ダンジョンで叫ぶのは間違っているだろうか   作:マザハール

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エルディンが加わったパーティは二十四階層に到達する。
そこではヘルメス・ファミリアと食人花、ローブの集団が入り乱れて戦っていた。
エルディン達はヘルメスファミリアを助けるが、白いローブの男の強さに苦戦する。
そして、男の正体を知ったエルディンは……。


第二十五話 厄介事②

<回想>

 

 私を抱きとめた人物は全身に黒い鎧を纏っていた。

 顔はわからないが、体格からして男であることがわかる。

 

 私は体に力を入れ、男から離れた。まだ軽い目眩があったが、立っていられないほど酷いものではなかった。

 

(私が思っているほど、時間が経っていないのかしら?)

 

 体の感覚を確認していると、男がヘルムを外して素顔を見せる。

 長い金色の髪を束ねており、青い目をした青年だった。顔には黒い刺青と深い傷があり、驚いた顔でこちらを見ている。

 

「……あなたは誰ですの? ……私と同じですの?」

 

 私の問いに、男は少し遅れて答える。

 

「……私は仕事でここへ来た。……同じとは?」

 

 どうやら警戒しているようだ。

 回答次第では敵と判断し、攻撃する。男の目はそう語っているかのようだった。

 鋭い眼差しに恐怖を覚えるが、相手に気取られるわけにはいかない。

 精一杯虚勢を張り、答えようと声を出す。

 

「きゅ!」

 

 思いのほか、可愛い声が出てしまった。男の目が丸くなる。

 恥ずかしさで頬が熱くなるのがわかる。沈黙が流れる。

 

「……見てのとおり、吸血鬼ですわ」

 

 今さら遅いが必死に取り繕い、質問に答える。

 先ほどの声は結果的にはいい方に働いたようで、吸血鬼と答えた後も男は自分を攻撃することはなかった。

 そのままいくつか質問を受けるが、現状がどうなっているか自身も把握できていないため、答えることができない。

 

(まずは自分の家に帰ることが先決ですわね)

 

 しかし、外の世界がどうなっているかも分からないため、一人で動くのは危険である。となると、自分を導いてくれる者が必要だ。

 目の前の男を見る。明らかに腕が立ち、自分を吸血鬼だと知っても攻撃してこない人物。案内人としてはこれほど適した者はいない。

 家までの案内を頼むと、男は少し考えた後、承諾してくれた。

 まずはこの遺跡からの脱出をするため、棺の奥の道へ進もうとして、お互い名前を名乗っていないことに気づく。

 振り向き、ヘルムを着け直した男に向かって名乗る。

 

「ところで……私はセラーナ。どうぞよしなに」

 

 セラーナが名乗ると、ヘルム越しから声が返ってきた。

 

「私は【黒檀の】……いや、私はエルディン・ホワイトメーンだ」

 

 *

 

<ダンジョン 二十四階層>

 

 まもなく食糧庫に到着する。レフィーヤが緊張して顔を強張らせている。通路の奥から喧騒が聞こえてくるからだ。

 誰かの叫び声、剣戟、爆発音……。間違いなく戦闘が起きている。

 やがて、目の前に緑の壁が現れる。普段は通路になっているはずが、閉じられている。

 

「誰かが戦ってるな。……例の食人花(ヴィオラス)もいる」

 

 後方からのエルディンの言葉に三人が振り向く。

 

「気配で分かるのだ。人間とモンスターが入り乱れて戦闘をしている」

 

 エルディンが言葉を続けると、三人が顔を顰める。

 

「もう目前だが、どうする? このまま突入するか?」

 

 エルディンの問いかけにベートが舌打ちする。そしてレフィーヤに声をかける。

 

「詠唱の準備をしておけ、バカエルフ。準備ができたら壁に穴を空けて突っ込むぞ」

 

「そ、それって……」

 

「なるほど、奇襲を仕掛けるということか」

 

 ベートの言葉にエルディンが納得する。

 

「壁は私が破壊しよう」

 

 フィルヴィスが穴を空ける役を買って出る。

 フィルヴィスとレフィーヤが詠唱をしている間、エルディンがベートに耳打ちする。

 

