コドラクの回想は次回で終わりです。
<回想>
エルディンがウィンターホールド大学に入り、さらに数年が経過しました。
この間、世界は大きな動きを見せていました。
ストームクロークの反乱、ポテマ召喚、ウィンターホールドの異変…
そして、【
しかし、それと同時に各地での活躍、そして
そしてついに、二人は呪いの元凶である魔女の居場所を突き止め、治療法を見つけました。
もうすぐ父親の願いを叶えることができると、エルディンは勇んで討伐に向かいました。
しかし、それが二人の最期の別れとなってしまいました。
エルディンが討伐に向かった日の夜、シルバーハンドがジョルバスクルを襲いました。
コドラクも懸命に戦いましたが、敵の数が多く、劣勢を強いられました。
そして最後にコドラクが見たのは自分の胸に刃が刺さる光景でした…。
*
<ヘスティアファミリア ホーム>
翌日の早朝、ベルの叫び声でエルディンは目が覚めた。
ベッドを見ると、顔を真っ赤にしたベルが、ベルに抱きついているヘスティアを離そうともがいていた。
「ベル、朝からやかましいぞ」
「エ、エルディンさん!
見てないで、助けてください!」
「別に女性に抱き付かれたくらいで
そんなに顔を赤くすることもなかろう?」
「そ、それは、その…」
ベルの顔が炎の精霊くらい赤くなる。
からかい甲斐のある奴だ。
「うーん、騒がしいなぁ…ぎゃああ!?
ベル君!? 朝からなんて大胆な…」
今度はヘスティアが騒ぎ出す。
とりあえず二人を落ち着かせ、朝食の支度を始める。
昨日作ったシチューを温め直し、パンを用意する。
「こ、これ、エルディン君が作ったのかい!?」
ヘスティアが驚く。
「昨日買い物に行ってな。
せっかく道具と食材を揃えたから作ったのだ」
昨日から何も口にしていない二人の腹が同時に鳴る。
「「いただきます!!」」
早速、熱々のシチューを口にする。
「う、うまい!」
「おいしいです! エルディンさん!」
二人とも無我夢中で食べる。
普段はセラーナしか料理を振る舞う相手がいないため、二人の感想にエルディンは気を良くする。
「これからも、気が向いたら作ってやる」
「こんなに美味しいもの作れるなら、毎日頼むよ!」
「是非、毎日作ってください!」
*
朝食後、現状確認も兼ねてステイタスの更新を行うことにした。
先にベルが更新を終え、今はエルディンがベッドの上に寝ている。
「はい、終わり! これが今の君のステイタスだよ」
ヘスティアがエルディンに紙を渡す。
[エルディン・ホワイトメーン]
Lv.5
力:A 879 +1
耐久:B 740
器用:C 654
敏捷:C 654 +2
魔力:A 896 +2
[発展アビリティ]
<鍛治><付呪><錬金術>
[スキル]
<
アカトシュに祝福された竜殺しの証。
・ありとあらゆるシャウトを使用できる。
・竜系モンスターとの戦闘時、
能力が大幅に上昇する。
・竜系モンスターにとどめを刺した時、
経験値を大幅に獲得する。
<
戦士・魔法・影の全ての道を極めた証。
装備している武器・防具により、
アビリティに補正がかかる。
<
吸血鬼の血を持つ証。
・夜の間、力・敏捷・魔力が向上する。
・毒、疫病に対して耐性を得る。
・日光を浴びている間、全ステイタスが低下する。
・吸血鬼の王に変身する。変身時はレベルが1上昇する。
[魔法]
<攻撃魔法>
相手に直接ダメージを与える魔法
・破壊魔法は炎、氷、雷の属性魔法を放つ。
チャージにより威力、範囲、効果が変動。
・召喚魔法は剣、短剣、弓、両手斧を召喚する。
威力はアビリティに依存。
<回復魔法>
自身や周囲を回復する魔法。
また、アンデッドに対する浄化魔法。
・回復、守護、神聖魔法。
チャージにより範囲、効果が変動。
<変幻魔法>
自身・周囲に物理的・精神的な影響を与える補助魔法。
・変性魔法は魔法の鎧、念動力、麻痺、探知魔法。
鎧、麻痺はチャージにより効果が変動。
・幻惑魔法は鎮静、高揚、恐怖、錯乱、
透明化、記憶操作魔法。
チャージにより範囲が変動。
エルディンがステイタスを確認する。
これといって大きな変化はない。
「ちょっといいかい?
