【WR】虹ヶ咲RTA_称号『虹の楽園』獲得ルート   作:一般紳士君

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これは超絶スーパーただの自慢なのですが、7thのお見送り回当選しました。
TNKTEMさんにおててを振ってもらえて嬉しかったです。


サイドストーリー Part32/m

 パンッ!

 気持ちよく眠っていた私の耳に突然大きな音が響く。その音に強制的に目を覚まされ、慌てて飛び起きる。

 

「でっででーん」

「っ! な、なにっ!?」

「果林ちゃん、おはよう」

 

 エマ……? なんで私の部屋にいるの……?

 

「えぇと、こういう時は……ドッキリだいせいこ~う! ……で合ってるのかな?」

「合ってますよ。それを言えば日本ではなんでも許されます」

「え?」

 

 ドッキリ? もしかして寝起きドッキリを仕掛けられたの……? たしかに元樹君がドッキリ大成功のプラカードを持ってるけど……

 

「え?」

「……果林ちゃん?」

 

 元樹君が寝起きドッキリってことは……元樹君に寝顔を見られた……! よりによって元樹君に……。

 

「果林先輩どうかしました? おしっこですか?」

「な、なんで元樹君がここにいるのよっ!?」

「うぉっと、危ない。プラカードがなければ即死だった」

 

 手元の枕を握りしめ、思わず本気で元樹君に投げつける。ギリギリのところでプラカードで防がれてしまい、当たらなくてよかったという気持ちと、当たらなくて悔しいという矛盾した気持ちに襲われる。

 

「寝起きドッキリでビックリしちゃいました?」

「ビックリするに決まってるわよ! 目が覚めたら元樹君が目の前に、変なものを持って立っているんだもの……」

 

 元樹君のことだから変なことは一切してないでしょうけど。エマと一緒だったしね。でも寝顔を見られてしまった。よりによってほぼ唯一の男友達の元樹君に。

 

「元樹君と仲良しさんだから喜んでくれるかなって思ったんだけど……」

「いくら仲良しでも、部屋の中だったり寝顔を見られるのは恥ずかしいのよ……それが異性なら尚更」

「そう?」

 

 エマは恥ずかしくないのかしら……異性に寝顔を見られたら普通は恥ずかしいと思うのだけど。これが文化の違いというものなのかしら……。

 

「それで、今日は何の用なの?」

「そうそう、今から元樹君達と一緒にピクニックに行くんだけど、果林ちゃんも一緒にどう?」

「そうなのね……お誘いは嬉しいけど、今日は撮影があるの。だから行けないわ」

「そっかぁ……」

 

 楽しそうなのに、どうしてこんな時に限って仕事が入っているのかしらね。事前に行ってくれれば予定を開けておいたのに……。

 

「えー、果林先輩も一緒に行きましょうよ。うぇーんうぇーん」

「泣いたふりをしてもダメなものはダメなのよ」

「そうだよ。あまりわがままばかりだと果林ちゃんが困っちゃうよ」

「それ以前に今この状況に困っているのだけど……」

 

 クラッカーの残骸が散らかっているし、元樹君は大きなプラカードを掲げているし、一体どういう状況なのか。もうこの寮に入って長いけれど、こんなに賑やかというかカオスな朝は初めてよ。

 

「そうですか? 俺は楽しいですよ? 足の踏み場には困ってますけど」

 

 私の隣に腰を下ろし、肩にちょこんと頭を乗せてくる。まったくこの子は……意図的か無意識かはわからないけど、後輩という立場をうまく利用されている気がする。こんなに可愛く甘えられるとこちらも受け入れるしかない。

 

「2人とも、いつの間にかすっごい仲良しさんだね」

「まぁ仲は悪くはないと思うけど……」

「お似合いだね!」

「え、ちっ、ちが……元樹君とはそういう関係じゃないのよ!」

 

 突然放り投げられた言葉に動揺してしまう。肩の元樹君も動揺したのか、少しだけ頭を揺らす。エマからは私達が付き合っているように見えるのかしら……よく考えればそう見えるのは当たり前かも。こんな距離感、恋人じゃないとありえないものね。

 

「え……仲良しさんじゃないの……?」

「仲良しだけど、そういう関係じゃないの。ほら、元樹君からも言ってあげて」

「えー、でも俺達秘密の関係じゃないですか。誰にも言えないような秘密を持った……ね」

 

