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最近、今更ながらシャニマスにハマりました、樋口メインの小説はどこですか?
「言っている意味が分からないですけど、質問に質問で返すなって話をしたばかりじゃないですか」
一目散に食いついてくると思っていたが、案外に食いつき悪いな。
ミアンダは訝しげな視線を向けて来るだけで、乗り気ではなさそうだった。
「質問で返してねぇよ、俺の付き人をやれって言っているんだ。対価には自由を払おう。お前さん風に言うのであれば、自由を売ってやる、対価は自分自身だってこと」
という訳で、ミアンダにも分かるよう解りやすく説明するが、表情を見るにあまり芳しくないみたいで頓珍漢なことを言い出した。
「私の身体が欲しいってことですか?そういうことなら、ちょっとお断りしたいのですけど」
「ちげぇよ、バカ。ほんとバカ、死ねよ救いようの無いバカ」
救いようの無いバカだった訳で、分かるはずも解る訳もなかった。
「お前の望みは自由、俺の望みは護衛兼付き人。お前はゾルディック家から解放され、俺は自爆以外の自衛手段を得る。相互利用関係だろ?」
「あぁ、そういうことでしたか。意外にもそっちの趣向があるのかと思いましたよ、それならそうだと言って欲しいです」
漸く分かったのか胸を張るバカ。
「男に抱かれるより女抱いて寝た方が万倍マシなのは事実だが、お前は論外だ安心しろよ。
それで返事を聞こうか」
「そうですね、別にそこまでゾルディック家を嫌っているわけじゃないですけど、自由を得るのは魅力的です。ですが、護衛兼付き人って真の自由とは言えないですよね?
ということで、妥協案として1年契約で護衛兼付き人をしますよ、契約満了した時に真の自由を買うことが出来ない場合は延長。出来る場合は真の自由を売ってくださいよ」
ミアンダの言いたいことが分からないわけでも無い。ミアンダのいう自由は、自分の道を自分で選ぶこと。俺の提示した自由は、ゾルディック家からの解放のみ、護衛兼付き人を強いるため、道は俺が選び俺が進むために道を拓く必要がある。
だが、その前に重要なことがあるため俺の念能力を簡単に説明しておくことにする。説明しておく必要があるのは、万物取引による購入する際の留意点だ。
留意点を説明すれば、莫大な対価が必要になるという部分だけに注目していた。まあ、取引をするには対価が必要になるのは当然のこと、必要経費だと思って頂きたい。
「対価はお金じゃなくてもいいんですよね、肉体を対価に奪われるということは物々交換でも構わないんですか?」
「ダメだな、基本的に対価は金しか認めていない。奪うとは表現が悪いが、対価として払わされる肉体は最終的に店の陳列棚に並ぶことになり、ほかの人間が買っていく。陳列棚に関してはオーナーが取引を行っているから、俺でもどういう仕組みなのかはよく知らないことが多い。
一応目安として言っておくが、今現在の店のレートだとお前の肉体でも賄いきれてないぞ」
事実、雑貨屋には店主以外にも一人(?)存在している。誰なのか知らないし、制約の関係上会う訳にもいかない為相互不干渉の状態だ。肉体での支払いになると、俺には一切の金銭が得れないのでやめて欲しいってのが正直なところだ。
「それってよく分からないのですけど、自由を手に出来ているんですか?」
「死は全てに自由を与えるものだっていうだろ」
「そんな他者を巻き込んだ自殺なんて、誰がするって...え?確か対価って己自身で足りない場合は、最後にあった人を順に請求されるのですよね?」
「おう、なんだ。頭が悪そうに見えても、回転が悪いわけじゃねぇんだな」
ミアンダが気づいたように、雑貨屋には純粋に買い物以外にも復讐のために利用する客もいる。復讐方法は簡単で、復讐したい相手接触したあと雑貨屋で対価を払える筈も無いものを注文。もしくは、陳列棚の商品に触れるだけ。
客も死ぬが復讐相手も死ぬ、簡単とは言ったが合言葉や1億用意するのも面倒だろう。金は金融会社に借りればいいだろうが、合言葉はさらに面倒だ。やっと知ったとしても、既に新しい言葉になっている可能性もあるのだから。