ベル君のことで話があるんだ」
服を着ていると、ヘスティアが話しかけてくる。
「ベルがどうした?」
ヘスティアはベルの異常な成長速度、そして発動したスキルについて打ち明けた。
「確かに、ベル君が強くなるのは僕も嬉しい。
…だけど、それでベル君が無理をして、
危ない目に遭うのは嫌なんだ」
俯きがちにヘスティアが話す。
やがて顔を上げて、エルディンを見る。
「エルディン君。ベル君が無理をしないように、君が導いてくれないかい?」
エルディンはヘスティアの頼みを受け入れる。
「安心しろ、ヘスティア。
ベルは私が英雄に育ててやる」
「ありがとう。
…じゃあベル君を連れてきてくれるかい?」
*
「二人とも、突然だけど用事ができたから
しばらくの間、留守にするよ」
ヘスティアが二人に言う。
「どうしたんですか、神様?」
ベルが尋ねる。
「いや、今日は友神の開くパーティがあってね。
それに参加するんだ」
「友神…神の集まりということか?」
今度はエルディンが尋ねる。
「そういうこと!
久々だし、積もる話もしたくてさ」
そう言いながら、服を探し始める。
神と聞いて、エルディンは大事なことを思い出す。
「そういえば昨日、
ヘファイストスという女神に会ったぞ。
その女神に、私は以前のことをよく覚えてないと
嘘を言ったから、うまく取り繕ってくれ」
その言葉を聞き、ヘスティアが固まる。
まさに今日、彼女が会いたいと思っていた
友人の名がエルディンの口から出てきたことにも、
その友人に嘘をついたと悪びれもなく言う
エルディンにも驚いた。
「顔色が悪いが、どうした?」
人の気も知らず、エルディンが言う。
(本当に帰れなそうだなぁ)
ヘスティアはこれから起こるであろう困難に憂鬱になりながらも、支度を終えて部屋から出て行った。
「今日はどうしましょうか?
僕の体も特に問題ないですし、ダンジョンに行きましょうか?」
ベルはエルディンに今日の予定を尋ねる。
エルディンが治療したおかげで、ベルの傷は昨日の時点で完治していた。
ベルの問いに、エルディンが答える。
「それなんだが…今日はベルの修行をしようと思う」
*
修行をする前に、ベルにはやらなければならないことがあった。
意を決して、店の扉をたたく。
「店はまだやってないニャー」
そんな声がして扉が開かれる。
現れたのは猫人の女の子であった。
「あ、おミャーらは!?
シルに貢がせるだけ貢がせた白髪の食い逃げ犯!?
それにロキファミリアの大半を潰した色白おばけ!?」
猫人は二人を見た途端騒ぎ出す。
猫人の反応にベルは焦り、エルディンは白い目でみる。
「アーニャ、静かにしなさい。
彼は謝りに来てくれたのですよ。
それに代金はすでにそちらの方から頂いております」
エルフの女性がアーニャと呼ばれた猫人を嗜める。
「リューも白髪頭が食い逃げした時はとっ捕まえようとしたくせに、何を言うかニャー」
「それ以上言うと叩きますよ。
…失礼しました。どうぞ中へ」
二人が中に入ると、何人かの従業員が清掃をしていてカウンターにはこの店の主人とシルがいた。
「ベルさん!」
ベルに気付いたシルが駆け寄る。
「シルさん…すみませんでした!」
「いえ、大丈夫です。こうして戻ってきてもらえて…」
ベルと、シル、それに店の女将が話し始める。
エルディンはその話を少し離れて聞きつつ、従業員を観察する。
この酒場の従業員は全員女性だが、どの者も相当の手練れだ。
特に店の女将は只者ではないことがわかる。
「あの人は何者だ?」
エルディンはリューと呼ばれていたエルフに訊く。
「ミア母さんですか?
