彼と出会ったのは雨の激しい帰り道だった。
「雨、強くなってきたなぁー」
迷路に虫が迷いこんだように雨水が靴の先から染み込んできている。
(うわぁ、お気に入りの靴だったんだけど、、、、新しいの買ってもらおうかしら。)
少しでも早く帰ろうと公園を通ろうとしたとき、段ボールに誰かがうずくまっていることに気づく。
「なんで?」
「俺ァ、、、誰なんだ?」
うずくまっている人が顔を上げてそう言った。
これが彼との、出会いだった。
これは悪霊の運命から逃れる物語。
記憶が混濁している。自分の記憶はまるで引っ越したばかりの部屋のようにまっさらだ。
(何か思い出せることは、、、、)
ズキリとした痛みが頭に走る
(そうだ、昨日雨のなか女の人が助けてくれたんだ。)
ふと疑問に思う。ここは助けてくれた女の人の部屋だろうか。
ガチャ
「あ、起きた?私の名前は 相良 鏡良 (さがら みら) 何か思い出したことある?」
「なにも思い出せない。」
「そっか、、、そうだこれチョコレートあげる。お腹すいてるでしょ?」
「ありがと。」
そういえばなぜ彼女はここまで優しくしてるのだろうか?チョコレートを頬張りながら考える。
「そうそう、、これあなたの服。私は玄関のほうにいるから着替えたら玄関まで来て。」
渡された服は黒の生地に星と赤のラインが入ったTシャツとジーンズだ。早速着てみると妙にしっくりくる。
「早速着てみたけど、、、おかしくないよな?」
「ちょっと、まぁ、その、ださい。けど似合ってるよ。」
「それは誉めてるのか?、、、モガッ」
口にチョコレートを口に詰められ黙らされる。
「流石に知らない男を家に泊めてるってことがバレたらまずいから、、、記憶が戻るまで泊めるってことを親に報告しないといけないの、ついてきて。」
外に出ると至るとこに地面を突き破って10メートルほどの石柱が生えている。
「あの石柱はなんなんだ?」
誰も気に止めず通りすぎて行くので疑問に思った。
「え!?知らないの?あれは凄い昔から、私が生まれるよりもずっ~~~ぅと昔からあるの。」
「ずいぶん邪魔そうだなぁ。どうにかして退けれないのか?」
その時、トラックが石柱にぶつかる。
ズバラッシャッ!
耳をつんざくような音がしてトラックが石柱と混ざり合う。
「石柱に傷ができるとそれを補おうと石柱は周りの固体を吸い込んじゃうの。」
「トラックに乗ってた人はどうなったんだ?」
「さぁ、巻き込まれた人は戻って来てないから。」
ずいぶん軽く流す。しかし妙だ自分の記憶の断片にはあんな石柱は写ってなかった。だが、自分の覚えている記憶は何年の時なのかわからない。
「さぁ、着いたわよ。私の本当の家。相良家、私の兄弟は皆変わってるから関わらないほうがいいよ。」
驚いた。彼女の家は昔の武士の家のようだ。
「驚いたでしょ?私の家、製薬会社とか銀行とか政治家とかいろいろ集まってるから。」
「でも、どうやって俺を泊めるんだ?こんないい家の人がそうそう許可してくれると思えないぞ?」
そう聞くと鏡良はフフッと笑って。
「私には考えがあるから大丈夫。」