「……アイズはこの先にいない」

 

「ああ? なんで分かるんだよ?」

 

「アイズを対象にした道標が、戦闘が起こっている場所に向かっていない」

 

 今回、目的地が明確だった為、千里眼魔法を使わずにここまで来たが、改めて使用してみると、光の筋は別の方向に伸びている。

 

「この先で起こっていることと、アイズは無関係じゃねえだろ」

 

「それは否定しない。……おそらく、途中でパーティとはぐれたのだろう」

 

「そういうことなら、とっとと突っ込んで、連中に事情を聞き出すまでだ。……行くぞ」

 

 ベートが言い終わると同時に、フィルヴィスが詠唱を終える。

 眩い閃光か放たれ、目の前の壁を破壊する。視界が晴れると、予想以上の光景が広がっていた。

 

 *

 

「オオオオオオォォォォ!!!!」

 

 食人花(ヴィオラス)が暴れ回っている。ここまでは予想できていたが、驚くべきはその数だ。地面から、壁から、天井から、無数に生えている。

 周囲には焼け焦げた死体が散乱しており、嫌な匂いが辺りに充満している。食人花(ヴィオラス)に囲まれる形で冒険者の一団が応戦しているのが見える。

 防御に徹するのみで、反撃できていない。さらに、黒いローブを纏った集団が追い討ちをかけている。

 

「おいおい、どういう状況だ?」

 

「冒険者とモンスターの戦い、という単純な構図ではなさそうだな。黒いローブの集団も敵勢力か」

 

 ベートは悪態を吐き、集団に向かって走り出す。エルディンもベートに続き、剣と盾を構えて走り出す。

 状況が分からないため、手の内を明かす行為は避けなければならない。魔法、シャウトの使用は敵の戦力を把握してからだ。

 

「【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!!」

 

 レフィーヤの砲撃が一帯のモンスターを消し飛ばす。

 しかし、燃え落ちる食人花(ヴィオラス)の下から次々と新しい蔓が生えてくる。

 黒いローブの男がこちらに気付き、雄叫びを上げて突撃してくる。エルディンは剣で斬りつけるが、男は攻撃を防御する素振りがない。簡単に腕を斬り飛ばしたが、相手は怯まない。

 あまりにも無謀な行動にエルディンは嫌な予感がした。

 

「この身、あなたの為に!」

 

 男は残った腕をローブの懐に入れる。ローブの中から火薬の匂いを嗅ぎ取り、咄嗟に盾を前に構える。ローブの男は轟音を響かせ自爆した。焼けた肉の匂いが漂う。

 

「狂信者め……」

 

 エルディンが呟く。続けて突っ込んできたローブの男の首を斬り飛ばす。男は自爆する間もなく事切れた。

 

 ベートの方を見る。ベートは近づいてくる全てを返り討ちにしていた。自爆という行為すら許さず、冒険者の集団へ真っ直ぐ突き進む。

 合流すると、犬人(シアンスロープ)の少女がこちらに気付き戸惑いの声を出す。

 

「お、お前達、一体、……お前は確かレフィーヤ!?」

 

 遅れて合流したレフィーヤを見て少女が名前を呼ぶ。

 

「やっぱり、ルルネさんでしたか!」

 

 レフィーヤも少女の名前を呼ぶ。

 所々にポーチがあり、軽そうな鎧と短剣から盗賊を連想させる。

 

「た、助けてくれ! アスフィが……!」

 

 ルルネが指差す方には全身白ずくめの男がこちらを見ており、足元には腹部を血で真っ赤にの少女が横たわっている。

 

「アイズはどこにいる?」

 

「わ、わからない! 途中で分断されたんだ! この植物達も、食糧庫の状況も全然わからないけど、たぶんあいつが原因だ!」

 

 ベートの問いにルルネは慌てながらも答える。

 ベートはすぐさま白ずくめの男に接近しようとするが、モンスターが行手を阻む。その間、男はアスフィに目を向ける。

 

「アスフィ!」

 

