ジャイロボールに夢見て   作:神田瑞樹

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最終話

         Ⅰ

 熱き夏の大会、全国高校野球西東京大会。

 甲子園を懸けて行われた3週間にも及ぶ熱きトーナメントの頂きに立ったのは闘将片岡鉄心率いる青道だった。ここ数年全国の舞台から遠ざかっていた名門の復活に球場はお祭り騒ぎ。青道の応援席からは歓喜の嵐が吹き荒れ、スタンドの至る所からシャッターの音が鳴り響く。そんな興奮冷めやらぬ青道応援席の一角、むさ苦しい野球部員達がずらりと並ぶ列の中にひっそりと佇む青道のユニフォームに身を包んだマネージャーの少女達。ここまで部員達と共に声援を送り続けていた彼女らもまた歓喜の輪の中にいた。

 

「やった! やりましたよ貴子先輩! 甲子園、甲子園ですよっ!?」

「えぇそうね……本当に…やったわね」

 

 マネージャーの中で唯一の一年生である吉川春乃が満面の笑みで隣にいる先輩の手を掴むと、濡れた声が返ってきた。もしかしてと春乃が顔を横に向けてみれば、案の定そこには涙ぐむ最上級生の姿。泣き顔も綺麗だなぁと春乃がその横顔にしばしの間目を奪われていると、後輩の視線に気が付いた藤原貴子は慌てて目尻を拭った。

 

「べ、別に泣いてなんかいないわよ?」

「えっ? けど今も目に涙が……」

「こ、これはちょっとゴミが入っただけよ」

 

どう考えても苦しい言い訳だった。

 とは言え相手は先輩。指摘するべきか春乃が少し迷った時、くすりと上品な笑い声が左耳に届いた。顔を向けると、マネージャー達の引率教諭である高島礼が大人の女性らしい綺麗な笑みを浮かべていた。

 

「別に隠すことはないわよ藤原さん。あなただって三年間この瞬間を夢見てきた青道野球部の一員だもの」

「高島先生……」

「改めて言わせてもらうわね。甲子園出場おめでとう、今日までよく頑張ったわね」

「ありがとう……ござい…ます」

 

 ぽろぽろと、こらえ切れなくなった涙が滴となって貴子の頬を伝っていく。何も努力してきたのは選手だけではない。裏方としてチームを支える彼女達マネージャーにもまた様々な苦労があり、そして努力があった。

 これまでの全てが報われた瞬間。

両掌で顔を覆い、貴子は内から溢れる衝動に身を任せて嗚咽をこぼす。優れた容姿も相まって傍から見るその光景は非常に爽やかで、そして美しいものだった。いかにも高校野球らしい青春の一幕。そしてそんなシーンを遠くから捉える一台のテレビカメラがあった。

 貴子は知らない。

アップになった自分の泣き顔が今関東中に放送されていることを、あまつさえそれが夜のスポーツニュースでも使われることなど今の時点では知る由もなかったのである。

          

             ◇

 

 大会が始まる前、青道野球部監督である片岡鉄心は100名を超える部員の中から夏を闘う20名を選抜し彼らに背番号を授けたが、当然のことながらその全員が平等に出場機会に恵まれていたわけではなかった。

 野球は主力と控えの扱いの差が大きいスポーツ。毎回当たり前のように試合に出るレギュラー陣に比べサブにまわったメンバーに与えられるチャンスは驚くほど少ない。

 事実青道では明川戦以降、サブの中で試合に関わった人数はわずか5名。そしてこの決勝という大舞台では誰一人として使われることはなかった。サブに回っているとは言え彼らもまた今日までレギュラーに負けず劣らずの努力を行ってきた青道の戦士達。悔しくない筈がなかった、無念でない筈がなかった。しかしそれでも彼らはそんな個人の感情を呑みこみ、ただ一心不乱にチームの勝利を願ってベンチから叫び続けた、声援を送り続けた。

