ダンジョンで叫ぶのは間違っているだろうか   作:マザハール

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黒檀の戦士との激闘。
エルディンも遂に全力を出します。

今回は短めです。
ベル君が魔法を覚えます。


第二十二話 保護者

<回想>

 

 エルディンは【黒檀の戦士】との決闘を果たすため、【最後の見張り場】に辿り着きました。

【黒檀の戦士】は約束の地で佇んでいました。

 二人は対面すると、言葉を交わすことなく剣を抜きました。

 太陽を覆っていた雲が流れ、二人の間に日光が当たった瞬間、決闘は始まりました。

 剣で、魔法で、シャウトで、お互いが持つ全ての技を持って激突します。

 戦いは僅かに【黒檀の戦士】の方が優勢で、少しずつエルディンは押され始めました。

 しかし、傷を増やしながらも、エルディンの顔には笑みが浮かんでいました。

 また、顔は見えませんが、【黒檀の戦士】も笑っていました。

 

 エルディンは【黒檀の戦士】に対し、己の全力を持って戦うことを決め、【ドラゴンアスペクト】を叫びました。

【ドラゴンアスペクト】により、形勢は逆転し【黒檀の戦士】が押され始めました。

 エルディンの顔から笑みが消え、悲しそうな顔に変わっていきました。

 

 そして数時間にも及ぶ激闘の末、遂にエルディンの剣が鎧を突き破り、【黒檀の戦士】の心臓を貫きました。

 

 *

 

 [エルディン・ホワイトメーン]

 Lv.5

 力:S 902 +22

 耐久:B 763 +20

 器用:C 685 +25

 敏捷:C 680 +24

 魔力:S 922 +23

 

 [発展アビリティ]

<鍛治><付呪><錬金術>

 

 [スキル]

<竜の血脈(ドラゴンボーン)>

 アカトシュに祝福された竜殺しの証。

 ・ありとあらゆるシャウトを使用できる。

 ・竜系モンスターとの戦闘時、

 能力が大幅に上昇する。

 ・竜系モンスターにとどめを刺した時、

 経験値を大幅に獲得する。

<三道極地(スキルマスター)>

 戦士・魔法・影の全ての道を極めた証。

 ・装備している武器・防具により、

 アビリティに補正がかかる。

<吸血鬼の王(ノーライフキング)>

 吸血鬼の血を持つ証。

 ・夜の間、力・敏捷・魔力が向上する。

 ・毒、疫病に対して耐性を得る。

 ・日光を浴びている間、全ステイタスが低下する。

 ・吸血鬼の王に変身する。変身時はレベルが1上昇する。

<深淵の知識(オグマ・インティニウム)>

 既存の技を派生させて新たな技を習得する。

 技習得時に<精神力(マインド)>を消費する。

 [習得した技]

 ・召喚武器創造

 ・雷鳴一閃

 ・属性付呪

 

 [魔法]

<攻撃魔法>

 相手に直接ダメージを与える魔法

 ・破壊魔法は炎、氷、雷の属性魔法を放つ。

 ・召喚魔法は武器を召喚する。

 威力はアビリティに依存。

<回復魔法>

 自身や周囲を回復する魔法。

 また、アンデットに対する浄化魔法。

<変幻魔法>

 自身・周囲に物理的・精神的な影響を与える補助魔法。

 ・変性魔法は物理法則に影響を与える。

 ・幻惑魔法は他人の精神に干渉する。

 

「す、すごい上がったね」

 

 ヘスティアが引き攣った笑みを浮かべる。

 何日かぶりにステイタス更新を行ったところ、異常なほど上昇したのだが、もはやエルディンに関することで驚くことが少なくなっていた。

 

「昨日はインファントドラゴンを倒したからな。スキルの影響だろう」

 

 エルディンも特に驚くことはなくステイタスを確認している。

 

「エルディン君、昨日は例のサポーター君と一緒にダンジョンに行っていたのかい?」

 

「ああ、そうだ」

 

 ヘスティアは少し考えてエルディンに訊く。

 

「…エルディン君から見て、その子はどんな子だい?」

 

「どこにでもいる、暗い過去を持った少女だ。昔の私と同じ目をしている」

 

