とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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なのはデトネイション………ウィークリー(この先ネタバレになりそうなのでツイッターのふせったーでつぶやきます)
はい、早速新たな知識や世界線を利用させてもらいました。もともとなのはGODとは絡めるつもりでしたがリフレクションの時点で新設定がきてしまったのでそちらを利用します。

俺らのなのはまだまだやれる!!みんなで応援してこう!!

感想、評価、投票随時募集してます!!



第十六話 防衛

ここは、ミッドチルダから遠く離れた異世界、エルトリア。そこの空から一筋の光が舞い降りた。光は人里離れた山の中に落ち、激しい衝撃とともに、煙が舞い上がる。

 

「………」

 

煙の中から一人の男が現れた。

 

「ここか…。惑星エルトリア」

 

 

 

ーミッドチルダー

 

 

 

ところ変わってミッドチルダ。ミッドチルダではクラウドたちが宣戦布告してから約一日が経過し、もうすぐ12時を迎えようとしていた。地上管理局本部では全体の部隊を集め防衛ラインを築き、準備は万端だった。

 

「ずいぶん大がかりにしましたね」

 

指示役である小此木の後ろから声がした。高町なのはだ。

 

「こうなってしまっては隠し通すことはできない。それに彼女は自身が黙示録の主であることを話さなかった。であれば黙示録の存在が露見し、混乱が招かれることはないからね」

 

「…」

 

「なにか言いたげだね」

 

「クラウドちゃんが言ってたことは本当なんでしょうか…」

 

「というと?」

 

「管理局が村を焼くなんてそんなこと本当にあったんでしょうか」

 

「まぁ、最高理事会は実際のところ悪のようなものだったからね。一概にないとは言い切れない。しかし、私も彼女の言っていたことは引っかかっている。アストに今調べさせてるよ」

 

「……まもなくですね」

 

「ああ」

 

ちょうど、時計の針は12時を指した。緊張がミッド中に広がる。刹那、ミッドの地上部隊の各隊舎が同時に爆発した。

 

「報告!!ミッドの西部地上部隊隊舎、海岸に近い隊舎がすべて爆破されました!!」

 

「想定内さ!それより、ゼロ・ナンバーズの位置を!」

 

すでに108に近い部隊の隊舎の避難は完了している。小此木はあくまでこれは陽動だと確信していた。

 

「魔力反応探知開始!」

 

「私も表に出る。あとはたのんだよ」

 

 

 

ー地上本部 南西部ー

 

 

 

管理局は地上本部を中心に108部隊がある西側に主力を展開していた。南西では12時になってから5分経過しても敵襲がないことを部隊を率いたはやてが通信をとる。

 

「こちら、南西部、八神部隊。未だ以上なしで…」

 

その瞬間、部隊が展開している方向の先に複数の魔法陣が展開され、魔法陣から鎧騎士たちとガジェットが出現した。

 

「よーし、戦争おっぱじめますか」

 

そして機械龍に乗ったナインス、黒い鎧に身を包んだセカンド及びスバル、そしてサードの三人が現れた。はやてはいち早く臨戦態勢をとる。南西では主力戦力として、はやて、ザフィーラ、ティアナの三人がいた。

 

「敵襲!!ティアナ!ザフィーラ!二人はゼロ・ナンバーズを!他の人は鎧騎士の相手をお願いします!」

 

「了解!」

 

 

ー地上本部 西部ー

 

 

「なのは!!」

 

なのは、シグナム、ヴィータがいる西部でもゼロ・ナンバーズと鎧騎士、ガジェットが出現していた。こちらにはフォースとシックス、そして…

 

「久しぶりだな…管理局の機動六課の隊長共」

 

「トーレ…」

 

 

ー北西部ー

 

 

そして最後に小此木が少数部隊で展開している北西部にはセヴンと鎧騎士が現れた。

 

「へぇ…ここは私が一人だけど……おじさんも一人?」

 

「おじさんはひどいなぁこれでもまだ若いんだよ?」

 

小此木はセヴンと笑顔で話しながら指で一般兵に指示をする。

 

「私もなめられたもんだねぇ。私、結構強いんだよ?」

 

「ボクもさ」

 

「へぇ♪じゃあ私の相手にふさわしいかどうか……今から試してあげる♪」

 

次の瞬間、小此木の背後にセヴンが高速移動で回り込んだ。小此木はぎりぎりで反応し背後を振り向いたがそれと同時に蹴られ、ビルに突っ込んでいった。

 

「隊長!!」

 

「なーんだ、弱いじゃん。つまんないの………いーよお前ら、この雑魚もやっちゃって」

 

セヴンの指示で鎧騎士が動き出す。

 

「さてと…じゃあ私は」

 

「待ちたまえよ」

 

ビルの中から小此木が現れた。ほぼ無傷だ。セヴンは一瞬驚いたような表情をしたが、すぐにうれしそうな顔をした。

 

「フーン…ちょっとは楽しめるかな!」

 