 そして、遂にその時が訪れる。

 稲実最後の打者となる成宮が打ち上げたフライをクリスが捕球した瞬間、ベンチにいた選手達は一斉に飛び出した。後に残されたのは随分と広くなったダグアウト。

 その最前列で指揮を執り続けていた青道の指揮官は試合が終わってもすぐにはその場から動かなかった。じっとグラウンドを、選手達が集まるマウンドを見つめたまま動かなかった。そしてサングラスの中の瞼をそっと閉じた時、野太い叫びが後方から聞こえた。

 

「う、うぉおおおお! や、やりましたよ片岡監督っ!? 甲子園、甲子園ですよっ!?」

「あぁ」

 

 数えて6年振りとなる甲子園に太田の声は上擦っていた。テンパって学校に連絡しようと携帯を取り出す部長をしり目に、片岡はベンチに唯一残った選手へと顔を向ける。

 内から溢れそうになる想いをこらえ、片岡は言葉を紡いだ。

 

「甲子園だ、丹波」

「……は…い…」

 

 最終回、ベンチで誰よりも声を張り上げていた元エースの声は震えていた。顔はくしゃくしゃに歪み、目からは滂沱のごとく涙が零れている。端的に言って酷い顔だろう。

それでも丹波は決して下を向かなかった、前だけを見つめていた。

 

「甲子園では必ずお前の力が必要になる。これまでの借りはその時に返せばいい」

「は…い……」

「だから今はあいつらの所に行って来い」

「……はいっ!」

 

 そうしてベンチに残っていた最後の選手もグラウンドへと駆けていく。遠ざかっていく背中を見送っていると、冷たい水滴が頬を伝った。

 その正体が一体何なのかは考えなかった。

 片岡は滲む視界で栄光を勝ち取った選手を見つめ、静かに顔を伏せた。

 

 

 

 

           Ⅱ

 

―――実のところを言えばあまり実感はなかった。

 

 ホームベースの向こう、バックネットの手前でウィニングボールの入ったミットが高々と掲げられる。同時に宣言されるゲームセットのコール、ラストバッターとなった成宮が力なく崩れ落ちていく様子がやけにゆっくりと空の目には映った。耳に入ってくるのは勝者となったチームメイト達の歓喜の声と、敗者による悲痛な叫び。

 わずか数秒の内に一変してしまった世界を空はどこか他人事のように感じていた。

 

……勝ったん…だよな?

 

 思わず背後を振り返る。試合の状況を示す大きなスコアボードには確かに青道の勝利が示されていた。それを見てようやく、空は自分達が勝ったのだという事実を実感した。

 

「しゃああぁ!」

 

 雄叫びと共に右腕を天高く突き上げる。

 

 

今までになく苦しい闘いだった。

自分に足りないものを嫌となく見せつけられた試合だった。

これ以上ないくらい最高の勝負だった。

 

 

 胸の奥底から湧き上がる様々な想い。それにゆっくりと浸る間もなく、大きな二本の腕が背後から空の身体を強く抱きしめた。

 

「よく投げてくれたな、山城」

「クリス先輩……」

 

 頭上から聞こえてきたのは大好きな先輩の声、山城空という投手を生み出してくれた世界最高の捕手の優しい声。言いたいことはいくらでもあった。話したいことは山ほどあった。でもちゃんとした文章にしようとすると言葉にならなくて。

 だから空は、全ての気持ちをたった一言に込めることにした。

 

「―――はいっ!」

 

 目尻に浮かんだのは汗か、それとも涙か。穏やかな空気で勝利の余韻に浸る青道バッテリー。爽やか青春物語を繰り広げる二人の目には勢いよく向かってくる笑顔のチームメイトの姿が映っていた。どうやら手荒い祝福になりそうだとどちらともなく笑い合い、空とクリスはそのまま流れに身を任せた。

 

 

 第89回全国高校野球選手権 西東京大会

 優勝 青道高校

 

 

 

             ◇

 

