「その程度で、卍解させれないな(ねぇな)(でござるな)」
ツナ、隼人、武の3人は初代たちに同じことを言われた瞬間同時に気を失っていた。
目を覚ますと空には月が登っていた。
「嘘…もう夜かよ」
自分の不甲斐なさに頭を抱え、体を起こそうとすると痛みで動けなかった。
「起きたか沢田。
またコテンパンにやられたらしいな。」
横には火に薪をくべているイチゴが座っていた。
「おぉ、初めての特訓でこんなに早く目が覚めるなんてやるなぁ。」
その横には見慣れない赤毛の死神がいた。
「こいつは志波世界。
俺の従兄弟で9番隊のやつだ。
こいつも卍解の修行のために来てもらった。
沢田と獄寺、お前らは炎熱系だからこいつから学ぶことは多いぞ。
そんでこいつも卍解は習得訓練中だからな、そんだけ難しいんだからあんまり気負うなよ。」
そして起きた隼人と武とも顔合わせをしてその夜は更けていった。
翌朝突然一護から
「獄寺と山本は卍解の修行な。
沢田は世界とスパーリング、そっから卍解の修行だ。
理由?んなもんねぇよ。
強いていうなら気分だ。」
なんてどこぞの家庭教師を思わせることを言い出したため突如スパーリングが始まることとなった。
「ツナ!
小手調なんかせずに最初から始解でやろうぜ!」
世界はそう言うと霊圧が当たりを焦がし始める。
元から赤い髪が霊圧を受けて真紅に染まる。
余力なんか残してやれる相手じゃない。
ツナも斬魄刀を構えた腕を交差し霊圧を高め…
「超えろ『獅炎丸』」
始解したグローブと額に炎を灯す。
そして世界も
「焼き切れ『剡斬』」
斬魄刀から火柱が上がり刃の厚い短刀になる。
「世界、それがお前の斬魄刀か。
霊圧に触れただけで焼け焦げそうだぜ」
「それはお前もだろツナ。
正直ビビって手元が震えるよ」
お互い一瞬視線を交わすとその場から姿を消す。
刃とグローブがぶつかり合い、その熱があたりの草木を蒸発させる。
それを頬杖ついて見守る一護。
「…そうだ、それでいい。
てめぇらはそれでどんどん霊圧をあげろ。
それなら卍解に近づけるはずだ。
あとは山本と獄寺か…どうしたもんかなぁ」
武は突然の大雨に打たれていた。
目の前には初代守護者が立っている。
天候を支配する力、これが蒼燕の力の一つなのか。
大空の7属性の一角、雨の属性にふさわしい刀だ。
「山本武、お主に問おう。
なぜ更なる力を求める。」
初代守護者・浅利雨月が太刀を構えて問いかけてくる。
武もすでに大太刀・雨月に変形させ構えている。
「理由か…考えるまでもねえよ。」
隼人は砂嵐に巻き込まれていた。
視界が安定しない。
この空間に自分と初代嵐の守護者がいることしか認識できない。
これが俺の斬魄刀…飛んだじゃじゃ馬じゃねえか。
「獄寺隼人、なぜ卍解を手にしたい。
またデーチモのためって言って命を投げ出すんだろ?
そんな力やるわけねえだろうが。」
若い頃の隼人のことを指していっていることはすぐ察しがついた。
ならば言わねばなるまい。
「はっ、初代守護者ともあろう者が随分古い話持ち出すじゃねえか。
あたりめえだろ、十代目をお守りするのが守護者たる俺の役目だ。
だがなぁ、卍解が欲しいのは別の理由だ。
それはなぁ」
隼人と武の声が重なる。
『ファミリーや仲間と一緒に笑って過ごせる明日を作るためだ!』
2人の覚悟を受け止めた初代守護者たちは笑みを深くする。
そして
『合格だ。
これより試練を始める。
俺たちを倒してみろ、十代目嵐(雨)の守護者よ!』
譲れない大一番が始まる。