つまりそういうことです。
『雪くん!受け取ってください!!』
僕の目の前には恐らく手作りであろう、綺麗にラッピングされた物が差し出されていた。
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モカ「いや〜、ゆっきー流石ですな~」
巴「だからといって貰いすぎじゃないか?」
つぐみ「いつものことだけどね……」
雪「……美味しい」
今日は2月14日、世間一般的にはバレンタインと呼ばれる日です。
ちなみに僕はこの日が大好きです。なぜならチョコが沢山貰えるステキな日だからです。……まあ、「食べ過ぎ!」と、ひまりお姉ちゃんに注意され取り上げられるので沢山は食べられないのですけどね。(数日に分けて全部食べますけどね)
現に今も
ひまり「雪、今日はもうお終いだよ」
と言われ没収されてしまいました。あんまり食べてないのに……
雪「……まだ食べたいのに……」
ひまり「だ・か・ら!私たちの食べてないでしょ!」
はっ!そういえばまだ貰って無かった。今年のはどんな感じなんだろう……。確か去年は生チョコやらチョコタルトやら手の込んだ物だった。……でも何故かみんな共通してキャンディーが付いてたけどなんでだ?美味しいからいいけど
雪「今年は何!」
ひまり「も~、可愛いなぁ~。はい!今年はマカロンだよ〜」
おぉっ!作るのが面倒臭いと噂のあのマカロン!ひまりお姉ちゃん……やりますな。
つぐみ「はい、私からはチョコクッキーサンドだよ!」
他のみんなもクッキーやチョコケーキ、抹茶と餡子のロールケーキといった手の込んだ物だった。そして今年もキャンディーは付いていた。
雪「……なんでキャンディーも?」
『うぇ!?』
ひまり(ど、どうしよう。なんて言えば……)
蘭(汲み取ってよ、雪……)
『……アハッ』
雪「……?」
巴「そ、それより!今年は何個貰ったんだ?」
蘭「そう!それ!それ気になる」
つぐみ「雪くんモテモテだから沢山だよね?ね!」
なんかはぐらかされてる気はするけど無理に聞かなくてもいいか。
雪「……えーっと確か「雪~、来たよ〜」あっ、リサさん」
友希那「私もいるわよ」
リサ「なになに~、みんなどうしたの〜?」
モカ「何でもないですよ〜。それよりお二人はどうしてここに?」
友希那「もちろん雪にチョコを渡しに来たのよ」
『……えっ!?』
蘭「……まさかですけど手作りですか?」
友希那「当たり前じゃない。雪に市販品の物を買って渡すなんて愚行出来ないわ」
ひまり「……リサさん、大丈夫なんですか?」
リサ「大丈夫だよ。アタシがちゃんと見てたから」
巴「なら大丈夫か……」
友希那「……貴方たち何ヒソヒソと話しているの?」
「「「何でもないよ〜/です」」」
友希那「まあ、いいわ。はい、雪」
リサ「アタシもはい、食べ過ぎはダメだぞ!」
雪「……ありがとうございます」
リサさんのお菓子は美味しいからどんな物か今から楽しみだし、友希那さんのも楽しみだ。
今食べちゃダメかな?