 場所は東京から遠く離れて北海道苫小牧。7月の末になってもまだどこか涼しさを残すその場所に彼はいた。じっと真剣な眼差しで見つめるはデスクに置かれたパソコンの画面。こっちに来る際に実家から持ち出してきた自慢のノートのパソコンには零れんばかりの笑みを浮かべる親友の姿があった。

 

「勝ったか……」

 

 呟き、少年は自重を背もたれへと預けた。ぎしりと腰を下ろすパソコン椅子が悲鳴を上げるのと立てつけの悪い部屋の扉が音を鳴らすのは同じタイミングだった。少年は背後を振り返ることなく入ってきた人物の名を呼んだ。

 

「ランニングはもういいのか、降谷?」

「うん。監督に上がれって言われたし」

 

 よいしょと、降谷と呼ばれた背の高い少年は自分のベッドの上に腰を下ろした。どこかぼんやりとした目が見つめるのはルームメイトの机の上に置かれたモノ。

 気になるかと少年が尋ねてみれば、降谷は素直に頷いた。

 

「大地がこの時間に自主練しないで部屋にいるって珍しいね。何見てるの?」

「青道と稲実による西東京大会の決勝だ。とはいっても、いましがた終わったがな」

「青道……確か御幸ってキャッチャーがいるとこだよね?」

「高校野球に疎いお前にしてはよく知っていたな」

「どっちが勝ったの?」

「青道だ」

 

 そう言って液晶を指差すルームメイトの顔がどことなく緩んでいることに降谷は気が付いた。どこまでも生真面目な姿しか知らない彼にとって、それはちょっとした事件だった。

 

「なんかうれしそうだね」

「そうだな。信じてはいたが何が起きるかわからないのが高校野球だからな。実際に勝ったのを見て少しほっとしている」

「ふーん。そういえば大地は東京から来たんだっけ。青道に知り合いでもいるの?」

「親友とお世話になった先輩がいる」

「それって前に大地が言っていたシニアの二人?」

「あぁ。山城空と滝川・クリス・優。俺の知る限り最高の捕手と、最高の投手だ」

 

 少年がそう断言した瞬間、それまでぼぉっとしていた降谷の目に火が灯る。いかにも投手らしい反応に少年は目を細めた。

 

「対抗意識を燃やすのはいいがまずはもっと体力をつけろ。今のままでは同じ土俵に上がることさえ出来はしないぞ」

「……もう少し走ってくる」

 

 いっそ見事なまでに少年の言葉にのせられ降谷は部屋を後にした。また一人に戻った少年は再び画面に視線を戻すと、本当に小さく微笑んだ。

 

「甲子園で待っているぞ、山城」

 

 南北海道大会通算打率7割5分。HR、打点を初めとしたありとあらゆるローカル記録を塗り替え南苫小牧優勝の原動力となった少年を、メディアはシニア時代の異名にならいこう呼んだ。

“打の怪物”

 広橋大地。

 かつて山城空と共に並び称された天才が甲子園という大舞台で旋風を巻き起こす時はもう間近に迫っていた。

 

 

 

           Ⅲ

 月の下を歩いていた。

 昼間の猛暑の名残からようやく解放され鈴虫の音色を涼やかに楽しめるようになった午後11時、クリスと空の二人は未だ宴の続く寮を離れて昨夜と同じAグラウンド外にある土手へと来ていた。再びこの場所を訪れた理由は特にない。

 ただ二人とも気が付けば自然とこの場所に足が伸びていた。ゆらりゆらりと伸びた緑の芝が前後に動く。突然吹き始めた生暖かい風を空は全身で感じ取った。

 

「クリス先輩、寮にいなくていいんですか? 確か三年でゲーム大会やるって聞きましたけど」

「なんだか不穏な匂いを感じたからな。丹波と結城が揃って変な方向に盛り上がっている時は大抵何かが起きる。巻き込まれる前に避難するのが最善だ。そういうお前はどうなんだ? 今日の試合のヒーローがこんな場所にいていいのか?」

