日が昇り、光が山の向こうから我が寝床の直上に当たる窓から差し込む。その光がやがて我が顔にあたり己の茶色い顔を照らし、目を覚まさせる。外の森ではホーホーと鳥が鳴き、家の庭では雄鶏が朝を告げる。寝ぼけてまともに動かぬ頭がようやく正常になったあたりで起きあがろうとするが足の間、布団の上に茶と白の混じった飼い猫が堂々と我が物顔で寝ているではないか。その愛くるしい様子に思わず抱きしめようとするが野生の勘か或いは驚異的な反応速度でもって華麗に逃げ出すと嘲笑うかの如く目の前で毛繕いをし始めたではないか。それを見て思わず躍起になって捕まえようとするが何度も避けられ終いには肩に爪で傷をつけて去っていった。いつか絶対あの毛を堪能しようと決意の炎をたぎらせるが腹が減って急速に萎み、あれよあれよと言う間にその思いは空腹へと変わっていった。思えば先日の夕食は冷たい紅茶(井戸に紅茶の容器をぶち込んであった)となけなしの金を絞り出して買った僅かなうどん(本来なら子供用だそうだ)だけであった。そこまできて今の手持ちと食料を確認してみれば案の定すっからかんであり、僅かに素麺と庭の野菜だけであった。もう取りにいくのも面倒なので
「低級な庭球」
そう呟けば庭から茄子がすっ飛んできたので華麗に捕まえ細かく宙で刻んで味噌汁にぶち込み、そこに茹でてあった素麺もぶちこむ。しばらく蓋を体重で押さえればにゅうめんの完成だ
「うん、美味しい!やっぱ朝に食う素麺は…最高やなって」
そうやってずるぅずるぅっと啜っているとついこの間(数ヶ月前)、戦績を残したことにより秘密裏に新設する部隊の一員にならないかと言われもらった紹介の紙を取り出して眺める。その場所はまさかの皇居付近。灯台下暗しということか?いやしかしこれはひょっとして天皇家と繋がりが…とまで考えたところで頭をすっからかんにする。こんな邪推をして
「悪いが死んでもらおうか」とでも言われそうな、そんな気がしたからだ。とりあえず食い終わったにゅうめんの容器を洗い、日向に干しておく。そして部屋の襖の奥、肥やしと化していた一張羅を着て外へと出る。ここ我が家は山の中程の為皇居までは中々遠く、一山は確実に越える必要があるよって
「ネコバス!俺はこ↑こ↓だ!」
叫べば山頂から大跳躍してきたネコバスが華麗に俺の前で止まり…
「イキスギィ!」
まってください!(皇居付近へ行くのを)助けて!あ^〜(絶望)
這う這うの体で追いつき、乗り込むと中にトトロがいた。珍しいと思ったがそういえばそろそろ神無月か。ということはこのトトロは神の代理人…神?柱?として出雲へ行くのかもしれない。とりあえず拝んでおこうかと思うと、ネコバスの大跳躍によって奇妙な浮遊感グゥア!そして腹が蠢いて弾き飛ばされて車外へ私はポーンと射出された!
そう、空中で吹っ飛ばされたのである。それは孤を描き、街へと落ちてゆくのであった。
「私は鳥よ〜(ヤケクソ)」
そんな感じで見事頭から地面へと吸い込まれた私はフラつきながら目的の場所へと向かった。そしてさんざっぱら迷い、なんとか昼頃にたどり着いたお目当ての場所はどう見ても少し古めな民家であった。しかし地図を見る限りこ↑こ↓以外は有り得なさそうだ。とりあえず近寄って表札の類を確認しアベシ!
目を覚ますとそこは座敷牢であった。…別に何かやばい雰囲気は…いや畳に血がついていて拘束用の様々な物品があってしまいには人の頭蓋骨と思われるモノもあった。早くここから逃げなくては。幸い私は拘束されていないからこっそr
「おい、例のアレが起きたぞ!」
ダニィ!?こ、このままでは死んでしまうなり…そうだ!大声出して助けを呼ぶなり
「ライダー(だれか)助けて!」
しかしその声は反響せず虚空へと消えていった…ちくしょう!こんなんなら話を聞かなきゃ良かった!
「静かにしてろ!」
ドスンと腹に必滅の一撃。こうして私は何処へ連れて行かれるのだった。