「さ、契約完了で良いのならさっさと俺の言った稽古を始めろよ。明日は本来とっているホテルに戻るから、それなりに歩くことになる。俺は寝るから、俺の邪魔にならないようにやれよ」
ミアンダの返事を聞き、睡眠に入る。数分もしないうちに、ミアンダの舌による「自由になりたい!」で目を覚ますことになるのだが、この時間のエミルには知る由もなかった。
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カーテンを開けたままで寝ていたのか朝日が差し込み、あまりの眩しさにより目を覚ました。ベッドに視線を向ければ、未だ俯せのままに寝息を立てるミアンダの姿があり、やっぱり執事に向いていないな、と再確認した。
ソファーから降りれば、足元にケータイの存在がある。シルバの電話以降確認をしていなかったことを思い出し、電源を入れればクロロから2件パリストンからは1件の着信履歴があった。
しかし、ミアンダの稽古に時間をつぎ込むと決意していた為見なかったことにして、ケータイを砕いた。壊れていたことにしよう、絶対に面倒くさい内容だから。
「起きろ、ミアンダ。ホテルに向かうと言ったが、ホテルはやめだ。廃墟街の方で本格的な稽古を始めるぞ」
「えぇ...廃墟なんて電気もガスも水道も無いのに何でですかぁ、ゴキブリみたいな考え良くないですよぉ...」
ミアンダは短い間だけおきて、文句を述べれば再び眠りに落ちていった。
こいつ、マジか。マジか、こいつ。
「ミアンダ、今すぐ起きて行動を開始するのと、寝ぼけたまま俺に引きずられるのはどっちがいいか選ばせてやる。勿論どちらも選ばない、だなんてふざけた選択をしやがったらお前の服ひん剥いて他所の部屋に投げ込んでやるからな」
時間が無い為、ミアンダの頭を掴み揺らしながら選択肢を与える。
「すすすすぐに行動を始めますんで、投げ込むのは勘弁してぇ!」
漸く起きた、ミアンダの尻に蹴りを入れてから自分の荷物をまとめておく。荷物なんて財布しかない為、準備は簡単。ミアンダも大して荷物を持っていないようなので、そのままチェックアウトを済ませて敷地外へと移動する。
ホテルから出てきてすぐに、視線を感じる。数は3つほど、1つは弱者が持つ特有の恐れを感じるため気にする必要は無い。残り2つが問題だった。
1つは粘着性のある気持ち悪い視線、もう1つは興味深いものを見たと言わんばかりの視線だ。前者はパリストンで、後者がクロロだろう。お互いに存在に気づき、接触を避けるために直接俺の前に出てこないようにしてお互いをけん制しているのだろう。協会と旅団で争ってくれれば大万歳なのに。
いずれにしても、2つの視線に気づいたミアンダの動きはぎこちなく、脂汗を浮かべているようだ。この程度でこのザマなら、この先が思いやられる。
「落ち着けミアンダ。両方とも俺の知り合いだ、危害を加えることはない。この程度のプレッシャーで顔を青くしているようじゃ、この先精神が持たなくなるぞ」
「エミルさんってただの弱者ってわけじゃなかったのですね、強い弱者ですね...」
どうしてこいつは自分のことを棚に上げて、俺を煽っているんだよ。
「俺を煽るだけの元気はあるみたいだな、今あいつらと鉢合わせてもいいことがない。廃墟街にある一番大きい廃墟ビルを目指して走るぞ」
「え、それってこのいやな視線の1つがある方角ですよね?鉢合わせたくないとか言いながら、向かっていくとか馬鹿なんですかぁ!?」
「灯台下暗しってな。どうせ鉢合うなら、少しでもメリットのある方を選ぶのが長生きの秘訣だぜ」
そんなわけでパリストンのいる方とは反対に、クロロがいるだろう元々行く予定だった廃墟街へと走る。
走っていて気づいたのだが、ミアンダの足は大して速くない。尚更、昨日の先回り出来た理由が気になったが、息を切らして必死に走っているミアンダには答える余裕なんてないだろう。
