うっすい、ほんとに純度もクソもないくらいの大空の炎が浅打に灯った。
こっちの世界では霊圧だっけ。
そんなことはどうでもいい。
今恭弥と戦える力ならなんでもいい。
「流石に死ぬ気モードにはなれないか…」
霊圧を刀に流し込めた勢いで起きろ奇跡、とか思ったがそんなにうまくいくわけないか…
しかし恭弥の刀の炎の純度は前世となんら遜色はない。
「ふーん、これ以上は始解しないと無理だね。
見てて綱吉、これが君がまず目指すべき目標だよ。」
恭弥は逆手に持った斬魄刀を構え、その腕に交差するように左手を構え霊圧を迸らせる。
「我が道を行け、『雲雀』」
そう唱えると斬魄刀は紫炎を纏うトンファーに変わっていた。
「これが僕の斬魄刀「雲雀」の始解だ。
君は霊圧コントロールだけさせてもうまくいかないだろうから、今日から始解した僕とスパーリングね。
リング争奪戦の時も未来でも似たようなことしたでしょ。
早く霊圧コントロールしないと君、死んじゃうよ。」
そしてその日はなんとか炎を絶やすことはなかったがボコボコにされて意識が飛んだ。
起きると医務室のようなところにいて真横にはどでかいリーゼントが死覇装を着ていた。
「あぁ草壁さん、死んでも恭弥さんの補佐なんですね。」
「沢田さん、お久しぶりです。
雲雀はあなたに厳しいですが、誰よりもあなたのことを買っています。
気を落とさず、食らいついてください。
座学の方は俺が副学長として専任で受け持ちますので気楽に聞いてください。」
風紀副委員長として恭弥のサポートしていた男はどうやら死後もその立ち位置を変えるつもりはないようだ。
そしてその晩は多少の座学の後、また地獄の朝を迎えることとなった。
「さぁ綱吉、復習の時間だよ。
君はどれくらい炎を灯せるかな?」
始解状態の恭弥がやる気満々で待ち構えていた。
俺は息を吐いて集中する。
「シンプルに自分の力をそのまま刀に…」
ボゥ
昨日よりも大きな炎を灯した、それは誰が見ても澄んだ橙色と言えるほどはっきりとした炎だった。
「へぇ、多少はマシにコントロールできる様になったんだね…
なら手加減はいらない、な‼︎」
言い終えるとアホみたい速度で踏み込んでくる。
「そんなわけないでしょう⁈」
そのまま刀を前にかざすととんでもない衝撃を受け止めることになった。
そんなことを1週間も繰り返すうちに多少は霊圧をコントロールできるようになった。
ついでに日に日に恭弥は加減をしなくなっていっていよいよ4番隊で本格的な治療を毎日受けている。
しかし俺もただでやられる気はない。
今日という今日はぶちのめしてやる。
「ふぅん。
今日はいつにも増してやる気だね。
そんな殺気を向けられるとやる気になっちゃうな。」
「今日こそその済ました顔に一撃入れてやりますよ恭弥さん。」
なんせ今日の俺は…刀から炎を逆噴射できるからな…
「ワォ
やっぱり君は面白いね…
そろそろ次の段階でもいいかな。」
始解状態の恭弥と打ち合い一撃入れそうになった瞬間、恭弥が姿を消した。
「瞬歩、死神の基本戦術の一つで霊圧操作による高速移動を可能にする。
そして斬魄刀はそれぞれ固有の能力を持つ。」
そういうと高速の弾丸をトンファーで打ち込んでくる。
「いやいや恭弥さんギア上げすぎ」
高速でくる攻撃に避けるしかないツナ、しかし
「あ、やべ」
当たると思って目を瞑る、が
衝撃はいつまで経っても来なかった。
「ふぅあぶねえあぶねえ。
雲雀の奴が毎日稽古つけてるって聞いて様子を見にきたら案の定だ。
やりすぎだぜ。
おっと、そんなことよりこれ言っとかないとツナにはいけねーよな。
助っ人とーじょー‼︎」
目を開けるといつもの笑顔がそこにはあった。
死ぬ前となんも変わらない…
「武ぃ…会いたかったよぉ」
雨の守護者山本武が当然のように死覇装を纏って立っていた。
「やぁ武、綱吉との相手ばかりも飽きてきてね。
なら君と僕で綱吉に看取り稽古をさせようよ。」
恭弥はものすごい笑顔で言い放った。
「それもいいな。
ツナ、始解まだだろ?
でもな、お前はすげー奴だからすぐできるさ。
今は俺らの戦い見てろよな?」
そういう笑顔の武が斬魄刀を構える
「恵みをもたらせ『蒼燕』」