あと年を超えたので別作品の考察表もそろそろ更新のため情報を収集・整理作業してます。
―――うん、どうやら意識は目覚めても意思疎通の機能までは修復されてないみたいね。記憶の修復が速いと思ってたけど、思い出を一番に取り戻したかったのね。
―――そうね、要件を伝えるわ。この前、キミは竜の姿になったでしょう? でもヒトをベースにしてたからスペックがデチューン所か規格外、機体が性能に耐えられないほどに脆弱だった。変身した際に激痛があったでしょう? それが原因よ。
―――キミが記憶を取り戻す方を優先したおかげで
―――わざわざそんな事をするかって? 私はね、キミが羨ましいのよ。
―――キミはまだ死んでない。ならまだ『続き』がある。ただその『続き』をするまで時間がかかりすぎる。キミが記憶の修復を優先したのもあの妹との思い出があったからでしょ?
―――うん、さすが私の欠片。愛する者には敏感ね。ならもう始めましょう。
―――それじゃあ
……………………
………………
………
「ねぇ、なんで隠れるの?」
「それは、なんというか……」
結梨さんを横に、茂みから梨璃さんと二水さんの様子を伺っていると言うのにこの子は静かに出来ないのですか? まだ連れてくるべき、とはいきませんわね。この子の先を考えるなら避けられない事ですわ。
「あ、梅と鶴紗」
「相変わらずの神出鬼没ですわね……」
「あと神琳と雨嘉」
「えっ、そのお二人は……」
梅様と鶴紗さんはともかく、神琳さんと雨嘉さんとはすれ違いましたから……。
「楓、呼んでるよ?」
「結梨さんもですわよ」
思わず茂みを鳴らしてしまいましたが、名指しされては出てこないといけませんわね。
「―――あら、どうなさったんですの皆さん。がん首揃えて?」
「がんくび?」
「……あとで教えて差し上げますわ」
先に顔だけ出したら結梨さんは気にせず聞きにきましたわ。この子、本を読み続けていたお陰かかなり好奇心旺盛になりましたからね。教えてあげないといけませんわね。
黙って結梨さんに手を差し伸べるとなんの躊躇いもなく取り、引っ張りすぎないように引いて一緒に茂みから姿を見せた。
「楓さんに、結梨ちゃんも」
「うん、いるよー」
「待ちなさい。葉っぱが少しついてますからジッとしていなさい」
頭や服についた葉を落としつつ、身嗜みも整える。その後で自分も整える。
「どうしてお二人、いえ寧ろなんで結梨さんをここへ連れていらっしゃるんですか」
その後ですぐに聞かれるだろう二水さんの言葉に自分の考えをまとめ、そして伝えるできかを判断する。
「……結梨さん。私たちは少しお話をします。その間、教えた場所で私が伝えた事をよく考えながらその答えを教えてくださいね」
「わかった」
私の言う事に従って駆け足で離れていく。笑顔で行ってしまう姿は結梨さんらしいとも思うと同時に、悩ましかった。
「結梨はどこに行ったんだ?」
「皆さんと同じですよ」
「それって」
「メリュさんのお墓ですわ」
メリュジーヌ・ヴィヴィ。
メリュの名前が書いてある綺麗な石の前にはお花やお菓子が置いてある。この綺麗な石は『お墓』って言うものらしい。お墓は死んだ人を寝かせるとか慰めるとか、とりあえずもう会えない人を忘れないためのものだって本で読んだし、楓も教えてくれた。それはメリュが死んだ人で、もう会えない――――
「―――
私はメリュが死んだ人だって思えない。なんて言えばいいかわからないけど、なんか繋がってる気がする。メリュがシュッツエンゲルの誓いをした日から、メリュの温もりが手に残ったままだから。
でも楓も、眞悠理も百由も代行も死んだって言う。すごく悲しそうな顔で言うから私が感じてる温もりは言ってない。メリュも、悲しい顔をした人にはあまり話しかけちゃダメだよって言ってたから。
そんな事をしていると楓がここの事を教えて、何を思ったのかを教えてほしいって言ってた。
でも変わらない。メリュの温もりが手にある限りは。
「――――しかし、今回であの子がそれを理解する事はないでしょう。まだメリュジーヌさんの再会を信じ続けるでしょうね」
楓さんが結梨ちゃんを連れてきた理由を話した後、矛盾するようにそう言った。
早起きして、覚悟を改める為にメリュちゃんのお墓に来たら一柳隊の皆と合流してこうしてベンチで待っている。
「それはどうしてですか? 確かに結梨さんは幼子のように無垢な所はありますが?」
