とあるギンガのPartiality   作:瑠和

109 / 119
すいません、アフターストーリーがロクに終わってもいないのに始まっちゃいます。しかも第一話短くなっていまいました。全然筆が進みません…。アフターストーリーはそこそこ早めに終わらせます。

次回はもう少し長くします…すいません。


第一話 トーマが選んだソノ運命

-飛空艇フッケバイン-

 

 

 

「はじめまして…いや、久しぶり………かな?」

 

ここはエクリプス感染者で構成された組織フッケバイン一家の本拠地「飛空艇フッケバイン」。そこにマスクはいる。

 

マスクの他にフッケバインの首領カレン・フッケバイン、ドゥビル、サイファー、フォルテスがいた。

 

「あなたはなんて呼べばいいのかしら?局の連中が呼ぶようにマスク?」

 

カレンの問いに対し、マスクは少し間をおいてから答える。

 

「俺は誰でもない………そうだな、「ナナシ」とでも呼べマスクじゃあダサいだろう」

 

「そう。じゃあナナシね。私たちの誘いに答えてくれてありがとう。家族が増えるのはうれしいからね」

 

「そうかい」

 

「ところで。貴方、ここに来る前に一人局員を殺してきてるでしょう?割と高い立場の」

 

カレンの質問に対し、ナナシは不機嫌そうに答える。

 

「それがどうした」

 

「困るのよ、そうホイホイと局員殺されたら、追手を撒くの面倒なんだから」

 

困った表情でカレンは言った。殺人集団の首領とは思えないほど明るい人物だ。

 

「…そうかだが…」

 

「?」

 

マスク改めナナシはディバイダ-を出現させドゥビル、サイファー、フォルテスの腕を瞬時に切り落とした。

 

「!?」

 

「!!」

 

「なっ…」

 

そしてナナシは最後にカレンに切りかかったが、それは直前で刀に防がれた。

 

「なんのおつもり?」

 

鍔迫り合いをしているカレンの表情はさっきとは打って変わって厳しい。当然だが。

 

「なんのつもり?上下関係を教えといたほうがいいだろ?」

 

「なんの理由があろうと、私のファミリーを傷つけるのは許さない。おいたが必用みたいね」

 

カレンは魔導書を出現させ、戦闘態勢をとる。ナナシはカレンから離れ、ディバイダ-の銃口をカレンに向ける。

 

「やれるもんならやってみろ。別に俺はテメェらを全滅させることに何の躊躇もない。恐怖も、負ける気もな」

 

既に全員回復し、戦闘態勢を取っている。それを見てナナシは全員に対しても武器を向ける。

 

「全員同時でもいいぞ。かかってこい」

 

「へぇ、いい度胸じゃない」

 

カレンの眼は殺そうとしている、殺意を持った人間の眼だ。その場にいた全員の腕の再生はすでに終わっていた。このままなら小さな戦争が勃発しかねないだろう。今にも戦闘が始まりそうな雰囲気の中、部屋の中に誰かが入って来る。

 

「兄さま。やめて」

 

入ってきたのは、眼を隠すだけのバイザーをした黒髪の少女。少女はナナシの前に立ち、カレンに頭を下げた。

 

「フッケバインファミリーの皆さま、ご迷惑をおかけしました。とても許される行為ではないと思いますが、見ての通り腕だけは立ちます。どうか、御許しを」

 

「おい、シーラ」

 

この少女はナナシの関係者で一緒にフッケバインに入りに来た少女だ。カレンは少し考え、刀をしまった。

 

「……まぁ、今の攻撃、首を狙えばほぼ殺せるのに殺さなかった。今回だけは、あんたの妹に免じてじゃれあいってことで許してあげる…。次はないと思いなさい」

 

「…」

 

「ありがとうございます!気を付けるよう、兄にはよく言っておきます!」

 

シーラと呼ばれた少女はカレンに何度も頭を下げた。ナナシはやり切れないという感じだが、ディバイダ-を仕舞って仮面を外した。

 

「まぁ、よろしく頼むぞ。殺人屋」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

-陸士108部隊 隊長室-

 

 

 

