『続いて霊術院学長からの挨拶です』
「僕から教えることはただ1つ、群れたら噛み殺すよ。」
「嘘ぉ⁈」
話は30分前に遡る。
京楽総隊長の勧めにより死神となることを決めたツナ。
真央霊術院。
そこは創立2000年を誇る死神養成を目標にした学校。
制服である白地に黒いラインが入った着物を着ている。
これより入学式、その後にクラス分けの試験が行われる。
「はぁ、この歳になって学生とはね。」
イヤイヤの体を取ってはいるが失われた青春を取り戻すことを考えているこの童顔はこの後待ち受けている恐怖を未だ知らない。
「ねむてぇ」
来賓の挨拶やらどうでもいい話が30分ほど続きツナの眠気はピークだった。
『続いて霊術院学長からの挨拶です。』
どんなおっさんが出てくるのやら、もしかして京楽さんか⁈
そんなツナの思考は数秒で砕かれることになる。
出てきたのは切長の目をした死覇装に雲の刺繍がされた薄紫の羽織を羽織った男だった。
そういえば晩年はあんな白髪でアラウディに似てるって言われてたな、うちの雲の守護者は…
は?雲の守護者?
「僕から教えることは一つ、群れたら噛み殺すよ。」
「嘘ぉ⁈」
そこに立っていたのは前世の雲の守護者、雲雀恭弥だった。
『それでは入学式を終了します。
続いて浅打の授与を行います。」
いや、発言に突っ込めよ。
突っ込まないってことはそれなりに毒されてるな。
雲雀の挨拶に戦慄しながらもペースは崩さない。
これから渡される浅打は死神となる上で必要な刀で、常に身につけることで自らの魂の写身となりそれぞれの名を得る。
死神はその名を知ることが一人前の条件とされるらしい。
そしてツナが受け取る番がやってきた。
そこには底冷えするような獰猛な笑みを浮かべた恭弥が立っていた。
「やぁ綱吉、死神になるんだってね。」
「どうも恭弥さん…あなたの死に目以来ですね…」
びくつきながらも浅打を受け取るツナ…
「あ、君試験受けなくていいよ。
特進クラス、というか僕が個人授業するから。」
「は⁈」
そう言いながら自身の斬魄刀を抜き出す恭弥。
いや、他にも渡す学生いるでしょ。
と振り返ると、他の教師が渡していた。
「京楽さんからも頼まれているけど、緩くやるわけないよね。
死ぬ覚悟してきなよ。」
「いや、もう死んでますけど⁈」
しかし雲雀はやると言ったらやる男だ。
今しがた受け取った浅打をぬき構えるツナ。
次の瞬間には恭弥が目の前に切りかかっていた。
「はやっ」
受け止めるので精一杯ながらも懸命に食らいつくツナ。
「まだまだこんなものじゃないでしょ、本気だしなよ。」
霊体になってからツナは死ぬ気モードになれない。
死んでいるからとかではなく、体内の生命エネルギーが霊圧に変わったためうまくコントロールできないので素の力で戦うしかないのだ。
「君、まだ霊圧をコントロールできないの?
そんなんじゃ僕に殺されるよ。」
逆手に持ち替えた斬魄刀に霊圧を圧縮して再現するのは
「雲の炎⁈」
紫炎を纏う鋼が振り下ろされる。
「ぐぅ、…がぁ⁉︎」
受け止めきれず弾き飛ばされ壁に叩きつけられるツナ。
「君が無意識に纏っているもの。
死ぬ気の炎の様に放出すればいいんだよ。
君にできるのはそれくらいだろう?」
そんなバカ扱いしなくても…
てめーは格好つけてもヒーローになんかなれねえんだ…
そうだ、リボーンが言ってたようにシンプルに
ボゥ
ツナの浅打にわずかな炎が灯る…
「へぇ、やっぱり君は面白い…」