「.......という訳で、この子が新しい家族よ!」
「...よろしく、お願いします」ペコッ
上原家の一員となった次の日、病院を退院した僕は上原家にて、昨日はいなかったもう1人の姉になるひよりさんに挨拶をしていた。
「何この子!めっちゃ可愛い〜♡よろしくね雪ちゃん♪」ダキッ
「...っ!」ビクッ
「こら!いきなり抱きついたらびっくりするでしょ」
「あはは、ごめんごめん。びっくりしちゃった?って、なんで泣いてるの!?痛かった!?」
「..えっ?」ポロポロ
いきなり抱きしめられたので驚きはしたが、なんで涙が出てくるんだろう。
「ッ!ごめんね!いきなり怖かったよね!?」ナデナデ
(違う、怖いんじゃない。嬉しいんだ)
母親は死んでしまい、父親には虐待される毎日で忘れてしまっていたが、本当は抱きしめられるのも、頭を撫でられるのも嬉しいんだ。
「違う、.....抱きしめられたの....久しぶり、だったから...」
「「っ!」」
(こんな可愛い子を虐待するなんて.......。私がたっぷり愛してあげなきゃ!)
(お姉ちゃんとして、この子を可愛がってあげなくちゃ!)
「ふふっ、それじゃあこれからはたくさん抱きしめてあげるからね、私の可愛い妹ちゃん♡」
(あれ?)
「.......ひより、この子は男の子よ?」
「へっ?.......え〜〜〜!?」
(またか.......)
「雪ちゃんが男の子?それじゃあ、雪くん?」
「まあ、そういうことになるわね」
「ん〜〜、まあ、いっか。可愛い子には変わりないし♪」
(いいんだ.......)
「これからよろしくね、雪くん!」
「....はい」
~~その日の夜~~
「それじゃあ、雪くんが新しい家族になったことに、カンパーイ」
「「「カンパーイ!」」」
「かっ、かんぱーい?」
上原家に来て初めてのご飯は、僕の歓迎会ということで、ご馳走だった。
(僕のために.......嬉しいけど、迷惑じゃないのかな?)
引き取って貰えただけでもありがたいのに、その上こんなにもてなしてくれていいのかと考えていると
「雪くん、雪くん!私のことは、ひまりお姉ちゃんって、よんでね!!」ニコッ
「あっ、ずるいよひまり!それじゃあ、私のことはひよりお姉ちゃんね!」
「あらあら、2人ともすっかりお姉ちゃんね〜♪」
「いいことじゃないか、仲良くしてくれた方が雪も嬉しいだろ?」
「ッ、.......はい、嬉しい、です」
「もう、雪くんは家族なんだから敬語は無しよ〜」
「...ごめん、なさい」
「いいのよ、謝らなくて。でも、敬語は家族には使わないこと。約束ね!」
「....うん!」
(そうだ、家族になったんだから......甘えたっていいよね?)
「....お母さん、後で...ギューって、してもいい?」
「ッ!もちろんいいわよ!いくらでもしてあげる!」
「あー、ずるい!私も〜」
「私も、私も!!」
「...ひよりお姉ちゃんも、ひまりお姉ちゃんも、いい?」
「「ー!もちろん!!」」
「はは、打ち解けたみたいで嬉しいな!雪、後で、お父さんともしような」
「.......うん!」
この日、僕は上原家の本当の家族になれた
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