BLEACH Xoversoul   作:カチドキホッパー

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22話

「卍解、凍獅子死炎丸!」

 

 ボンゴレギアのグローブを澄み渡る硬質な蒼で染め上げたが手甲部分が鎧のように繋がっている。

 それ以外は普段のツナだ。

 しかし、そこから放たれる覇気は見ている者が冷や汗を禁じ得ない程の圧があった。

 

「待ってたぜツナ!

 どんなカラクリで俺の流星と炎牙を消したかしらねーが、まだまだこれからだぜ!

 くらっとけ!

 月牙、炎衝!」

 

 焔の三日月がツナに迫るが

 

「死ぬ気の零地点突破、ファーストエディション」

 

 ツナが手をかざして受け止めた瞬間、斬撃が凍りついた。

 見ていた世界は震えた。

 

「まじかよ…

 お前の卍解は、炎の対極の氷だってのか!」

 

 俯いていたツナが顔を上げる。

 その瞳は、先ほどまでのオレンジ色ではなく、グローブと同じ澄み渡る蒼に染まっていた。

 

「そうだよ、俺の卍解は俺の魂に宿る祖先の力を解放したものだ。

 俺の先祖、ジョットが生み出した炎を凍らせる奥義、零地点突破を卍解で解放した。

 代償としてこの状態では炎は使えない、けど。」

 

 瞬時に世界の前にツナが移動する。

 

「今の俺には瞬歩がある。

 零・アクセル!」

 

 ツナの拳には圧縮した吹雪が渦巻いており、それが世界の腹にめり込む。

 その螺旋は塞ごうとする炎の鎧すら凍てつかせ、腹部を削っていく。

 たまらず場外際まで吹き飛ぶ世界。

 しかし

 

「まだだ!

 俺の奥義も出さずに終われるかよ!

 受け取れツナ!

 これが正真正銘、全力全開!

 覇炎流奥義!鳳凰、炎王斬!」

 

 振り抜いた斬撃から炎の鳳凰が羽ばたき、ツナに襲い掛かるが

 

「俺だって負けられない!

 死ぬ気の零地点突破・凍獅子氷牙!」

 

 三角を描くように構えたツナの手から氷の獅子が飛び出していく、そして炎の鳳凰とぶつかり合い…

 

 

 辺りを閃光が包む。

 

 

 そこに立っていたのはツナだった。

 世界は刀を地面に突き刺しひざまづいている。

 

 これは沢田の勝ちだな。

 

 誰もがそう思っていた。

 だが、

 

「ねぇ世界?

 まだ全力じゃないよね?」

 

 ツナはそう思ってはいなかった。

 思わずツナを見上げる世界。

 周りもどよめく。

 卍解になった時点で全力だ、普通ならば。

 しかし、ツナは確信している。

 超直感、見透かす力の前で嘘はつけない。

 

「…なんで、わかったんだ?

 俺は、少なくとも全力だったはずだぜ?」

 

 世界は申し訳なさそう聞く。

 ツナはそれに烈火の如く怒った。

 

「全力なのは知ってたよ。

 本気じゃないことに気がついたのは、俺の呪われた血のおかげだよ。

 俺の前で、誰も隠し事はできない。

 それよりも…

 

 

 

 

 

 

 ふざけるな!

 みんな全力で戦っているんだぞ!

 うちのメンバーも、お前のところのメンバーも!

 ここは修行の成果を出すところだろ!

 舐めるなよ!俺はまだ世界、お前に勝てたと思ってないぞ。

 出せよ、本気を!」

 

 たたかいをきらうツナが、相手が本気になっていないことに怒っている。

 稀を通り越して守護者ですら見たことのない光景だった。

 それだけ許さなかったのだ。

 共に修行をしたライバルとも言うべき男が底を見せてこないと言うことが。

 そしてその想いは世界に届く。

 

 

「…悪かったなツナ。

 別に手を抜いたわけじゃないんだ。

 ただ、この力は危険すぎるし俺自身まだ制御できていないんだ。

 でも、そうじゃないよな。

 お前に勝つには、これしかない。」

 

 そして世界は卍解したまま刀を体の前で横に構える。

 そして炎の温度が徐々に跳ね上がる。

 気づけばその炎は、赤色から青い炎に変わっていた。

 

「卍解、第二階層

 蒼炎斬華。

 悪いなツナ、これは手加減できねーぞ。

 月牙、炎衝!」

 

 先ほどよりもはるかに早い炎の斬撃がツナに迫る。

 

 これは、凍らせられない!

 

 そう判断して瞬時に避けるツナ。

 斬撃は結界を瞬時に焼き切り壁を貫通する。

 

「わかったろ?

 俺にはこの炎が制御できない。

 もう止めよう。

 俺は、勝ちたくてもお前を殺したいわけじゃないんだ。」

 

 確かにこの炎は止められない。

 下手をすれば観客にも被害が出かねない。

 審判が中止の声をかけようとした時

 

「…で、なくっちゃな。

 さっきまでの世界の卍解が本気だったら拍子抜けだ。

 だけど、待っていたぜこの時を。」

 

 その瞬間、ツナの額に炎が灯る。

 始解ではない、それは霊圧を見れば分かる。

 沢田綱吉の卍解は氷を操るものだ。

 誰もがそう思っていた。

 彼の守護者以外は。

 

「山本、出るぞアレが。」

 

「あぁ、俺たちの大空の、本当の姿、だな!」

 

 その言葉に呼応するようにツナのグローブの表面が、なんと溶け出した。

 

 そして、真紅のグローブが太陽に反射して輝く。

 その瞳は澄んだオレンジ色をしていた。

 

「俺の卍解は、俺に宿る先祖の力を解放した氷の力だ。

 だけど、この卍解は俺本来の魂の力だ。

 止められないなら、焦がすだけだぜ。

 

 

 

 

 卍解、天獅子死炎丸(あまつじししえんまる)」

 

 ツナを守るように炎のオーラが円となり漂う。

 そして先程の卍解ではなかったベルトと装飾品が付いていた。

 世界が叫ぶ!

 

「見てくれが変わっただけじゃ俺には勝てないぜ!

 俺の炎は止まらない!

 月牙炎衝乱れ咲!」

 

 乱れ舞う炎の斬撃がツナをおそう。

 

 しかしツナを前にして、炎は勢いを失い、なんと灰になり足元に落ちる。

 

「誰が、見てくれだけだって?

 俺の炎の特性は調和、俺の領域に入ったものは調和によりて灰となる。

 霊圧も、その身を焦がす炎も限界だろ?

 次の一撃で終わらせる。

 ナッツ、形態変化!」

 

 ツナが両手を交差して構える。

 ここで応えなきゃ男じゃねえ!

 世界も刀を鞘に収め力を貯める。

 2人の高まる霊圧に会場の壁すら焦がされていく。

 そして、全力の2人一撃が放たれた。

 

「ダブルイクスバーナー!」

 

「真打奥義、終焔散華!」

 

 2人の炎がぶつかり合い、あたりはホワイトアウトを起こした。

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