とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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明けましておめでとうございます。今年も自分の小説よろしくお願いします。さて今回は2000文字クラスの超短編ですが、皆さんに新年の挨拶と自分の死ぬほど忙しい用事が終わったので、これからは予告通りに小説をUP出来るようになった報告をしたかったのでちょうどいいところで切りました。

さて、次回は10日後の1月12日を予定しています。できればイノセントも一緒に上げたいと考えていますのでお楽しみに!


第四十八話 冥王

「うっだらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

火災が発生したミッドチルダ海上のマリンガーデン。その内部で一人の男の雄叫びが響く。マリアージュと戦闘を繰り広げている橘アキラだ。

 

「雷神剣・豪雷召!!!」

 

刀の先端から飛ばされた雷がマリアージュ数体を吹っ飛ばす。吹っ飛ばされたマリアージュは完全に停止し、動かなくなった。アキラは汗を拭い、刀を一旦鞘に収め、姿勢を低くして居合切りの構えを取る。彼の周りにはまだ十数体のマリアージュがいた。

 

(だんだんこいつ等のパターンが読めてきた………恐らく知能は共有されてる……攻撃が当たりにくくなってる………一定以上の魔力ダメージを与えれば完全に停止するが中途半端や強力なバインドで縛って行動不可にさせると自爆する…となると……)

 

アキラは頭の中で考えをまとめ、魔法陣を展開した。

 

「風神剣・爆風波!!!!」

 

技名を叫ぶと共に刀を鞘から一気に引き抜き、刀から風の魔法を放った。アキラの前方にいたマリアージュとマリンガーデンの支柱などが切り裂かれながら壁をも貫き、吹っ飛んで行った。技を放ち終わったアキラの背後から一体のマリアージュが襲いかかる。

 

腕を刀に変形させたマリアージュの攻撃をアキラは刀を自分の背後に振り向かずに構え攻撃を防いだ。更に右からの攻撃を左手に出現させたディバイダーで一度防ぎ、はね返し、銃口を向けた。

 

「フロスト・バスター」

 

氷結砲をマリアージュに食らわせて飛ばした後にディバイダーを後ろで攻撃を受け止めているマリアージュに向けてもう一度氷結砲を放つ。

 

この感約3秒である。

 

「一気に片付ける!!!!」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ーマリンガーデン下層階ー

 

 

「うぅ…………」

 

マリンガーデンの下層階に救助で突入したスバルは崩落してきたコンクリートにやられ、気を失っていた。温度は500度オーバー。崩落の直前に見た少女のことを思い出し、無理やり身体を動かす。

 

(いたた………頭打った?視力が戻らない……耳も良く………)

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

スバルの耳に幼い少女の声が届いた。少しずつ視力が戻りつつある目で声のした方を見ると、一人の少女がこちらを見ていた。要救助者かと思ったが妙な部分が複数あるのに気づく。裸足な上にやたらと薄着で、妙な腕輪を持っている。しかもこの状況で落ち着いている。

 

(この子もしかして……)

 

「ご、ごめん、大丈夫!相棒、大丈夫?」

 

[No program]

 

「よかった………怪我してるけど、あなたは強い…一人で帰れますね」

 

スバルの無事を確認すると、少女は去って行こうとする。

 

「ちょ、ちょっと待って!どこ行くの!?」

 

「逃げます…あの子達から……私は今、この場にいてはまずいんです」

 

「あの子達って……あなたもしかして…………うわぁ!ちょ、転んだ!」

 

マリアージュはスバルの静止を聞かずに歩いたが、すぐに転んでしまった。特に痛がる様子はなかったが、うまく起き上がれないようで、すぐにスバルが駆けつける。

 

「うまく身体が動かない……なんで?設定外の目覚め方をしたから?」

 

「だ、大丈夫?もしかしてあなた……えっと…アガリアレプト?」

 

「アガリアレプト………?私は違います。私イクス………イクス・ヴェリア」

 

スバルは少し前にアガリアレプトの名を聞いた時のギンガとの通信を思い出した。

 

(それから、最近アキラ君の様子がおかしいから、もし救助現場で一緒だったら気を使ってあげて?)

 

(アキラさんが?どうおかしいの?)

 

(なんか、へんな声が聞こえるみたいで………その時にきまって「イクス」って名前を口にするの……)

 

アキラが二回ほど口にしたという名前、イクス。それが彼女だというのだ。

 

「アガリアレプトは…私の………」

 

イクスが言葉を続けようとした瞬間、スバル達のいる場所から少し離れた天井が破壊され、誰かが落ちてきた。スバルは人が落ちてきたことを確認するとイクスの前に立ってリボルバーナックルを構えた。

 

砂埃で姿の見えない状態だったが、少しすると姿が見えるようになる。マリアージュを下敷きに巨大な技で天井を突き破ってきたのは……アキラだった。

 

「ふぃ………一丁上がりぃ…………」

 

「アキラさん!」

 

「アガリアレプト!?」

 

「あん?」

 

急に名前を呼ばれ、アキラは疲れた顔で声のした場所を見る。そこには少し嬉しそうな顔のスバルと驚いた顔をしている少女がいた。一体どういう状況なのかはスバルのケガの具合から見て取れた。

 

「要救助者二名発見………嬢ちゃん、名前は?」

 

アキラがイクスに話しかけるとイクスは困惑の表情でアキラの腕を見る。イクスの視線の先は、アキラの銀の腕輪だった。

 

「ん?嬢ちゃんの持ってるの俺の腕輪と同じ…」

 

「どうしてこれが二つ……」

 

イクスも同じ腕輪があることに驚いている様子。だがその瞬間、アキラの腕輪からパキンと音がしたかと思うと腕輪は輝きを失い、役目を終えた様に砂となって崩れ落ちた。

 

「え……?」

 

急に力を失ったアキラは動揺しまくる。

 

「なんでこれが二つあったのかはわからないけど……はい、アガリアレプト。本当は私のものだけど……私は逃げなくちゃ。だから……これはあなたにあげる」

 

イクスはアキラの腕に腕輪を取り付けた。腕輪はアキラに装備された瞬間、輝きを放ちアキラの持っていた銀の腕輪と同じ色と形になった。アキラはそれを見るとイクスの顔を改めて見た。

 

「嬢ちゃん………お前…………名前は?」

 

「なに言ってるの?アガリアレプト。わすれちゃったの?私だよ?」

 

イクスがアキラの手に触れる。すると、アキラの頭の中にアキラではない誰かの記憶が流れ込んできた。

 

 

 

 

続く

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