本編では序盤からあのデイドラ王が出てきます。
ここから物語は加速する…はず。
<回想>
その男と初めて会ったのはジェイ・ザルゴがウィンターホールドに入学した時のことだ。
男は魔法大学だというのに重装備を身に纏い、あちこちに武器を担いだ、典型的なノルドという感じの奴だった。
ノルドが魔法を学びに来ることは珍しいことだが、その年にはもう一人、オンマンド先生もいた。
そしてもう一人、ブレリナというダークエルフの女性の四人とともにジェイ・ザルゴは魔術を学び始めたんだ。
初めての授業はシールドスペルの授業だった。
まずは魔法書を読んでシールドスペルについて理解を深める必要があった。
ジェイ・ザルゴは本を読むのが苦手だった。
なかなか覚えられない中、鎧の男がシールドスペルを使い出した。
先生が男を前に呼び出し、攻撃魔法を放った。
男は見事にシールドスペルで攻撃を防いだよ。
どうやら魔法の才能があるらしい。
ジェイ・ザルゴも負けじと本を読んだが、結局その日のうちにシールドスペルを覚えられたのはその男と、ブレリナだけだった。
何を隠そう、その男こそがエルディン・ホワイトメーン。
ドラゴン・ボーンにして、ジェイ・ザルゴの一番の友人だ。
*
「…近くに来い。面前へ」
暗闇に声が響く。
体が動かない。
「…我が勇者よ。お前は良くやっている」
暗闇から無数の目が現れる。
体に触手が巻き付いていることに気が付く。
「…まだ足りぬぞ。私にもっとこの世界の秘密を見せるのだ」
触手の力が強まり、体を裂こうとする。
「…だが、仮にも私の役に立っているからな。…褒美を与えよう」
触手が頭に伸びてくる。
*
「…さん…エルディンさん!」
「ん…?」
ベルに揺すられてエルディンは目を覚ます。
何か夢を見ていた気がするが、全く思い出せない。
「朝ですよ! 今日は
「あ、ああ」
エルディンは起き上がり、異変に気がつく。
なんだが、頭がすっきりしている。
思考が冴え渡っており、様々なアイデアが浮かぶようだ。
「どうかしましたか?」
エルディンの様子を見て、ベルが訊く。
「いや、何でもない。朝食を取ろう」
(何か嫌な予感がする)
朝食を終え服を着替えると、念のために片手剣を持って、エルディンはベルと共に外へ出た。
*
「そこの白髪頭、色白おばけ! 待つニャ!」
豊穣の女主人の前を通った時、二人を呼び止める声がする。
従業員のアーニャが手招きをしている。
「はい、これを持つニャ!」
そう言ってアーニャはベルにがま口の財布を渡す。
「お前はシルのマブダチニャ! あのおっちょこちょいに持っていくニャ!」
「えっと、状況がよくわからないんですが…?」
ベルが頭に? を浮かべる。
「…
「…よく分かりましたね」
店から出てきたリューが言う。
本当に今日は頭が冴えている。
「ところで、
「知らニャいのかニャ!? ミャーが教えるニャ!」
そう言って、アーニャが
「ということで、よろしくニャ! シルはさっき出て行ったばかりだから走れば追いつくと思うニャ!」
「クラネルさん、ホワイトメーンさん、すいませんが、頼まれていただけますか」
「わかりました!」
「ああ、構わない」
財布を受け取ると、エルディンとベルは会場へと向かった。
*
祭りということもあり、様々な出店が並んでいる。
この人混みの中からシルを探すのは難しい。
「手当たり次第探すのは大変ですね。どうしましょうか?」
「任せろ」
エルディンが千里眼を使おうとする。
「おーい、ベルくーん、エルディンくーん!」
そんな声が聞こえる。
「か、神様!? どうしてここに!?」
ヘスティアがベルの腕に抱きつく。
「こんなところで奇遇だねー!」
「ちょっと、近いです!」
ベルが顔を赤くする。
(これは面白いことになりそうだ)
「ベル、シルの財布は私が届けよう。ヘスティアと共に楽しんで来るといい」
そう言って、エルディンは財布を受け取る。
「ちょっと、エルディンさん!?」
「いいのかい!? エルディン君、今度何かお礼させてくれよ!」
「期待せずに待っておこう。
…二人にマーラ様のご加護がありますように」
そう言ってエルディンは人混みの中に消えていった。
「さあ、せっかくエルディン君が気を利かせてくれたんだ。ベル君…」
ヘスティアがにっこりと笑う。
「デートしようぜ!」
*
そこには
その地下で何人かの人が倒れていた。
全員、魂を抜かれたような状態だ。
「あなたがいいわ…」
フードを被った女性が檻の中を吟味し、シルバーバックに目をつける。
「行きなさい」
女性に言われて、シルバーバックは外へ出て行く。
(そっとしておくつもりだったけど、だめね。
つい、ちょっかいを出したくなってしまったわ)
【美の女神】フレイヤがクスリと笑った。
*
ベル達と別れた後、エルディンはシルを探してのんびりと店を回っていた。
千里眼を使えばすぐに見つけることもできるのだが、せっかくの祭りなので見物を楽しもうと思っていた。
スカイリムでは見たことがない食べ物や飲み物を買い、味を堪能していると、少しだけ辺りが騒がしくなった。
祭りの賑わいとは別の、喧騒に近いものだ。
(何かあったのか?)