さあ、私も詳しくは分かりません」
リューが答える。
はぐらかしてるのか、本当に知らないのか判断しにくい。
「お前もそうだが、ここの従業員は相当腕が立つようだな。
用心棒要らずと言うわけか」
軽口を言うエルディンに、リューが殺気を放つ。
「…私に殺気立つとはいい度胸だ。
だが安心しろ。別に詮索をするつもりはない。
ここの酒と料理は美味かったからな。
これからも贔屓にさせてもらう」
そんなことを話しているとベルとシルが戻ってきた。
ベルが手にバケットを持っている。
「エルディンさん。
シルさんがお昼ご飯ををくれまして。
お返しをしたいなと…」
「いえ、お気になさらず。
私が好きでやってるだけですから」
シルが笑う。
「…貰ってばかりも悪い。
私が作ったものでよければ食べてくれ」
エルディンが昼用に作ったサンドイッチを渡す。
シルは驚きつつも受け取った。
「…あなたは料理ができるのですか?」
リューがエルディンに訊く。
「ああ。それなりにな。
良かったら、お前も食べて感想を聞かせてくれ」
(これは負けていられません)
(この人にもできるのにどうして私は…)
シルとリューはそれぞれそんなことを思っていた。
*
エルディンとベルは市壁の上に来ていた。
広々としており、滅多に人が来ることはないので、修行には最適の場所だった。
「それで、エルディンさん!
修行って具体的に何をするんですか!?」
ベルが尋ねる。
エルディンに指導してもらえるということでベルはやる気に満ち溢れていた。
「まずは、改めてお前の実力を確認する」
エルディンはそういうと背負っていた袋を下ろし、中身を取り出す。
「これって…」
中に入っていたのは短剣や長剣、槍などの様々な武器だった。
「お前は冒険者になってからずっとナイフを使用しているな?
他の武器に適性があるか見ておきたい。
使い方を覚えておいて損はないしな」
リーチの短い武器はそれだけ敵に接近する必要があるため、常に身を危険に晒すことになる。
さらに、両手斧などと違い、振り回すだけで致命傷になる攻撃ができるわけでもないため、的確に相手の急所を狙う必要がある。
かなり玄人向けの武器であるというのがエルディンの考えだった。
他の武器に適性があるのならば武器を変えさせるのも手だ。
しかし、一方でベルの俊敏さを活かすには、ナイフが最適であるのも事実であった。
最終的にどの武器を使うかはステイタスの伸び方次第である。
エルディンは慎重にベルの適性を見極めるつもりでいた。
「まずは一番感覚が近い短剣を使ってみろ」
「はい!」
ベルは短剣を持ち、構える。
なんだか持ったときの感覚がしっくりくる。
刃に名前が彫ってあるのに気がつく。
(ヴェルフ・クロッゾ?)
「準備はいいか?」
エルディンはベルの少し後ろに立ち、言葉を発する。
「【
ベルの目の前に、透けた状態のエルディンが現れる。
「わっ!? なんですかこれ!?」
ベルが驚く。
「幻影を呼び出すシャウトだ。
幻影といっても、きちんと実体はあるがな」
エルディンが説明する間に、幻影は剣と盾を構える。
「この幻影が消えるまで、好きに打ち込むといい」
*
そこからベルは得物を変えつつ、幻影を相手にひたすら武器を振るった。
時折、エルディンがベルの動きに対し、指摘を入れる。
幻影を倒そうと躍起になるベルだが、幻影はベルの攻撃を盾で受け、剣で弾き、避けてくる。
有効打が決まらないまま、ベルが先にへばるか、幻影の効果が切れて消滅するかのどちらかが続く。
だが、エルディンはベルの動きに概ね満足していた。
最初に少し手解きをするだけで、ベルは武器の扱い方を概ね理解していた。
武器を振るううちに動きが洗練されていく。
(これも例のスキルの影響か?)
