友愛、ではなく。《了》   作:\コメット/

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アルトリア系全員可愛いですね(今更)
おのれマーリン・・・!だが絶対に許す!


夏の記憶をキミと④

 

 

「悪かったって、アルトリア」

 

「むーっ」

 

泳ぎの特訓を終え、夕食を終え、片付けを終え・・・オレとアルトリアは、満月が照らす浜辺の上を歩いていた。

ただ、オレから一方的に話しかける、もとい練習での一件を謝るだけで、会話という会話はできていない。

海から出てからというもの、少々やり過ぎた揶揄いに機嫌を悪くしたのかテントを一緒に立てている時も、夕食の支度をしている時も、肉にありついている時も、現在に至るまで終始ツンツンしている。

まぁ途中、肉の美味しさに根負けして食べるたびに満面の笑みになるご愛嬌もあったが。

 

「ふんっ」

 

今もこうして、オレよりも少し早歩きになりながら、頬を膨らましてソッポを向いている。

怒らせているわけだが、罪悪感よりも『拗ねた顔も可愛いな』という感情の方がどうしても優ってしまうのは許して欲しい。

恐るべし、楽園の妖精。固有スキルに魅了でも入っているのではないだろうか?

 

(・・・いや、冗談抜きで)

 

先頭を歩く自分の恋人に、オレは現在進行形でハートを射抜かれ続けている。

彼女がとる仕草、波の音に混じって聞こえる砂を踏む足音、揺れる金のツインテール、あげてもキリがないが、その悉くが彼女への愛を促進させる。

 

(安直な願いかも、しれないけれど)

 

この戦いが終わったら、なんていうベタな思想に至る。

黒髭やおっきー辺りに『それはダメだ』と慌てる様子が浮かんで、内心ほくそ笑む。それ死亡フラグ、立てたからには回収は時間の問題、とか言われそうだ。

 

「り、立香」

 

「ん?」

 

ふと、前を歩いていたはずのアルトリアがこちらの表情を伺うかのように上目遣いで覗いてきた。

あれだけ不機嫌だったのに、どうしたのだろう。

 

「急に謝罪の声が止んだので振り返ってみたら、すごく思い詰めた表情をしていたので・・・」

 

「ーーー」

 

アルトリアは、こちらの声を無視しているようで、ちゃんと耳を傾けていたようだった。

 

「さ、流石にずっと無視するのは子供のすることですね。その・・・ごめんなさい」

 

「いやいや、謝るのはオレの方だって。海ではごめんね」

 

手を伸ばす。

彼女の柔らかい頬に触れ、オレはその感触を楽しみ、アルトリアは身を委ねてうっとりと目を瞑った。

 

「温かいです・・・少し冷え込んでいたので」

 

「たしかに。もうテントに戻る?」

 

時刻は21時過ぎ、寝るには丁度いい時間だ。

はしゃいだのもあって、お互いに疲れはピークに達しているだろう。

けれどアルトリアは首を横に振って、もう少し歩きましょう、と自身の右手を差し出した。

その意味は十分わかっている。

オレ達は手を繋いで、再び歩き出した。

 

「この微小特異点に来て、私が一番やりたかったことが叶いました」

 

「なに?」

 

「好きなヒトと、こうして、浜辺を歩くことです」

 

貴方にとっては、なんでもないことなのでしょうけど。

それが自分にとっての幸福なのだと、彼女は言った。

隣を歩く少女を、月光が淡く照らす。

金髪に青みがかかり、大きな瞳の翡翠色が深くなる。

整った顔立ちも相まって、今の彼女をそのまま残したいという、芸術家のような衝動が奥底から湧いて出た。

手元に紙とペンがあれば、彫刻があれば、カメラがあれば、どれかがあればよかったのに。

尤も、オレには絵を描く才も、彼女を讃え例える文才も、石を彫る心得も、映える写真の撮り方も知らないのだが。

今度シェイクスピアやアンデルセン、ゲオルギウス辺りに頼んでみるのも一興か。前者二人は惚気かよと鼻で笑ってきそうではあるが、後者の聖人カメラマンは引き受けてくれそうだ。

 

「いつか」

 

「はい?」

 

「いつか、キミの叶えたい願いが・・・本当に途方もなく難しいものになるよう、頑張るよ」

 

何度だって手を繋ごう。

キミが望むなら、キミの望むがままにオレは行動しよう。

でも、もう少し。

キミは女の子なのだから、もっと我儘を言っていいんだ。

無理強いをして、困らせてくれてもいいんだ。

アルトリアのためならなんだってできる、そういう気概がオレの中にあるのだから。

 

