【WR】虹ヶ咲RTA_称号『虹の楽園』獲得ルート   作:一般紳士君

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実況じゃないので初投稿です。


現状アンケートの結果だと1話丸々使ってメンバー視点小説パート書けよオラァという感じだったので書きました。
これからメンバー視点小説パートは『サイドストーリー Part○/m』というサブタイトルで投稿していきます。

今回はかすみん&侑ちゃんでお送りします。栞子ちゃんとぽむぽむはもうちょい先。


サイドストーリー Part1/m

 突然スクールアイドル同好会の部室に訪れた侑先輩と話していた時だった。

 

「ちわーす。誰か来てるのか?」

「あっ、もと男!」

「おっ、かすみじゃん。おひさ~」

 

 もと男こと堀口元樹。

 スクールアイドル同好会所属で私と同じ1年生。同好会内でマネージャーみたいなことをやってくれていて、いつも私達を助けてくれた。パワーもスタミナも同好会の中では一番なかったけど。だから力仕事だけはもと男の代わりに他のメンバーでやっていた。可愛いかすみんより力がないのはさすがにどうかと思います。

 でも、もと男はいつも私のことを応援してくれていた。いつも私のことを可愛いと褒めてくれて、そして練習を頑張った時はたまに頭を撫でてくれた。……他のメンバーにもいつも可愛い可愛いと言ってましたけど……。

 同好会での話し合いではいつももと男がまとめてくれた。もと男は人の気持ちを読み取るのが得意で、話し合いがうまくまとまらない時はもと男が皆の意見を皆が納得できるようにまとめてくれた。

 普段はおちゃらけた態度でいることが多く、たまによくわからないことを言うこともあるけれど、それでもやる時は普段からは想像できないくらい真面目にやってくれる。そんなもと男は同好会の中で大きな存在になっていた。そしてそれは私の中でも……。

 

「もと男がいない間に大変なことになってるんだから!」

 

 でも、もと男はある日突然同好会に来なくなった。置き手紙には『補習のためにしばらく休みます』と書いてあった。もと男が勉強できないのは少し意外だった。

 

「大変なこと?」

 

 部活動研究発表会でライブを開こうとしたけど、それぞれのしたいことをまとめることができず、結局ライブをすることはできなかった。そしてそれから皆だんだん部活に来なくなってきてしまい、自然消滅してしまった。そして、部員が足りず、実績もないスクールアイドル同好会は生徒会長の手によって取り潰されようとしている。

 同好会の現状を説明すると、もと男は真剣な表情で聞いてくれた。もしあの時もと男がいれば今までのようにうまくまとめてくれて、同好会も今みたいにならなかったかもしれない。

 

「なるほど、同好会の状況は把握した。で、そっちの女の人は?」

「私? 私は高咲侑、よろしくね!」

「侑先輩ね、よろです。新入部員……ってわけではなさそうだ。一体何の用で?」

「私、スクールアイドルの皆を応援したくてここまで来たんだけど、まさか同好会がこんなことになってるなんて……。でも、同好会がなくなるのは嫌だから、私にできることならなんでも手伝うよ!」

「なんでも? じゃあ先輩もスクールアイドルやってみない?」

「わ、私が? 私なんかがやっても似合わないよ……」

「侑先輩は可愛いから大丈夫」

「可愛い!? 私が!?」

 

 ほら、もと男はすぐ女の子に可愛いって言う。いつも他のメンバーに言ってたから見慣れてはいるけど、それでも会って間もない人に言うのは少し納得いかない。確かに侑先輩は可愛いけど、久し振りに会ったんだから最初は私に言ってほしかった。

 

「もぉーからかわないでよー」

「別にからかったつもりはないんですけどね。まぁ、おしゃべりはここまでにして、早速生徒会室まで行きましょうか」

「なんで生徒会室に行くの?」

「生徒会長に直談判しに行きます。ここを取り潰そうとしてるのが生徒会長なら、本人に直接話をつけに行く方が早いです。生徒会長との交渉は侑先輩にお願いしましょうかね」

「私が交渉するの!?」

「ええ。だってさっきなんでも手伝うって言ったじゃないですか」

「確かに言ったけど……うぅ」

 

 ……なんか、もと男と侑先輩仲良すぎませんかぁ?