ヘスティアの話を思い返す。
これだけ扱えれば、将来的にはどの武器でも一級の戦士になれるだろう。
幻影が消えたところで、ベルが座り込む。
「少し休憩だ。初めてにしては上出来だな」
「はあ…はあ…ありがとう…ございます」
息も絶え絶えにベルが言う。
「だが、攻撃の連携がまだ甘いな。
それでは、敵が怯んでもその隙を突くことができない。
後は、攻撃の踏み込みが足りない。
有効な間合いで攻撃ができなければ敵の反撃を受ける恐れがある。
他には…」
「そんなに…いっぺんに言われても…」
エルディンがベルの悪いところを指摘していくが、ベルは息を整えるのに必死になっている。
エルディンはベルに水筒を渡す。
ベルが水を飲んでいる間に武器を片付けると次の特訓の準備をする。
「武器の素振りは今後も定期的に行う。
…さて、ここからが本番だ」
本番という言葉にベルは絶句する。
今までのはなんだったんだ。
「ここからは対人戦の立ち回りを叩き込む。
先程までは幻影は受けに徹していたが、今度は逆にベルを攻撃させる。
ベルは幻影の攻撃を避けろ。
幻影が消えるまで避けきれたら上出来だ」
「…わかりました」
ベルが立ち上がる。
「準備はいいか?
言っておくが、幻影の攻撃で死ぬことはないと思うが、…死ぬほど痛いぞ」
そうして、エルディンは幻影のシャウトを放つ。
今度は両手剣を持った幻影が現れる。
「では…始め!」
幻影が剣を縦に振る。
ベルは紙一重でなんとか避ける。
しかし、幻影はすぐさま横薙ぎに変化させる。
ベルは避けられず、ナイフで受け止める。
ナイフの防御は簡単に弾かれ、そのままベルの脇腹へ両手剣がめり込む。
ベルが吹き飛ばされ、石畳を転がる。
あまりの痛みにベルが悶絶する。
(体…くっついてるよね?)
胴体が繋がってることに安堵し、ベルはそのまま気を失った。
「…10秒もたなかったな」
エルディンは幻影を待機させると回復魔法を使うため、
倒れたベルのもとに歩み寄った。
*
バベルの塔最上階。
二人の様子を伺っていたフレイヤが机を叩いた。
「あの子を強くしてくれるのはありがたいけど、あんな特訓してたらあの子の身がもたないわ!」
歯がぎりりと音を出す。
「フレイヤ様。あの者についてですが、謎が多い人物としか、わかっておりません。
噂ではロキファミリアに喧嘩を売ったとか言われておりますが…」
「…わかったわ。あれについては私もヘスティアに聞いてみるわ。
あなたは引き続き情報を集めて」
「御意」
オッタルが部屋を後にする。
「…いいわ。しばらくは殺さないでおいてあげる」
そういうとフレイヤはグラスに入ったワインを飲み干した。
コドラク編長くなってしまいました。
リューさんとセラーナに同じ匂いを感じます。
ベル君のことが心配なフレイヤ様。
補足① エルディンの活躍について
ドヴァキンはドラゴンボーンとして
覚醒する前から既に英雄でした。
時系列的にいうと
1.ウィンターホールド大学入学
2.ポテマ復活阻止。ソリチュードの従士に。
3.ウィンターホールドの異変。(大学クエスト完了)
4.旅の途中で帝国に捕まり、処刑されかける。
アルドゥイン復活。
5.ドヴァキンとして覚醒。世界のノドで
アルドゥインを撃退。
6.ウェアウルフの治療法発見。
という感じです。
また、ソルスセイムにはソブンガルデに
乗り込む前、力を手に入れるために渡っており、
そこでミラークを倒しております。
補足② 幻影のシャウトについて
ゲーム中にグレイビヤードが使うシャウト。
本来プレイヤーは使用できないが、
このドヴァキンはメインストーリー終了後に
グレイビヤードから授かっている。
話のテンポが遅くてすいません。
次回はヘスティア様が頑張ります。
ドヴァキンの強さってダンまちの世界だと、どれくらいのLv.だと思いますか?(ドヴァキンは全スキルを習得済みとします。)
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Lv.8以上
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Lv.7
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Lv.6
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Lv.5
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Lv.4
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Lv.3
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Lv.2
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Lv.1