が朦朧としてきた・・・!早く進まねば」

 

さっきまでのテンションは急激に下がった

キツかったのは本当のようだったなっと思いきや結構元気に猛ダッシュで走って登っていく兄

 

「元気過ぎない?俺、変わる必要なかったな」

 

感想を言うと荷物を背負い、歩き出して暫くすると

 

「えいっ!!」

 

「えっ・・・!」

 

ギリギリなんとか受け止められたな

 

この子の足が顔の右側にあるけど多少は目を瞑ろう

 

巫女服、ここの近くには神社があるのか

後でお参りにでも行こう

 

それにしてもこの子、今えいって言ってたなっとワザとだということに気づく

幸い、怪我もないしこの子は女の子だ

 

少しだけ揶揄って仕返すか

 

「大丈夫ですかっ!?お怪我はっ!?私ったらドジで・・・」

 

「えいって聞こえた気がするけど・・・!?絶対に君、狙いを定めてたよね!?」

 

揶揄う予定だったがあまりに嘘とすぐにわかることを言うものだからびっくりした

 

その後、顔を見たのがいけなかったのだ

 

好みのタイプドストライクの少女

 

はっきり言って一目惚れだ

 

「今のショックで持病のシャクが・・・!」

 

胸や腹のあたりに起こる激痛、だったよな?

 

「持病のシャク・・・!それは大変じゃないか!?今すぐ病院に・・・!」

 

「ちょうどそこに薬が・・・とってきていただけます?」

 

少女が指さす方向を見た

 

そこには光り輝く看板がある建物がある

ここに誘導したいのは恐らく小学生でもわかるだろう

 

「あ、怪しすぎる・・・」

 

「大丈夫!!怪しくなんてありません!!もーバッチリ!」

 

「何がバッチリなんだよ!?バッチリ怪しすぎるって俺は言いたい訳なんだけどさ!!」

 

こ、怖すぎる

 

急に闇が見え始めたかのようだ

それにしてもなんか違和感あるんだよな、この子

 

「お願いっ!」

 

「あぁもう!女の子がそんな簡単に男に抱きついてはいけない。そんなことされると行かざるを得ないからね」

 

ずるいなぁ、本当に

こんな手法は沢山やられて正直飽きてる

だけどたった今、一目惚れした初恋の相手にやられては仕方ないだろう

 

仕方がないので恐る恐る足を踏み入れた瞬間

 

頭上から直径5mはあるであろう岩が降ってきた

 

普通の人間なら死ぬだろう

 

だが、俺は赤ん坊の時から超能力を使用していたしサイコキネシスなら問題なく使用できる

 

なので、頭上で岩を固定しながら

 

「で、薬どれ?」

 

「あぁ、また失敗・・・せっかく死んでいただけそうな人を見つけたのに・・・」

 

そう言って消えていく彼女

 

「えっ?いなくなった・・・そうか」

 

俺は気づいた

 

あの子は・・・・

 

「俺と同じ超能力が使えるんだな!今度あったら何が使えるか聞こう」

 

遅れた分、早く行こう

 

兄さんに教えたら横取りされそうだから秘密にしとこ

 

次はいつ会えるかな?

 

あの少女に対して自分の中で期待が膨らんでいくのを感じながら急な斜面を登っていった

 

逢いたいな、次はもう少し早く

次会った時に抱きしめてしまおうか?

 

初めて会ったはずなのにこの胸のドキドキが止まらない

 

「まるで・・・ずっと会いたかった人に会ったみたいだ」

 

胸のときめきを抑える術を知らない

どうやって、次はあの子に近づこう?

あの子はどんな男の人がタイプなんだろうか

 

人生初恋の相手を胸に考えながら歩くとすぐに旅館に着いたのだった

 

 

 

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