 もと男はコミュニケーションが上手で、誰とでもすぐに仲良くできるのは知ってたけど、それでも仲良くなりすぎな気がする。

 なんだろう。初めて侑先輩と会ったはずなのに、もと男と侑先輩が仲良くしているのを何度も何度も見たことがあるような気がする。仲良くしているのを見るたびに侑先輩に嫉妬している自分。テレビで似たような場面を見たことがあるのかな。でも、それにしては妙な現実味がある。気のせい、なのかな……。

 

 

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

 

 

 最初に元樹君に会った時はおちゃらけた子という印象を受けた。でも、かすみちゃんの話を聞いているうちにどんどん真剣な表情になっていって、根は真面目な子で、この同好会のことを大切に思ってるんだろうなと思った。

 でも、私と話す時にはまたおちゃらけた態度に戻っていて、多分相手と仲良くするためにわざとそういう態度をとっているんだろうなと感じた。実際嫌な感じは全くしない。むしろ親しみやすさを感じる。可愛いって褒められちゃったし♪

 でも、元樹君に会った時に感じた違和感は何だったんだろう。初めて会ったはずなのに、全くそんな感じがしない。むしろ何百回何千回と会話を交わしたことがあるような、そんな感じがした。一体何なんだろう……。

 

 そんな私を悩ませている元樹君の提案で今は生徒会室に向かっている。

 

「生徒会室ってこっちで合ってるよね!」

「違いますよ侑先輩! そっちは生徒会室とは正反対ですぅ!」

 

 こっちが生徒会室だと思って走り出したけど、どうやら逆方向だったみたい。そういえば私生徒会室に行ったことないから道知らないんだった。うっかり。

 

「もぉー、いきなり走り出さないでくださいよぉ……」

「ごめんね。……あれ、元樹君は?」

「もと男なら……」

 

 かすみちゃんが呆れながら指差した方を見ると、元樹君が床に斃れこんでいた。

 

「あれ? 疲れるほど走ってないと思うんだけど」

「もと男はスタミナがないですから……」

 

 あの疲れ方を見る限り、日常生活に支障をきたすレベルのスタミナだと思うんだけど……。

 

「元樹君、道間違えちゃってごめんね」

「はぁ……はぁ……次から……気を付けて……」

「大丈夫? 肩貸してあげようか?」

「貸して……」

「はいはい。ほらっ、ちゃんと掴まって」

 

 元樹君がスタミナないの、なんか意外だなぁ。ヘロヘロになって私の肩に掴まる姿を見ているとなんだか可愛く思えてくる。

 

「もっとスタミナつけた方が良いと思うよ」

「侑先輩の言う通りだよ」

「めんど……」

「めんど、じゃないよ……」

「これはかすみん達と一緒に走るしかないですね」

「そうだね。同好会が再開したら元樹君を走らせてあげてね」

「かすみんにお任せください!」

「やめてぇ……」

 

 

 

「ここが、生徒会室……」

 

 道を間違えたりしたけどちゃんと生徒会室まで辿り着くことができた。元樹君は途中で復活して、今は私の肩から離れて普通に歩いている。

 

「なんだか緊張しちゃうなぁ」

 

 生徒会長とは初めて会うけど、一体どんな人なんだろう。怖そうな人じゃないといいなぁ。

 

「大丈夫ですよ、肩の力抜いてください。生徒会長っていっても俺らと同じ生徒なんですから、怖がる必要はありませんよ。相手は1人、こっちは3人なんですから。3人に勝てるわけありませんよ」

「……うん、そうだね。私頑張るよ!」

 

 元樹君のお陰でいい感じに肩の力が抜けた。うん、これなら大丈夫!

 

コンコン

 

「どうぞ」

「失礼します! 今日は会長にお願いしたいことがあって来ました!」

 

 怖そうな人を想像してたけど、生徒会長は私と同じ女の子だった。しかも可愛い。

 

「あなたは確か2年生の高咲侑さんですね」

「え? なんで知ってるの?」

「この生徒会長、学校にいる全員の顔と名前を記憶してるんですよ」

「すっごーい……」

「そういうところが、かすみんは苦手なんですけどぉ。ロボットっぽいていうかぁ……」

 

 失礼ではあるけど、かすみちゃんの言う通り確かにロボットっぽい。この学校の生徒は3000人以上いるって聞いたことがあるけど、ほんとに全員の顔と名前を憶えているのだとしたらとてもすごいことだ。

 

