「よぉ、いらっしゃい。
何かお求めかな?わざわざこんなとこに来たんだ、喉から手が出るほどに、誰かを殺めてでも欲しいものがあるんだろう?」
客は首を振り答えた。違うんだ、欲しいのは薬だ。殺めるためでなく生かすために薬が欲しいのだ、と。
「は?薬ぃ?おいおい、うちは何時から薬屋になったんだい。薬が欲しいなら薬屋に行きなよ」
面白くなさそうに職務を放り出そうとする店員に対して、客は待ったをかけた。薬屋にはすでに行ったのだ、と。更に続けた、ここでなくてはダメなのだ、金なら必ず払う。万病にも効く薬を売ってくれ、と。
店主は笑った、笑い終えれば店主は答えた。
「金を払うというのであれば、お前は確かに客だ!だが、1Jすらまけん、払えないと答えればお前を殺さなければならない。それでも良いのなら言ってみろ、何に効く薬で、その病の正体をだ!」
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『雑貨屋』は客を選ばない。
マフィアだろうが一国の主でも、流星街の住人であれ店に訪れるならば客だ。相手が客であるなら何でも売る。ペンだろうが銃だろうが、勿論人間でも。文字通り何でも全て売る。
しかし、金の無い奴ならば何も売らない。それが、マフィアだろうが一国の主であろうと、小石一つ、髪の毛一本すらも売ることはないだろう。
金の無い客は、客でありながら客でないのだから。
店主に用意できないモノはなく、売らないモノもない。
薬を買いに来た客の前は、武器を買いに来た。勿論売った。
その前は人間の女を買いに来た。これまた勿論売った。
その前は国を買いに来た。当然売った。
ある時、店主の命を売ってくれと頼んだ客がいた。当然のことながら、売った。
驚いた客だったが、値段を言ったらこちらが驚くことになった。ふざけるな、払えるわけがないだろう、と。激高した客はそのまま店主を殺そうとしたとき、客は客で無くなった。
その後どうなったのかは、今でも店主として働いているのだからおわかりいただけるだろう。
客でないのであれば、金の無い状態でお店に来るとするならば、それはただの泥棒であり、生かしておく必要は無い。ただの迷惑でしかないのだから殺す。
この店に冷やかし目的で入ることは許されておらず、金の無い状態で注文をするのであれば、支払いはあなた自身で払う他にないだろう。
何物にも代えられないモノあるのであれば、探してみるのも良いだろう。
その店にはきっとあるはずだから…
移動式雑貨店『雑貨屋』
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