とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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すいません、本来だったらもっと長く書く予定だったんですがうまく筆が進まず出産の話までいけませんでした。次回がいよいよ出産編になります。今回はタイトル通り子供の名前を決めるだけの話と今後ギンガたちが子育ての間、vividのストーリーで活躍させる予定のアキラ君のクローンの現状の話になっています。本来だったらこれも出産編冒頭になるはずでしたが出産編がクオリティ足らずの為に書き直してきます!次回は2月28日です!お楽しみに!ちなみにこの時点で子供の性別はわかっています


第五十二話 名前

ー11月 ナカジマ家ー

 

 

11月某日。マリアージュ事件が解決してから約3ヶ月のある日、ナカジマ家のインターフォンがなった。インターフォンが鳴らされてからしばらく経ってアキラが玄関の扉を開ける。産休で家にいるのはアキラとギンガだけだった。

 

「はーい」

 

「あ、アキラ君、こんにちはー!」

 

「こんにちはー!」

 

笑顔で挨拶したのは高町なのはだ。その隣にはヴィヴィオもいた。思いもよらない人物の訪問にアキラは普通に驚く。

 

「おぉ、高町隊長じゃねぇか」

 

「もう、それは六課時代の呼び方でしょ?出来ればなのはさんって呼んで?」

 

「そーいえば役職は教官だったか。で?どうしたんだ高町教官?それにヴィヴィオ」

 

「なのはさん」と呼んでくれと言ったのに呼び方をたいして変えてはくれない。そんなアキラが玄関前の門を挟んでなのはに対応していると、戻るのが遅いのを気にしたギンガが玄関まで重い身体を動かしながらやってきた。

 

「アキラ君どうし………あ!なのはさん!」

 

「ギンガ!久しぶり!」

 

「ギンガ!あんま動くなって!」

 

アキラはすぐにギンガを支えに行った。その姿を見てなんだかなのはは安心する。見た目と無愛想さは以前と代わりはないが子を持ち、意識が変わったのか今まで以上にアキラがしっかりしているのを感心したのだ。

 

「今日はどうしたんだ?」

 

「うん、ギンガが妊娠したって聴いたから。お見舞いって感じかな?」

 

「そうでしたか、ありがとうございます。上がって行きますか?」

 

「うん、出来れば。最近の話もしたいしね」

 

「分かった。ノーリ!!」

 

なのは達が上がって行くことを確認するとアキラは家に向かって誰かの名前を叫んだ。すると、二階の窓から誰かが顔を出す。それはアキラにそっくりな顔を持った人物だった。

 

「悪いがお茶を居間に用意してくれ!来客だ」

 

「アキラ君、あの子は?もしかして……」

 

「ああ、俺のクローンだ。俺らの所で引き取ることになった」

 

「保護されてからあんまり体調が優れないって聞いていたから良かった元気そうだね」

 

共に戦ったこともあるからか、なのはアキラのクローンを心配していた。ノーリと名付けられたクローンは、最後の、ウィードとの戦いを終えたあとに保護され海上隔離施設で過ごしていた。ギンガとアキラに普通の人として生きていくための知識を教わり、今はナカジマ家に住んでいた。

 

 

 

ー居間ー

 

 

 

「茶、用意したぞ」

 

「おう、ご苦労」

 

アキラ達がなのはとヴィヴィオを連れて居間に来ると、ノーリは既にお茶を用意していた。中々素早い対応だ。なのははノーリに笑顔で挨拶をした。

 

「ノーリ君、久しぶり」

 

「ああ。高町なのは。あの事件じゃ世話になった」

 

「うん、元気そうで良かった」

 

ノーリがちゃんと礼儀正しく再教育されているのをみてなのはは笑顔になる。

 

「今はヴィヴィオは聖王教会の学校いってるんだっけか?」

 

アキラに聞かれ、なのはとヴィヴィオは同時に頷く。

 

「ノーリも春から同じ学校に行く。中等科だから一緒にはなれねぇ見たいだけどな」

 

「あ、そうなんだ!じゃあ、ヴィヴィオも挨拶しておこうか」

 

「うん!」

 

ヴィヴィオはソファから立ち上がると、ノーリの前に行く。

 

「高町ヴィヴィオです!初めまして、ノーリさん♪」

 

「ノーリ・ナカジマだ。よろしくな」

 

「わたし、学校で新しい友達が出来たんです!リオとコロナって言うんですけど、今度紹介してもいいですか!?」

 

「そうか、是非ともあってみたいな」

 

ノーリは言葉はあまり多く話さずに返答しているが、話し方はアキラのような冷たい感じではなく何とも穏やかな話し方だった。時折微笑みを見せたりする仕草はとても愛想が感じられる。

 

「ノーリ君はアキラ君と違って愛想があるねなんだか可愛いし」

 

「…………俺にはギンガさえいればそれでいいんだ。ギンガ以外に振りまく愛想なんぞ持ち合わせちゃいねぇ」

 

アキラは少し考えてからそう言った。ギンガだけ、という所に引っ掛かりを感じるが、ノーリと比べられて少し悔しかったのかほんの少しいじけた言い方だ。ギンガがそれを聞いてやれやれと苦笑いを浮かべていると、急に胸の下あたりを押さえる。

 

「んっ………」

 

「ギンガ、大丈夫か!?」

 

「ギンガ!?」

 

「あ、だ、大丈夫です…………この子が少し中から蹴っただけで…」

 

ギンガは大きくなったお腹を撫でて笑った。アキラは安心してため息をつくと身体を傾けギンガのお腹に耳をあててそっと瞳を閉じる。

 

「よしよし…どうした?お前も、俺の愛想が必要だったか?」

 

「にゃはは、子供ができると人が変わるっていうけど本当だね…」

 

なのはは笑った。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

なのは達はしばらくお話した後夕方に帰って行った。ただ一つ、お土産を置いて。

 

「………不思議の国のアリス………」

 

それは、かつてなのはが少女だった頃に読んでいたもので、そしてなのはがヴィヴィオのために家から持ってきた。それをおいて行ったのだ。続編も含めて。

 

「……………なぁ、これ渡される前に高町隊長に子供の名前決まってるかきかれたよな」

 

「うん」

 

(その子の名前は決まってるの?)

 

(いや、まだ考えてはいるんだが…)

 

 

「……アリスって、良くないか?こう、この話の主人公みたいにさ、いろんな世界に行って、不思議な出会いや冒険をしていろいろ学んで欲しいっていうか……」

 

アキラは全て読み終わった不思議の国のアリスを置いてギンガに提案した。ギンガは微笑んでお腹を撫でる。そしてお腹の中の子供に聴いた。

 

「私は可愛らしくていいと思うけど、あなたはどう?」

 

するとお腹の子が少し動いた気がした。

 

「んー。悪くないかもって」

 

「そうか…」

 

アキラは立ち上がりギンガの前にたつ。そしてギンガの顎を軽く持ち上げ、キスをした。

 

「ん………」

 

「ふぅっ………じゃあ。アリスに決定だな」

 

 

 

続く。

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