「さすがに疲れたんで騒がしいのはもう勘弁です。ってか、ヒーローっていうならクリス先輩の方じゃないですか。確か山ほど取材受けてましたよね?」

「試合後1時間近く記者達に拘束されたお前ほどじゃない。お前を待っている間バスの中で沢村が怒っていたぞ? 『あいつばっかり目立っている』とな」

「悔しかったら早く上手くなれって後で言っときます」

「あぁ、それがいい」

 

 顔を見合わせ互いに笑い合う、丁度そんな時だった。芝を踏みしめながら近づいてくる人物の存在に気が付いたのは。この辺りは閑静な住宅街だけあって21時を過ぎればめっきり出歩く人の数は減る。いったい誰だとバッテリー揃って人影に目を凝らし、その意外な意外な正体に目を瞬かせた。

 

「あら、二人ともここにいたの」

「貴子先輩……」

「藤原……」

 

 暗闇から現れたのは青道野球部の3年生マネージャー、藤原貴子だった。彼女は呆気に取られた顔をする男子達にくすりと笑い、「ここ座るわね」と空の隣でそっと膝を折った。

 どう反応すべきか迷うクリスと空だったが、結局彼らもまた貴子にならって芝に腰を下ろすことにした。人気の少ない夜間の土手に座るぶ3名の若い男女。これだけ聞けば邪推の一つや二つ浮かびそうなものだが、残念かな彼らの間にあるのは至極爽やかな関係だけだった。貴子は風に揺れる黒髪をおさえると、柔らかく二人に微笑んだ。

 

「そう言えば色々忙しくてまだちゃんと言えてなかったわね。甲子園出場おめでとう、二人とも。でも甲子園の立役者のバッテリーが両方こんな場所にいていいの?」

「その言葉、そっくり返しますよ貴子先輩。なんで先輩がこんなとこにいるんすか?」

「あぁ。マネージャー達は今頃スポーツニュースをチェックしている筈じゃなかったのか? 確か藤原が一番意気込んでいた気がするが」

「えっ? あっ、その……そう! 急に風にあたりたくなったのよ」

 

 明らかに納得していない様子で眉を潜めるバッテリーに貴子は自分が墓穴を掘ったことを悟った。二人は知らない、意気揚々と後輩マネ達と共にスポーツニュースを鑑賞していた貴子がテレビに映る自身の泣き顔にリモコンを持ったまま固まったことを。そして番組を変えても変えても自分の泣き顔が使われているという事実に耐えられなくなり、マネージャーとしての職務を放棄してこの場所に来たことを二人は知らなかったりする。寮に戻ったら自ずとバレることとは言え、今ぐらいは何とか隠しておきたい。

 そんな意地らしい想いから貴子は慌てて話題を切り替えた。

 

「そ、そういえば二人とも夢ってあるのかしら?」

「夢?」

「また唐突だな。いったいどうしたんだ?」

「えっと、少し気になって。それよりどう? やっぱり二人ともプロ志望?」

 

 それは確かに唐突だったが、前々から貴子が一度聞いてみたいと思っていた質問だった。今日の決勝に勝ったことで最早全国でも知らない者などいなくなった青道の黄金バッテリー、山城空と滝川・クリス・優。身内びいきを抜きにしても飛び抜けた才能を持つこの天才二人が一体どんな未来を思い描いているのか。野球ファンなら誰もが気になるであろう貴子の問いかけに対し、最初に答えたのはあと半年で高校を卒業するクリスだった。

 

「そうだな。俺は父さんと同じ様にプロの世界で生きていきたいと思っている」

「やっぱりクリス君はプロ志望か。じゃあ高校を卒業したらそのままプロに?」

「どうだろうな……父さんは大学に進学してからでも遅くないと言っていたが、俺個人としては叶うなら高卒でプロに行きたいと思う」

「それはどうして?」

「メジャーに挑戦するなら出来るだけ早い方がいいからな」

 