「言いましたね?私は贅沢しろと言われたら止まりませんから」

 

「たとえば?」

 

「ふぇ?え、えぇっとそうですね・・・・・・高級なチョコレート、とか」

 

「もしかして夕飯足りなかった?」

 

「なぁ・・・!?ち、違いますっ!立香がなんでもお願いしろって言ったから提示したのであって、決してお腹がすいてるわけではありません!・・・なんですかその目は。ええわかりました、わかりましたとも。こうなったら、有名チョコレート専門店のチョコを一生買ってもらおうではありませんか」

 

他には他には・・・うぬぬ、と必死に頭を抱えてオレへの頼み事を模索するアルトリア。

色々あり過ぎて選出に困っているのか、思いついた案の殆どが食い意地の張ったもので口に出すのを躊躇しているのか、単に思いつかないだけなのか。

 

「ゆっくりでいいよ。自分に合ったペースで、やりたいことを見つけていこう」

 

贅沢しまくる、と言っていたアルトリアだが、欲の出し方が下手すぎる。

ブリテンで旅をしていた頃よりは要望も多くなった気がするけど、それでも他愛無い願い事のみ。

もっと広い視野を持って、片っ端からやりたいことに着手してもらおう。

 

「立香と一緒に、ですね」

 

「うん」

 

繋いでいる手の指と指が自然と絡まり、力と熱を込める。

何者にも邪魔されず、オレ達は二人分の足跡を浜辺に刻んでいく。

上を見上げれば、満天の星々が寄り添うオレとアルトリアを祝福するかのように煌々と煌めいていた。

目を凝らせば六等星くらいまで見えそうな澄んだ夜空に目を奪われる・・・が、それは一瞬。

 

「わぁ・・・!」

 

アルトリアは未だに星を見て感嘆の声をあげているけども。

なによりも輝くオレにとっての一等星はアルトリアただ一人。彼女と比べて仕舞えば、どんなに綺麗な星でさえ有象無象に思える。

 

「ねぇ、立香」

 

不意に、彼女がオレの名前を呼ぶ。

なに?と聞き返すと、照れくさいのか顔を少し紅潮させながらある提案をした。

 

「広がる星々、穏やかなさざなみ、静かな星砂の上を二人。ーーー今までにない程に、適したムードだとは思いませんか?」

 

足を止め、白い妖精と向かい合う。

返事を忘れてしまったが、突然の誘いでこちらも赤面。それを肯定と見做し、アルトリアは目を閉じてーーー口付けを受け入れる体勢を取った。

ここで引いたら男じゃない。そもそも引く理由がない。

一呼吸を置いて、オレは彼女の唇を自分の唇で・・・、

 

 

 

ドオオオォォォンッッ!!!

 

 

 

塞ごうとした直後。

静寂を保っていた海から、轟音と共に水柱が上がった。

 

「ひゃ!?」

 

何事かと、一先ずはアルトリアの安全が第一なので懐へ抱き寄せ、飛び散る水飛沫越しに見えるその正体を視界に捉える。

大木のような、吸盤のついた触手がオレ達を囲みように上陸し、逃げ場を無くしたのを見計らって、本体が顔を出す。

白い巨躯、突起の無い滑らかな体が晒された。

 

「あれは・・・イカ?」

 

頭の三角形、真っ白な体、そして吸盤のついた足。

神話にも語られる怪獣、クラーケン。

セオリー通りであれば、あれがこの特異点発生の原因と見ていいだろう。詳細な時代を聞くのを忘れていたが、沖縄の海にこんな巨大イカがいたのではたまったものじゃ無い。

というか、よく昼間に襲われなかったなと己の豪運に感謝する。

 

「通信で救援を呼ぼう。アルトリア、その間に」

 

仲間が来るまでの時間を稼ごう。

そう言おうとしたのだが。

 

「ーーーあ」

 

クラーケンを前にして、ワナワナと震えているアルトリア。

恐怖で足が動かなくなってしまったのか?否。たとえ怪物であれど、今更イカ程度に驚く彼女ではない。

これは・・・怒ってる?

