BLEACH Xoversoul   作:カチドキホッパー

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26話

「六道骸、君は僕が噛み殺す。」

 

 現霊術院学長にしてボンゴレ十代目ファミリー最強の雲の守護者、雲雀恭弥が始解したトンファーを構える。

 

「クフフ、死んでもその武器で戦うのですね。

 思い出してください、雲雀恭弥。

 いかに並中ケンカランキング1位だった君でも、結局僕には手も足も出なかったじゃないですか。」

 

「ワォ、随分と懐かしい話を出してくるね骸。

 確かに本気で殺し合ったのはあれが最後だったからね。

 主にうちのボスのせいで。」

 

 そう、ファミリー時代に喧嘩っ早い連中(主に恭弥と骸、ヴァリアー)が私闘をちょくちょく繰り広げてくれていたおかげで本部を壊しまくられて、修繕予算が莫大になりツナが不殺の掟という名の私闘禁止ルールを定め平和に余生を送ったと言う心温まるエピソードがあったりしていた。

 

「クフフ、何を言っているのかわかりませんが…

 ボンゴレ十代目の前にあなたから消してあげましょうかね。」

 

 そしてぶつかり合う恭弥と骸。

 何度も激しい打ち合いが行われるが、次第に劣勢になるのは骸だった。

 

「おやおや、随分と腕を上げたようだ。」

 

「?

 君一体何を言っているんだい?

 とうとうその頭のヘタに養分吸い取られてボケたのかい?」

 

 ブチっ!

 

 なにかがキレる音が鳴り響いた。

 

「いいでしょう、雲雀恭弥!

 君には手加減は必要なさそうだ。

 僕を怒らせたことを後悔しながら魂を食べられるといい。」

 

 骸はそう言うと刀を自らの右目に当てる。

 

「堕ちろ!輪廻…」

 

「オチツキナヨ、強欲。」

 

 その声が聞こえた刹那、卍解を解いていたツナが地面に叩きつけられる。

 ツナの上には誰もいない。

 しかし明らかに何かの力が働いていた。

 

「おやおや、今日は随分と刀剣開放を邪魔されますね。

 しかしまさかあなたが出てくるとは思いませんでしたよ、暴食。」

 

 暴食と呼ばれた男はその名に反して細身だ。

 白い服は学ランのようで、巨大な口を開けた仮面をかぶっている。

 隙間から見える髪の毛は赤毛だ。

「僕も出るつもりはなかったんだけどね、死神になった守護者たちが集まっていたから挨拶に来たんだ。

 だけど、僕らは強くなりすぎたみたいだ。

 まさかこの程度で立ち上がれなくなるとは思わなかったよ。

 その点君はさすがだね、雲雀恭弥くん。

 まさか始解のままで抗えるなんて。」

 

「…この力、覚えがあるよ。

 まさか君までそっちについているなんてね、もう一人の小動物。」

 

「懐かしいな、君にはそう呼ばれていたね。

 相手をしてあげてもいいのだけど、今日は忙しくてね。

 もしその気があるのなら僕たちの聖域、虚圏までおいでよ。

 あと3ヶ月は何もしないから、それまでにもっと強くなっておいてね。

 じゃあね…ツナくん。」

 

 地面にうずくまりながら暴食と呼ばれた男に手を伸ばすツナ。

 

「待て…待てよ!

 なんでお前までそっちにいるんだ!

 言えよ!

 

 

 

 

 炎真!」

 

 ツナの叫びは破面達がいなくなった、雨空に響いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 それから2日後のソウルソサエティ。

 隼人と武は無事だったものの、ツナは体のダメージと心のダメージが共に大きく入院していた。

 

「どういうことだ雲雀!

 敵の、破面の正体が骸と古里炎真だと⁈

 なぜ守護者と同盟ファミリーが死んだ後に牙をむいてんだ!」

 

「落ち着けよ獄寺、雲雀もわかんねーだろ流石に。

 でも雲雀、本当にあいつらで間違いねーのか?」

 

 隼人と武は心の中でそれが真実だとわかっていた。

 そうでなければ体のダメージはともかく、ツナが心にまでダメージを負う説明がつかない。

 雲雀は一つため息を落とすと、そっぽを向きながら話す。

 

「落ち着きなよ隼人。

 今死神のファミリーの中で一番長生きしてたのは君でしょ。

 少なくとも君が死ぬまで彼らは生きてたの?」

 

