本作の設定はアサルトリリィとFGOの設定を比較し、少々のこじつけた部分もあります。要するに作者の解釈が多大に含まれていますのでご注意ください。
幻想となった憧れを実現しようと思った。手の届く物はすべて学び、それを下地に最も可能性の高い組織へ足を踏み入れた。
道理から外れることは理解していた。元々、私の夢は
研究一筋で配偶者を得ることなく、ただ進み続けた。そして老いが目立つ容姿にある事に、その可能性は芽吹いた。美しき幻想の実態が目の前にいる。
ならば私はここまでだ。最後の我が儘を通しに行こうか。
「―――いきなり結論ですが
百由君の説明をそこで聞いていたが、その発言に違和感があった。彼女には二人の分析を任された時、人である証明をして見せると言っていた。その言葉をあえて使わずHUGEである否定のみ口にした。それは事実だろう。だが、片方が人ではなかったと証明されたようだ。
「―――多様性の獲得こそが生命の生存戦略の根幹だからゲノムは日々更新されています。だから違って当たり前。私もあなたも99.9%の人なんですよ」
だからか何時もの早口にわずかな焦りが感じられる。ただ向こうも冷静にその裏を感じるほど落ち着いているようには見えない――いや一人だけ沈黙している。百由君の説明に穴がないか探っているようだ。そのフォローは私がするしかないな。
「―――ちなみにHUGE由来の遺伝子は変化した時点で機能を喪失している事が確認されました。なんとこれは今回の当事者でもあるグランギニョル側から提供された資料からの裏付けです。いやーこれがなかったらあと1日はかかってたでしょうね。以上が私からの報告です」
また念押しに言葉にしなかったのはこれ以上の事実が不利になることしかないようだ。ならここからは私の役目か。
「ならばそちらの命令に根拠がなかったということです。撤回してもよろしいですかな?」
「……待て、確か対象となっていたのは2人だったな。両名とも確かにヒトと証明されているのか?」
沈黙していた一人が指摘してきた。百由君の様子と一瞥すると表情が固まっていた。やはりメリュジーヌ君はヒトでは――。
「そこは私が説明しましょう」
そこへ、暗いこの部屋に何者かが入ってきた。後ろにメリュジーヌ君を連れて。
名前を教えてくれなかったG.E.H.E.N.A.の研究員、『彼』に連れられてやってきた建物は政治色が強い建物。そして中に入ってたどり着いた部屋には理事長代理と百由がいた。その反対には見知らぬ人たち。ああ、彼らが捕獲命令を出した政府の人間ね。
「誰だ?」
「初めまして。G.E.H.E.N.A.の者です。先んじて引き渡された彼女について報告があります。ちょうど、彼女についてはまだ報告していないようですから」
『彼』が言うと政府の面々は百由たちを睨んだように見えた。でも残念、
そして彼は両者の間に立ち、百由に向かって『失礼』と伝えて彼女たちの後ろのモニターを変えた。
「まず前提として私は人造リリィの前身となる研究をしていた者です。箱舟とも評されているHUGE細胞からゲノムを解析し、絶滅された生物の再現。それがテーマでした。グランギニョルの協力がなければ実現しなかった研究でしたがね」
「前振りがいらん。伝えるべき報告をしろ」
「わかりました。まだ逃走中の方はヒトゲノムでしたので彼女の言う通り人であり、HUGEの機能は喪失しています。ですが、こちらの彼女はヒトゲノムを使っていません」
「なんだと?」
『彼』以外の視線が私に突き刺さる。いや、百由の視線はどこか納得している感じね。彼女ほどの天才なら私の正体にたどり着いているのでしょう。
「私はHUGE細胞のゲノムからマギを扱う生物、リリィとなるヒト以外を探し、見つけました。そのゲノムの情報からリリィ以上のマギ保有量を持ち、あらゆる生物の身体機能を超える肉体。そしてあらゆる生物の分類に属さない存在。この事実からこのゲノムを、『ドラゴン』と名付けました」
「ドラゴン……っ」
場がざわつき始めた。まさかHUGEからそんな生物の遺伝子が見つかるとは、と驚いているんでしょうね。そしてその説明をするという事は。
「では、そこにいるのは……」
「はい、その『ドラゴン』のゲノムから生まれた存在です。彼女もまたHUGEの機能を喪失していますが、その戦闘力はリリィを超えるでしょう。――そこまでならこれ以上の説明はなかったのですがね」
「どういうことだ?」
「彼女は奇跡的とも言える確率で誕生しましたが、その影響か不安定な部分が多くあります。スキラー値は常に変動、マギ保有量は膨大ながらそれに耐えうるCHARMはなし。いくつかの質問をして精神性・人格面を確認したところ外見以上の成熟した落ち着きはありましたが達観しすぎた視線を持っており社会への共存性は低いようです」
「前振りはいい。結論を言いたまえ」
この人、わざと理論じみた解説をしたね。政府の人たちも百由の説明の後でイラついていたみたいだし。
「わかりました。では……」
そう言って『彼』は
「
「なっ……!?」
誰かの声、と思うまでもないね。対して理事長代理は静かに『彼』が差し出した書類を受け取り、流れるようにサインみたいなものを記入した。
「これでよろしいかな」
「はい、これで彼女はそちらに帰属します」
「ちょっ、ちょっと待て!」
もうすべてが終わった後だっていうのに、ようやく言葉にしたのがそれなんてね。
「待て、とは?」
「なぜ
「状態を確認したかっただけですよ。その上で研究所よりも良いと判断しただけです。それに彼女に対する命令でしたら完遂済みであり、その後の流れはこちらの判断になります。それともまた返還命令でも出しますか?」
「ぐっ、それは……」
出来ないはずだよね。結梨はさっきヒトと証明されて、私はG.E.H.E.N.A.の『彼』が正式に身柄を渡した。片方は命令に対する前提が覆り、もう片方は正式な手続きでぐるりと戻ってしまった。
「前例と、正式な手続きに万歳だな」
そう言う理事長代理の声は安堵が込められていた。
短い? 切りが悪かったので。
BOUQUET編終わり後について(今後は溜めて投稿するので間隔は長くなります。
-
ラスバレ編に突入
-
FGOクロス多めのストーリー
-
こっちは休んで停滞している他の作品をする