「そんな子、どこにでもはいないよ…。ベル君と組んでいても、問題なさそうかい?」

 

「何か企んでいるだろうな。だが、私が何か言ったところで、ベルは彼女を放っておく気はなさそうだ」

 

 ベルはあれで意外と頑固なところがある。

 リリとの関係については自分の意思を貫くだろう。

 

「まったく、僕という者がいながら…」

 

「…昨日釘は刺しておいた。しばらくは何もしないだろう」

 

「わかった、もしもの時は頼むよ」

 

 *

 

 ヘスティアとそんな話をしてから早くも数日が経っていた。

 エルディンが目を光らせていたこともあり、リリは大それた動きは見せていない。

 せいぜい、稼ぎの配分を誤魔化したり、ベルが頼んだおつかいのお釣りをちょろまかしたりする程度だ。

 エルディン自身もやりたいことがあるため、いつまでも見張っていることはできない。

 もう少ししたら別行動を取ろうと考えていた。

 

 そんな日が続き、エルディンが一人ダンジョンに潜った日のこと。

 ダンジョンから帰ってきた時に、ベルがやたら上機嫌に出迎えた。

 

「おかえりなさい! エルディンさん!」

 

「ただいま…随分と上機嫌だな?」

 

「あ、わかっちゃいますか? 実はですね…」

 

 話によると、今日のステイタス更新で魔法が発現したとのことだった。

 ベルは魔法にも憧れを持っていたため、溢れる喜びが抑えきれずにいた。

 

「まったく、ベル君は、子供みたいにはしゃいじゃって…」

 

 ヘスティアが呆れたように笑う。

 

「か、神様、だって遂に僕もエルディンさんみたいに魔法が使えるようになったのですよ!」

 

「それで、どんな魔法だ?」

 

 エルディンの質問に、ベルは首を傾げる。

 

「それは、まだダンジョンに行っていないのでわかりません」

 

「そうか。それなら明日、ダンジョンで稽古をつけてやろう。魔法の効果を見せてもらおうか」

 

「明日…ですか」

 

「ベル君、もう遅いんだから明日でいいじゃないか。心配しなくても、君の魔法は逃げたりしないぜ」

 

「わかりました、神様」

 

 ベルは早く試したい気持ちがあったが、ヘスティアに言われて渋々頷いた。

 

 夜も更け、三人とも寝静まった頃、ベルが静かにソファから身を起こす。

 魔法のことが気になってどうしても寝付けない。

 

(神様、ごめんなさい)

 

 ベルは静かに外に出て、ダンジョンに向かう。

 

「…まったく。明日まで待てないのか」

 

 棺の中でエルディンがため息を吐く。

 さすがに追いかける気にはなれない。

 少し試し打ちをして満足すれば帰ってくるだろうと判断し、目を閉じた。

 

 それから数時間眠り、エルディンは目を覚ます。

 ベルの気配はない。

 

「…馬鹿者め」

 

(稽古の時、泣くまでしごいてやる)

 

 エルディンは棺から出ると、片手剣を一振り持ち、ダンジョンに向かった。

 

 *

 

 千里眼を使い、襲ってくるモンスターを倒しながら、エルディンはダンジョンを進む。

 あちこちに魔石が落ちているところを見ると、そう遠くはないだろう。

 ふと壁を見ると、何箇所か焦げていることに気付く。

 

(ベルがやったのか? 炎の魔法か)

 

 ベルに発現した魔法は炎を放つ魔法のようだ。

 焦げ跡から、それなりの威力があるのがわかる。

 これならば今以上に深い階層に潜れるだろう。

 

 エルディンがベルの魔法のことを考えていると、人の気配を感じる。

 ベルかと思い、振り向くとそこには意外な人物がいた。

 

「お前は…エルディンか?」

 

「リヴェリアか。奇遇だな」

 

 ロキファミリアの副団長、【九魔姫(ナイン・ヘル)】の姿がそこにあった。

 

「こんな時間にダンジョン探索か?」

 

 リヴェリアがエルディンに尋ねる。

 

「いや、人を探していてな。…白髪のヒューマンを見なかったか? 駆け出しの冒険者という装いの少年だ」

 

