【WR】虹ヶ咲RTA_称号『虹の楽園』獲得ルート 作:一般紳士君
私は最初のURは当然りなりーを選びました。どのイラストも最高なのですが、やっぱりりなりーの覚醒前イラストが好きすぎてね。
私もあんな表情でりなりーから見つめられながら初投稿したい……。
ジョイポリスから出て、一緒に美味しいラーメンを食べた後、屋上でまったりと雑談してたら雨に降られちゃったから、元樹をもっとオシャレにしてあげようってことでアクセサリー屋さんまで来ていた。
「あれ? 愛ちゃんに……もと、君?」
そしたら店から出てきた歩夢とバッタリ出会った。
「歩夢先輩じゃないですか。こんちわ」
「うん、こんにちは……」
「いやー、まさか歩夢とこんなとこで会うなんて思ってなかったよー。歩夢もアクセサリー買いに来たの?」
「うん、侑ちゃんのヘアゴムが切れちゃったから……」
ん? 歩夢の様子がちょっと変? いつもならもっとニコニコして返してくれるのに……。
「なんか元気なさそうだけど大丈夫? もしかして具合悪い……?」
「ち、違うの! そういうのじゃなくて……私は元気だから大丈夫。心配してくれてありがとう」
一応確認してみたけど違うみたい。歩夢が嘘ついてたら反応とか話し方とかですぐにわかりそうだから、きっと本当に大丈夫なんだろうね。じゃあなんであんなに変な感じだったんだろ……急にアタシ達に会ったからびっくりしちゃったのかな。
「2人が一緒にいるのが少し意外で……」
「ああ、なるほどねー」
言われてみれば歩夢の前で元樹と話したことってあんまりないかも。事務的な話とかはしたりするけど、プライベートな話は2人きりの時とかが多いもんね。
「心配しなくても俺と愛先輩はめちゃくちゃ仲良しですよ。こうやって一緒に出かけたり、前々からお出かけ計画を綿密に決めたり。ね、愛先輩?」
「うん、そうだよ」
「そっか、そうだったんだぁ……」
綿密に計画してたかはかなり微妙だけど。集合時間と集合場所しか決めてないし、むしろ無計画に近い。でも口に出すと元樹が拗ねちゃいそうだから、ここは黙っておこう。
「歩夢お待たせ~……ってもと君に愛ちゃん?」
「あ、侑先輩」
お店の袋を片手に、ゆうゆが中から出てきた。いつもはツインテールだけど、今は髪をおろしている。
「髪おろしも似合ってますね」
「そう? ありがと」
元樹の褒め言葉をさらっと受け流し、買ったばかりであろうヘアゴムで髪を結びなおしている。髪おろしもすごく似合ってたけど、やっぱりツインテールのゆうゆもよく似合ってるなぁ。……あ、よく見たらちょっと頬が赤くなってる。やっぱり元樹の褒め言葉に照れちゃってたみたい。
「それで2人はなんでここに?」
「愛先輩とデートです」
「も、もぉ、デートじゃないでしょ?」
とんでもないことを言い始めたからびっくりしちゃったけど、ちゃんと否定しておく。歩夢もゆうゆも冗談を信じちゃいそうだし、万が一2人からりなりーに伝わってしまったら大変なことになっちゃう。
「あはは、デート……デートねぇ……」
「ゆうゆ!? 違うからね!?」
純粋なゆうゆは本当に信じちゃったみたいで、顔を赤らめながら歩夢の方をチラチラと見ている。歩夢の方は……きょとんとしていて、どっちかわからない。でも歩夢も純粋だからなぁ。後でデートじゃないよってメッセージ送った方がいいかな。ってそんなことしたら余計に本当だと思われそうで難しい。
「あ、そうだ! 折角だし、2人も一緒に来る?」
2人も一緒に来てくれればアタシと元樹のデートって印象は薄れるかも!