拳を構えセヴンは小此木に向かっていった。小此木は懐から何か球体を取り出して強く握った。

 

「君はパワー系かぁ…。ちょっと苦手だけど私も「ファントム」だ。勝って見せるさ!」

 

セヴンが振り下ろした拳に小此木は拳をぶつけた。二人のパワーはほぼ互角。二人は互いの力に押されはじかれた。

 

「私の拳に対抗するほどのパワー…」

 

「なぁに……君のパワーのデータはノーリ君が残してくれたからね。互角に渡り合うことは可能さ!」

 

その瞬間小此木は高速でセヴンとの間合いを一気に詰める。

 

「君の性能を僕が上回ることも!!」

 

「!!」

 

お返しと言わんばかりに小此木はセヴンを蹴り飛ばした。セヴンはぎりぎりで防いだが小此木は吹っ飛んだセヴンに追い打ちをかける。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「ちぃ!!!!」

 

瞬時に抵抗したセヴンの拳は小此木の拳とすれ違い、クロスカウンターを炸裂させた。だが小此木は止まらない。セヴンの拳を受けながらも小此木はすぐに蹴りをお見舞いする。

 

「ぐぅ!!」

 

セヴンはビルの屋上の貯水タンクに突っ込んだ。

 

「………ふぅ」

 

小此木が貯水タンクからセヴンが出てこないことを見て少し気を緩めた瞬間、貯水タンクから鎖に繋がれた剣が飛んできた。

 

「…」

 

小此木は表情ひとつ変えずに避ける。

 

「まさか…こんなひょろひょろしたおじさんに武器使うことになるなんてね…」

 

「うーん、私としては武器は苦手なのだが…」

 

小此木はようやくデバイスを取りだし、バリアジャケットを展開させて剣を構えた。

 

「本気で行かせてもらうよ」

 

「やれやれ…辛いねぇ」

 

セヴンは剣を振り上げて小此木に切りかかる。小此木は攻撃を受けずにその場から飛び出して空中に浮く。

 

「まだまだ!」

 

セヴンの追い討ちから空中戦が始まる。セヴンの攻撃を小此木は防ぐが、思ったより攻撃は重く、後退させられた。

 

「もらいぃ!」

 

セヴンが剣を小此木に向け、その切っ先から大型の魔力収束砲を放った。

 

「…」

 

だが、小此木は焦らずその攻撃を見て手を前に出した。

 

「…?」

 

セヴンは自分の攻撃に違和感を覚えた。攻撃が、当たってる感じがしない。防がれている感じもしない。セヴンは違和感の正体の確認のために攻撃を中断した。

 

中断された魔力砲は弾け、魔力の欠片が辺りに散る筈が今回は違う。魔力は残らず消滅した。

 

「…そういえばロクがいってたなー。あんたが妙な技を使うって。正しかったみたいだね」

 

「フフ…、じゃあ…お返しだ」

 

小此木は怪しく笑い掌に魔力を集束させた。超高密度の魔力弾を手の上に構築し、それをセヴンに向かって投げた。セヴンは剣で弾こうとしたが、大きさのわりに集束された魔力は多く、弾ききれないことを確信したセヴンは一旦剣を手放し、魔力弾を避けた。

 

「…っぶな」

 

「まだおわりじゃないさ!」

 

小此木は再び懐から球体を取りだし、強く握る。それと同時に小此木の両手から火炎が吹き出した。小此木はその炎を集束し、炎熱砲としてセヴンに放った。

 

「こんのぉ!」

 

セヴンは手放した剣の鎖を引いて手元に戻し、それを構えた。

 

「紫電一閃!」

 

セヴンは炎熱砲を直撃の手前で切り裂く。炎熱砲は消えたが前方に小此木の姿はない。

 

「上!」

 

「雷光招来!」

 

小此木の腕には大量の稲妻が帯電していた。それをセヴンに向けて放つ。

 

「サンダーシュート!!」

 

「なめないでよねぇ!ブラスター!」

 

剣を振って強力な魔力砲を放った。小此木のサンダーシュートと相殺され、爆発が起きた。

 

「楽しいね……もっともっと殺し合おう?」

 

「頭のネジが外れてるようだね…」

 

 

 

ー南西部ー

 

 

 

南西部でも激戦が行われていた。ティアナはセカンドの相手をしていた。スバルの正気を取り戻させようと奮闘していた。

 

「スバル!!しっかりしなさい!!」

 

「UAAAAAA!!!!」

 

「くっ」

 

(やっぱり魔力ダメージを与えなきゃ正気に戻りそうにないわね…でも、今のあいつはそれを許してはくれなさそうだし)

 

スバルは前回に比べかなり知的な戦いをするようになっていた。力任せの攻撃ではなく敵との駆け引きを行っていた。隙がない。

 

「こんのぉ!!」

 

走って来るティアナはスタンバレットを打ち込んだ。スタンバレットは鎧に命中し、一瞬動きを止めたかのように思われたがスバルは再び走り出す。

 

