とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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かなり急ピッチで仕上げたので、
最終回ですがやや雑です。次回からは新しいストーリーが始まります!お楽しみに!

お気に入り、コメント、投票、随時募集中です!これからは投稿日を決めて投稿します!次回は7月31日です!!


JS事件編 最終回 選択

「アキラ君!戻ってきて!アキラ君!」

 

ギンガは瓦礫の先に行ってしまったアキラに向かって叫んだが、返事は帰って来なかった。瓦礫の前でうなだれるギンガの手をスバルが引っ張っる。ギンガは足を動かさない。

 

「ギン姉!急いで行こう!早くしないと完全に崩壊しちゃうよ!」

 

「いや………アキラ君が来るまでここにいる」

 

「ヘリの中でもいいじゃない!ここにいたら危ないよ!」

 

「あの怪我で、ここが崩壊する前にヘリに戻ってこれる訳ないじゃない!!!戻ってきたら、私が抱えて走る!そうすれば何とか間に合う!」

 

スバルはキッと表情を変え、ギンガを自分の方に向かせた。

 

 

「アキラ君が繋いでくれた命無駄にしちゃダメだよ!ギン姉、もうほとんど魔力ないじゃない…ギン姉ヘリに届けてすぐに私が戻ってくるから、行こう!」

 

「……」

 

ギンガはそれでようやく了解し、スバル達はヘリに向かう。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ーヘリ内ー

 

スバルとティアナはウーノとルーテシアを犯人護送用のヘリに預け、なのは達の待つ六課のヘリに戻った。ギンガは刺された箇所の治療と魔力の回復をシャマルに頼んでいち早くアキラの元に向かおうとしている。

 

そして、スバルがすぐに神威に戻ろうとした時、神威の動力炉のある後方が爆発した。

 

「っっっっっっ!!!!」

 

「…………アキラ君…」

 

ギンガは絶望した表情で、その場に座り込む。ショックで気を失いそうだったが、なぜか倒れるに倒れられなかった。まだ心のどこかで希望を持っているのだろうか…。

 

視界の隅に写っているシャマルが周囲の生体反応を必死に調べていると、急に歓喜の声を上げた。

 

「待って!まだある!さっき爆発が起きた場所からそう遠くない場所!」

 

ギンガは急に立ち上がり、シャマルが表示している画面みた。そこには確かに生体反応が確認されている。光が失われた瞳には希望の光が宿り気の抜けた顔を自分で二回はたき、ヘリの後方出口に向かった。

 

「ギン姉!まだ体力が万全じゃないよ!ここは私たちが……」

 

ギンガは話を聞かず飛び出す。

 

そして、空中でウィングロードを発動させ、生体反応のある場所まで飛んで行った。全力で少しの距離を走り、アキラの姿を探す。必死で探すギンガの頬に何かが当たった。液体…ギンガがそれを拭うと、それは血だった。

 

一瞬顔を青ざめながら周りを見渡す。

 

「っ!アキラ君!!!!」

 

ギンガはようやくアキラの姿を見つけた。そして、一気にアキラの場所まで走る。アキラは腕を上に伸ばした状態で気絶していた。落下速度が速い所為でギンガは中々追いつけなかったが、ブリッツギャリバーの出せる速度を可能な限り引き上げ何とか腕が届いた。

 

ギンガは若干の笑顔を見せたが問題はここから。今はアキラの落下速度に合わせて下に落ちる形で腕をつかんでいるが、ここで急ブレーキをかければ自分か、アキラの腕が確実に持っていかれるだろう。

 

徐々に速度を落とすにしても地上までの距離が短すぎた。ギンガがどうしようかと考えを数秒の間に巡らせていると、どこからか声が響いて来る。ギンガが声のする方を見ると、スバルが全力疾走でこちらに突っ込んで来ていた。

 

「ギン姉ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「!?」

 

スバルは一気にアキラに接近すると、ギンガと共にアキラの腕をつかむ。

 

「スバル!」

 

「上は大丈夫!キャロ!エリオ!ティアナ!お願い!」

 

「え?」

 

「任せてください!」

 

ギンガ達の横を何かが高速で落下して行った。目で追いかけるとそれはフリードだった。その背中にはキャロとエリオ、ティアナが乗っている。

 

「ギン姉、衝撃に気をつけて!絶対アキラ君を離さないで!」

 

ギンガは戸惑っていたが、強く頷いた。スバルはギンガの後ろに周り、アキラごとギンガを抱え込み、ウィングロード上で急ブレーキをかけた。強い衝撃が二人を襲う。スバルは少しだが落下速度を落としたギンガ達をフリード目掛けて投げた。ギンガは受身をとりながらフリードの背に着地する。

 

一瞬落ちそうになったが、フリード乗っていたティアナとエリオ何とか支えた。

 

「フリード!」

 

