とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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思ったより二十六話が長くなっているのでプロローグになります。次回投稿は八月一日〜十日の何処かです。

オリジナルでどこまで面白いかは、皆さん次第ですが、これからも応援よろしくお願いします!


ウィード事件編
ウィード事件編 プロローグ


ー海上拘置所ー

 

「んぁ〜逮捕されてから約一ヶ月…ここの生活も慣れて来たッスねぇ〜」

 

「管理局が思ったよりも良い環境を用意してくれたからな」

 

数週間前、ミッドチルダを震撼させた、歴史にも残る大事件「JS事件」。ここに収容されている彼女達はその事件において、主犯格のジェイル・スカリエッティに作られ、何も知らずに戦ってきた少女達。「ナンバーズ」及び、「戦闘機人」と呼ばれるその名の通り、戦闘に特化して作られた機会と人間の融合体だった。

 

ここにいる彼女たちは、管理局が用意した司法取引を受諾、新たな人生へと歩き始めた少女たちである。

 

「にしても、あの二人があの司法取引受けたのは意外だよねぇ〜」

 

セインがそう言って、部屋の隅にいる二人をみた。セインが意外と言ったのは、ナンバーズI、ウーノとナンバーズVII、セッテだった。

 

「まぁ、あいつらにはあいつらなりの考えでもあるんだろ。ウーノに関しては変な計画企んでそうだけどな」

 

ノーヴェが言ったが、ウーノは特に何も考えていなかった。

 

司法取引を蹴って自ら自由を捨てた者も数人いる。ジェイル・スカリエッティもそのうちの一人だ。ウーノは、彼に一番忠実で、捕まる時も当然スカリエッティと同じ場所に行こうと思っていたのだが、とある男の言葉が彼女を引き止める。

 

「少しずつでいい。手を伸ばせ。誰にだって自由になる権利はある」

 

そう、橘アキラは言った。

 

「……………本当にそうなのでしょうか、ドクター」

 

ウーノは一応こちらにきたものの、まだ戸惑いがあるようだった。

 

そして、セッテ。セッテはなぜこちらにきたのか、自分でもまだよくわかってない。今までの責任をとって社会に貢献したい訳ではない、自由が欲しい訳でもない、なのに、一体なぜ…。

 

そんな時、広場の入り口のドアが開いた。セッテは入ってきた者に少し輝きの増した目で見た。入ってきたのは、橘アキラとギンガ・ナカジマ。ナンバーズの教育係だ。

 

「よぉ」

 

「あ、アキラ、ギンガ、よっス〜」

 

「みんな、おはよう」

 

「うむ、おはよう」

 

「にひひ、アキラ〜」

 

妙ににやつきながらアキラにウェンディが近づいた。アキラは頭に「?」を浮かべながらウェンディの頭を押さえ、それ以上近づけないようにする。

 

「なににやけてんだ気持ち悪い」

 

「気持ち悪いって酷いッス〜!せっかくアキラにプレゼント用意したッスのに〜」

 

「プレゼント?」

 

他のメンバーを見ると、皆その言葉に疑問を抱いていないところを見ると、ウェンディが勝手に言い出したことではないとアキラとギンガは悟る。

 

「この子達の協力で作れたんだ〜」

 

「あ?」

 

突如後ろから声がした。二人が振り返ると、そこには何やら大きい布に包まれた筒状の何かを持っているマリエルがいる。

 

「何だそれ」

 

「一応回収はできたんだけどね…損傷が酷くて使えなさそうだったから、新しく作ったんだ、アキラ君の左腕〜」

 

マリエルがそう言うと同時に布を外す。

 

布の中身は、保存用の小型生体ポッド。さらにその中には、人間の左腕の骨の形をした機械だった。まだ人口の肉と皮膚がついていないが、メンテナンス等はバッチリで前のアキラの腕と何ら変わりない。

 

「これは…」

 

「わぁ!良かったね!アキラ君!マリーさん、みんなも、ありがとう!ほら、アキラ君も!」

 

「………あり……がとう」

 

アキラは顔を逸らしながら、小さな声で礼を言った。

 

「お、アキラ、もしかして照れてる?」

 

顔を逸らしたアキラの顔を覗き込む。アキラは顔を見られないように振り向き、部屋の奥へ進んで行く。ギンガとナンバーズの面々は「素直じゃないな」といった表情でアキラに続いて歩いて行った。

 

部屋の中心あたりで、アキラとギンガはナンバーズ達に更生授業をする。一般的な常識もわからない者もいる。そう言う者たちの為の授業ではあるが、実はこっそりアキラも参考にしてたりもする。橘アキラも変わろうとしている。ギンガの為に…変わろうとしていた。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ーとある研究所ー

 

「これを使えば…最高の作品が作れそうだ………待っててくれ。橘アキラ君……君は……僕の最高傑作だからね」

 

 


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