 目を見開く貴子にクリスは苦笑した。

 

「父さんは日本に来る前は3Aの選手だったからメジャーに対する思い入れは昔からあった。それに一野球人としてもやはり世界中から最高の選手が集まるメジャーは魅力的だ」

 

 恐らくは前々から心に決めていたのだろう。大して悩むことなくクリスは己の夢を語った。同級生の壮大な想いに素直に感心した貴子は残るもう一人へと顔を向け、

 

「じゃあ山城君はどうかしら?」

「そうっすねぇ……やっぱ高校卒業したらプロに行きたいと思ってます。そこから先はまだ決まってないですけど」

「あら? クリス君と同じ球団じゃなくていいの?」

「そりゃ出来るなら同じ球団に行きたいですけど今は逆指名できないし……まぁ最悪FA使って何とかしますよ」

「もしもクリス君がメジャーに行ったら?」

「追いかけますよ、そりゃ」

 

 当たり前じゃないですかと不思議そうに首を傾げる後輩に貴子の顔は引き攣った。ちらりと捕手の方を伺えば空の言葉が嬉しかったのか随分と頬を緩ませている。

 あぁ駄目だこのバッテリーと、貴子は思った。

 

「ふぅ。後輩が後輩なら先輩も先輩ということね」

「何の話ですか?」

「あなた達が似た者同士ってことよ」

「よくわからないですけど……そういや、貴子先輩の夢ってなんですか?」

「私?」

「そういえば藤原の夢は俺も聞いたことがないな」

「えっと……言わなきゃダメかしら?」

 

 困ったように言葉を濁す貴子に空とクリスは首を捻る。この感じだとどうやら最近の若者にありがちな夢がないというわけではないらしい。別に空もクリスも無理やり貴子から聞き出そうとは思わないが、人に尋ねておいて自分だけ答えないというのは如何なものか。

 貴子もそれがわかっているのだろう。はぁとため息をつき、二人の顔を見た。

 

「その、笑わないでね?」

「笑いませんって。それで何なんですか?」

「……専業主婦」

「ん?」

「だからっ! 結婚して家庭に入るのが私の夢なのよっ!」

 

 半ばやけくそ気味に貴子は叫んだ。

 それに対する空とクリスの反応は随分と優しいものだった。まるで微笑ましいものでも見たかのように目尻を緩める二人に、貴子は紅潮させた頬を小さく膨らませた。

 

「……だから言いたくなかったのよ」

「別にいじゃないっすか専業主婦。うん、貴子先輩ならいい奥さんになれると思いますよ」

「あぁ。藤原ならいい母親になりそうだ」

 

 それからしばらくの間三人は取り留めもない話に興じた。授業の話から先生の話、漫画や音楽、ファッション、スポーツなど。大会中はのんびりとこんな話をする暇もなかっただけに話題が尽きることはなかった。

 そうしてそろそろ日付が変わろうとする頃にぽつりと、貴子は零した。

 

「次はいよいよ甲子園ね」

 

 静かにバッテリーが頷く。確かに今日の勝利で青道は6年振りとなる甲子園の出場を決めたが、高校野球はそれで終わりではない。

むしろ本当の夏はこれから始まると言ってもいい。

 空がクリスと交わした『甲子園に連れて行く』という約束はもう叶った。

 なら次は、

 

「優勝―――しかないっすよね」

「あぁ。俺達なら出来る」

「えぇ、あなた達ならきっと」

 

 新たな誓いを胸に抱いて三人は夜空を見上げる。

 7月最後の夜に燦々と輝く無数の星々。

 その中心に浮かぶ形の欠けた月がまるで見守るように彼らを見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

                   ジャイロボールに夢見て       完

 

 

 




最終回ということでみんなの要望通り、藤原貴子さんに出番を与えてみました。

これにて本編は完結です。長い間応援ありがとうございました。


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