「行こう侑ちゃん!」
「行こう歩夢!」
「わ、すごい食いつき……」
息の合った返事にちょっとびっくりしちゃったけど、2人とも一緒に遊びたいって思ってくれたんだ。嬉しいな~。でも元樹は微妙な反応だ。どうしてだろう。
「もと君、私達が一緒だとイヤなの……?」
「……そんなわけないじゃないですか。一緒に行きましょう」
「やったっ、ありがともと君」
「……歩夢ってたまぁに小悪魔みたいな時あるよね」
「そうかな?」
袖をつまんでの上目遣いでのお願いに元樹もたまらず一発ノックアウト。歩夢のことだからきっと天然でやっているのだろう。言動や仕草がどれも可愛いし、性格もスタイルもよくて、親しみやすさもあって、今みたいな小悪魔チックなところも見せてきて、今まで数多くの男の子が堕とされてしまったことが簡単に予想できる。でも本人がゆうゆに夢中だから、皆告白する前に失恋しちゃってるんだろうなぁ。
「ところで、結局2人は何しにここまで来たの? 愛ちゃんのアクセ買いに?」
「ううん、今日は元樹のを選びに来たんだー」
「……そうだ、3人でコーディネートバトルやってもらえませんか? それぞれ1つアクセサリーを選んでもらって、その中で俺が一番気に入ったものを選んだ人が勝ち。どうです、面白そうじゃないですか?」
「いいね! おもしろそー!」
テレビ番組とかでたまにやってるような企画で面白そう! こういうの一度でいいからやってみたかったんだよねー。
「やろうやろう! ね、歩夢」
「うん、あんまり自信はないけど……」
「えー、歩夢めっちゃオシャレなのに?」
「そ、そんなことないよぉ」
「愛ちゃんの言う通りだって。このフリフリのスカートとか歩夢にすっごい似合ってるよ」
「うぅ~……」
「そうですよ。いつもつけてるその花形の髪飾りとか、その髪型とか、オシャレで歩夢先輩に似合ってますよ」
「もと君もずるいよぉ……」
皆で歩夢のことを褒めたら真っ赤になった顔を手で覆い隠してしまった。こういう反応が可愛いんだよねぇ。同じことを考えてるのかゆうゆもうんうんとうなずいている、
「もうっ、私のことはいいから早く始めよ?」
「そうだね」
「元樹はどうする? 誰かについてくる?」
「そうですねぇ……いや、俺は1人で適当に徘徊してます。ついていった人が有利だって思われちゃうのも嫌ですし。あと何を選んでもらったのか予想するのも楽しそうですし、選んでもらったのを見てわーってなりたいので」
「そっか。じゃあ各々決めたら元樹に連絡するって方式にするから、連絡が来るまでの間は自由に徘徊してていいよ」
「了解でーす。じゃあまた後で」
「うん、楽しみにしててねー」
元樹を見送った後、3人で顔を向き合わせる。
「始める前に、3人で軽く決まり事でも決めた方がいいかな?」
「うん、そうしよー。まず他の人との協力はなし、でいいよね」
「そうした方がいいと思うよ。もと君をオシャレにするのが目標ではあるけど、勝負は勝負だもん」
「えー……困った時は歩夢に頼ろうと思ってたのに……」
「あはは、ゆうゆそんなこと考えてたんだ」
「うん、私あんまりオシャレとか自信ないからさー」
確かにゆうゆの服装はちょっと小中学生くらいの男の子っぽさがあるというか……もちろん可愛くないとかでは決してないんだけどね。トレンドを取り入れてなかったり、アクセサリーとかも全くつけてないのを見る限りだと、ゆうゆはこの勝負かなり不利そうだ。
「もうっ、ズルはダメだよ侑ちゃん」
「だって歩夢と愛ちゃんに勝てる気がしないんだもん」
「でも元樹もりなりーに服装選んでもらってるくらいオシャレに無頓着っぽいし、なんというか……2人の独特の波長みたいなのが噛み合って、もしかしたらゆうゆが優勝するかもしれないよ?」