キャロがフリードに指示し、フリードはヘリに向かって飛んでいった。スバルも方向転換し、ヘリに戻る。

 

ヘリに担ぎ込まれたアキラはすぐシャマルに全身を調べられた。

 

「シャマルさん!アキラ君の容体は!?」

 

「意識は失ってるけど、生きてる…ただ、血圧の低下が早い…早く輸血と腕の傷を塞がなきゃ……それから……」

 

ギンガは病院まで搬送される間、ずっとアキラの手を握っていた。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ー一週間後ー

 

 

あれから一週間…事件は終わり、事件の爪痕も少しずつ薄れて行く中ギンガの心の傷はまだ癒えてない。アキラはまだ目覚めない。ギンガがアキラに刺された傷は浅く、もう治りかけていた頃だと言うのに。

 

 

ー病院ー

 

 

この日は雨だった。ギンガが今日のお見舞いを終え、アキラの頭を撫でた。アキラの血色はいいが、腕は見つからず今も左腕はないままだ。ギンガは軽くおでこ同士を合わせた。

 

「うん、熱もなし…。ごめんね、アキラ君。ちょっとやってみたかったの…」

 

ギンガは頬を少し赤くし、部屋を出て行った。それから数分。

 

 

アキラが青い顔をして飛び起きた。

 

 

「っっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

呼吸が荒く、恐怖に怯えた顔で辺りを見渡す。冷や汗が吹き出している。アキラは腕に刺さっていた点滴の針を抜き、病室を出て行こうとしたが腕を無くした影響で重心が取れず、なおかつ起きたばかりで身体が思うように動かず、ベッドから出てすぐに倒れてしまった。

 

それでも無理に立ち上がり、アキラは走って病室を飛び出す。何度も倒れかけたり転んだりしたが、それでも走って病院を出た。雨の中、傘もささず、裸足で飛び出す。

 

 

ーギンガサイドー

 

ギンガは病院の帰り道、その日の夕食と、アキラが目覚めた時の為のお弁当の材料を買って帰っていた。そんな時、帰り道にある公園を特に意味も無く、チラリと見た。

 

その時、公園を走り抜ける一人の影を発見する。片腕がなく、病人の服を来た茶髪の人。ギンガは我が目を疑った。

 

「まさか……っ!」

 

ギンガは走り出す。

 

 

ーアキラサイドー

 

アキラは走った。走り続けた。思い出した…思い出さされたとある記憶に、絶望し、恐怖し、逃げ出したのだ。アキラは公園の木の下でうずくまり、泣き叫んだ。

 

「うくっああっうぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

(思い出した!思い出してしまった!あの記憶!あの時の…記憶………)

 

頭を抱え、泣きながら怯えるアキラに一人の人影が近づく。アキラはそれを素早く察知して振り返る。そこに立ってたのは、ギンガだった。

 

「………ギンガ……なんで」

 

「アキラ君こそどうしたの!?こんなところにそんな格好で…」

 

「もう………俺に構うな」

 

「え?」

 

「俺はお前のそばにいる資格はない………お前も俺のことは忘れて、自由に生きろ」

 

アキラは涙ながらに言った。アキラはこれでギンガが自分を嫌い、いなくなってくれると思った。しかし、ギンガはその場を動こうとせず、アキラに歩み寄り、ハンカチを出す。そして、下を向いたままのアキラの顔を持ち上げ、顔の泥や涙を拭きながらいう。

 

「アキラ君、ちゃんと事情を教えて?そんなこと急に言われたって、忘れられないよ。アキラ君はいつもそうだけど、勝手に一人で色々決めないの。ね?」

 

二人は、木の影でで雨に濡れていないベンチに座った。

 

「まったく。お医者さんに怒られちゃうよ?」

 

「………十二年前」

 

「え?」

 

「お前の母親、クイントさんが亡くなった事故…お前は知ってるか?」

 

「えっ!」

 

ギンガは驚いた。ないはずのアキラのクイントに関しての記憶。それについてアキラが話したという事は、記憶のロックが外れたということ。マリエルの話ではよっぽどの魔法か装置を使わない限りロックが外れることはないと言っていたが…アーベルがアキラの身体を乗っ取ったことでロックに影響が出たのか等、ギンガが色々推測していると、アキラがギンガの顔の前で手を振った。

 

「おい、聴いてるか」

 

「あ、うん!」

 

「あの事件の時、俺も現場にいた…そして、俺が…………クイントさんを殺した」

 

「…………」

 

声も出なかった。ギンガは唖然とし、動けなかった。

 

「………………直接手を下した訳じゃない。俺はあの日、家の近くで遊んでいた。そんな時、クイントさんの姿を見たんだ。あの任務に向かう時だったんだな。どうやら極秘任務で俺んち…橘家の傭兵を何人か連れて行ったらしい。俺はクイントさんがどこに行くか気になって、クイントさんがとその仲間たちが乗った武装車の荷物ん中に隠れて、あの研究所に向かった………