エルディンが異変を感じていると、
「あー! 君ってエルディン君だよね!?」
自分の名を呼ぶ声がして、エルディンは声のした方を見た。
見覚えのあるアマゾネスの少女が笑いながら手を振っている。
「やっぱりそうだ! ねえ、私のこと覚えてる?」
「ああ、【
「覚えててくれたんだ! 改めてよろしくね」
ティオナが手を差し出す。握手に応じていると、さらに二人の少女が近づいてくる。
「ティオナ何やってるの? …あら、あなたは…」
ティオナによく似た少女がこちらに気づく。
「この人はアイズさんをナンパしていた男!?」
エルフの少女がエルディンを指差してあらぬことを言う。
「何か誤解しているようだが…エルディン・ホワイトメーンだ」
エルディンが名乗る。
「ティオネ・ヒリュテです。はじめまして」
「…レフィーヤ・ウィリディスです」
二人もそれぞれ名を名乗る。
「よろしくな。
…ところで、何かあったのか?
随分と騒がしいようだが」
エルディンの問いに、ティオネが思い出す。
「そうだわ! 私たちも何かおかしいと思って様子を見にきたのよ」
そう言っている間にも騒ぎが大きくなっていた。
「あっ! あそこにロキがいるよ!」
ティオナが指差す方にはロキがギルドのスタッフと話をしているのが見えた。
四人はロキのもとへと向かう。
「ロキ! どうかしたの?」
ティオネが問いかける。
「おう、お前らか。…ん? お前は…」
エルディンの存在に気付いたロキが目を見張る。
「ヘスティアファミリアの
エルディン・ホワイトメーンだ」
エルディンが名乗ると、少し間を置いてロキも名乗る。
「うちはロキファミリアの主神ロキや。
悪いが、ゆっくり話している時間は無さそうや」
「いったい何が起こっている?」
エルディンがロキに訊く。
「端的に言うと、モンスターが逃げ出した」
「ええ、それってやばいんじゃ!?」
ティオナが驚く。
「まあ、まずいなあ。
せやからアイズたんがモンスターを倒しに向かってる。
お前らはアイズの取り逃しを倒してくれ」
ロキが指示をする。
「…エルディンやったな?
武器を持ってるんやったら自分も手伝ってくれんか?」
「ああ、わかった」
ロキの頼みをエルディンは引き受ける。
「それで、アイズはどこにいるの?」
ティオナがあたりを見渡す。
「…あそこか」
エルディンが空を見上げる。
*
アイズは闘技場の上から街を見渡していた。
ロキからの指示で、まずはモンスターの位置を把握する様に言われた。
「…見つけた」
アイズはモンスターの位置を把握すると剣を抜き、呪文を唱える。
「【
アイズの体を風が纏う。
そのまま弾丸めいた速度でトロールに突撃する。
「リル・ラファーガ!」
*
「すごいものだな。あれが【剣姫】か」
エルディンはアイズの動きを見てつぶやいた。
まるで放たれた矢の如く彼女はモンスターを倒していく。
「これじゃあ私たちの出番はなさそうだねー」
ティオナがつまらなそうに言う。
「なんだか、目の前に出された餌をお預けされた気分ね」
ティオネも同意する。
「二人とも、丸腰なのによく言えますね」
レフィーヤが呆れたように笑う。
そんな中、エルディンは家が不自然に揺れていることに気がつく。
ティオナもそれに気がついたようで辺りを見回し始める。
「なんか、揺れてない?」
ティオナが言った次の瞬間、轟音と共に、地面から巨大な何かが出現した。
「…どうやら出番のようだぞ」
「…あのモンスター、何かやばい!」
エルディン、ティオネ、ティオナはすぐさま屋根伝いにモンスターのもとへ向かう。
遅れてレフィーヤも駆け出す。
エルディンは突如出現したモンスターを観察する。
巨大な蛇型のモンスターが、地面から生えてきている。
体表は滑らかで、樹木のようにも見える。
ティオネ、ティオナがすぐさまモンスターに殴りかかる。
エルディンも剣を抜き、切りつけた。
ザシュ!!