「うっ! 今、遠回しにダサいって言われた気がする……」
「そ、そんなことないよ!? ただその、元樹と波長が合いそうだなーっていうか、意外性がありそうだなーっていうか……」
「愛ちゃん、何もフォローできてないよ……?」
ごめんね、ゆうゆ。あとでちゃんと謝っておこう。
「……そうだ、こんなのはどうかな。私と愛ちゃんから、1つずつ侑ちゃんにアドバイスするの。それを参考にしながら侑ちゃんが選ぶ。これならいい勝負になると思うんだけど、どうかな?」
「それ、すっごい面白そう! ゆうゆはどう思う?」
「うん、それなら私でも2人といい勝負ができそうな気がする!」
歩夢の提案を聞いたゆうゆは目をキラキラと輝かせている。
「じゃあじゃあ、最初は歩夢のアドバイス聞きたいな~」
「うーんとね、2人で一緒につけるお揃いのアクセサリーを選ぶのはどうかな」
「あー、ペアルックってやつだよね。聞いたことあるー」
「アクセサリーとかの小物の場合はペアグッズって言うんだよ、ゆうゆ」
「あー……ま、まぁそのぺあぐっずってのを選ぶといいんだね!」
「うん。侑ちゃんが『一緒につけよ?』って誘ったらきっともと君もイチコロだよ!」
「そっかぁ、あのもと君がイチコロかぁ……あれ、これってもと君を堕とす勝負だっけ?」
違うね。歩夢は自信満々にむふぅーとしてるけど、違うね。
「愛ちゃんはどんなアドバイスをくれるの?」
「アタシが選ぶ指針の1つにしようとしてたのが、アクセの着脱のしやすさかなぁ。ほら、元樹って意外とめんどくさがり屋さんでしょ? だからつけ外ししやすい方が元樹は喜んでくれるんじゃないかなぁって」
「なるほど~。着脱しやすくて、もと君とのペアグッズね。参考にしてみるよ!」
……このアドバイス、役に立つのかなぁ? 今時のアクセなんてどれも簡単につけ外しできるし、同じのを2つ選ぶだけでペアグッズになる。これ、実質的には全くアドバイスになってないんじゃ……?
「よしっ、じゃあ皆アクセ選びにレッツゴー!」
「おぉー!」
でもゆうゆが楽しそうだし、いっか。よしっ、ゆうゆと歩夢に絶対勝つぞー!
「うーん、どうしよっかなー」
いくつか候補は出してみたんだけど、どれもピンとこないというか……デザインが派手すぎて、元樹にはちょっと似合わないような気がするんだよねー。多分元樹にはシンプルなものが似合うと思うんだ。
でもシンプルなってのもそれはそれで難しい。単色とかだとシンプルすぎて面白味がなくなっちゃう。あーん、本人がこの場にいないと試しに合わせることができないから難しいよ~。
「……あ、これ」
何かないかなーと店内を歩き回っていると、ふと目に入ったイヤリングが気になった。それを手に取ってみる。グレーを基調として、オレンジ色がアクセントとしてうっすらとちりばめられている。大きさ的には少し小さい部類に入り、色も相まってつけてもあまり目立たないデザインとなっている。でも、それが逆に元樹に似合う気がする! よく見たら耳についてる、くらいのものがきっと元樹に似合う気がするんだ~。
「よし、これにしよっ!」
着脱はちょっとしづらいけど、でもこれ以上のものは見つかりそうもないし、そこには目を瞑ることにしよう。ゆうゆへのアドバイスはなかったことにしておこう……。
よし、じゃあ元樹に連絡を送って……ちょっと待って、この場所に呼んだら選んだのがイヤリングだってすぐにわかっちゃうよね。できればギリギリまで秘密にしたいし……うん、リストバンドのコーナーに呼ぼう。
『今大丈夫? 愛さんのところに来てほしいな。リストバンドのあたりにいるからね』
『今から向かいまーす』
メッセージを送ったらすぐに連絡が返ってきた。もしかして愛さんが一番だったりする?