「ああ、それなら…この先で倒れていた。精神疲弊(マインドダウン)を起こしていたようだ」

 

 リヴェリアが答えるとエルディンは頭を抱える。

 

「あの大馬鹿者が。…場所を教えてくれ。すぐに行く」

 

「心配するな。その少年にはアイズが付いている。モンスターは指一本触れることはできないさ」

 

「…面倒をかけたな。礼を言う」

 

 エルディンが頭を下げる。

 

「なに、構わんさ。それにアイズもあの少年に会いたいと思っていたようでな。ちょうどいい機会だろう」

 

「ふむ、それなら邪魔するのも悪いな。ベルのことはアイズに任せよう」

 

「それなら、地上まで一緒にどうだ? 一度、お前の魔法を見せてほしい」

 

「いいだろう。露払いは任せろ」

 

 そう言ってエルディンはリヴェリアと地上に出るべく、来た道を戻るのだった。

 

 *

 

「ところで…アイズの調子はどうだ?」

 

 向かってくるゴブリンを灰にしながらエルディンは尋ねる。

 

「…理由は分からないがリヴィラでの一件以来、余計に焦りが目立つようになってしまった。今回に至ってはあろうことか、ウダイオスと一人で戦い、勝ってしまったよ」

 

「ウダイオス…37階層の階層主(モンスターレックス)か。よく一人で倒せたな」

 

 エルディンは素直に驚く。

 ギルドの記録によると、ウダイオスの強さはLv.6相当。

 いくらアイズでも一人で立ち向かうのは困難なはずだ。

 

「手を出すなと言われてしまってな。あまりの気迫に何も言えなかった」

 

「フィンにも言ったが、彼女のことは注意したほうがいい。ふとしたきっかけで、簡単に道を踏み外す」

 

「ああ、私も注意深く見守っているよ。…だが、今日は少しいいこともあった」

 

「いいことだと?」

 

 リヴェリアは微笑む。

 

「ベル・クラネルと言ったか? 彼を見たとき、アイズは普段は見せない年相応の少女の反応を見せた。ベルに対して思うところがあるのだろう。もしかしたらこの出会いは彼女に良い変化をもたらすかもしれないと考えてな」

 

(考えることは同じか)

 

 ベルはアイズに憧れ、アイズはベルに惹かれる。

 二人はお互いにお互いを高め合う、いい関係になるだろう。

 

「…手のかかる子供を持って、お互い大変だな」

 

 エルディンが軽口を言う。

 

「まったくだ。というよりお前はそんな歳ではないだろう?」

 

「…こう見えて、五十年は生きているぞ」

 

(実際には『死んでいる』が正解か)

 

「…本当か? とてもそうは見えないが?」

 

 リヴェリアが眉を顰める。

 

「まあともかく、彼らの成長を見守ろうではないか」

 

「ああ、そうだな」

 

 *

 

 リヴェリアと別れてホームに戻ったエルディンは棺に戻り、朝まで眠っていた。

 すっかりと目覚め、棺の外に出てみるとベルがソファにうずくまり、唸っていた。

 

「うぐぅ…」

 

「何やってるんだい、ベル君?」

 

 ヘスティアがベルに質問するがベルは唸ったまま身悶えている。

 

「心配するな、ヘスティア。昨日の夜、こっそり抜け出して魔法の試し撃ちに行って、何かやらかしたのだろう。そっとしておいてやれ」

 

「ぐぅ!?」

 

 エルディンの言葉が図星であるため、ベルがさらに悶える。

 

「何があったから知らないけど…それよりベル君、昨日の本を貸してくれないか? 今日は午前中暇なんだ」

 

 そう言ってヘスティアは一冊の本を手に取る。

 しかし本を開き、ページをめくったヘスティアがピキリと固まる。

 

「どうした、ヘスティア?」

 

「…これは、魔導書(グリモア)じゃないか?」

 

「ぐ、ぐりもあ?」

 

「なんだ、それは?」

 

 ベルとエルディンは聴きなれない単語に疑問を呈する。

 ヘスティアは魔導書(グリモア)について二人に説明し始める。

 説明が進むにつれ、エルディンは顔を顰め、ベルの顔から血の気が引いていく。

 

