とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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今さっきまで寝てました………w。年末はスケジュールがハードで………さぁ、お楽しい下さい!ウィード事件編も残すところあと二話!!


第三十三話 変化

全てが終わった日の翌日、六課は朝早くから会議を始めようとしていた。しかし、前日連絡しておいた時間になってもギンガとアキラが会議室にこなかった。ので、なのはとスバルが医務室に向かおうとすると、はやてがそれを止めた。

 

「どうせなら、みんなでいかへん?」

 

「え?」

 

はやては怪しい笑みを見せながらFWと隊長陣を引き連れて医務室に向かう。

 

 

ー医務室ー

 

 

「あの、部隊長」

 

「なんや〜?」

 

「これ完全に起こしにきた訳じゃないですよね。カメラ持ってますし」

 

スバルの言うとおり、はやては完全に悪ノリモード。デジカメを持ってゆっくりと音をたてずに医務室に入る。その他メンバーも入っていく。医務室の四つのベッドの内、二つにカーテンが引かれている。はやてはアキラが眠っているベッドのカーテンを少し退かして中を覗く。ベッドの中には誰もいない。

 

「つ、ま、り?」

 

こうなればはやての興味はMAXだ。思い切ってギンガの寝ているベッドのカーテンを開ける。遠慮がちだった他のメンバーも、なんやかんやで覗いている。

 

はやてはギンガの布団にアキラがいるものだと思っていた。というかそれ以外の可能性が考えられなかったからだ。だが、ベッドで寝ているのは、ギンガだけだった。

 

「あ、あれ?」

 

「アキラ君が………いない?」

 

はやては再びアキラのベッドを見る。布団に膨らみがないのを見ると、いないのは確かだ。はやてが再びギンガそ見ると同時に、はやてが少し大きく動いたせいか、ギンガ目を覚ます。

 

「んぅ……?」

 

「あ、起きちゃった……」

 

フェイトが最初に気づき、少し焦る。

 

「あれ…八神部隊長?……って、なんでみんないるんですか!?」

 

ギンガはベッドから起き上がり、驚いた。ギンガが起きたことで当然掛け布団はずれる。

 

すると、その場にいたギンガ以外が全員目を丸くした。

 

「………ギンガ…それ…」

 

フェイトがギンガの少し横を指差す。するとギンガは何を勘違いしたのか、急に顔を赤くして弁解使用とする。

 

「い、いや!違うんですよ!決してこれは私から望んだ訳じゃないと言うか!いや、間違ってはいないんですけど、疲れで判断力が鈍っていたと言うか……」

 

「いや、ギン姉。なに勘違いしてるのか知らないけど…それ…」

 

「え?」

 

ギンガは自分の横を見た。そこには、身体が縮み、ブカブカになった服に埋もれているアキラがいた。

 

「……………え?」

 

 

 

―機動六課 ホール―

 

 

 

「すごい、僕の服でもまだ少し大きいですよ」

 

「小さいアキラさん、可愛いです♪」

 

「なんでこんなことに…」

 

アキラは目が覚めると、クローンと同じくらいに身体が縮んでいた。一瞬クローンかと思われたが、本人にしかない筈のエクリプスウィルスの入れ墨と、先日手にいれた腕輪で橘アキラ本人と認識された。

 

とりあえず着る服がないと不便だということで、試しにエリオの管理局制服を着てみると、それでもまだ大きいことにアキラは軽くショックを受ける。

 

「原因はわからないけど、さすがにこのままだと不便よねぇ…」

 

シャマルが悩む素振りを見せながらギンガに視線を向ける。

 

「いや、しばらくこのままでも…なんちゃって」

 

ギンガは小さくなったアキラを愛でながら答えた。

 

「いや、色々困るし…」

 

と、アキラは特に抵抗もなにもせずに言う。

 

「すっかりギン姉、アキラ君にメロメロだね~」

 

「だって、いつもは私が見上げる立場だったから…小さいアキラ君が可愛くて…」

 

ギンガがまたアキラを撫でていると、そこにはやてが割って入ってきた。

 

「はいはい、仲良しなのはエエことやけど、ほどほどにな~。会議始めるよ~。アキラ君はそのままで平気なんやな?」

 

アキラが頷くと、はやては会議室に向かう。アキラ達も追いかけようとするが、急に後ろから抱き上げられた。

 

ギンガだ。

 