隊長室のドアにノックが響く。

 

「どうぞ」

 

「入るわよ」

 

部屋に入ってきたのはメグだ。部屋の中にいたのは現在陸士108部隊戦闘部隊隊長のギンガだ。ちなみに副隊長はメグだ。

 

「準備できた?」

 

「ええ」

 

ギンガは部屋の整理を行っていた。ギンガは現在設立中の特務隊の遊撃部隊員として出向に行くのだ。

 

「……108部隊のこと、任せたわ」

 

「ええ、任せなさい。あんたはマスクの野郎をぶっ飛ばしなさい」

 

「そうね。私は、アイツを殺すことだけ考えるわ」

 

ギンガの表情には以前のような笑顔はない。輝きのない瞳には、復讐の炎だけが宿っていた。ギンガは荷物をまとめ、隊長室を出ていった。部屋に残ったメグは、机の上に伏せてある写真立てを起こす。そこには笑顔のギンガ、アキラ、そして二人に抱かれるアリスがいた。

 

「もう、あんたの笑顔は見れないのかしら?ギンガ…」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

此処までが、新暦0081年年初の話。

 

現在、ルヴェラ鉱山遺跡では一人の少年が遺跡を訪れていた。少年の名前はトーマ・アヴェニール。かつてスバル・ナカジマに助けられた少年だ。彼は今、相棒スティードと共に旅をしていた。

 

そんな彼はこの鉱山で少女リリィと出会う。

 

それによってエクリプスウィルスに感染した彼はその力で鉱山内の研究所を破壊して脱出。しかし盗難者として追われる身になったのだが、旅人アイシスの協力を経て地元の地方警邏からは逃れた。

 

そしてスバルと連絡をとるべくなんとか教会にやって来たのだった。

 

 

 

ー教会ー

 

 

 

「やっと着いた…」

 

「うん、これでちょっとは安心できるね」

 

しかしそれはつかの間の安らぎだった。トーマはすぐに教会から血の臭いがすることに気づいた。

 

(血の匂い…)

 

「スティード!二人を頼む!俺は中を見てくる!」

 

「ちょ、トーマ!」

 

トーマは急いで教会に向かった。嫌な予感がする。この匂いはあの日、自身の故郷が破壊された時に嗅いだ匂いと同じだ。

 

教会に入ると、そこは案の定破壊されつくした後だった。シスターも倒れていたが、殺された後だった。

 

「くそ!」

 

トーマはそのまま教会内を走り回った。そしてたどり着いた教会のチャペルに一人の男が座っていた。

 

「…来たか」

 

座っている男は黒いコートにフルフェイスの仮面をつけている男、マスクもといナナシだった。

 

「お前はっ!」

 

少し前、旅の途中でアキラが死んだと伝えられた日。その犯人の画像も送られてきた。フルフェイスの仮面をつけた男。仮面のデザインも完璧に同じだ。

 

それだけじゃない。男の着るコートの肩には、あの日、故郷を破壊した連中と同じ模様。そして銃剣を持っていた。

 

「要件は一つ。お前が盗み出したディバイダ-とリアクターを渡せ。お前が持つべきものでも、関わるべきものでもない。命が惜しければすぐに渡せ」

 

(藍色の羽根…ずっと探していた!)

 

トーマは瞬時にディバイダ-出現させてそれを構えた。

 

「聞きたいことがある。此処をこんな風にしたのと、シスターたちを殺したのはあんたか」

 

「…」

 

「7年前、ヴァイゼン鉱山を破壊したのも!あんたたちか!?アキラ・ナカジマを殺したのも!あんたか!?」

 

マスクはため息をつく。

 

「もう一度だけ言う。「それ」と、リアクターを渡せ。命が」

 

「答えろ!」

 

トーマはディバイダーの銃口を向けた。

 

「……それは、お前がそれを離す気はないって意思表示か?」

 

「あんたにこれを渡す気も、ここから逃がす気もない!質問に答えないなら!」

 

「…」

 

ナナシはショットガン風のディバイダ-をトーマに向け、引き金を引いた。銃口に溜まったエネルギーが発射され、トーマのいた辺りを吹き飛ばす。

 