「…ヘスティア」

 

「…エルディン君」

 

「それを渡せ。今すぐ消し炭にしてやる」

 

 エルディンの手から炎が迸る。

 

「ああ、僕たちは本の中身を見ていない。偶然持ち主が見つかったから返した。そうだね、ベル君?」

 

「ふ、二人とも、何言ってるんですか!? 駄目ですよ、そんなこと!?」

 

 *

 

 結局ベルは二人を説得して、本を借りた人に事情を説明するためにホームを出て行った。

 

「しかし、まさか借りた本が魔導書(グリモア)だったとはね」

 

「偶然にしては出来すぎているな」

 

 エルディンは顎に手を当てて考える。

 誰かが意図的にベルの手に渡るように仕向けた可能性もある。

 

(少なくとも、ベルに危害を加えるつもりは無いようだな)

 

 その何者かの思惑はわからないが、危害を加えるつもりがないのであれば、ひとまずは心配しなくても良いだろう。

 

「ヘスティア、突然だが、明日からしばらくダンジョンに篭る」

 

「どうしたんだい、急に?」

 

「やりたいことがあってな。少し深いところに潜ろうと思っている」

 

「こ、このタイミングでかい? 例のサポーター君の件もあるし、できればベル君に付いていてほしいんだけど…」

 

「ベルなら心配いらない。魔法も覚えたから、10階層くらいなら余裕だろう。…そろそろ遠征の準備をしなくてはならないのでな」

 

 遠征に向け、エルディンはいくつかやっておくべき事があった。

 そのために、まずは下層へ向かう必要がある。

 

「…わかった。大丈夫だと思うけど、くれぐれも無茶はしないでくれよ」

 

「ああ」

 

 *

 

 広場に向かうと、ベルの姿を見つける。

 だが、様子がおかしい。

 知らない冒険者と話をしているようだ。

 エルディンは聴覚を研ぎ澄ます。

 

「…俺に協力しろ。あのチビをはめるんだ」

 

「なっ!?」

 

「タダとは言わねえよ。報酬を払ってやる…」

 

 内容から察するに、彼はリリに盗みを働かれた冒険者で、ベルにリリをはめる誘いをしているということだ。

 しばらく様子を見ていたが、ベルは誘いを断り、冒険者は離れていく。

 その後リリがベルに近づき、話し始める。

 

「二人とも、何かあったのか?」

 

 エルディンが今来たかの様に見せかける。

 

「いえ、なんでもありません」

 

「…」

 

 ベルもリリも、俯きがちだ。

 

「まあいい。アーデ、すまないが今日は少しだけ、ベルの稽古に付き合ってほしい」

 

「…わかりました」

 

 リリは暗い顔をして答える。

 こちらも何かあったらしい。

 

(あの冒険者と関係がありそうだな。ベルが話しているのを見ていたのか? それで自分の正体がバレたと思った)

 

 エルディンは推測する。

 この様子だと明日にでもリリは仕掛けるだろう。

 

(好都合だ。自分が下層に行く前に、問題を解決することができそうだ)

 

 ひとまずはベルの稽古だ。

 三人は揃ってダンジョンへと向かった。

 

 *

 

<おまけ>

 時系列とか関係ない小話

 

 一人の少女が湖のほとりに佇んでいた。

 長く、綺麗な金髪と、透き通るような肌、女神にも引けを取らないほどの端正な顔立ちをしているが、今はその顔を強張らせ、目の前に広がる湖を見つめている。

 その顔はまるで強大なモンスターに立ち向かうかの様に険しい。

 

「…今日こそは」

 

 その少女、アイズ・ヴァレンシュタインは何かを決心したかの様に、一歩踏み出した。

 

 *

 

(なかなかいい収穫だ)

 

 一面に咲いている花を摘みながら、エルディンは思った。

 側から見れば大の男が花を摘んでいる光景は恐怖を覚えるが、これは決してエルディンが花好きということではない。

 

(薬にすれば精神力の回復、毒に用いれば敵を混乱させられるな)

 

 花びらを齧ってエルディンは効果を確認する。

 そう、エルディンは錬金に使えそうな素材を探しているのであった。

 ダンジョンに入るようになってからというもの、タムリエルでは見たこともない植物を見つけては口に入れ、効果を確認している。

 機会があれば、薬師に集めた情報を売り込むのもいいだろう。

 

 エルディンが考えていると、水が跳ねる音がした。

 まるで、誰かが溺れているように水音がする。

 

(誰かいるのか?)