「元樹ー、こっちだよー」
キョロキョロとアタシを探す元樹の姿が見えたので、手を振ってこちらに呼ぶ。
「あ、愛先輩。ここに呼ばれたってことは、愛先輩が選んでくれたのはリストバンドなんですね」
「ふっふっふ……そう思ったでしょ? そんなわかりやすくないんだな~これが。何を選んだか先にわかったらおもしろくないじゃん?」
目論見通り考えてくれててちょっと嬉しいなぁ。ちょっと意表を突かれたような顔が可愛い。
「愛さんが選んだのは……じゃーん! このイヤリング!」
「へぇ、イヤリング……実物は初めて見たかも」
「そうなんだー。珍しいね」
「璃奈もイヤリングとかつけないので」
確かにりなりーがイヤリングつけてるイメージはないかも。だから実物を見たことがなくてもおかしくはないのかな。
「こうやってちょっと耳に当ててみて」
「こう、ですかね。どうです、似合ってますか?」
「そうそう。ちゃんと似合ってるよ」
愛さんの予想通り、グレーの小さなイヤリングが元樹によく似合っている。
「そうですか、よかったです。なんでこれを選んでくれたんですか?」
「理由……理由かぁ……。これを一目見たときなんかピンっと来たんだよね。『これは元樹に似合うぞ!』って。だから深い理由なんてないんだよね~」
一目見てピンっと来たのも事実だけど、ほんとはちゃんと選んだ理由はあるんだけどね。でも元樹に話しても理解してもらえなさそうだから、ここは黙っておこう。追い追い教えないとだけどね。その時はカリンにも協力してもらおっかな~。
「で、どうどう? 気に入ってくれた?」
「そうですねぇ……つけるのが若干めんどくさそうなのが少し減点ポイントですけど、色合いとかサイズ感とか、デザイン面はかなり気に入りました。変に凝ってないこのシンプルな感じがいいですね。あと灰色好きなので」
「そっか、よかったぁ」
愛さんの悩んだところを気に入ってもらえたみたい。全然知らなかったけどグレーが好きだったんだね。反応や表情を見る限りかなりの高評価をもらえてそう。最初の直観を信じてよかった!
「……あ、そうだ。さっきぐるぐる店を回ってた時、愛先輩に似合いそうなシュシュ見つけたんですよ。あそこに……」
「ん? どれどれ?」
元樹が棚の上の方に置いてある商品を指差しているので、背伸びして覗き込む。うーん、棚の端に置かれてて、もうちょっと元樹に近寄らないと見えないや。
「えっと、奥にあるオレンジの……って、なんか近くないですか?」
「そう? これくらい普通じゃない?」
顔をほんのり赤く染めて、こちらから目をそらしている。元樹ってば意外と照れ屋さんだな~。
「んしょっ……と。元樹が言ってたのってこれ?」
「は、はい。それです」
真ん中に白いうさぎが大きく書かれたオレンジのシュシュだ。試しにつけてみよーっと。髪を留めるのはちょっと面倒だから、腕につけちゃおう。
「どうかな? 似合ってる?」
シュシュをつけた方の手を顔に寄せて、軽くポーズを決めてみる。
「めちゃくちゃ似合ってます。正直予想以上です」
「そ、そんなに?」
「これを一瞬で見極めた自分のファッションセンスが恐ろしいです」
「あはは。そうだね」
普段やる気がないだけで、実はちゃんとしたファッションセンスがあるのかもしれない。実際このシュシュもすっごい可愛いし!
「これ、愛さんにプレゼントさせてください」
「えっ、いいっていいって。今日は元樹のを選びに来たんだからさ」
「そんなの関係ないですよ。俺がプレゼントしたいと思ったからするんです。こーんなに似合ってるんだから、俺にプレゼントさせてください!」
「元樹がそこまで言うなら……プレゼントしてもらおっかな。ありがとね、元樹」
プレゼントしてくれる理由にはなってない気がしたけど、でも似合ってるなんて言われたら嬉しくて仕方ないし、きっと元樹は折れないだろうから、ありがたくプレゼントとして受け取ることにした。