「見た限りはそうでしょう。ですが眞悠理様からずっと本を読んでいたそうです。最初は絵本から読み始め、そこから難しい文字が読み始めるようになると純文学とエッセイを勧めたそうです。以前と変わらないようですが感受性は高くなってます」
「す、すごいね」
「ええ、そうです。あの子、成長速度が通常より遥か上です。思えば戦技会も夢結様の動きをブレなく再現し、梅様とチビッ子2号のレアスキルも一度見ただけで使えるようになった。とは言え、そのせいで新しいCHARMを見送られてるそうですが」
「え、そうなの?」
知らなかった話に思わず声が出ちゃった。でもこの話題ならミリアムさんから聞きそうだけど、今はいないし。……いないって事は全員じゃないってことだよね。
「そう言えばミーさんも『百由様の研究もじゃが、結梨のCHARMも何とかせんとなぁ~』と言ってましたね」
「ミーさん?」
「長いので」
「ここで百由様からの説明ですが、結梨さんは生まれを含めて従来のリリィとは隔絶し始めているそうです。初見で模倣できる観察眼とレアスキルの発動、加えてマギクリスタルを破壊できるマギでありながらすぐに倒れない量。事実、結梨さんのグングニルはコアだけでなく他の箇所も損傷、いえ劣化と言うべき消耗で使い物にならなくなったそうです」
「そこは一緒なんだな」
一緒、っていう言葉に浮かんだのはメリュちゃんだった。あの子もマギクリスタルを壊してばっかりだった。結局、CHARMは持てなかったけど……。
いけない、悲しい考えになっちゃう。私も前を向いて強くなろうと決めたばかりなんだから。だから……。
「ミリアムさんもいませんが、夢結様も最近お見掛けしないね」
「そうなのか? 講義や演習にはちゃんと出てるぞ」
「でも、ここ何日かミーティングルームでもお見掛けしませんよ」
「……私も、メリュちゃんのお墓参り以来お会いできていないんです」
強くなろうと思う反面、会いたい人と会えてない。すぐにお話ししたいのに、お墓参りの時に見たどこか思いつめた表情が鮮明に残ってる。
何がお姉さまをあんな風に思いつめているんですか?
「ただいまー」
沈みそうな気持ちが、その声で浮かび上がる。
「結梨さん。ここは出来る限りお声は抑えなさい」
「? 抑えたよ」
「確かに、何時もより控え目だったゾ」
「揚げ足を取ってますよ」
変わらない、って言うには前より大人しくなってる結梨ちゃん。前なら大きな声で元気に駆けて来たはずなのに、今は静かに歩いてこっちに近づいてくる。
結梨ちゃんもメリュちゃんのお墓参りをしてきた。私は強くなろうと心に決めて、お姉さまはどこか思いつめるようになって、
「ねぇ結梨ちゃん。その、今はどんな気持ち?」
いつもだったら聞かない事を言っちゃった。お墓参りをしてどう思っていたなんてどっちにも失礼だってわかる事なのに、覚悟と不安が心にあるせいか口にしていた。
結梨ちゃんは私の言葉を聞いて、考えるように唸りながら自分の手をもう片方の手で握った。
「―――メリュと同じくらい、強くなるっ」
私のような答えに聞こえたけど、私がお姉さまの隣に立ちたいって気持ちに似たものを感じた。楓さんの言う通り、メリュちゃんが死んでるなんて思っていない返事だった。それが不安で、でも前向きな答えだった。
結梨ちゃんの、握られている方の手の甲の隙間から
………………………
………………
………
「――――――――――うん、また来れた」
夢結が元気がないからラムネパーティーをしよう。そんな話を梨璃たちはしてたけど、途中で眠くなった私は楓に連れられて自分の部屋で寝た。ここまではちゃんと覚えてる。
でもここの事もちゃんと覚えてる。眠った後によく見た夢の中だ。眞悠理からアドバイスを貰ってから見なくなったからやっとって気持ち。いつもと一緒で真っ黒な水の上で真っ黒な空に体を向けてる状態。こっちで起きるとすぐに沈みそうになる体を起こして立ち泳ぎをする
「ひかり、ひかり……」
体を回して青い光を探して、―――見つけた。変わらない光、変わらない遠さだった。
「んっ、……すぅ―――――――……」
光にまっすぐ向けて、息を大きく吸って沈みそうになる体を何とか支えて、
「お―――――――――いっ!!!」
お腹いっぱいの息を全部出して声を出す。すぐ沈みそうになって顔の半分まで浸かった所でなんとか浮かび上がる。
「ぴゅう」
ちょっと水が入っちゃった。海みたいにしょっぱくないけど、そもそも味なんてないからお風呂の時みたいに飲みたいとは思わないけど。