「ギンガ…一人で歩きたいんだが…」

 

「少しだけ♪」

 

「…」

 

 

―会議室―

 

 

アキラは結局会議室まで運ばれ、椅子に座らされたところでようやく解放された。

 

ギンガがその隣に座り、会議が始まった。会議室には部隊長、隊長組、FW、そして、通信を通した状態で会議に出ているカリムとクロノ、リンディ。面子をみるかぎり、かなり重要な会議のようだ。

 

「えー、先日アキラ君が戦った男、次元犯罪者、ウィードの使っていた。黙示録の書。これについてです」

 

「……」

 

「まず、黙示録の書に関しては、様々な推測や噂がありますが………ここからはカリムさんに説明を頼みましょう」

 

はやてからカリムにバトンタッチされる。

 

[はい。これは管理局の秘匿事項一級なので他言無用でお願いします]

 

全員が頷く。それを確認したあと、カリムは話を続けた。

 

[………黙示録の書、槍、獣。都市伝説と言われているものですが、これらは…実在します。内、書と槍は管理局が本部にて厳重に管理、獣は……ミッドチルダ南部の近海にて封印されています]

 

「そんな身近な所に…」

 

「獣に関しては、かなり昔から封印されていました。実のところ、裏付けがとれてません。ただ、とある家系が代々言い伝えています」

 

「ある家系とは?」

 

シグナムが尋ねる。

 

「……先祖代々「黙示録」を封じ、監視し続ける家系、テレジー家」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ー時空管理局本部 道中ー

 

「アキラ君は本局にきたことはある?」

 

「いや、ないな………」

 

会議が終わった後、アキラ達は本局に来ていた。今回の会議で決定されたこと。それは、六課解散までの間、黙示録の書について可能な限り捜査すること。

 

黙示録に関しては管理局は書と槍を管理している限り大丈夫だと思っていたが、噂されていたレプリカが出現したことで、流石に対策を考えることにしたようだ。アキラとギンガは、カリムに紹介されたテレジー家の人物に会いに行くよう言われたのだ。

 

「にしてもよぉ、捜査すんのは構わねぇけど。俺の身体のことも失敗してくれってんだよな。これじゃ不便だぜ」

 

「そうだね………」

 

「…もしずっとこのままだったら………」

 

アキラは軽く暗い顔をする。すると、ギンガは笑ってアキラと手を繋いだ。

 

「大丈夫!きっと元に戻れるよ。もし戻れなくても、私が可愛がってあげる♪」

 

「ぬいぐるみ扱いかよ……あ、ここ抜けると近道だぜ」

 

アキラは駐車場に入る。その瞬間だった。目の間にあったトラックが爆発する。アキラは爆発の気配をいち早く察し、小さな身体を活かして回避した。

 

「なに!?」

 

ギンガも驚く。

 

「あれェ?避ケられちャッたかァ」

 

上空から聞こえた、聞き覚えのある声。終わったと思われたあの男の声がした。アキラは刀に手をかけながら上を向く。そこには、前と変わらないスーツ姿のウィードがいた。

 

「ウィード………っ!」

 

「……………テメェ………生きてたのか………」

 

「アハは、甘いヨアキラ君。本気で仕留めたイんだッたラ、もッと確実に仕留めナイと……」

 

話し方が少しおかしい。身体がほとんど失われた影響だろうか。

 

「それにシても、小サくなッたねェ。一体どうしたんだい?」

 

ウィードが話の途中で一度首を叩くと、声は元に戻った。

 

「さぁな……………だが、小さくても俺は俺だ。何も変わんねぇ………テメェを殺してぇって気持ちもなぁ!!!!!!!」

 

「アキラ君!!!」

 

アキラは思いっきり切りかかった。ウィードは左腕を変形させてアキラを切り裂こうとする。

 

(なんだ……これは…………前は全く触手の動きがわからなかったのに、目で簡単に追える……)

 

アキラはそのまま攻撃を避けつつ接近し、ウィードの腕を叩き切ろうとしたが手元が狂い、刃はウィードの肩の付け根から30センチ程縦に切り裂く。アキラは急いで離れ、様子を見る。

 

身体が中途半端に別れているのにウィードは冷静さを保っていた。それより、驚いているのはアキラとギンガだった。ウィードは確かに身体を切り裂かれたのに血の一滴も出していない。それどころか、アキラが切り裂いた身体の断面は真っ黒だった。

