フォウくんの存在、書いてると忘れるせいで一回書いたやつにフォウ入りを追加するという二度手間に。仕方ないんや。最近ストーリーで見かける回数少ないせいで意識の外に行ってまうんや
カルデアでの召喚
「戻って来れた、のか?」
目を開けると、そこは見慣れた天井だった。カルデアのどこかの部屋、というのがすぐに分かり横を見ると他のメンバーが寝ていた。
「治療もされてるし、医務室かな。ここ」
起きたはいいけど、周りに伝えるってどうすればいいのかね、これ。
「おや、丁度起きた感じかな」
「おはよう、でいいのかな?ロマン」
「そうだね。時間としてはそのぐらいかな。あの特異点からかれこれ十日近く寝ていたからね。体に違和感とかない?」
「そんなに寝ていたのか‥‥。ちょっと鈍ったってぐらいかな。一週間以上も寝たきりなら慣らしていかないと」
体を動かすとポキポキなるし、無理しない方がいいな。
「あぁ、そうそう。怪我は治しておいたけど、あんな無茶もうしないでよ。皆心配してたんだから」
「それは確約できないかな」
どうしてもといった場合は無茶をするのは避けられない。6章とか7章とかもう無茶してかないと逆に乗り越えるの無理じゃね、とか思ってるし。
「‥‥まったく。医者としては言い聞かせたいけど、こんな状況だしね。分かった。それならどうしても、という時以外は無茶をしないでくれればいいよ」
「分かってる。ロマンの負担にならない様にするさ」
「そういう事じゃないんだけど‥‥まぁ、いいや。みんな心配してたから、顔を見せに行ってあげてね。特に所長や藤丸君、マシュはすごく心配してたんだから」
うっ、それ言われると罪悪感が‥‥。
「‥‥注意はしておくよ」
とにかく、皆に謝罪して回ることにしたんだが本当に心配をかけたみたいだった。特にマシュやオルガには涙目で怒られたし、立香も今後絶対しないようにとめちゃくちゃ念押ししてきたし。
「‥‥という訳で、しみじみと心配かけてたことを実感してる訳だ」
「あっはっはっ、それはまたご愁傷さまというやつだね。ま、君の自業自得だし甘んじて受けないとね」
各所を回って最後に向かったのはダヴィンチのところ。ある程度の事情は知っていたみたいだったが、俺が今やっている事は分かっていなかったぽいので説明していた。
「それにしても、よくもまああの爆発を受けて生きていただけじゃなく意識を保ってられたね‥‥いや、Aチームが生きていた事は必然だったかな?」
「そんなことは無いさ。かなり分の悪い賭けだったし。実際、あの時の俺が作れる最大の強さだったのに余裕で死にかけたし」
「あれだけの揺れを引き起こす大爆発だったしね。キミのアレがあって何とかってところか」
この会話から分かる通り、ダヴィンチはAチームが生き残れた要因に気がついている。
まぁ、少し調べれば分かる事だからロマンも気がついているだろうな。
「何にせよ、集められたマスターの中で最高峰であるAチームを救ったキミの功績はかなりのモノだ」
彼‥‥彼女?と知り合ったのはAチームとして訓練をしていた時、ロマンから紹介されたのがキッカケだ。
初めは女性の外見であのレオナルド・ダ・ヴィンチと紹介され、あくまで創作だからって思いで受け入れていたのに現実として目の当たりにすると衝撃を受けた。多分これから先もそうなっていくだろう。
いくら日本で擬人化やら性別変更やらを受け入れていても、創作と現実の住み分けが出来ているから。誰も本気で織田信長が女だったとか思ってないし。けど、これがマジで起こるのがこの世界だ。最終的には慣れるだろうがそれまでは苦労しそうだ‥‥。
というか、美を追求した結果、自分の中で最も美しく、好ましい女性だったモナ・リザそのものになるとか理解が追いつかない。それを当然と宣うその思考回路は多分同等レベルの変人でしか理解できないと思う。
「そうだそうだ。君が目覚めたなら、数日中に召喚を行うからそのつもりでね」
「召喚‥‥。コッチでも召喚するのか?」
「モチロン!というか、今回の非常事態に合わせてってのが主な理由だけどね。例えここを襲撃されたとしてもキミたちマスターを護りきれる戦力が必要になったから決行が決まった。また襲われたら今度こそ終わりだからね」
「まだ敵がいるかもしれないし、これから紛れ込まれる可能性が高いからか‥‥。召喚の制限とかはどうするつもりだ?」
「基本は制限をかけるつもりはないよ。元は”七騎まで。それも特異点での召喚のみ”と決められていたけどそんな事は知ったこっちゃない。英霊が居ればいるほどここは安全になるし特異点解決も早くなるからね」
この状況であっても決まりだ何だと理由つけて止めようとするヤツが居ればそれは状況を理解していない余程のバカだ。
