ここから頑張っていきたいと思います!
目が覚めた俺が最初に見たものは、木の天井だった。
意識ははっきりとしており、多分混乱している訳ではないだろう。
ベッドの上で寝かされているというのはわかった。
どういうことだ?
俺は死んだんじゃなかったのか?
俺はあの時起きたことを振り返ってみた。
七星、篠原が喧嘩する→俺はそれを無視して通り過ぎる→目の前にデブのおっさん現る→おっさんいきなり走り出す→後ろを振り向くとおっさんと七星たちがトラックに引かれる寸前→七星たちがいきなり消え、おっさんと俺が取り残される→二人仲良くデッドエンド
ふむ、中々意味不明だな。
七星たちが消えるってのが一番意味不明だ。
あれか?
七星と篠原のどちらかが、実は魔法使いだったとかか?
いくらなんでもそんなわけない。
まあ、脳がパニックにでもなってて、消えたように見えてしまったのだろう。
てか、俺なんで生きているんだ?
おっさんはもしかしたら脂肪で耐えることができたかもしれないが、俺は少し痩せ気味の体型だ。
それなのに、生きることができたってことは相当運が良かったのか。
そもそもここはどこなんだ。
病院でも無さそうだし俺の家でもない。
こんな建物は初めて見たぞ。
一体、あの時何が……。
そんな事を思っていると、いつのまにか女の人と男の人が俺を覗き込んでいた。
女は綺麗な茶髪と、透き通る青色の目を持っている。
めっちゃ美人だ。
男は髪がないが顔立ちは決して悪くはないし、体はムキムキだ。
プロレスラーみたいだな。
「──…─!」
「──!」
日本語ではない言語で二人が会話をしている。
もしかしてここは海外なのだろうか。
「─……──!」
(……え?)
女は微笑みながら俺を”持ち上げた”。
いくら俺が細いとはいえ、女が持ち上げられる重さじゃないぞ!?
こんな赤ちゃんみたいに平然と持ち上げるなんてできるわけが……待てよ、赤ちゃん?
ま、まさか俺は……。
「あーうー」
何か喋ろうとしたが、こんな間抜けな声しか出なかった。
そう。俺は赤ん坊になっていた。
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俺が赤ん坊になってから数日経った。
ある程度、俺は今の状況がわかってきた。
まず、俺は転生してしまったと考えていいだろう。
トラックで轢かれて転生。
ラノベとかではよくありそうな設定だが、俺はこういうのは好きじゃない。
過ぎたことを考えても仕方がないが、納得できない。
まだ俺の人生はこれからだったってのに、終わってしまったのだ。
俺の家族はどうしているのだろう。
喧嘩をしたこともあったが、俺は家族を愛していた。
父さんと母さんもそうだっただろう。
父さんは厳しい人でもあったが、俺がテストで高い点数を取ったり、部活の大会で勝利した時には『よくやった!』と言い、俺を褒めてくれた。
母さんは料理が上手で、弁当を毎日作ってくれていた。
学校での俺の自慢話は、母の料理だった。
そして、俺が美味しいというと毎回嬉しそうな顔をしてくれた。
今頃、二人は辛い思いをしているだろう。
俺が死んでしまったせいで。
転生して喜ぶのは、現実が真っ暗だったやつだけだろう。
俺には未来があった。
だが、その未来も閉じてしまった。
もうどうすることもできない。
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俺が転生してから、一ヶ月が経った。
父と母のことはまだ踏ん切りがついていないが、俺は前を見ることにした。
さっきも言ったが、過ぎたことを考えても仕方がない。
生前、俺が好きだったゲームの主人公も言っていた。
『過ぎ去ったことにしばられ、未来の時間をむだにすることはたやすい。
だが、それは何も生み出さぬ。前に進むことができぬ』
俺は新しい母親のお〇ぱいを吸いながら、これからどうするかを考えていた。
家の家具などを見てみた感じ、電化製品は一切なかった。
明かりも使っているのは、電球ではなくロウソク。
親の服装も民族衣装のような感じだ。