 

「ふぅん………殺したい気持ちに違いはないけれど、やっぱり後ろめたさはあるんだね。そういうのガ無駄ナ感情だっていッタのに、まだ持ってるんだねェ」

 

また声のトーンがおかしくなった。ウィードが首を再び叩くと元に戻る。その一連の行動を見て、アキラに一つの予測ができた……それは。

 

「まさかテメェ……俺にやられた部分に関わらず、全身を……」

 

「そう!よくわかったねぇ。流石に身体の20%くらいしか残ってないとなると死は免れそうになかったからね。しょうがないから、肉体ごと一度黙示録の書に取り込んで、脳だけ残して新しく身体を形成したのさ」

 

「化け物が…………」

 

「お互い様でしょ?」

 

アキラは刀を構え直すが、ギンガがアキラの肩を叩いた。

 

「私がやる……。アキラ君は待ってて」

 

「なっ………お前は関係ねぇ!下がっててくれ!」

 

「関係が全くない訳じゃないし、それに今のアキラ君じゃ……」

 

「ぐ………だが…」

 

アキラはギンガの手を振りほどき、ECディバイダーを出現させる。そして、ウィードに向かって走って行く。

 

「アキラ君!…………ブリッツギャリバー!」

 

『Set Up』

 

(ギンガが奴と戦う前にウィードを潰す!脳を残して身体を作ったと言っていた……つまり、脳天をブチ抜きゃ全てが終わる!)

 

アキラは攻撃にフェイントをかけ、ディバイダーの銃口をウィードの頭に向けた。刹那、ウィードの背中から、先端が刃になっている触手が飛び出し、ディバイダーを弾き飛ばし、別の触手でアキラを吹っ飛ばした。

 

アキラは止めてあった車のフロントガラスに突っ込み、座席と内側からへこんだドアの間に挟まってしまう。

 

「がはっ……」

 

「はぁぁぁ!!!」

 

続いてギンガがウィードの前に立つ。ギンガの俊敏な動きと、格闘技術。これがあればウィードのような格闘技もないもやってない人間なら三秒でノックアウトだろう。

 

「優しい彼女だねぇ。彼も化け物なのに、彼の恋愛ごっこに付き合ってあげるなんて」

 

そういいながらウィードは右腕を四本の触手に変形させる。もちろん先端は刃になっている。

 

「アキラ君は化け物なんかじゃない!」

 

「ギンガ……」

 

アキラはギンガの一言に胸を打たれた。ギンガは言葉を続けながら攻撃を仕掛ける。ウィードはギンガの攻撃を避けながら触手で攻撃した。ギンガも凄まじい反射神経で触手の攻撃を見切っていた。

 

「確かに無愛想で、空気が読めなくて、言葉使いが乱暴で、無関心だけど!」

 

「…………」

 

「それでもアキラ君は!本当はとっても優しくて、誰かを大切にしたいっていう心は誰にも負けない強い人なのよ!人を人と思わないあなたなんかとは全然違う!!!」

 

ギンガの攻撃は叫ぶほどに強くなり、速くなって行く。そして最後の言葉でフィニッシュしようと、強力な蹴りを入れた。しかしそれは空振りに終わった。ギンガが蹴りを入れたウィードの胴体に穴が空き、攻撃が外れたのだ。穴はウィード自身が空けた穴だった。ウィードは一瞬動揺したギンガを触手で捕らえる。

 

「ぐっ……」

 

「ギンガ!ぐぅ………雷剣…豪雷!!!」

 

アキラは刀に魔力を込め、車のドアを吹っ飛ばした。だが、ウィードにやられた傷は思ったよりも深く、車から出てもすぐに倒れてしまった。

 

「さぁて、戦闘機人の体内はどこまで人間なのかな?」

 

ウィードの触手の一本がギンガの身体を切り裂こうとじわりじわりと近寄って行く。

 

「やめろぉ!!!」

 

その言葉が引き金かのように、アキラが叫んだ瞬間触手は突然加速した。

 

「うわあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

「何をしている」

 

上空から声がした。

 

それと同時にウィードの触手は全て切り落とされる。

 

「なにぃ!?」

 

アキラの前に、ギンガを抱えた何者かが着地した。自分を助けた人物に、ギンガも驚きを隠せないでいる。

 

「お前……」

 

ギンガの窮地を救ったのは、クローンだった。

 

つづく

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