 

「ーーーああああああ!!!お、おま、おまええええ!!せっかくの、せっかくの私と立香の時間を台無しにーーー!!!」

 

激昂。

先程のおっとりうっとりデレ尽くしのアルトリアはどこへやら。

ウェールズの森での出来事を思い出させるような豹変ぶりに、こちらの心臓が止まりかけた。

予想以上にキレ散らかしているアルトリアは、音もなく選定の杖を手元に出現させ、キッ!とクラーケンを睨みつける。

視線もとい殺意を察知したのか、ギョロギョロ蠢く目玉も同様に戦闘の意思を示すかのように見開かれた。

周りの触手達も、先端をこちらへ向けて攻撃態勢に入る。

 

「ふーっ・・・ふーっ・・・!」

 

だが、そんなことはどうでもよかった。

(恐らく)キスを邪魔されて頭の中がアシュバッターマン化しているアルトリアの目は、こちらの腰が引けるほどに血走っている。

たしかに横槍を入れてきたのは腹が立つ、けれどまさかここまで怒るとは。

 

「立香・・・下がっていてください。今からあの、生意気にも私たちの恋路に茶々を入れてきた害獣を殲滅しますので」

 

「え、あぁうん・・・」

 

こりゃクラーケンには同情するなぁと、心の中で手を併せた。

 

 

 

******************

 

 

 

「おはようございます先輩、アルトリアさん。よく眠れましたか?実は昨晩、どなたかが特異点の発生原因を切除したらしく、新所長から準備が出来次第帰投せよとの連絡が入っています。何はともあれ、一件落着ですね!ところで、お二人とも今日はやけにツヤツヤしているといいますか・・・」

 

「あ、あはは」

 

あの後、常夏仕様の水着アヴァロン形態になって戦闘を開始したアルトリア。

カルンウェナン全機で触手を串刺しにして動きを封じ、マルミアドワーズでタコ殴り、もといイカ殴りにしていた。

秒で決着がつき、クラーケンをものの見事に轟沈せしめた彼女だったが、まだ怒りとお預けされて悶々とした気持ちが鎮まらないらしく、テントに帰ってからはそれはもうすごかった。

・・・色々と省くけど、その、すごかった。

 

「暑かったもので、多少寝汗をかいてしまいました。ですが快眠です。問題ありませんっ」

 

ツヤッツヤのテッカテカでとんでもない嘘を吐くなこの妖精。

眠っていない。気づけば日が昇ってた。朝チュンだった。

なのになんで顔色はすごく良くて、笑顔が絶えないのだろうか。こっちは一昨日からおっきーの同人誌手伝ってたから今にも倒れそうで・・・ん?同人誌・・・おっきー・・・おっきー、

 

「ハッ!」

 

「先輩?」

 

「どうしたんですか?」

 

「ーーーおっきーのこと完全に忘れてた」

 

「「あ」」

 

この夏、オレとアルトリア、マシュは海を十分に満喫し、刑部姫は新刊を落とした。

 

 

 

 

 

☆5 アルトリア・キャスター(水着)

 

クラス:キャスター

 

身長:154cm

 

体重:42kg

 

属性:中立・夏・星

 

好きなもの:主人公

 

嫌いなもの:巨乳(マウントをとってくる者に限る)

 

《ステータス》

 

筋力:B 耐久:E 敏捷:B 魔力:A 幸運:B 宝具:A++

 

《保有スキル》

 

星砂の妖精(B) 味方一人にNP20%付与、自身にスター獲得状態を付与(3ターン)

 

希望のカリスマ 夏(B) 味方全体の攻撃力をUP(3ターン)、NP20%付与後、属性:夏にNP10%付与、HPを1000回復

 

夏の記憶(EX) 味方一人にアーツ性能UP(3ターン)、宝具威力UP(3ターン)、粛正防御状態を付与(1ターン)

 

《宝具》

 

許し願う理想の剣 A++ Art

 

エクスカリバー・アヴァロン

 

自身に無敵貫通状態を付与(1ターン)、敵全体に強力な呪い状態特攻攻撃(オーバーチャージで効果UP)後、クリティカル威力UP(3ターン)

 

 

※実装予定は無し

 

 

 

 

 

 




浪漫のこじ付けも二次創作の醍醐味。
聖剣の騎士の具現だから、キャメロットの魔術回路無しでも心臓だけでケルヌンノス戦と比べての劣化版エクスカリバー打てるのでは?という見解。打てたらいいな。というか打ってくれ。
なら普通にエクスカリバー使ってエクスカリバーした方が辻褄合うって?
・・・たしかに!(ベジータ
いやでもキャストリア自体がエクスカリバーなのか?いやでも・・・頭がこんがらがってきました。
とにかく水着出してくれ。来年お願いします。目指せ宝具5。

ツヤツヤしてるけど、行為自体はやってないです。ずっとキャストリアの方から一方的にスリスリイチャイチャしてただけです。健全な添い寝です。


感想、お気に入り、いつもありがとうございます!!
次回更新で、本短編は最後の投稿になります。お楽しみに・・・。
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