 この子……! ニヤニヤと私をからかうつもりのようね。エマが本当に付き合っていると勘違いしたらどうするのよ。もし勘違いが周りにまで伝わってしまったら、最終的に苦労するのは私なのよ。元樹君は自分がどれだけモテモテなのかを理解していない。しずくちゃん達の誤解を解くのにどれだけの労力がかかるか……。

 

「これって実質付き合っているようなものだと思いませんか?」

「ち、が、う、わ、よ」

「いふぁい……かりんへんはい、いふぁいれふ」

 

 元樹君の頬を軽く引っ張る。……肌、モチモチね。触っていてなんだか楽しいけど、少し羨ましいわ。

 

「痛いなぁもう……もし俺が本当に果林先輩とそういう関係になりたいと思ってたらどうするんですか? ひどい仕打ちですよ」

「からかう気満々な顔してたわよ」

「ありゃ、バレちゃいました?」

 

 あんなにニヤニヤとしていれば誰にだってわかる。もし本気で言っているのではあれば、私もちゃんとした対応をするわ。まぁいざ真剣な表情で『好き』だとか『付き合いたい』なんて言われたら動揺でしっかりとした受け答えはできない気がするけど。

 

「ふふっ、やっぱりお似合いだね」

「あのねエマ、お似合いって言葉は恋人や夫婦の人達に使う言葉で、友達同士にはあまり使わないのよ」

「えっ、そうなの?」

 

 なるほど、言葉の使い方を少し勘違いしてたのね。となるとエマは私と元樹君が付き合ってるだなんて微塵も考えてないのね。自分で言うのもなんだけど、友達にしては少し距離感がおかしいと思うのだけど……これも文化の違いなのかしら。

 

「そうですね。友達関係の人たちにはあんまり使わないですね」

「そうなんだぁ、日本語って難しいなぁ……」

「まったく、元樹君が悪ノリするから」

「だってこんな足の踏み場もないような汚い部屋に上がらされたんですもん」

「勝手に上がられたのだけど……」

 

 勝手に部屋に上がられて、私が片付けができないことがバレて、挙句に寝顔まで見られている。被害者はこちらだと声を大にして言いたい。

 

「まぁいいわ。元樹君だし、なによりエマと一緒だったし」

「エマ先輩はともかく、随分俺のことを信用してくれてるんですね。その気になれば寝起きの果林先輩を襲うことだって……」

「信頼してるに決まってるでしょ。一緒に撮影をした仲じゃないの」

 

 急なお願いにも関わらず笑顔で受け入れてくれたし、心の底から楽しそうにモデルの撮影に付き合ってくれた。他にもいろいろあるけど、元樹君のことは心から信頼しているわ。そうじゃなければ、目が覚めた時点で元樹君を部屋から追い出している。

 

「それに、誰も知らない元樹君の可愛い秘密、私にだけ教えてくれたからね」

「元樹君の秘密?」

「エマ先輩は知らなくてもいいんです。果林先輩も言わないでください。足の指でもなんでも舐めますから」

 

 それはそれで困るわね……足を舐めさせて喜ぶほどSじゃないし。お部屋の片づけを手伝うと言ってくれる方がまだ嬉しいわ。

 

「えぇ~可愛い秘密って言われたら気になっちゃうよ~」

「うふっ、エマも気になるのね。実は……」

 

 ちらりと隣を見ると必死な形相をした元樹君が、私に続きを言わせまいとぎゅっとパジャマを握りしめている。璃奈ちゃんにも秘密にしているらしいし、怖がりなこと、そこまで秘密にしたいのかしら。

 

「ってそんな必死な顔しなくても言わないわよ」

「……こんな元樹君初めて見たかも。可愛いね」

 

 エマがそう呟くと、元樹君は顔を真っ赤に染め、湯気を出しながら倒れ込んだ。なぜか私の膝の上に。今日はショートパンツだから元樹君の顔が直で太ももに当たって少しくすぐったい。

 

「あら、照れちゃったみたいね」

「元樹君ってこんなに甘えんぼさんだったんだ……」

「この子も1年生だもの。まだまだ甘えたいお年頃なのよ」

 

 今の言いぶりだと、エマにはあまり甘えたりしてないのかしら。エマとの方が付き合いが長いはずだし、雰囲気的に甘えやすそうだけど……基準がよくわからないわね。

 

「ところで果林ちゃん……果林ちゃんのお部屋、いつもこんな感じなの?」

 

 突然エマが声を低くして、部屋に散らかった服や雑誌を指差しながらこちらに問いかけてくる。

 