 

 エルディンが訝しむと、やがて音が止んだ。

 エルディンが気になって音のした方へ進むと、すぐに小さな湖が現れた。

 そして、その湖の岸近くに金髪の少女が浮かんでいるのを発見する。

 一瞬、エルディンの思考が止まったが、すぐに溺れているのだと察して湖に飛び込んだ。

 

 *

 

「…それで、お前は何をやっていたのだ?」

 

「…泳ぎの…練習?」

 

 エルディンの問いにアイズが答える。

 誰がどう見ても溺れているようにしか見えなかったが、本人は真面目に取り組んでいるつもりだ。

 

「…私、昔から泳ぐのが苦手で…お風呂とかは大丈夫なんですけど、泳ごうとすると、身体が強張ってしまって…」

 

「身体が強張るとは…昔何か泳ぎについて嫌な経験をしたのか?」

 

「よく、覚えていません。…あの…エルディンさんは泳げるのですよね。コツを教えてもらえませんか?」

 

(アイズの場合、コツも何もないと思うが)

 

 エルディンはそう思うが、ここまで聞いてしまった手前、投げ出すのもロキに悪い。

 ちょうどいい物を作っていたため、エルディンはポケットから指輪を一つ取り出す。

 

「これを付けるといい」

 

「これは?」

 

 アイズが首を傾げる。

 

「これは私が魔法を込めた指輪でな。これを装備した者は水中で呼吸できるようになるという優れ物だ」

 

「! …そんなことが?」

 

 アイズが驚いて目を開く。

 

「騙されたと思って、これを付けて顔を沈めてみろ。まったく苦しくならないはずだ」

 

 アイズは指輪を受け取ると手にはめて、ゆっくりと湖に入っていく。

 腰まで水に浸かり、躊躇するように目を閉じていたが、意を決して顔を水に沈めた。

 

 …(息が…できる?)

 

 アイズが驚く。

 口も鼻も、地上と同様に息を吸って吐くことができる。

 これならば溺れる心配はない。

 アイズは顔を上げて興奮したようにエルディンを見る。

 

「…これ、すごいです。これならば私でも泳げそうです」

 

「それはお前にやろう。弱点が克服できるといいな」

 

 エルディンはあどけない表情を見せるアイズに苦笑しながら言う。

 

「ありがとうございます。…それじゃあ、早速泳いでみます。見ていてください」

 

 アイズはそう言うと、勢いよく潜っていった。

 

(なかなか年相応なところもあるではないか)

 

 アイズの様子を見て、エルディンは微笑む。

 自分に子供がいたらなんてくだらないことを考えながら水面を見つめていた。

 

 それから十分ほどたち、一向に上がってこないアイズに嫌な予感がしたエルディンは再度湖に飛び込んだ。

 案の定、アイズは気絶して湖底に沈んでいる。

 慌てて岸に引っ張り上げる。

 

「おい、大丈夫か!? しっかりしろ!」

 

「…リヴェリア、ごめんなさい…もう許して…」

 

 気を失っているアイズはうなされているようにつぶやく。

 

(リヴェリア、いったい何をしたのだ?)

 

 エルディンは初めて、かのエルフに対して恐怖を感じた。

 

 後日、アイズに指輪をプレゼントしたと誤解を受け、ロキやレフィーヤに追われることとなったのは別の話。




パパキンとリヴェリアママの苦悩のお話。

お待たせして、申し訳ございません。
なかなか時間が取れず、書くペースが遅くなってしまいました。
その上、今回は物語も全然進んでない…。
気長にお待ちいただけると幸いです。

ドヴァキンの強さってダンまちの世界だと、どれくらいのLv.だと思いますか?(ドヴァキンは全スキルを習得済みとします。)

  • Lv.8以上
  • Lv.7
  • Lv.6
  • Lv.5
  • Lv.4
  • Lv.3
  • Lv.2
  • Lv.1
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