「…それは間違いねえ。

 十代目の通夜で二人とも顔を合わせてるからな。」

 

「なら、あの二人本人である可能性は薄い。

 だけど、あの破面が魂の一部は保有してると見るべきだろうね。」

 

 武が首を傾げる。

 

「多分武はわかんないだろうから隼人が理解して。

 破面はどんな虚でもいきなりはならない。

 多くの魂を食べて成長した末の姿だからね。

 だからここ一年以内に死んでてもあんなことにはならないはずだよ。

 もちろん彼は特殊な人間だから断定はできないけどね。」

 

 つまり、現状は何もわからないと言うのが一番正確な話だ。

 そこへ一護が割り込む。

 

「恭弥、つまりなにか?

 あの破面どもはお前らの知り合いだけど本人かどうかは断定できねえってことだな。

 その二人の力を教えてくんねーか?」

 

「そうだね。

 まずはパイナップルヘアーの六道骸。

 あいつは六道輪廻全ての世界を回った記憶があってその力を使える。

 あとは幻術だけならこの世界でも三番の指に入る術者で格闘もできる。

 次に赤毛の古里炎真。

 彼の力は僕たちの使う大空の7属性と対をなす大地の7属性の炎を使う。

 7属性の炎ってのは綱吉が大空、隼人が嵐、武が雨、僕が雲でそれぞれの力が天候になぞらえられているんだ。

 綱吉は卍解で見せた調和、隼人が分解、武が鎮静。

 そして古里炎真が使う大地の炎は重力を操る。

 だから、最後に謎の力が働いたのは重力操作だよ。」

 

「マジかよ…それならまだまだ強くならねえと戦いにならねえぞ。

 それに沢田、あいつの心にダメージってのはシャレになんねえレベルだからな。

 なんかしてやらねえと。」

 

「はーい、ちゅうもーく。

 おじさんから発表だよ。」

 

 そこに来たのは京楽。

 

「綱吉君なら大丈夫だよとっておきの人達が来てくれてるからね。

 それから、破面の話聞いたよ。

 攻め込む時はお前さんたちの力も借りるからもっと強くなってもらわないとね。

 だから個別にパワーアップしてほしいんだ。

 一護くんは別メニューね。

 雲雀くんは、なんとかなるでしょ。

 獄寺くんと山本くんは稽古を別の隊の隊長に頼んでるからね。

 あ、あと君たちには彼らを鍛えてほしいんだ。」

 

 そして奥から新たに二人の死神が入ってくる。

 その姿を見てボンゴレ守護者たちが驚く。

 

「お、お前らは…」

 

 

 ツナはベッドに座り日が暮れる空を眺めていた。

 手も足も出なかった。

 それに、また骸と炎真と戦わないといけないだなんて。

 かつて命懸けの戦いを超えて友となった二人を、死してまた殺さねばならない。

 ツナの心は引き裂かれそうだった。

 その時背後から抱きしめられた。

 柔らかい、人の温もりを感じて我に帰るツナ。

 

「…1人で、苦しまないで。

 どんなことも私が受け止めるから…

 

 ボス。」

 

 ボス。 

 女性の声でそう呼ぶ人間は俺が知る中でただ1人。

 後ろを振り向けないまま声を絞り出す。

 

「…なんで、ここにいるの。

 俺が死ぬ前に、長く生きて子供たちを見て、戦いのない世界で幸せに過ごしてって約束したじゃないか!

 なんでもう、こんなところに来てるんだよ、凪!

 

 

 いや、クローム髑髏!」

 

 ツナの背中にいたのはかつての霧の守護者の片割れ、クローム髑髏だった。

 なんでこんなに早く死んでこっちに来ているんだ。

 ツナの頭はいよいよ限界だった。

 

「ったく、死んでも相変わらずだな。

 なんの因果か他の守護者たちもここ最近死んでこっちに流れてきてるんだ。

 やはりお前らは、危機を乗り越える時に引き合う定めなんだろうよ。」

 

 病室の入り口から声が聞こえた。

 相変わらずきっちり黒スーツに身を固め、ボルサリーノの鍔で目元を覆っている。

 

「なんでお前までここにいるんだ、リボーン⁈」

 

「チャオ、ダメツナ。

 相変わらずCHAOSなことに巻き込まれてんな。

 死ぬ気になる時間だぞ。」

 

 そこにいたのはツナの家庭教師、世界最強のヒットマンにして黄色のアルコバレーノ、成長したリボーンだった。

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