刃は通ったが、モンスターを
切断するには至らなかった。
「痛ったー!?」
「こいつ、何て硬さなの!?」
モンスターを殴った二人も顔を顰めている。
(日光が邪魔だな)
エルディンは軽く舌打ちする。
普段であれば切り飛ばせたはずだが日光により弱体化してる上、鎧も付けていないため、思ったように力が出せない。
エルディンは二人に前衛を任せ、自身は魔法による援護をするべきだと判断する。
エルディンは近場にいたティオネに話しかける。
「ティオネ、お前の得物は?」
「二刀のククリナイフよ!
でも、ここには持ってきてない!」
「私に任せろ」
エルディンは魔力のダガーを二振り召喚する。
その瞬間、モンスターはエルディンに攻撃を集中する。
(魔法に反応しているのか?)
エルディンは冷静に避けると、ティオネに魔力のダガーを投げつける。
「これを使え!」
「な、何よこれ?」
ティオネは透けているダガーを見て驚く。
今度はモンスターがティオネに向かって体当たりする。
ティオネは攻撃を避け、ダガーを突き刺した。
モンスターは気色の悪い液体を吹き出し、暴れ回る。
「なにこれ、すごいわね」
ティオネはダガーの切れ味に驚く。
ヘファイストスの一級武器とまでは行かないが、Lv5のティオネが使用しても申し分ない性能だ。
「ティオネずるい! 私も欲しい!」
ティオナが文句を言う。
「お前の得物はなんだ?」
今度はティオナに訊く。
「ウルガ!」
「…なんだと?」
聞き慣れない武器の名前に思わず訊き返す。
「
そんな馬鹿げた武器があるのかと、エルディンは呆れる。
近い武器は両手斧だろうか。
「悪いが、両手斧ぐらいしか出せない」
「えー、
「ちょっと、何やってるの!?
早く援護しなさい!」
ティオナがわがままを言い、モンスターの集中攻撃を受けているティオネが声を張り上げる。
「そんな馬鹿げた武器、出せる訳が…」
(本当に無理か?)
心の中で自問する声が聞こえる。
エルディンは思考する。召喚武器の形状は自身が
知っているものしか出せないのか?
自身の思うがまま、形状を変えることはできないのか?
魔力を集中させる。
途端にモンスターの攻撃がエルディンに向かう。
咄嗟に避けるが、意識が削がれる。
(邪魔をするな)
「
霊体化のシャウトを唱え、透明になる。
蛇の攻撃が、身体をすり抜けていく。
意識を集中する。
武器の形状を創造する。
武器の特性を理解する。
魔力を集中する。
(やってやる)
魔力を解放すると、巨大な武器が現れる。
それはまさに
「かっこいい! それ貸して!」
すぐさまティオナが取りに来る。
エルディンがティオナに
ティオナは真っ向から受け止める。
「そおおれ!!」
ティオナが刃を振るう。
モンスターの体が綺麗に切断される。
「これ、すごいね!」
戦いの最中、ティオナが笑う。
対するエルディンは顔を顰める。
(消費が激しい)
慣れないことをしたせいか、他の召喚武器よりも多くの魔力を消費した。
だが、これで状況は良くなった。
ロキファミリアが誇る姉妹の猛攻が始まる。
「ティオナさん、ティオネさん!」
レフィーヤが到着する。
「レフィーヤ! 私達がモンスターを引きつけるから、魔法の詠唱を始めて!」
ティオネがレフィーヤに指示を飛ばす。
「は、はい!」
「気をつけろ! こいつは魔力に反応する!」
エルディンが注意を促す。
「は、はい! …『解き放つ一条の光…』」
レフィーヤが呪文を唱え始める。
それを見たエルディンは【魔法の鎧】を唱える。
案の定、モンスターはエルディンに攻撃を集中する。
彼女の魔法がどれほどの威力かは知らないが、詠唱が終わるまではモンスターを引きつける必要がある。
さらに【氷のマント】を唱えると、近づいてきたモンスターが凍り、動きが鈍る。
凍った部分に対し、【アイスジャベリン】を放つと体表が砕ける。
しかし、なかなか動きが止まらない。
「あーもう、なんなのよこいつ!」
「レフィーヤ、早く!」
ティオネ、ティオナが声を上げる。
「『…穿て、必中の矢』!」
レフィーヤが呪文を唱え終える。
「エルディンさん! 下がってください!」
ティオネの声にエルディンは退避を始める。
【氷のマント】を掛けたままのため、モンスターはエルディンに引きつけられている。
レフィーヤが魔力を解放する瞬間、地面が割れ、黄緑の触手がレフィーヤの目の前に現れた。
「え?」