人類存亡の瀬戸際なのにそんな事にこだわる方がおかしい。まぁ、全部解決したらグチグチ言われるだろうし、オルガも責任問題やらを追求されるだろうけど一々気にしてたら人類を救うなんて出来ないし、その時の事はその時の俺に任せればいい。
「だからといって、やたらめったら召喚できるわけじゃないんだけどね。召喚する為にはこの聖晶石というリソースを消費しなくちゃいけない」
「何それ?そんなもの今まで無かったよな」
「これはどういう原理か、キミたちが特異点で活動する事でこちらに生成されたモノだ。解析した結果、これを三つ使うことで無色の英霊一騎分の霊核を生成、あらゆる英霊の依代となる事が可能というトンデモ物質という事が分かった。何より面白いのはこの形」
「あぁ、ダヴィンチの星ってやつだろ?」
「そう!私が考案した多面体さ!偶然とはいえ、これには運命的なものを感じるね」
あぁ、そうなるのか。ゲームだとどう考えてもダヴィンチに合わせてっぽかったし、
「召喚ルームの調整は丁度今日か明日辺りに終わるけど、キミは今日起きたばかりで本調子じゃないだろ?」
「そうだな。二日ないし三日は欲しいところかな」
「それを鑑みた日程にしてある。ま、無理せずゆっくりとでいいさ」
「そうさせてもらう‥‥。そういえば、もう立香たちとは顔合わせしたのか?」
「ん?まだだけど?」
「お前‥‥”なに当たり前のこと聞いてるの?”みたいな顔ですんなよ。というか何でまだなんだよ」
「何事もタイミングというものがあるだろう?あの子たちと会うのはもう少し先なのさ」
お前の言うタイミングってなんだよ‥‥。コイツ、Aチームでもそれぞれのメンバーと顔合わせするのもバラバラなタイミングでやってたし、マシュに至っては未だ顔合わせしていない。
カドックの絶句とか、ペペの意気投合とか、キリシュの無駄に真面目を発揮して理解しようとするのとか、皆の反応を傍目から見てて面白いとは思わないでもなかったが、その基準とかは全く分からん。
因みにヒナは無反応、オフェリアは一度キャパオーバーしてその場での理解を拒み、徐々に受けいれた。
「だから、バラしてくれるなよ?アルくん」
「へいへい」
部屋を退出し、頼まれた事だしダヴィンチの事は取り敢えず内緒にする方向で過ごした。
〇☆〇☆〇☆〇☆
「いよいよ召喚の時ですね!アルさん!先輩!」
テンション高めなマシュ。こういうイベント事には常にワクワクしている可愛らしい所があるこの子は待ちきれないといった様子だった。
「なんかテンション高いね、マシュ」
「えっ!‥‥そうですね。ちょっとはしゃぎ過ぎてました」
「フォウ、フォフォフォキュー」
マシュが顔を真っ赤にして小さくなる。まぁ、指摘されると途端恥ずかしくなるよね。よく分かるよ。俺もよく趣味のゲームでテンション高くなるけど、その時友一緒に盛り上がるならいいけど指摘されると気恥ずかしくなってたから。
「ちょっと。少し来るのが遅いわよ」
「あ、所長!何でここに?」
「何でって、召喚を見届けるためとコレの分配の為よ」
「それは?」
「アレは聖晶石っていう召喚に使う石だ。詳しいことはスタッフに聞くといい」
「今回は全部で十二個。で、一回の召喚で三個使うから二回ずつの召喚になるわ。どっちから召喚する?」
「はい!自分から行きたいです!」
元気いいなぁ、立香。さっきまでそんな素振りは見せてなかったけど、実はマシュみたいにウキウキ気分だったんだろうな。
俺もちょっと楽しみだし。
召喚ルームに入り、セッティングを皆で行う。
「えっと、この石を召喚サークルの真ん中に置いて‥‥‥そういえば所長!あの呪文って毎回言う感じですか?」
「あ〜、そうなるわね。流石に詠唱の簡略は出来ないって結論になったのよ」
「なるほど‥‥じゃあいきます!」
立香の詠唱と共に召喚サークルが起動し、中央に置いた聖晶石が光り始める。
「汝、三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
周りに光の輪が生まれ、それが三つになると、次の瞬間光の柱が生まれた。そこに一人の人影が現れる。
「サーヴァント、ランサー。召喚に応じ参上した。アンタが俺のマスターか?」
「えっと、藤丸立香です。俺がマスターで合ってると思う」
「そうかい。なら、よろしく頼むぜマスター」
朱槍を持った男‥‥。クーフーリンで確定かな。
「じゃあ、もう一回」
二回目の召喚が行われ、そこに現れたのは見覚えのある人物だった。
「サーヴァント、セイバー。召喚に応じ参上した。問おう、貴方が私のマスターか」
「黒くない、アーサー王‥‥?」
「くろ?」
「‥‥あっちが本来のアーサー王みたいね。あの特異点でのアーサー王は何かの要因でああなったって感じかしら」