 

 

ー十二年前ー

 

 

「ここ………どこだろ………」

 

俺は最初、どっか楽しいとこに行くのかと思った。けど、ついたのは殺風景な研究所。不思議だった。どうしてあんな優しい人がこんなところに来るのかって…それで思った、また俺みたいな子どもを助けるんだろうってな。だから、手伝いたいと思った。

 

俺は一人、研究所に入った。けど、俺が想像してたのとは全く違う場所だった。俺みたいな子供はいないし、人もいない。

 

そんな時だった。俺が…クイントさんを…………見つけちまった……。

 

「クイントさん!」

 

「え!?」

 

俺が後ろから声をかけた時、クイントさんが後ろを向いた。その瞬間、俺はガジェットに襲い掛かられた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「危ない!!!!!」

 

クイントさんが俺を庇って……………刺された。

 

「え………」

 

「痛ぅ…………大丈夫?」

 

「クイ………ントさん?」

 

クイントさんの傷は深く、その場で倒れた。

 

 

ー再び現代ー

 

 

「そこからは良く覚えていない……だが、俺が………俺が、あの人を…………クイントさんを殺……………殺し…………こっ」

 

アキラが腕を震わせ先が言えずにいると、ギンガがアキラを優しく抱きしめる。

 

「ギンガ……」

 

「その後、アキラ君はね。母さんを助けようと一人で戦ってたんだ。傷だらけになりながら。確かにアキラ君が母さんを殺したのかもしれない…でも…許すよ。アキラ君を許してあげる」

 

「許す…だと?」

 

「今ここで、アキラ君を恨んで、暴力を振るったり、殺したところで母さんは帰って来ないし、誰も喜ばない。何より、そんなこと、母さんが一番望んでないよ。原因はアキラ君にあったとしても、アキラ君は、母さんが守った命だもの。アキラ君がいなくなったら母さんが残したもの…全部なくなっちゃう…」

 

アキラは歯ぎしりをしてギンガの腕を振り切った。

 

「それだけじゃない!!!!俺が生まれた研究所!!あそこにいた人間を殺したのは………俺だ!!!」

 

「え………」

 

「そうだ!俺だよ!!!!俺はある日、実験中にECウィルスが暴走して…破壊衝動を抑えきれず、全員殺した!!!!!殺して殺して…………殺しまくって…途中で正気に戻った…でも俺は状況を理解した時、逆に暴れた…………楽しかったんだ…俺を好き勝手した連中を逆に好き勝手出来るのが!」

 

「……………」

 

一通り叫んだあとアキラはギンガに背を向ける。

 

「これでわかったろ?俺はお前のそばに……いや、生きてていい人間じゃない!!!!!」

 

その瞬間、ギンガはアキラにグーパンを食らわしたアキラは突然の攻撃に対象出来ず吹っ飛ばされた。アキラは殴られた頬を抑えながら起き上がろうとするが、そのアキラをギンガが抱きしめた。

 

「バカッッッ!どうしてわからないの!?あなたがいなくなったら悲しむ人だっているんだよ!?もっと命は大切にしなきゃダメだよ!死んだ人は戻ってこれない!良くわかってるでしょ!?」

 

「じゃあ……俺はどうすればいい!?この胸が押しつぶされそうな罪悪感……罪の意識は!!!」

 

「生きて…償えばいいよ。これから先も、いろんな人を守って…………それからずっと一緒にいて?」

 

生きて償う………他人に言っている癖に自分で実行しないことに、アキラは今気づいた。

 

「……………ギンガ…」

 

 

数時間前、ギンガは白い甲冑を着けた男から、アキラが話すことを聞いていた。まぁ、こんなところで聞くことになるとは思ってなかったが。

 

ギンガはその時点でアキラに強い怒りを覚えたが、先ほどギンガが言ったことと同じようなことを言われ、論破された。そして、男は橘アキラがいなくてもクイントが死ぬ「平行世界」の映像を見せた。

 

それを見たギンガはアキラを許すことにした。過去はどの道変えられない。ならば、この先の未来、幸せな世界を作ればいいと考えたのだ。

 

「………」

 

アキラはギンガの腕を一度離し、ギンガの前に跪いた。

 

「これより、再び貴女の護衛として、この橘アキラ命を賭けてお守りします。そして、共に幸せであることを誓います」

 

「よろしい」

 

アキラとギンガは手を繋ぎ、立ち上がった。再び、二人共に行く未来に向かって歩き始めた。

 

「ここまでは…………シナリオ通り……この先のうまく行ってくれるかな」

 

二人が病院に戻る様子を、白い甲冑の男が眺めていた。

 




次回『ウィード事件編』突入………
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