ひまり「雪~、まずは私の食べないとダメだよ〜」
蘭「あたしのからだよね、雪」
リサ「何言ってるの~。……アタシのだよね?」
『私/アタシ/モカちゃんの、ダヨネ?』
なんで皆の目のハイライトがオフになってるんだろう。誰のを先に食べてもダメな気がする……。どうしよう……はっ!そういえばモカに借りた漫画にあったアレをすれば……恥ずかしいし皆には悪いことをしちゃうけどしょうがない
雪「……皆、ケンカグス……しちゃやぁ……ヒック」嘘泣き
『ッ』
ひまり「だ、大丈夫だよ!私たち喧嘩してないよ!ね!」
巴「そ、そうだぞ雪!みんな仲良いからな!」
友希那「ええ、さっきのは冗談よ冗談」
蘭「ゆ、雪泣かないで!」
モカ「ゆっきーもう怖くないよ〜」
つぐみ「ごめんね!怖かったよね、うぅぅ」
リサ「ほ、ほら雪笑って〜。チョコ沢山あるよー」
見事策が嵌りあの殺伐とした空気を消すことが出来た。……怖かったのはホントだしなんなら泣きたかったから、全部が全部嘘って訳でわないけどやっぱり罪悪感を感じる。
後でお願いを聞いてあげよう。
ひまり(うぅ〜雪ごめんね〜)
蘭(雪を泣かせちゃった……)
モカ(モカちゃん反省~)
つぐみ(これじゃあ、雪くんの姉を名乗るなんて……)
巴(あぁ、後で雪に土下座しよう)
友希那(くっ、私の可愛い雪が……)
リサ(雪を喜ばせるはずだったのに……でもあの泣き顔)
『興奮した~/するわね♡』
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なんだかんだあったけど無事?に今日を乗り切り帰ろうとしたら香澄ちゃんからL○NEが届いていた。
曰く、「チョコ渡したいから花咲川来れる~?」です。チョコを貰えるなら行かない理由は無いのでひまりお姉ちゃん達にその事を伝え電車に乗って花咲川に向かうことになりました。そこで今僕は、校門の前にいます。
「あの子誰かな?待ち合わせ?」
「可愛い~、妹さんかな?」
「でも、ズボン履いてるよ?」
「まさかの男装女子!?新作のアイデアが降りてきた〜!」
なんか、噂されてるけど僕の事じゃないことを願おう。早く来てくれないかな?じゃないと羞恥心で死んでしまう。
彩「あれ?雪くん?」
雪「ツ!……女神さま」
彩「えっ?えっ?」
思わず手を握ってしまったけど大丈夫かな?ファンの人に刺されたりしないよね?
彩「あ〜、香澄ちゃん達に呼ばれて待ってたんだ」
雪「……はい」
彩「他校の前で一人で待つのって以外に恥ずかしいんだよね~」
彩さん……好き。
はっ!つい心の声が。彩さんはアイドル彩さんはアイドル……よしっ、もう大丈夫。
彩「あっ、そうそう。はい、どうぞ!ハッピーバレンタイン!」
雪「いいんですか!?!?」
彩「うん!雪くんの為に作ったやつだから、本当はこの後羽沢珈琲店に呼んで渡そうとしてたところだし」
雪「……ありがとうございます」
千聖「あら、雪くんじゃない。どうしてここに?」
花音「こんにちは雪くん」
雪「……こんにちは……香澄ちゃん達に呼ばれて」
千聖「そうなのね、ちょうど良かったわ。はいチョコレート」
花音「あっ、私も!えーッと……あったはいどうぞ」
雪「……ありがとうございます……やった、また貰っちゃった」
千聖「ふふっ、いいのよ」
(喜んじゃって、可愛いわね)
アイドルの千聖さんや彩さんに貰えるなんて……帰り道は背後に気をつけよう。
それにしても香澄ちゃん達遅いなー、と思っていた矢先
香澄「ゆーーきーーく〜~ん!」
雪「……うん?……わっ!?」
香澄ちゃんに抱きつかれました。……結構な威力で。
身構えていなかった僕は当然尻もちをついてしまった。地味に痛い
有咲「まっ……待てって……ハァハァ」
沙綾「香澄、いきなり抱きついたら雪が怪我しちゃうでしょ!」
香澄「ゴメンなさーい!雪くんもゴメンね!」
雪「……大丈夫だよ」
たえ「……ねぇ雪、花園ランドの永住権あげるから私の所来ない?」
有咲「いきなりだし、意味わかんねーし行かねーだろ」
りみ「有咲ちゃんもう大丈夫?」
有咲「ああ」
いっきに賑やかになった校門。当然周りからの視線は増えてくわけでちょっと恥ずかしい。
千聖「それより香澄ちゃん達、雪くんを呼んだんだから何かあるんでしょ?」
香澄「あっ!そうだった。はい、雪くん」
「「「「「ハッピーバレンタイン!!」」」」」
今年のバレンタインはいつにも増して賑やかで、それでいて幸せだな。今はこんなことしか出来ないけど……
雪「……みんな、本当にありがとうね!」
今僕が出来る最高の笑顔で皆にお礼を言うことにした。
『……ツ!ありがとうございます!!』
ん?なんでお礼?
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羽丘~1年A組~
「なんで、なんでなんだよ!」
「上原……雪、どうしてお前は……」
「……くっ」
『どうして俺達にチョコくれないんだよ!!』
……そっち?