それはそれとして、あーんなに真っすぐな瞳で見つめられて、滅多に見ないような真剣な表情で似合ってるなんて言われたら照れちゃうよ……。あとドキッとしてしまった。あんな表情、せっつーを連れ戻しに行った時にしか見たことがない。これはーあれだね、ギャップ萌えってやつだね。あの元樹のこんな表情、ドキドキするなって方が難しい。心の内を感づかれたくなくて、照れ隠しといわんばかりに元樹の頭を撫でる。
「……あ、侑先輩からも連絡きました」
「ゆうゆから?」
「はい。指輪とかの辺りにいるらしいので行きましょう」
指輪かぁ。あんまり元樹が指に何かをつけてるイメージは湧かないなぁ。もちろん元樹はそんなこと全然考えてなくて、むしろつけてみたいって思ってるかもしれないし、そもそもゆうゆが選んだのが指輪じゃない可能性も十分にあるし。
「もとくーん、こっちこっち!」
こちらの姿を見つけると、ぴょんぴょんと跳ねてこちらを呼んでいる。
「愛ちゃんと一緒ってことは、もう愛ちゃんが選んだのは見たの?」
「そうですよ」
「ってことは私が最後なんだね」
「そうですよ」
アタシが最初だって思ってたけど、先に歩夢がやってたんだね。先越されちゃったぁ。
「……あれ、歩夢先輩にも見せてもらったって話しましたっけ?」
「あ、えっと……ちょっと前に歩夢から連絡来たんだよねー」
「ふーん」
なーんか怪しいなぁ。歩夢ってゆうゆに甘いから。元樹にも甘いけど、それ以上にゆうゆに対して甘い。
「それでそれで、愛ちゃんには何を選んでもらったの?」
「勝負なんですから教えませんよ?」
「あっ、それもそっか」
「教えてあげてもいいんじゃない? ゆうゆも『これだ!』ってのを決めてるんでしょ?」
「うん、まぁ……そうだね」
「愛さんのを聞いて考えが変わったりもしないだろうし、折角だし教えてあげようよ」
そっちの方が面白いし、元樹以外からの意見も聞いてみたいし!
「んー、愛先輩がそう言うなら。はい、これです」
「これはイヤリング? もと君がイヤリングつけてるイメージあんまり湧かないかも……」
「実際つけたことないですしね」
「えぇっと……こほん。ミンナ、コンナトコロデナニシテルノー?」
店の奥から歩夢がやってきた。
「……なんでそんな棒読みなの?」
歩夢は表情が硬いし、びっくりするくらい棒読みだ。ゆうゆはゆうゆで冷や汗がすごいし……やっぱり怪しい。まぁ皆が楽しんでくれるならそれでいいけどね。負けるのは悔しいけど、元樹に満足してもらえるのが一番だし。
「……まぁいいでしょ。侑先輩、選んでくれたのを見せてくださいな」
「う、うん。私が選んだのはこれ、なんだけど……」
「指輪、ですか」
ゆうゆが見せたのは予想通り指輪、でも予想外だったのがその見た目。いかにもって感じのいかつい見た目のものじゃなくて、銀のリングに小さなルビーが埋め込まれた、まるで結婚指輪のような……というかほぼ結婚指輪じゃない?
「なんでこれを選んでくれたんですか?」
「えと、その……2つで1組だったから、一緒にどうかなーって」
「一緒にと言うと?」
「もと君と私で1つずつつけるってこと、かな」
そんなのもう結婚指輪じゃん! それに元樹も気づいたのか、少し、ほんと少し元樹も顔を赤らめている。元樹のこんなところ初めて見るかも……。
「もと君、手貸して。つけてあげる」
「え、やです。恥ずかしいですし」
「むぅー、ケチぃ……」
「折角だからつけてもらえばいいのに」
「そ、そうだよ!」
「2人がそう言うのであれば……侑先輩、お願いします」
「うん、任せて」
元樹の手を取って、その指にゆうゆがそっと指輪を嵌めていく。その雰囲気はまるで本物の結婚式みたいで、少しモヤモヤっとした気持ちになる。それはきっとりなりーの役目なのに……。
「……はい、つけたよ」
「ありがとうございます。ふむ……サイズ感はぴったしですね。デザインも気に入りました。安易にダイヤモンドとかじゃなくてルビーなのがいいですね」
「そっか、気に入ってくれて嬉しいな。……さて! もと君、誰のが一番気に入ったか決めてくれる?」
「ちょっと待ってください。まだ侑先輩がつけてないですよね」
「い、いいって! 私はつけなくても大丈夫だから!」