「……たまたまよ」

「ほんとに?」

 

 別に悪いことをしているわけではないのに思わず顔を背けてしまう、そのくらいの威圧感。普段はあんなにほんわかしているのに、怒るとこんなに怖いのね……。

 

「果林ちゃん、わたしの目を見て話して」

「……私、部屋の片づけとか苦手なのよ」

「まぁでしょうね。こんな無残に放り出された服とか、適当に散らかった雑誌とか見てるとね、当然そうだろうなと思いますよ」

「少し棘を感じる言い方だけど、まぁそうね」

「……果林ちゃんのお部屋、わたしが片づけしてもいい?」

「それは……ってなんでそんなワクワクしてるのよ」

 

 先ほどまでの威圧感満載の雰囲気から、ご飯を目の前にしたわんちゃんのようなキラキラした雰囲気に突然切り替わる。コロコロと忙しいわね。

 

「スイスの妹たちのことを思い出しちゃったの!」

「果林ちゃん、ダメ……?」

「……たまになら」

 

 あんなにキラキラした目で見つめられたら断れないじゃない……。

 

「やったっ、じゃあいまから片付けしてもいい? いいよね?」

「今日はやめておいた方がいいんじゃないかしら。これからピクニックに行くんでしょう?」

「そうですよ。エマさんがいないと困っちゃいます」

「あ、そっか……じゃあ今度お片付けするね。その時は元樹君も一緒にどうかな?」

「行きたいですけど……果林先輩的にはOK?」

「いいわよ。ちゃんと事前に教えてくれるならね」

 

 部屋を掃除しようとしてくれる善意を断るわけない。いきなり来るとびっくりしちゃうから、事前に来るっていう連絡はしてほしいけどね。

 

「やったぜ。じゃあ毎日果林先輩の部屋に入り浸りますね」

「毎日来てくれるのは嬉しいけど、さすがに寮長に怒られるわよ?」

 

 そもそも、いくらエマと一緒だったとはいえ女子寮への立ち入りが許されたこと自体結構不思議なのよね。毎日入り浸るなんて許可が出るのかしら。

 

「それなら元樹君も寮に住んだらいいんじゃないかな。それなら毎日一緒にいられるね」

「うーん……」

「さすがに難しいんじゃないかしら……」

「そうですね……そんな気軽に引っ越せないし、そもそも遠方じゃないから入寮審査通らないだろうし。あと璃奈に会えなくなるし」

「そっかぁ……元樹君、璃奈ちゃんのこと大好きだもんね」

「もち」

 

 璃奈ちゃん、愛されているわね。元樹君の大好きがどういう意味なのかは私にはわからないけど、けどきっと璃奈ちゃんだけに向けている特別な大好きのはず。……しずくちゃん達がこの場にいなくて本当によかったわ。

 

「……2人とも、そろそろ出なくていいの?」

「あっ、そろそろ時間だね。でもまだ荷物をまとめられてなくて……少し待ってもらってもいい?」

「いいですよー。エマさんの部屋についていけばいいですか?」

「それなら、エマの準備が終わるまでここでゆっくりしていきなさい。話し相手くらいにはなってあげるから」

「やったー、果林先輩好き~」

 

 よほど嬉しいのか、膝枕のまま足をパタパタとさせる。なんだか今日は随分と甘えん坊ね。

 

「ありがとう果林ちゃん。急いで準備してくるから待っててね!」

「……エマ、行ったわよ。いつまでこうしてるつもりなのかしら?」

「んー、もうちょっとだけ。もうちょっとだけ、果林さんの太ももを堪能させてください。折角果林さんの生足を堪能できる機会なんですから」

「まったく……元樹君も男の子なのね」

 

 太ももをペタペタと触ったり、クンクン匂いを嗅いだり、ただ顔を埋めてみたり……ちゃんと性欲はあるのね。でも肝心なところにはノータッチなあたり、ちゃんと線引きはできている……のかしら? 少なくとも私にとっては許せる範囲ね。

 

「……果林先輩って俺に優しい、というか甘いですよね」

「そうねぇ、初めてできた後輩だから、少し甘やかしすぎちゃうのかも。厳しくしてほしいならそうするわよ」

「勘弁してください」

「ふふっ、わかったわ。……でも、そろそろ離れてほしいわ。私もさすがに恥ずかしいから……」

「しょうがないですねぇ」

 