廃墟ビルを目前にしたところで、息を乱して限界が見えてきたミアンダのために足を緩めて息を整えさせておく。
「おい、ミアンダ流石にここまで体力がないとは思っていなかった。体力トレーニングも追加で今後はやっていくからな」
「ヒュー....ヒュー....」
息が戻っていないのか、声が出ず呼吸すら安定していないミアンダは蹲っているが放置して、ビルへと足を向ける。
「あれ、エミルじゃないか!こんな所でなにをやってるんだ?」
近づいていけば、俺たちが通ってきた道とは反対側からやってきた金髪の男が、両手に袋を携えたまま声をかけてきた。
「あ?シャルかよ、何の用だよ死ね。俺に家名譲って死ね」
その男とは、幻影旅団団員No.6で、名前をシャルナーク=リュウセイだ。袋の中身は飲食物であることからほかの団員にパシられているのだろう。
「ひどいひどい、相変わらずだな。リュウセイを名乗りたかったなら、エミルも名乗ればよかったじゃないか」
「お前と兄弟みたいに見られるのは嫌なんだよ」
「はっはっは、お兄ちゃんって呼んでくれていいんだぜ?」
「いくぞ、ミアンダ。シャルは無視していい。今もこれからもだ」
無理やり立たせてビルに入っていく、途中シャルの制止という邪魔を受けながらももちろん無視して突き進む。
「クロロー!どこだー!電話の内容はなんだったんだ!掛けなおさず砕いたぞ!」
「ちょちょ!おい、エミル待てって、お前の付き添いも引きずられているだけで立ててすらないぞ」
叫びはただただ響くだけ、返事はないことにさらにイラつきが募る。その様子を見てか、シャルが慌てて制止をを掛けてくるがその程度で止まるほど落ち着ける余地はなかった。
「うるせぇ!引きずられているのも全てこいつのスタミナ不足だ、寧ろ置いていかないことが優しさだ!お前に会ってイライラしてんだから、クロロを連れてくるか俺を案内するか死ね!」
「自由か!ほんと昔から変わってねぇよな!おーい団長、エミルが来てるよ!」
「.........」
「.........」
これにも反応は無く、俺の苛立ちが最高潮を記録した。これを察したシャルがいつの間にか手放されていたミアンダを掴み出口まで駆けて行った。
「【罷り通る横暴(ヘルメスの炎)】!!」
廃墟ビルが炎に包まれた。
「おい、クロロ最後の通達だ。悪ふざけに付き合うつもりはないぞ」
「分かった分かった、降参だ。怒りを静めてくれ、そうじゃないと近寄れないだろう」
クロロの声が聞こえたこともあり、次第に苛立ちが静まっていく。それに合わせて炎も小さくなり、消えていき焼き焦げた廃墟ビルだったものが残った。
「で?何の用だったんだよ」
「薪はあるか」
俺の問いに対して、クロロは答えることは無く1億Jが入ったアタッシュケースも提示し、合言葉だった言葉を返答とした。
「ねぇよ、喧嘩売ってんのか。殺すぞ」
「は?」
なんだコイツ。自殺志願者か?
「まて!まてまてエミル、落ち着いてくれ」
「落ち着いている。証拠に炎も消えているだろ、知っているかクロロ。神ヘルメスは火の起こし方を発見したんだ」
「あぁ、知っている。プロメーテウスは奪った火を与えたが、ヘルメスは火の起こし方を発見したんだよな」
「その火でお前を燃やす」
「落ち着いてないだろ!!」
それからも一悶着があり、他の旅団メンバーが集結した頃には、完全に落ち着きを取り戻したエミルは、旅団メンバーに見られながらミアンダに念についての説明をしていた。
既にミアンダのことを知っていたクロロ以外には、集まる度に説明をするのが面倒になり説明係にシャルを指名して、護衛兼付き人としてのお披露目会は順調に進んでいた。
勿論ノブナガとの再会があったが、ノブナガが金の準備が出来ておらず延期となった。
「おい、ミアンダ念の説明は以上だ。自分の系統を知らなければ鍛えようがない、水見式を行うから適当にグラスに水を入れて葉を浮かべてもってこい」
「え゛、休憩はー?」
「おい、バカも休み休み言えよ。終いにゃどつき回すぞ」
少し怒気を込めて睨めば、ミアンダは渋々と嫌そうな顔をしてグラスを探しに部屋から出ていった。