 ルルネが叫ぶが、アスフィは腕を伸ばすので精一杯のようだ。

 エルディンは盾を置き、背中から弓を取る。矢筒から一本矢を取り出し、流れるように矢をつがえると、白ずくめの男が伸ばす手を目掛けて放つ。矢は寸分の狂いなく、男の手の甲に突き刺さった。

 

「な!?」

 

 白ずくめの男が怯んだ隙にアスフィが転がって距離を取る。その間にベートが男に接近する。

 ベートが白ずくめの男に回し蹴りを当てるのを確認し、エルディンはルルネに質問する。

 

「答えろ、お前らは何者だ?」

 

「あ、私達はヘルメスファミリアだ。この食糧庫の異常事態を調査しにきた」

 

 ルルネが答える。食人花がエルディン達の周囲を囲い始める。

 

「アイズとはどういう関係だ?」

 

「【剣姫】は調査の助っ人として、来てくれたんだ! でも、途中で植物に阻まれて……決して罠に嵌めようとしたとかじゃない!」

 

 食人花がエルディンに迫る。その必死さに、エルディンは嘘や隠し事はないと判断する。矢を限界まで引き絞り、狙いを定める。

 

「助けるつもりはないが、ひとまず敵は殲滅してやる」

 

 エルディンが矢を放つ、矢が貫通し、食人花は灰になった。白ずくめの男に目を向ける。

 ベートとレフィーヤ、フィルヴィスが応戦しているが、男は互角にやり合ってる。食人花がベートに攻撃を仕掛けベートの気を散らし、上手く男に近づくことができない。そして、レフィーヤとフィルヴィスがベート達な動きについていけず、ベート一人に攻撃が集中している。

 

(レベル5相当の実力者か)

 

 ここに到達するまでの戦闘を見て、エルディンはベートの実力を十分に理解していた。特に対人戦であれば今まで会ってきたどの歴戦の戦士にも勝る。

 そのベートと互角の闘いを繰り広げている男も、相当の強者であることが分かる。戦闘の技術と速さにおいてはベートが優っているが、単純な膂力は男の方が上だ。

 

(直接やり合ってみたいが、こいつらを見捨てる訳にもいかないか)

 

 エルディンは男の動きを見つつ、食人花を矢で牽制する。レフィーヤが食人花の注意を引こうと呪文を詠唱し始めた。食人花がレフィーヤに顔を向ける。

 

「構うな! 今はこの男を攻撃しろ!」

 

 しかし、男が命令すると、食人花は再びベートを攻撃し始める。

 

「ちっ!」

 

 ベートと男の間に食人花が割り込み、距離が開く。複数の食人花が執拗にベートを追いかける。

 エルディンはベートを追う食人花に狙いを定める。矢を取り出して、息を吸い、弓を構えて息を止める。神経を集中させると、周囲の動きがスローモーションになる。エルディンが矢を放つと、矢がベートの横顔をすり抜けて食人花にヒットする。

 

「おい! 危ねえだろ!?」

 

「心配するな、この距離なら外しはしない」

 

 突然の矢に驚いたベートが文句を言うが、エルディンは涼しげに返す。

 

「なんだ、あの冒険者は」

 

 白ずくめの男が苛立たしげに言う。エルディンの援護で食人花から離れたベートが再び男と対峙する。ベートの短剣が少しずつ男を掠める。

 

「あの男に攻撃しろ!」

 

 白ずくめの男の指示により、数十体の食人花がエルディンに向かう。さらに後方から食人花が出現し、エルディンとルルネを包囲する。

 

「か、囲まれた!?」

 

 慌てふためくルルネをよそに、エルディンは冷静に戦況を見極める。

 ベート、レフィーヤ、フィルヴィスは再び白ずくめの男と対峙している。多少攻撃が緩んだとはいえ、白ずくめの男の攻撃にも隙がない。このままでは、あちらもモンスターに囲まれ、対処できなくなる。

 あまりよろしくない状況であったが、エルディンはあることに気付き作戦を立てる。

 まずは周りの食人花を一掃することを優先する。矢筒から矢を数本取り出し、空中にばら撒く。そして、息を吸いシャウトを叫ぶ。

 

「【Tiid(時間) Klo() Ul(永遠)】」

 

