そっと目を開くと見慣れない天井があった。
そして視界に揺れ動くオレンジ色の髪。
そっちに目を移すと一護が心配そうに俺をみていた。
「…沢田、目が覚めたか?
体、痛くねえか?」
答えようとするけど声がうまく出ない、てかめちゃめちゃ体が痛い。
初めてハイパーモードになった時の筋肉痛の比じゃないくらい痛い。
「んなわけねぇか。
喋りづらそうだから、大将戦の後のこと教えとくぞ。
お前と世界の大技のぶつかり合いの余波で会場がぶっ飛んでな、大会は中止だ。
ていうかな、九番隊とうち以外卍解使えるやついなかったみたいで、全員棄権したらしいわ。」
大笑いしながら一護が続ける。
「結果的にお前らが優勝って扱いになってな、そのうちご褒美があるらしいぜ?
しかし、最後の技は俺の月牙でも勝てねえかもな。」
笑いながら立ち上がる一護。
「獄寺と山本はもうすっかり元気だぜ、お前が治り次第祝勝会やるからな!
だからのんびり治せよ。」
手を振りながら立ち去る一護を見ながらツナは意識を飛ばした。
それから5日後、13番隊舎で祝勝会が行われていた。
隊長のルキアが音頭をとる。
「沢田、獄寺、山本!
優勝と卍解習得おめでとう!
今日は無礼講だ、ジャンジャン飲め!
乾杯!」
隊士たちと酒の入った盃をぶつけ合い、飲み干すツナたち。
ボンゴレボス時代に酒を浴びるほど飲まされザルだった。
1時間ほど他の隊士と飲み食いしてると、隊長と副隊長に呼び出された。
「お前たち、よく頑張ったな。
総隊長と話し合ったのだが、大会優勝もさることながら、卍解の習得、そしてそれぞれの大技は隊長格レベルではないかと言う意見も出ておってな。
そして各隊長、さらに私と一護の意見も取り入れられてお前たちへのご褒美が決まった。
まず山本、12席に昇格。
もっと上でもいいのではとの意見もあったが、お前の日頃の事務処理の関係が問題になってな…」
そう、山本は天才肌でなんでもできるのだが事務処理はてんでやる気を出さず遅々として進んでいないことがほとんどだった。
苦笑いのツナと獄寺。
「次に獄寺、11席だ。
9番隊の席官を倒したこと、日頃の事務処理や任務での功績も加味されたが、お前の場合は最初の頃よりは落ち着いたが多少振る舞いも改めてもらいたいところであるな。
わたしたちや沢田たちだけではなく、誰にでももう少し優しくしてやってくれ。」
隼人が照れ臭そうにほおをかく。
あまり認められ慣れていないが、それでも最近は素直になってきたところだ。
「最後に沢田、二形態の卍解の使い分けも驚かれたが、それ以上に最後の大技が話題を呼んでいたぞ。
だぶるいくすばぁなぁだったか?
志波の技も大したものだが、沢田のも隊長クラスの技と絶賛されていた。
そして、日頃の他の隊士たちへの優しさや気配り、獄寺や山本にいうことをきかせているのも見事なものだ。
よって沢田、お前を10席へ命ずる。」
席官への昇任。
なかなかやろうと思ってできるものではないが、なおかつ末席ではなく中盤のポジションだ。
「当然、おまえらへのやっかみもあるだろう。
しかし、それだけの実力を示したと言うことだ。
胸を張るがいい!」
朽木隊長からの激励で締められた祝勝会。
だけど俺たちはこの時何も気づいていなかったんだ。
実力を示し、卍解を習得したとはいえ、なぜ10席に昇格したのか。
俺たちを待ち受けるものに。
そして再び、俺たちの炎が引き合っていることに。
俺たちは、自らの業と向き合うことになる
のんびりやらせていただいております。
次回から新編・因果虹炎編を始めますのでちょっと短くしました。