「えぇと、沢田綱吉。
並盛出身、並盛高校卒業後イタリアのマフィア・ボンゴレファミリーの10代目ボスの座を継ぐ。
家族は妻1人、息子1人、娘1人。
享年60歳。
君の在り方は外見も相まって初代大空の再来と謳われた。
ここまでで間違っていることは?」
「ありませんけど、なぜ俺のプロフィールを調べてるんです?」
混乱するのも無理はない。
縄で縛られ連れてこられて、第一声が死神への勧誘に始まり、次が自身のプロフィールの読み聞かせだ。
はっきり言って意味がわからない。
「あ、じゃあ続けるね。
そして10代目候補時代に世界最強のヒットマンリボーンに鍛え上げられ、自分の肉体を乗っ取ろうとする者や同じボス候補、果ては未来の世界で世界を支配するマフィアのボスと戦い生き抜いた。
さらに何百年も生き続ける亡霊やらにも打ち勝つ。
うん、文字だけ読んだらどこの漫画の主人公って感じだね。」
「あ、そこ間違ってます。
リボーンに鍛えられたのはボスになってからもです。」
反射的に答えてしまうツナ。
隊長の腹の底が読めない。
「問題はここだね。
虹の代理戦争において各強敵を撃破し、さらに夜の炎を扱う復讐者のボスのバミューダ・フォン・ヴェッケンシュタインに対して死ぬ気の到達点に達して勝利した。
これも間違いないね?」
鋭い視線を送ってくる京楽。
これまでの雑談然とした口調から詰問調の口調に切り替わるのを感じる。
しかし嘘をついたところで仕方がない。
「…そうですよ。
そんでバミューダ達にアルコバレーノのシステムを引き継いでもらって、ご存知の通り俺はボンゴレを継いでます。
可愛い妻子持ちになってね。」
「あぁ、やっぱり…
それはそうと君本当に童顔だよね、妻子持ちって書いてあって一瞬疑っちゃったよ…」
「はいはい、何人がその言葉を吐いて後悔したと思ってきてるんですか」
ツナから飛んでくる殺気に冷や汗を垂らす京楽と七緒。
獅子の逆鱗に触れるものは何人たりとも許されない。
「ごめんねぇ、だから殺気飛ばすのはやめてね。
さて、本題なんだけどね。
綱吉くん、君今死んでるのはわかってるよね。」
「そりゃまあ。」
「それでね今僕や君の体、それからこの世界は霊子ってのでできてんのよ。
この霊子は人がそれぞれ持つ霊圧っていう生命エネルギーの中でも巨大な霊圧によってとても影響を受けちゃうのよね。」
京楽が言わんとしてることが今一わからないツナ。
「えっとね、綱吉くんさ。
霊圧かなりでかいんだよね、総隊長の僕よりも。
しかもそれが無意識に垂れ流されてるから、今すぐじゃないんだけどしばらく近くにいると影響を受けた霊子が崩壊しちゃうんだよね。」
霊圧とやらの平均値がわからないがとにかく悪影響らしい。
「でね、このままだと君を処刑しなくちゃいけないんだ。
霊子の状態で死ぬとチリになって魂の輪の中に戻るからね、安心していいよ。」
「何一つ安心できる要素がねぇ⁈
何言ってるんですか、嫌ですよ。」
怒涛のツッコミが冴え渡る。
「だよねぇ。
そんな君が生き残るためにはね、霊圧のコントロールを覚えてもらう必要があるのね。
そのために死神の養成学校に入って、ついでに死神にならない?
君に損はないと思うよ、というより申し訳ないけど選択の余地がないよ。」
はぁ、死んでも変わらねえのか。
さようなら、俺の平凡ライフ…
「わかりましたよ、なりますよ死神に」
「へぇ意外だねぇ…
君はもっと嫌がって渋々納得するかと思っていたんだけど。」
京楽の疑問はもっともだ。
元来ツナはそういう人間だ、だが
「そりゃマフィアのボス何年もやってりゃ諦めることが肝心だって風にもなりますよ。」
そこには童顔の可愛らしい顔からは想像もつかない哀愁が漂っていた。
かくしてツナは死神になることが決まった。