「おう!セイバー。お前さんが呼ばれるとはな」
「ランサー。貴方も来ていましたか」
「えっ、二人は知り合いなの?」
「うんにゃ、そういう訳じゃねぇ。ただ、ちょいと殺りあった仲ってだけだ。まあ、顔見知り程度だな」
「そうですね。ちょっとした知り合い程度なので余り気にすることも無いですよ」
「へ〜」
これがカルデア式の最も異質な部分だ。本来英霊の記憶の連続性は起こりえず、引き継ぎは有り得ないことなのだが、思い出したり僅かに覚えていたり、はてはハッキリと全てを覚えているという事態を引き起こしている。
一度召喚・契約したサーヴァントは霊基グラフと呼ばれるデータに記録され、例え退去したとしても再召喚・再契約をする事が出来るようになっている。ここに記憶の連続性が加わり、知り合いがやって来るみたいな現象が起こるようになっているのだが、まぁ、正直な感想を言うとだからなんだってなる。
それはそれ、これはこれ。人付き合いにも相性とかあるし、彼らだって召喚された時の立場や扱いもあるからその辺の関係はアッサリしている。
流石に生前とか絡むとどうしようも無いけど。
挨拶とか、真名を伝えたりとかもほどほどにして俺が召喚をする番になる。
「次は俺だな」
「お、なんだ。お前さんもマスターだったか。ならそっちの嬢ちゃんもか?」
「私は違うわ。付き添いで来ただけよ」
さて、どんなサーヴァントを呼ぶのやら。
「フォウ、フォウフォウキューァ」
ちょっとだけ緊張していると、頭に乗ったフォウから緊張するなと言うかのように、てしてしと頭を叩かれる。
「そうだな」
うん。誰も指摘しないし、なんなら召喚された二人にも当たり前の様に接されていたから、もう降りてたんだろうなとか思ってたけど、フォウは頭に乗っていたようだ。
多分これがデフォと認識されたんだろうな。
まぁ、暇さえあればマシュたちと行動するか俺の頭や肩に乗っているのだ。あながち間違いではない。皆にその姿は目撃されてるし。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「‥‥あれ?なんか俺の時と違うくない?」
立香の言葉通り、何故か玉が最初虹に光った。おかしい。ガチャ要素がある訳でも無いのに‥‥
疑問に思いつつも詠唱を続け、召喚に成功する。
「サーヴァント、ランサー。妖精騎士ランスロット、召喚に応じ参上した。僕との縁は‥‥ない?‥‥いや、でもこの感じ」
「!?!?」
「ランス‥‥ロット?いやいや。え?本当にランスロット卿?」
「妖精騎士?そんな名前の騎士居たかしら?」
ど、どうなってる?え?妖精騎士ランスロットってあの妖精騎士ランスロット?アヴァロン・ル・フェに出てきたメリュジーヌさん?何経由で呼ばれたのか分かんないし、さっきから考え込んじゃうし。さっき呼ばれたばっかりのアルトリアも混乱しちゃってるし。
「‥‥うん。やっぱりこの感じは‥‥。こんな奇跡もあるんだね」
「嬢ちゃん。なんか気になることが解消出来たなら説明してやんな。数名マジで混乱してるから」
「おっと、これは失敬。んん!では改めて。僕‥‥いや、私はメリュジーヌ。さっきの名前は私が仕えた女王から与えられた役割の名称みたいなものだから余り気にしないで。また、いや
「‥‥よろしく」
後で詳しく話してもらうとして、まだ召喚残ってるし今は考えない様にしよう。
「と、取り敢えず先に召喚してしまいなさい。話ならこの後時間がある訳だし」
「そうですね。ではアルさん。もう一方も呼んでしまいましょう」
オルガとマシュに促され二人目の召喚を行う。この時は普通だった。つまり、あの虹に光ったのは特殊な呼び寄せになるのか?よく分かんないけど
「サーヴァント、アーチャー。召喚に応じ参上した。まぁ、上手く使ってくれたまえ」
「おう!アーチャー。お前も呼ばれたか」
「‥‥なるほど。この面子が同じタイミング呼ばれるとはつくづく運命というものはどこに行ってもついてまわるものらしい」
「ねぇ、マシュ。あのアーチャーさんって二人と知り合いなのかな?」
「普通は有り得ませんけど、恐らくそうなんでしょう」
第五次聖杯戦争のメンツだもんなー。
「君がマスターに仕えるもう一人、ね。ふ〜ん‥‥」
「フォウ?」
何やら値踏みする視線をエミヤに向けるメリュジーヌ。どうしたんだろうか。
「む?私に何か?」
「あぁ、ゴメン。同じマスターに仕える人がどんな人か気になってね。気に触ったなら謝るよ」
ちょっとだけイレギュラーな事が起きたけど、無事に召喚も出来た。まずは自分が召喚したサーヴァントとのコミュニケーションを、という事になりその場は解散となった
記憶云々、それも冬木の聖杯戦争の記憶などは、本来ファンサービスだったのですが、この世界では設定として付け加えました。