 エルディン以外の全てが停止する。空中で止まった矢を掴み、つがえて放つ。次の標的を定め、矢を放つ。さらに標的を変え、矢を放つ。まるで舞のように矢を連射する。

 頭上に放られた矢が、エルディンを中心とした円のように進行方向を変える。そして、時間減速の効果時間が切れ、世界が動き出す。

 

「ギャアアアア!?」

 

 矢がエルディン達を囲んでいた食人花を同時に貫く。

 

「モ、モンスターが一瞬で……?」

 

 呆然とするルルネを横目に、エルディンはさらにもう一本矢をつがえ、白ずくめの男の足元に矢を放つ。

 

「な、何が起こった?」

 

 男は突然のことに戸惑い、足元に刺さった矢を見て咄嗟にベートから距離を置く。

 

「【ディオ・テュルソス】!」

 

 男の着地点を読んでフィルヴィスが魔法を放つ。

 

「緩いぞ!!」

 

 男は右手をかざし、フィルヴィスの魔法を受け止める。

 

「なっ!?」

 

 魔法を片手で止められたことにフィルヴィスが動揺し、動きが止まる。

 

「フィルヴィスさん!!」

 

 レフィーヤが声を張り上げる。

 

 男がフィルヴィスに攻撃しようとした時に、何もない空間から突如アスフィが現れ、男の腹に短剣を突き立てる。

 

「ぐっ!」

 

 これで男は完全に動きを止め、隙を作る。エルディンの狙いはこれであった。

 透明化して潜伏しているアスフィに気付き、彼女の元へ誘導させたのだ。ここを見過ごすほど、第一級冒険者は甘くない。ベートが男に短剣と蹴りの連撃を浴びせる。

 

「図に乗るなああああ!!」

 

 だが、ベートの連撃を受けてもなお、男は耐える。常軌を逸した耐久度だ。

 魔法の詠唱を終えようとするレフィーヤは近くにベートがいることで、魔法を放つのを躊躇している。

 

(どうすれば)

 

「迷ってんじゃねえ! 撃て!!」

 

 しかし、ベートの叱咤がレフィーヤの迷いを払拭する。

 

「【アルクス・レイ】!!」

 

 レフィーヤが放った魔法が白い閃光を帯びて男を狙う。この攻撃も男は見切り、身を翻す。

 

「!?」

 

 しかし男の予想を裏切り、魔法の軌道が曲がり、ベートの長靴に吸い込まれる。

 

「死ね」

 

 魔法を吸収した渾身の蹴りが白ずくめ男を撃ち抜く。男は砂埃を上げながら勢いよく後方へ飛び、巨大花が寄生する大主柱の前でようやく止まった。

 

(なるほど、あの装備は魔法を吸収するのか)

 

 ベートの一撃を横目に見つつ、エルディンはローブの集団と食人花の群れを殲滅していった。

 

 *

 

 エルディンとヘルメスファミリアの面々がベート達に合流する。

 

「やったのか……?」

 

「殺す気でぶち抜いてやったがな」

 

 フィルヴィスにベートが返答する。エルディンは砂埃の先を見つめ、何かが動くのを感じ取る。

 

「ほう……まだ生きているのか」

 

「なっ……!?」

 

 エルディンの言葉にフィルヴィスが驚く。砂埃の中から影が立ち上がり、ゆっくりと歩いてきた。

 

「化け物ですか……」

 

 ルルネに肩を貸してもらっているアスフィが呟く。

 

「惜しかったが」

 

 やがて男の姿が見えた。全身をボロボロにされながらも、己の足で歩いている。

 

「『彼女』に愛された体が、この程度で朽ちるわけがない」

 

 そう言って男が笑う。すると、男の体にできた傷がみるみる塞がっていく。

 

「え?」

 

 レフィーヤが驚きの声を漏らす。フィルヴィスや、アスフィ、ルルネ、ベートも驚愕する。

 近づいたことで、エルディンは男の気配が普通の人間よりも、自分に近いことを感じ取る。

 男の付けていた覆面が壊れ、男の顔が露わになる。

 

「お前は……!?」

 

 フィルヴィスの顔がさらに驚愕に歪む。

 