「これはペア指輪だーって侑先輩が言ったんじゃないですか。ちゃんと本来の使い方を確認してからじゃないと採点できないですよ」
「ぐうの音も出ない……」
「折角だから侑ちゃんもつけてみよ? きっと似合うよ!」
「うぅ~……」
アタシとしてはあんまりしてほしくないけど……だってさっきの結婚式みたいな雰囲気だよ? 最初はそんなつもりは全くなくても、雰囲気にあてられてお互いそんな気持ちに……ということがあるかもしれない。まぁアタシの考えすぎかもしれないけど。でも元樹と侑ゆって仲いいし距離も近いから、どうしても気になっちゃうんだよね。
「侑先輩」
「……わかった、わかったから! そんな目で見ないで!」
じぃーっと見つめる元樹と歩夢の目に折れたのか、顔を真っ赤にしたゆうゆが目を閉じて、そっと元樹に手を差し出す。
「んっ」
その手を優しく握り、ゆっくりと指輪が嵌められていく。さっきのも相当だったけど、今回はもっとすごい。結婚式の一幕だーって言われても納得してしまうような雰囲気、なんならこのままキスまでしてしまいそうなくらいだ。もうモヤモヤを超えて、むしろこっちまでドキドキしてしまう。
「はい、嵌めましたよ」
「ありがと……あー、恥ずかしかった……」
相当恥ずかしかったのか、手でパタパタと仰いでいる。気持ちはわかる。愛さんがゆうゆと同じ立場だったら、きっと同じ状態になっているだろう。
「よしっ、じゃあ今度こそ元樹に決めてもらおっか」
「んーそうだなぁ……かなり迷いましたが、愛さんの選んでくれたイヤリングで」
「やった!」
愛さんを選んでくれて嬉しい! 嬉しいんだけど、さっきのを見せられた後だと微妙に喜びづらい……。
「んー、ダメだったかぁ。あんなに恥ずかしい思いしたのになぁ……」
「残念だったね、侑ちゃん」
ゆうゆはかなり悔しがってるけど、歩夢は残念そうにするだけで、あまり悔しくはなさそう。そういえば歩夢は何を選んだんだろ。いつも可愛いのつけてるし、髪飾りとかかな。
「じゃあイヤリングとこのシュシュ、買ってきますね」
「いってらっしゃーい」
「……シュシュ? 愛ちゃん、シュシュって何?」
「えーっとね、アタシに似合うかもって元樹が選んでくれたんだよね」
「そうなんだね。いいなぁ……」
ゆうゆは羨ましそうに周りのアクセを見回している。歩夢も少し遠慮がちに見回している。2人して同じ動きをしてて、まさに幼馴染って感じだよね。
「ただいま戻りましたー。……はい、愛先輩、プレゼントのシュシュです」
「うん、ありがと。大事にするね」
綺麗な箱に入って、丁寧にリボンまでしてくれている。ほんとは今すぐつけたいけど、綺麗に包装してもらっていて、すぐに解いちゃうのはもったいないと感じたので、今は大事にカバンの中にしまっておく。家に帰ってからのお楽しみ!
「愛先輩、この後どうします? 特に何も決めてないですよね?」
「うーん……」
アタシも特に行きたいところがあるわけじゃないんだよねぇ。でも折角だからゆうゆ達とも一緒に遊びたいな。
「ゆうゆ達はどうするの?」
「私達も特に予定は決めてないかな」
よかった、それなら4人で一緒にどこか行きたいな。4人だとどこがいいんだろ……ここのすぐ近くだとトランポリンとかボルタリングできるところがあるけど、さすがに元樹の足が心配だし……。ゲームセンターでコインゲームとかがいいのかな。
「あっ、私、もと君を連れていきたいところあるんだけどいいかな?」
「いいですよ。というか侑先輩達も一緒に来てくれるんですね。ありがとうございます」
「うん。私達も特に予定なかったし。歩夢もいいよね?」
「もちろん」
「じゃあゆうゆの行きたいところにレッツゴー!」
ゆうゆの行きたいところってどこなんだろ。元樹を連れていきたいって……もしかして共通の趣味があったりするのかな。どんなところに連れていってくれるのか楽しみだなぁ。
マジでサイドストーリーが終わりそうになかったので、お昼ご飯のパートとかカットしちゃいました。ごめんね。
次回ももしかしたらPart49の内容まで飛ぶかもしれません。