トーマはその爆風に紛れ、ナナシの横に回り込む。ディバイダ-の刃で攻撃を仕掛けるがナナシのディバイダ-で防がれる。

 

「ぐっ…」

 

次の行動にトーマが迷っている隙に、ナナシはトーマの腹を蹴って吹っ飛ばした。トーマは瓦礫に突っ込んだがすぐに体勢を立て直し、ディバイダ-を構えた。

 

『Silver Barrett』

 

強力な魔力弾が炸裂した。しかし、ナナシは無傷だった。

 

「お前はどうしてそれを盗んだ?」

 

「盗みたくて盗んだわけじゃない。女の子を助けたら勝手についてきた」

 

「女…シュトロゼックか?」

 

「そう名乗った」

 

それを聞くとナナシはため息を漏らす。

 

「はぁ………厄介なものを作るもんだ。人の形にするから、こういう馬鹿が増える」

 

「馬鹿?」

 

(何が馬鹿なんだ?俺がリリィを助けたのが?)

 

トーマはぐっとディバイダ-を握る。

 

「俺は答えた今度はアンタが答えろ。7年前のヴァイゼン鉱山とアキラ・ナカジマのことだ」

 

「……答えてやらんこともない。だが知ってどうする?」

 

「なに?」

 

「俺が、俺らがヴァイゼン鉱山を破壊し、アキラ・ナカジマを殺したとして、それでどうする?俺を殺すか?本当にそれでいいのか?」

 

「…それは」

 

「殺されたから殺して、殺したから殺されて。そんなんで本当にいいのか?過去を見るより、未来を見て生きたほうがずっと幸せだぞ」

 

「確かにそうかもしれない!だけど!殺したやつを野放しにしていていい理由なんてない!」

 

そうきっぱり言い切ってトーマはディバイダ-を構える。

 

「確かにそうかもな。ならどうする」

 

「倒す!」

 

「いい度胸だ」

 

ナナシはトーマに向けて散弾を数発放った。爆風の中から現れたトーマは白髪になり、鎧を纏っている。

 

「こんな炎と嵐で俺の故郷を破壊したのは、アキ兄を殺したのは、あんたか」

 

「…やっぱりか」

 

トーマは一気にナナシに襲い掛かるがナナシはトーマの攻撃を簡単にいなし続ける。

 

「答えろ!」

 

「……ガキのわがままに付き合ってる暇はねぇ」

 

ナナシはトーマの腕を掴んで折った。

 

「っ!!!」

 

トーマが痛みに表情を歪め、隙が出来た瞬間にナナシはトーマの頭を掴んで投げ飛ばす。トーマはそれでも上空で態勢を整え、うまく着地してディバイダ-を構える。するとその想いに呼応するようにディバイダ-にエネルギーが溜まる。

 

「あ………あぁぁぁぁ!!!」

 

『Silver Hammer』

 

さっきとは比べ物にならない強力な魔力砲が放たれた。ナナシは一瞬驚いたがその攻撃をなんとか弾いた。

 

「……はぁ、はぁ」

 

「これでおしまいか」

 

トーマは魔力の使いすぎか、トーマは限界が訪れていた。ナナシはチャペルの入り口付近を見る。

 

「そこのお前。こいつの連れか」

 

「!」

 

すると入り口から旅人であるアイシスが飛び込み、トーマをかばうように前に出る。

 

「…この馬鹿を運ぶの手伝え」

 

「な、あんたなんかに協力する訳ないでしょ!?」

 

「勘違いするな。此処にいる全員の生殺与奪の権利が誰にあると思ってる?」

 

「…」

 

アイシスはそっとポケットに手を伸ばそうとするがそれよりナナシが速く動き、アイシスを抑えた。

 

「ぐっ!」

 

「大人しくしてりゃ悪いようにはしねぇ。変なことしようとすれば、まず外にいるもう一人を殺す。次がテメェだ。ただ殺すだけじゃねぇ。お前らが後世まで語り継がれるくれぇ辱められる殺し方をしてやる。わかったな」

 

「…わかったわよ…」

 

 

 

続く

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。