「オリヴァス・アクト……白髪鬼(ヴェンデッタ)……」

 

 震える声で男の正体を言うフィルヴィスに他の冒険者も目の色を変える。

 

「なぜ死んだはずのものがここにいる!?」

 

 *

 

「私は二つ目の命を授かったのだ! 他ならぬ『彼女』に!」

 

 オリヴァスは仰々しく語り始める。

 そのおぞましい内容にレフィーヤは呆然とし、フィルヴィスはギリリと歯を軋ませる。

 そして、エルディンはオリヴァスの独白に対し、沸々と軽蔑の感情を抱き始める。それと同時に自分の過去を思い出す。

 

 ……

 

『この【ドラゴンボーン】に戦いを挑むのか。ストームクロークの雑魚共め』

 

 ストームクローク軍の中隊に囲まれた状態で、エルディンが悠々と声を上げる。たった一発のシャウトで、包囲網に穴が生じる。剣と魔法で敵を殺し続け、やがてストームクローク軍は壊滅する。

 

 ……

 

『貴方、このままでは本当にここで死んでしまいますわよ!?』

 

 ソウル・ケルンの禍々しい空の下、瀕死の重傷を負ったエルディンにセラーナが怒鳴る。ここで死んだ場合、ソウル・ケルンに囚われる可能性がある。エルディンは吸血鬼になる決意をする。

 

『誰かを変えてしまうということは、吸血鬼にとって、とても特別なことですの……無理強いされていると思わないでくださいましね』

 

 セラーナの言葉に、エルディンは息も絶え絶えに笑って答える。

 

『だとしたら、君に頼めたのは幸いだった』

 

 そうしてセラーナはエルディンに口付けをするように血を分ける。その瞬間、エルディンの身体と精神が侵蝕されていく。

 

 ……

 

『私は声も翼も不死をも手に入れた! そして、あなたたちを超越してみせる!』

 

 目の前の老いた一匹の白竜に向かってエルディンが吠える。

 

『Mey Diivn Fus……力に支配された愚か者め……。Folaas……正気に戻れ』

 

 老いた白竜がエルディンを諭す。

 

「あなたもドラゴンであるならば、言葉ではなく、【声】で語るべきだろう』

 

『Aam……言葉で言っても分からぬか』

 

 白竜は観念すると空を飛び始める。両者のシャウトがぶつかり合う……

 

 ……

 

「『彼女』こそが、私の……」

 

「【黙れ】」

 

「……!?」

 

 エルディンが思わず言葉にする。その瞬間オリヴァスだけでなく、その場の全員が固まる。

 

「貴様の正体や目的など興味もない。愚かで醜い、下劣な生き物め」

 

 その言葉は、オリヴァスにだけ向けられたものではなかった。

 

「そのご自慢の体も、回復には時間がかかるのだろう。貴様はここで終わりだ」

 

「……確かに、今の私は碌に動けん」

 

 オリヴァスがエルディンの言葉を肯定する。

 

「私を生かそうとしてくださる『彼女』の加護は、未だこの身には過ぎた代物……貴様の言うとおりだ」

 

 そこで一度言葉を切り、笑みを浮かべて付け加えた。

 

「今の私はな」

 

 その言葉にエルディン、アスフィ、ベートが反応する。

 

「やれ、巨大花(ヴィスクム)

 

 直後、背後の三体のモンスターのうち、一輪の巨花が蠢き始める。

 

「散れっ!!」

 

 巨大な影が、長躯が、エルディン達を巻き込むように落下し始めた。




セラーナさん可愛い。

お久しぶりです。
一年以上投稿をしておらず、大変申し訳ございません。
知識を求めて、長らくアポクリファを彷徨ってました。

次の投稿も気まぐれになると思いますので、気長に待ってていただけると幸いです。

ドヴァキンの強さってダンまちの世界だと、どれくらいのLv.だと思いますか?(ドヴァキンは全スキルを習得済みとします。)

  • Lv.8以上
  • Lv.7
  • Lv.6
  • Lv.5
  • Lv.4
  • Lv.3
  • Lv.2
  • Lv.1
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