俺はどこにでもいる普通の一般人。
小学校も中学校も特になんの問題もなく進級し、今は高校生だ。
あ、いや一個だけ問題はあったな。
小学校六年生の時にイジメられたのだ。
クラスで一番背が高かった男に、俺は少しイジメられた。
殴られたりなどは無かったが、そいつは無駄に広い人脈を活かし、俺をクラスで孤立させようとした。
小学校での俺のあだ名は「う〇こマン」。
俺が小一の時に大便を漏らしてしまった話を何処からか聞きつけ、クラス全体に広めやがったのだ。
そいつの取り巻きの奴らには散々う〇こマン、う〇こマンと言われ傷ついていたが、慰めてくれる人たちもいたので、俺はそのイジメの主犯が転校するというのを知っていたので、なんとか耐えることができた。
転校の理由は父親と母親が離婚して、父方の実家に引き取られるかららしい。
俺をイジメた理由は、それでストレスが溜まっていたからなのだろうか。
まあ今となっては知るよしもないが。
おかげで中学校は平穏に過ごすことができ、無事、高校に進学することができた。
今は高校で眠気に抗いながら授業を受け、休み時間は友達とゲームや下ネタの話をし盛り上がる。
帰りは友達とカラオケに行って、喉が枯れるまで歌う。
夜は家族に学校であった事を話し、笑い合う。
これからの人生に希望を持っている普通の高校生として、高校生活を謳歌していた。
今日も友達とカラオケに行く予定だったが、友達が体調を崩して学校を休んでしまい、結局行けなかった。
俺は今、一人で家への帰路を歩いている。
ここ最近、毎日友達と遊んでいたので、一人で帰るのは久しぶりだった。
「ん……?雨か」
ポツン、ポツンと雨が降ってきた。
最悪だ。今日は雨が降らないって聞いていたのに。
俺は走って帰ろうと思ったが、雨の勢いがどんどん強くなって、このままではずぶ濡れになってしまうので、俺は近くにあったコンビニで雨宿りした。
ジャンプでも読みながら雨が止むのを待とうとしていたが……
「……全然止みそうにないな」
ここで待っていても仕方がないし、早く家に帰ってゲームをしたかったので、俺はビニール傘を買って外に出た。
雨の勢いは最初より全然強くなっている。
そして歩き始めて十分が経った。
雨は一向に止む気配がないが、俺はもう家のすぐ近くまで来ていた。
そして今、俺の前には三人の高校生がいた。
制服を見た感じ、俺と同じ高校だ。
確かこいつら隣のクラスにいたような……あ、思い出した。
女は七星静香と、男のほうは篠原秋人と黒木誠司だろう。
言い争いをしているようで、俺には目もくれず、喧嘩に夢中になっている。
俺はそれを無視して、通り過ぎた。
関わる必要もないしな。
会話が後ろから聞こえてくる。
「――だから、あんたが――」
「おまえこそ――」
「まあまあ──」
言い争いをしていのは篠原と七星で、黒木はそれを諌めているようだ。
だが、俺は後ろにいる三人よりも、今、目の前にいる存在のほうに気を取られていた。
そこにいたのは変な匂いがするデブのおっさんだった。
別にデブに対して偏見を持っているわけではないし、そんな人を見かけてもジロジロ見たりはしないが、今回は違った。
おっさんの服にはところどころ血がついており、よく見れば顔に殴られた跡もあった。
普段なら無視して家に帰るが、俺はただならぬ様子のおっさんに声をかけようとした。
それは正義感から来た行動か、それとも別の何かか。
俺は自分がイジメられていた時のことを思い出したのだろうか。
「大丈夫かよ、おっさ──」
話しかけようとした、その時だった。
おっさんがいきなり、七星たちの方向に向かって走り出したのだ。
俺は呆気に取られたが、すぐに後ろを振り向いた。
そこには、今まさにトラックに跳ねられようとしている七星、篠原、おっさんの姿があった。
黒木だけは、トラックの進路の外にいる。
この時俺は奇怪な現象を見た。
跳ねられる直前、七星と篠原の姿が一瞬で消えたのだ。
だが、驚いている余裕はなかったのだ。
おっさんだけは何故か消えず無惨にもトラックに跳ねられ……
「がはっ!」
俺もそのままトラックに跳ねられた。
とてつもない痛みを体に感じる。
七星たちに気を取られていなければ、ギリギリ逃げれたかもしれない。
(あ、やべ、意識が……)
ここで俺の意識は闇に堕ちた。
次の更新はもう少し後ですが、無職転生の世界観を壊さぬよう慎重に書きますのでよろしくお願いします!
追記
1から作り直しているので主人公の名前、性格などが修正以前と比べかなり変わります!
ほぼ別物ですが、楽しんでいただければ幸いです!