 少し名残惜しそうにしながら起き上がる。何か布とかの上からであればもっと膝枕してあげるのだけどね。あんなに素肌を直接ペタペタ触られると、不快感はなくとも恥ずかしさが段々とこみ上げてくる。

 

「にしても、本当に散らかってますね。足の踏み場もない……」

「それなら元樹君が片付けをしてくれてもいいのよ」

「いいですよ。片付けをするのは好きなので。よいしょっと」

 

 元樹君は床に腰を下ろし、散らかった服に手をかける。そしてテキパキと片付けを始めた。

 

「……手際がいいわね。みるみるうちに片付いていくわ」

「まあね、こんなもんですよ」

 

 放り捨てられた服を折りたたんでは、床に積み上げていく。動きに全く無駄がない。あっという間に服が全部片付いちゃったわ。

 

「クラッカー邪魔だな……」

「あなた達が持ってきたクラッカーでしょ」

 

 そんなやりとりをしている間にも、続いて雑誌の片付けに着手し始めた。

 

「本棚ほしいなぁ」

「本棚ねぇ」

「見た限りではファッション雑誌ばかりですし、これからも増えるんですよね? であれば本棚はあって損はないと思いますよ。まぁ果林先輩はそもそもの整理整頓ができないので、本棚が合っても無駄かもしれませんが」

「今日はやけに辛辣ね……」

「……およ? これは下着では?」

 

 元樹君が天高く掲げたのは私のブラジャーとショーツ。しかも少し際どいもの。雑誌に埋もれていたのかしら……。

 

「すけべだなぁ。果林先輩がこれを着けてるのか……えっちだなぁ……」

「ちょっと、見ないでちょうだい」

 

 掲げられた下着を取り返そうと元樹君にしがみつく。けれど私に奪われたくないのか必死で抵抗してくる。普段の運動能力からは考えられないような力で抵抗される。どこからこんな力が出てくるのか……。

 

「やーだー。この下着持ち帰って、家でいろんなことするんだい!」

「このっ……返しな、さい!」

 

 やっとのことで元樹君の腕の中から下着を奪い取る。

 

「まったくもう……こんなことばかりしてたら璃奈ちゃんやしずくちゃんに嫌われるわよ」

「ふーんだ、果林先輩以外にしたことないですもん」

「ここに座ってジッとしてなさい」

「はーい」

 

 下着を目の見えないところにしまった後、隣に元樹君を座らせる。片付けをしてくれたことには感謝しているけど……

 

「はぁ、思ってた以上にちゃんと男の子してるのね。そ、そこもこんなにして……まぁちゃんと片付けてない私が悪いんだけど」

 

 元樹君の下腹部に目をやると、先程までとは違って立派な何かがそそり立っている。男の子って興奮するとこうなるのね。実物を見るのは初めてだわ……。

 

「しょうがないじゃないですか。だって果林先輩が魅力的なんですもん。魅力的な人の下着なんて見ちゃったら興奮して勃起するに決まってます」

「なんだか素直に喜べないわね……」

「それで、果林先輩はどうやってこれを処理してくれるんですか? 舐めたり咥えたりとかしてくれるんですか? できれば果林先輩と本番行為までしちゃいたいなー」

「しないわよ、そんなこと」

「え~……」

 

 随分欲求に正直なのね、と思ったら表情はからかい100%だ。恥ずかしがる私を見たいのかしら。舐めたりなんてシてあげるつもりはないけど、元樹君の思惑通り恥ずかしがっちゃうのも癪ね……。

 

「果林先輩のせいでこうなっちゃったんですから、ちゃんと責任取ってくださいよ~」

「……そうね、これから一生、私のことだけを見てくれるって言ってくれるなら、してあげてもいいわよ」

「えっと、それは……」

「私にそういうお願いをするなら、元樹君もこれくらいの覚悟を見せてもらわないとね」

「きゅぅ……」

 

 顎を指でクイッと持ち上げ、耳元で囁いてあげると顔を真っ赤にして少し距離を取った。こういうのには慣れていると思っていたけど、意外と有効なのね。今後も使っていこうかしら。

 

「あらあら、真っ赤にしちゃって、可愛いわね」

 

 さて、どうしようかしら……口でしてあげるのは嫌だし、最後までするのはもってのほかだけど、このまま何もしないのは可哀想かしら。元はと言えばちゃんと片付けをせず、下着を放置していた私の責任だものね。元樹君はそんな私の部屋を片付けしてくれてたんだから、そのお礼もしないといけないわよね。