抱っこしてもらいながら外に出たこともあるが、RPGにありそうな中世風の街並みだった。
まるでタイムスリップしてしまったようだ。
タイムスリップか……その可能性もあるな。
まあなんでもいい。
生まれ変わったのなら、今度こそ幸せな人生を送り、天寿を全うするつもりだからな。
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俺が転生して一年の月日が過ぎた。
この頃には父と母の言葉も理解できるようになり、ハイハイだけではなく、少し歩くこともできるようになった。
そして俺と家族の名前も知ることができた。
まず俺の名前はクレイド。
クレイド・ナルシェントだ。
現在一歳の元気な子どもだ。
「クレイドは元気な子ねぇ。ハイハイ選手権があったら優勝できるんじゃないかしら?」
俺が部屋中をハイハイで走り回っているのを見て笑っているのは、母親のフィア・ナルシェント。
年齢はまだわからないが、超絶美人なお母さんである。
「このくらい元気なら、将来立派な剣士になれるな!」
そう言って、腕を組みながら誇らしげな顔をしているこちらの赤色の目のスキンヘッドのマッチョは、父親のラバン・ナルシェント。
竜騎士のような名前をしているが残念。
普通の一般ピーポーだ。
ちなみに俺はハゲではなく母親似の茶髪で、目の色は父親と同じ赤色だった。
ハゲじゃなくてよかった……。
二人ともいつもニコニコ笑っているし、仲のいい夫婦だろう。
ちゃんと今世でもいい親を得ることができたようだ。
でも、俺はこの人たちの息子だと言えるのだろうか。
転生などと言ってみたが、俺が本来生まれるはずだったクレイドの人格を乗っ取っている可能性がある。
本来、幸せになるはずだったクレイドの人生を俺は奪ってしまったのでは──いてっ!
考え事をしながらハイハイをしていたせいで、椅子の足に思い切り頭をぶつけてしまった。
普通の赤ちゃんだったら泣きわめくだろうが、俺は転生者。
こんなのびくとも……あ、やっぱ普通に痛いです。
「クレイド!」
「大丈夫か!?」
フィアとラバンは俺に慌てて近づいたが、どこにも怪我をしていないのを見て、二人ともホッとしたようだ。
少し頭に痛みを感じるが、時間が経てば自然と治るだろう。
「さすがは俺の息子だな!傷一つないとは!」
ラバンはなぜかこれでもかと言うくらいのドヤ顔だ。
フィアもドヤ顔ではないが、ちょっとだけ嬉しそうな顔をしている。
いや、僕怪我しかけたんですが……。
「良かった。きっとこの子はミリス様の加護を受けているのね」
ミリス様というのは、この二人が信仰している神様のことだ。
世界で最も信仰されている神様だとか。
寝る前には毎日、ミリス様が残したありがたいお話を聞かされている。
それのおかげで、言語を覚えるのが早かったなぁ。
俺がそんなことを思っていると、フィアがいきなり俺の頭に手を置いてきた。
「一応やっておきましょうか……神なる力は芳醇なる糧、力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん『ヒーリング』」
はい?
何を言ってるんですかフィアさんは。
この世界はドラ〇エでもエフ〇フでもないんだぞ。
ゲームのやりすぎだ……え?
フィアの手が淡く光り、俺の頭の痛みが消えた。
「あ、え?」
俺は思わず声がでたが、驚きすぎてちょっとしたパニック状態になっている。
「さて、クレイドも大丈夫そうだし、ご飯にしましょうか!」
「お、待っていたぞ!今日の飯はなんだ?」
「今日はね──」
このおしどり夫婦の会話は、あまり頭に入ってこなかった。
俺の頭の中には「ヒーリング、魔法」この二つの単語が舞っていた。
ひょっとして、この世界は……。
(まさかの、
俺はただ転生したのではない。
地球ではない別の世界、異世界。
俺は自分が異世界転生したのだということを、この時初めて知った。
文章力はあまりないので、じっくり考えながら文章を作っていきたいと思います!
更新は少し遅めになりますが、それでも良いという方はよろしくお願いします!