「やっぱダメか…SLBを放とうにも時間がかかりすぎる…クロスミラージュの火力じゃ魔力ダメージは少量…相性が悪い!」

 

ティアナはスバルの洗脳を解除する算段を立てながらスバルの重い一撃をクロスミラージュの刃で防いだ。しかしスバルは一撃が防がれるとすぐに次の攻撃に移る。だがティアナはそれを把握していた。すぐに攻撃をかわし、一発スバルに打ち込んだ。魔力弾は鎧に当たったがはじける音がしただけで大したダメージにならないのは目に見えてわかっていた。

 

「動きは変わってないみたいねぇ…。その頑丈な鎧、私のクロスミラージュじゃあ壊せそうにないわね。でも、あんたを倒せなくても、足止めくらいならいくらでもできる…限界まで付き合ってやろうじゃない!!」

 

ティアナは洗脳の解除はあきらめ、限界までスバルの相手をして倒すか別の敵を終わらせた仲間に倒してもらうことを決意した。だがティアナとて完全にあきらめたわけではない。どこか隙があればすぐにでもSLBをぶち込んでやるつもりだ。

 

 

別の場所ではサードとザフィーラが対峙していた。

 

「私の相手はこのワンちゃんですか…」

 

「盾の守護獣、ザフィーラだ」

 

「ウフフ、律儀ですこと。でも、残念ながら」

 

ザフィーラの視界からサードが消えた。

 

「!!」

 

「すぐ終わりますのよ」

 

背後から声がした。サードの槍がもうすぐそこまで迫っていたがザフィーラはすぐに振り返り、槍を防いだ。

 

「ぐぅぅぅ!!」

 

「あら、ずいぶん反応が良くて堅いこと」

 

「盾の守護獣、なめてもらっては困る!てぇぇりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ザフィーラが叫びながらサードに突進していった。だがサードはやすやすとザフィーラの攻撃を回避し、ザフィーラの鳩尾に槍の柄を叩きつけた。

 

「ぐぅ!!」

 

だがザフィーラはそれだけでは終わらなかった殴られた槍とサードの腕を同時に掴んだ。

 

「!」

 

「どぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」

 

ザフィーラはそのままサードの腹部目指して魔力が収束された拳を振り下ろした。魔力が炸裂し、サードはぶっ飛ばされた。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

ザフィーラは追撃にかかり、サードの腹に拳を叩き込んだ。

 

「うぅっ!!」

 

そしてそのままビルに突っ込んだ。壁と自分自身で挟み込み、更にバインドで手足を縛る。

 

「くっ!」

 

「大人しくしろ。悪いようには…」

 

「ファランクス…」

 

「!」

 

サード自身を含め、ザフィーラたちの周りに無数の魔力弾が精製される。

 

「まさか!」

 

「ファイア!!」

 

ザフィーラに向けて魔力弾から攻撃が放たれる。ザフィーラは全方位式のフィールドを張り、攻撃を防いだ。もちろんサードも巻き添いになるかと思われたがサードは魔力弾をうまくバインドに当て、集中が途切れたバインドを砕き、脱出していた。

 

「サンダー………」

 

さらにサードは雷属性の槍を精製し、それをザフィーラに投げた。

 

「エンド」

 

「くっ!!!!おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

だがその程度で負けるザフィーラではない。かなりの威力の槍をザフィーラは拳一つで対抗し、相殺させた。ザフィーラの腕は若干焦げたように見えるが実際は大したダメージではない。

 

「くぅぅぅ…」

 

「はぁ!」

 

何時の間にかサードは背後にいた。そしてザフィーラは槍の攻撃を防ごうとしたがザフィーラは吹っ飛び、道路に着地した。そこにスバルと戦っているティアナがスバルの攻撃を避けた勢いでやってきた。

 

「たくっ!相変わらず技術で賄えないパワーの差ね!」

 

「中々素早いっ!」

 

二人はたまたまお互いが相手にしている敵の感想を言った。意図せず重なったお互いの意見は二人の敵の特性を理解させるのには充分だった。そこにサードとスバルが同時に襲いかかってくる。ザフィーラとティアナはアイコンタクトで通じ合い、互いに向いてる敵の方向を変えた。

 

「!」

 

「!」

 

「スタンバレット!」

 

「鋼の軛!!」

 

ザフィーラはスバルの、ティアナはサードの相手を始めた。

 

「AAAAAAAAAAAA!!!!」

 

「なるほど、適材適所というわけですね…っ!」

 

 

はやてはナインスと彼女が乗る機械龍の相手をしていた。正しくは追跡をしていた。

 

「速いっ!」

 

「あははは!このジークのスピードは戦闘機並みだからねぇ!古代ベルカの力を持っていたとしても一航空隊士に何か負けはしないよ!」

 

(きっとこの子が鎧騎士やガジェットを召喚している………この子さえ倒せれば!)

 

 

 

 

続く


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