聞こえたかな? 何か反応があったか光の方を見てみたけど変わった感じはなかった。聞こえなかったかもしれないからもういっかい息を吸って、
「お―――――――
―――この子には聞こえないからやめなさい。
いぃ?」
大声を出している途中で頭の中から声が聞こえた。声も止まってまた沈みそうなるのを何とか頑張って浮く。キョロキョロ、一回りして誰かいないか探したけど誰もいない。
「……ど――
―――ちゃんと聞こえてるから大声をあげないで。うん、弟は本当にいい子だったのね。
こぉぉぉ……。うん、わかった」
―――素直なのはいいわね。
大声を出そうとしたらまた声が聞こえた。どこにもいないけど話は出来るみたい。
―――それじゃまず、ここはあの子の夢の中だけどあの子には届かないわ。まだ声を聴く機能が復活してないからね。
「
―――それに似たようなものね。それを聞こえるようするだけじゃなく、色々な所を使えるようにしてるの。それにしてもこの夢があの子だっていつからきづいてたの?
「だって、違う人だけどメリュと同じの声でしょ? それに声が聞こえた時からメリュの匂いがしたもん」
―――なるほどね。
何がなるほどなのかよくわからないけど、頭に聞こえた声がなんかメリュだけどメリュじゃないって思ったし、メリュかもって思ったらメリュの匂いがしただけだし。
―――魔力の知覚を嗅覚として捉える能力があるのかもしれないわね。と、時間もなさそうだから伝えることを伝えておくわね。丁度いいものをキミは持ってるからね。
「ちょうどいいもの?」
私、裸だからなにも持ってないんだけど? なんて思ってたら右手が引っ張られるように上に伸びて、そのままぶら下がるように沈まなかった。
「お?」
―――……、……。うん、霊基情報は移せた。ちょうど整理してたし、それに私だと時間がかかるから万が一の為にね。
「何をしたの?」
―――おまじない、かな? もし何か大変な時が、それこそキミのお姉さんに助けてほしかったらその手に宿ったつながりを使うといいわ。やり方は、うん。彼女ならその右手に強く念じて名前を呼べば来るでしょう……、ん?
お? 話が途中で終わった。その一瞬、何かあったのかなと思った。
―――これは、ふふっ。どうやらこれがご都合主義ってことなのかしらね。
「何かあったの?」
―――そうね、それは貴方の目で確かめるといいわ。そこからどうするかは。貴女が決めなさい。
「起きなさい結梨さん!」
その声に体が飛んだように起き上がった。
「楓?」
その声が楓のだってわかるとそっちを見る。なんだか慌ててるみたいだった。
「起きましたわね。では行きますわよっ」
「どこに?」
「避難区域ですわ! ヒュージネストから飛んできた物体が百合ヶ丘に向かってきてるんですの!」
「………?」
よくわからないけど、危ないから逃げるってことだけはわかった。
―――聞こえてるかな、
―――とは言え、未来視で見た限りだと彼女たちでも乗り越えられるみたいね。ただ、貴方の妹にお節介をしてあげたからね。今は二つの未来があるわ。
―――心配かしら? 安心しなさい、危ない事でも痛い事でもないわ。寧ろ心配するのは貴方自身よ。だからアドバイスをしてあげる。思考する機能はもう修復できてるでしょ?
―――私たちは最強の種。境界を越えた別の世界であってもそれは変わらない。だからこそ、大事にしたい物は手放しちゃダメ。自分の想いを、しっかり定めなさい。
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Ep.09
原作だと11話前半あたりまでになってます。ここで投稿予定は11話後編から12話全編までを2、3話。12話後編を2話以下ぐらいでアニメ原作を終わらせます予定です。クロスオーバーの匂いが最後辺りで明確になってきました。
BOUQUET編終わり後について(今後は溜めて投稿するので間隔は長くなります。
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ラスバレ編に突入
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FGOクロス多めのストーリー
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こっちは休んで停滞している他の作品をする