 

「いいわよ、手でよければしてあげる。……あら、そんな顔してどうしたの?」

「え、いやその、本当にしてくれるとは思っていなかったので……」

「部屋を片付けてくれたお礼と、あとはちょっとしたお詫びかしら。元樹君の言う通り、私が散らかしていた下着が理由だものね。……ほら、早く脱ぎなさい。エマが来ちゃうわよ」

「えっと、その……や、やっぱりキスにしてくれませんか? 手コキじゃなくてキス、キスがいいです。果林先輩とキスしたいです」

「あら、遠慮しなくていいのに。でもキスはダメよ」

 

 キスは本当に好きな人と、ロマンチックな場所でと決めているの。元樹君のことは好きだし、彼氏にしたいなと思わなくはないけど、それでもキスをしてあげるにはまだまだ好感度が足りないわ。それに後が怖いし……。

 

「ほら、観念して脱ぎなさい」

「ちょま……お、襲われてます! えっちなお姉さんに襲われてます! 助けてエマ先輩!」

 

 ここまで拒絶されると、なおさらシてあげたくなる。というよりはここで退いたらなんだか負けた気分になる。私の魅力が足りていないのかという気持ちになるから。このまま引き下がるのは私のプライドが許さない。

 自分から誘っておきながら拒絶をし始める元樹君の腕をがっちりと掴む。そしてそのままマウントポジションに移行しようとするけど、うまく体を動かしたりして抵抗される。このっ、力なら絶対に負けないのに……!

 

もときくーん、おまたせー

 

 そうこう争いを続けている間に支度が終わったのか、ドアの向こうからエマの声が聞こえる。どうやらタイムアップみたいね。

 

「ほ、ほらエマ先輩も戻ってきましたし……ね?」

「……はぁ、しょうがないわね」

 

 元樹君から手を離して解放する。今の争いで元樹君の服が乱れてしまったので、責任をとって軽く直してあげる。あんなに拒絶した後なのにこんなジッとしてくれるなんて、元樹君の基準がよくわからないわね……。

 

元樹君?

「エマさんが呼んでるのでそろそろ行きますね。お邪魔しました」

「そうね、またね。ピクニック楽しんでらっしゃい。気が向いたらいつでも遊びに来ていいわよ」

「気が向いたらまた部屋を掃除しにきます」

「…………あ、そのプラカード……持って帰って……行っちゃったわ」

 

 元樹君の手によって綺麗になった部屋にポツンと残された大きなプラカード。邪魔だから持って帰って欲しかったのに……そもそもこんなのどうやって持ってきたのかしら。まぁいいわ。次遊びに来た時に持って帰ってもらうから。

 予定より早く起きちゃったから仕事に行くまでまだ時間があるし、少しダンスの練習でもしてようかしら。

 

 

 

『果林ちゃん、見て!』

『元樹君の寝顔、可愛いよね!』

「あら、可愛いじゃない」

 

 撮影が終わり、着替えながらスマホを眺めているとエマから元樹君の寝顔の写真がいくつか送られてきた。誰かの膝の上でぐっすりと眠っている。

 

『可愛いわね。誰の膝の上で寝ているのかしら』

『彼方ちゃんだよ』

 

 彼方がねぇ……あの子が元樹君のことをどう想っているのかよくわからないのよねぇ。しずくちゃん達を応援しつつも元樹君に抱きついたり……ピクニックに誰が参加しているのかはわからないけど、もししずくちゃん達が参加していたら大変なことになりそうね。彼方も元樹君もどちらも。

 

『あとね、バドミントンで遊ぶ侑ちゃんとしずくちゃん』

 

 続いて侑としずくちゃんが遊んでいる動画が送られてくる。シャトルが全部しずくちゃんの顔に吸い込まれているけど大丈夫かしら……でもしずくちゃん本人が燃えてそうだからいいのかしら。

 

『楽しそうね。私も行きたかったわ』

『わたしも果林ちゃんに来てほしかったなぁ』

『次は一緒に遊ぼうね』

『ちゃんと事前に教えてくれれば予定は空けておくわ』

 

 そういえば、あれの当選発表はいつだったかしら。チケット1枚で4人まで参加できるから、もし当選していたらエマを誘ってあげましょう。ふふっ、当選発表が楽しみだわ。




にじちず効果なのかわかりませんが、7th後くらいに謎に日刊ランキング入りしていました。
読んでくれてありがとナス!
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