レフィーヤが気づいた時には触手がレフィーヤの腹部に直撃していた。
体が宙を舞う感覚がする。
口の中に血が込み上げる。
「レフィーヤ!」
ティオナが悲鳴のような声を上げる。
レフィーヤは動けない。
蛇のモンスターの頭部が割れ、花が咲いた。
「何よこいつ! …花!?」
ティオネが驚愕する。
本体から何本もの触手が伸び、レフィーヤを助けに行こうとする
ティオネとティオナの行く手を阻む。
(嫌だ)
レフィーヤは思う。
自分は死ぬのかと。
それともあの人がまた助けてくれるのかと。
(このままじゃ嫌だ)
巨大な口がレフィーヤの目の前に迫った。
*
「どうして神様が狙われてるんですか!?」
「し、知るもんか!? あんなモンスター、僕も初対面だ!」
ベルとヘスティアはシルバーバックに追われて、ダイダロス通りを逃げていた。
迷宮のように入り組んだ道を当てもなく彷徨う。
道が狭いおかげで、シルバーバックの姿は見えなくなっていた。
「ここまで来れば…」
バキリ!
不穏な音が聞こえる。
建物の上から白い巨体が落ちてくる。
咄嗟にヘスティアを抱き寄せ、強く跳ぶ。
目の前にシルバーバックが落ちてくる。
「オオオオオォ!!」
シルバーバックが咆哮する。
ベルの体が硬直する。
(怖い!)
シルバーバックが近づいてくる。
体が動かない。
(怖い!!)
悪魔のような姿のモンスターが、
頭の中にフラッシュバックする。
(怖い!!!)
「英雄に一番必要なものはなんだと思う?
…勇気だ」
エルディンの言葉が思い出される。
(動け! 動くんだ!)
ベルがナイフを構える。
「おおおお!」
シルバーバックめがけて突撃する。
ガキン!
ベルが振るったナイフが折れる。
シルバーバックが腕を振るうとベルが吹き飛ばされる。
「ベル君!」
ヘスティアが悲痛な叫び声を上げる。
なんとか起き上がり、近くにあった魔石灯をシルバーバックの目の前に押し付ける。
眩い閃光が放たれ、シルバーバックの目を焼く。
「ルオオオ!?」
シルバーバックが怯んだ隙に神様を連れて逃げる。
自分の攻撃は通用しない。
(こうなったら、神様だけでも)
途中にトンネルがあるのを見つける。
ヘスティアを中に入れ、鉄格子を閉める。
「ベル君!? 何してるんだい!?」
「神様は逃げてください。
僕はこのまま奴を引きつけます」
ベルの無謀な提案に、ヘスティアが息を呑む。
「何言ってるんだい!?
そんなの、君がどうなるか!?」
「このまま行って、エルディンさんを
探してきてください!
あの人なら必ず神様を救ってくれます!」
「…だめだ! 許さないぞ!」
「お願いです!!」
「!!」
ベルの悲痛な叫びにヘスティアは言葉をなくす。
やがてベルは振り返るとシルバーバックのもとに走って行った。
(神様…さようなら)
というわけで、三人目はみんな大好きジェイ・ザルゴです。
グレロッド、コドラクは既に亡くなっていますが、
ジェイ・ザルゴは健在です。
ついに登場、ハルメアス・モラ。
彼に頭をいじられ、頭が柔らかくなりました。
色々と突っ込まれるかもですが、
魔力の武器を誰かに使わせる
流れを入れたかったのです。
ドヴァキンの強さってダンまちの世界だと、どれくらいのLv.だと思いますか?(ドヴァキンは全スキルを習得済みとします。)
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Lv.8以上
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Lv.7
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Lv.6
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Lv.5
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Lv.4
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Lv.3
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Lv.2
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Lv.1