「あのエミルが弟子を取るとはね」
そうしていればマチが声を掛けてきた。
「弟子じゃねぇよ、あれでも俺の護衛兼付き人だ」
「護衛対象より弱い護衛がいるわけないね」
「そうだぜ、エミル!護衛が必要なら旅団に入れよ!」
マチに返事をしたつもりでも、フェイタンが反応しそれに続く形でウボォーが勧誘してくる。
「これから強くすんだよ、ゾルディックからの預かりもんだ。シルバが言うには、才能も潜在能力も次期当主を超える可能性があるってよ。あと俺はフリーの方が楽だから、旅団には入らねぇし入れねぇよ」
「おいおい、連れねぇじゃねぇかよ!」
ウボォーが反応をするが、フェイタンの方から反応が無いのを嫌な予感がしつつ振り向けば、如何にも殺す気満々なフェイタンがいた。
「おいフェイタン。やめろよ、ミアンダは俺の付き人になる予定なんだ、手出しすんなよ」
「その言い方だと、まだ他人ね。殺しても問題ないね」
「や め ろ よ?」
「.....止める権利無いね」
フェイタンが武器を抜き、それを見てさらに苛立ちが募るエミル。誰が見ても一触即発なのは、一目瞭然だった。
「フェイ」
団長であるクロロの呼び声がかかるまでは。
「エミルには手出ししない約束をしてある、争いは勘弁してくれるか?エミルもそうイライラするな、昔はまだ落ち着きがあったはずだぞ」
「ちっ...」
「エミル、団長に感謝するね」
「あぁん?」
「道具持ってきましたー!...え、何ですか。この空気」
フェイタンの一言で再び、険悪空気になりかけた時にタイミングよくミアンダが戻ってきたことで空気が霧散した。ミアンダは戸惑っていたが、シャルやマチ、クロロは安堵していたがそれに混じるようにエミルも安堵していた。制約の関係上【罷り通る横暴】は使えなかった為、発なしでフェイタンとやるにはリスクが大きかったからだ。
「おせぇよ!お前が遅いせいでフェイタンに嬲り殺しに遭うとこだったじゃねぇか!」
「そんな、理不尽ですよぉ!大体弱いなら強い人に嚙みつかずに、大人しくしていたらいいじゃないですかぁ。それに道具も必要だったら、予め準備していたらよかったでしょ!」
ミアンダの言い返しにフェイタンやウボォー、シャルは笑い、クロロとマチは呆れていた。
「うるせぇ、水見式のやり方は教えてたな。手本を見せるからお前もやってみろ」
そういい、道具をミアンダからひったくり、水を注ぎ葉を浮かべたグラスに練を行う。次第にグラスの中に砂利が現れ、グラスの中には砂利で溢れた。
「うわ、具現化系は宝石とか砂金を出現させられるって言っていた割に、エミルさんが出現させられるのって砂利なんですね。エミルさんらしいと言えばらしいのかも」
「うっせぇよ!てめぇは煽らなければ次に進めねぇのか。さっさと練をやれよ、ぶん殴るぞ!」
イラっとしたため、ミアンダの頭を小突いて先を促す。
「痛っ、もう殴ってるじゃん...はいはい、わかりましたよっと!」
砂利を捨て、綺麗に洗い流したグラスに表面張力で保っていた水面に少しずつ余裕が出来てきた。砂利を生み出したエミルに対して、水量に変化を齎したということは
「へぇ、水量に変化があったということは強化系だな。バカなお前にぴったりだな」
「神経質で戦闘能力のない弱者が何か言ってますねぇ」
売り言葉に買い言葉で言い合いの口喧嘩が勃発した。
「てめぇ!具現化系能力者をバカにしやがったな!」
「エミルさんこそバカにしてるじゃないですか!」
「ここにいる人間だけでも、ノブナガとウボォーとお前でバカしかいねぇだろ!」
最後に俺の言葉で、青筋を浮かべたノブナガの乱入によりウボォーも参戦し、殴り合いにまで発展。流石のクロロも呆れ果て、制止が掛けられぬまま太陽が真上に上がるまでこの喧嘩は続くことになる。
【罷り通る横暴(ヘルメスの炎)】
指定した範囲を高温の炎が焼き尽くす能力
炎の火力は所持している金の量により変動する
エミルの持つ唯一の戦闘用能力
制約
苛立ちが最高潮に達したときにのみ発動可能
所持金が全て無くなる
発動中は移動が出来ない
発動中は強制的に絶状態になる