「はじめまして、私は生徒会長の中川菜々です。……それで、ロボットみたいな私に何か御用ですか?」

「やばっ、聞こえてた……」

 

 菜々ちゃん、見た目は可愛いけど、雰囲気が少し怖い。うぅ、今からこの人との交渉に勝たなきゃいけないのか……。

 

「私はスクールアイドル同好会から来ました! 同好会の解散を取りやめにしてほしいです!」

「それはできかねます」

「ど、どうしてですか?」

 

 菜々ちゃんの口から取りやめられない理由が語られる。理解はできる。でも、同好会を潰させたくはない。

 助けを求めるように元樹君の方を見るが、私の視線に気付かないくらい考え込んでいる。何を考えているかはさすがに読み取れない。この劣勢を一気に覆す方法だろうか。

 

「あの、ちゃんと人数もいて活動していれば、存続を認めてくれるの?」

「それはもちろんです」

「だったら、部室の使用期限までに同好会に足りる人数を集める! それならいいよね!?」

「……」

「同好会を潰さないでください!」

「……わかりました。ただし、ひとつ条件を出させてください。11人。11人の部員を集めてきたら同好会の存続を認めましょう」

 

 11人!? 期限ももう近いのに、元のメンバーを呼び戻すだけじゃなくてそこからさらに5人も集めるなんて……。

 

「えー!? なんで11人なんですか!? 同好会は5人いれば成立じゃないですかぁ!」

「確かに。でも、今現実に6人が2人になってしまっているのです。また同じ人数では二の舞になるのではないですか?」

 

 菜々ちゃんの言いたいことはわかる。でも……。

 

「11人もいれば、同じように何人かが活動しなくなっても残りでなんとかできるという判断の下です。私に直談判しにくる情熱があれば、難しくないことでは?」

「うぅ……無茶言わないでくださいよぉ……」

 

 どうすればいいんだろう……。

 

「11人集めれば部室を返してもらえるんですね?」

「もちろんです」

「もと男?」

「元樹君?」

 

 さっきまで考え込んでいた元樹君が動き出した。

 

「もっと無理難題を押し付けられると思ってましたが、案外簡単ですね」

「11人も十分難しいよ?」

「元メンバーを全員呼び戻して6人。俺の幼馴染を誘って7人。侑先輩は幼馴染とかいませんか?」

「1人いるけど……」

「じゃあその人で8人。あとはまぁ適当に友達とかクラスメイトとか、そこそこやる気ある奴誘えばいいでしょ」

「適当って……」

「そんな人都合よく見つかるとは限らないでしょ?」

「そうでもないと思いますよ。侑先輩がスクールアイドルを応援したいと同好会に来てくれたように、スクールアイドルを応援したいっていう人は身近にもそこそこいるはずです。生徒会長はスクールアイドルを集めろと言ってるわけじゃなくて部員を集めろと言ってるんですから、別にマネージャーとかお手伝いとかを入れてもいいんですよ。応援したい人達ならマネージャーとかお手伝いとかなら入ってくれるかもしれませんよ」

「……そっか、そうだね。かすみちゃん、やってみようよ! 絶対スクールアイドルでいたいって言ってたよね!? 私も手伝うから!」

「もと男……先輩……。……わかりました! 11人集めましょう! やってやりますよお~!」

 

 根拠があるのかないのか微妙なラインだったけど……でも、元樹君ならやってのけるような気がする。会ったばかりなのに、元樹君なら、と何故か思える。どうしてだろうか。

 

 突然頭にズキンッと痛みが走った。その痛みと共に流れ込んでくるいくつもの見覚えのない光景。

 かすみちゃんと元樹君、それからノイズが乗って誰だか確認できない人が9人。場所はスクールアイドル同好会の部室。似たような光景がいくつもある。これは菜々ちゃんから与えられた課題をクリアして、同好会の存続が認められた時の光景だろうか。

 次はまた別の光景が流れ込んできた。私と元樹君の2人っきりの光景。一緒に出掛けたり、手を繋いだり、キ、キスをしていたり、それからあ、あんなことまで……。これは私と元樹君が付き合っている時の光景だろうか。

 頭に流れ込んでくるいくつもの光景。でも、私はこんな光景見たことがない。なんでこんなものが私の頭に流れ込んでくるんだろう。元樹君と会った時に感じた違和感と何か関係があるのか。考えても考えても何もわからない。一体何なんだろう……。

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