とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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久しぶりに一週間以内に書ききりました。お楽しみいただければ幸いです。次回はいつになるかな…(遠い目)
そうそう、なのはの文化祭に行けなかったので通信販売ありがたい限りです。

感想、評価、投票随時募集中です。


第十七話 強敵

ー地上本部 通信管制室ー

 

 

ミッドチルダでは地上本部を中心とした西側で大きな戦闘が起きていた。戦況は管理局側が若干劣勢になっていた。事前の襲撃でかなり人員を失っていた管理局は次元管理局本部から支援を要求していたが…。

 

「次元本部は何をしているんだ!?」

 

「それが、地上と次元管理局をつなぐ通信システムがジャミングされていて………次元跳躍のためのシステムにもジャミングがされており、どうにも…」

 

「馬鹿な!?本部の厳重なシステムにどうやって…」

 

本部の通信管制室が騒ぎになっているころ、アストが入ってきた。

 

「ここにもいない…」

 

 

 

ー地上本部 西側ー

 

 

 

地上本部の西側ではなのはたちが戦っていた。シグナムとフォースが対峙していた。

 

「ヤッホー、久しぶりー」

 

「…」

 

「こないだの決着、つけようか。あやふやで終わっちゃったしね」

 

「次こそ仕留める。覚悟しろ」

 

シグナムのまじめな態度にフォースはニヤリと笑い、挑発的な表情で手招きをする。

 

「………カモ~ン」

 

「参る!!」

 

シグナムはレヴァンティンを抜刀し、フォースに切りかかった。フォースは手を振り、氷点下の息吹をシグナムに放った。それを受けてシグナムの腕は凍り付いたがそれで止まるシグナムではない。すぐにお得意の火炎魔法で腕の氷を溶かした。

 

「ひゅう、やるぅ」

 

「ふっ!!」

 

シグナムはそのままフォースに切りかかったがフォースはそれを避け、大きく距離を取った。

 

「まぁ待ちなよ。前回は吹雪に身を隠して誘導弾でお相手したけど、今回は近くに仲間がいるからそうもいかないんだよ」

 

フォースは全身に吹雪を吹かせ、体に氷の鎧を作った。

 

「ねぇ、氷結魔法を使う魔導士の良し悪しって知ってる?」

 

「なに?」

 

「氷でいかに精密で本物に近いものを作れるか…それって結構大切なんだよね」

 

フォースはそういって氷の鎧とレヴァンティンに酷似した氷の剣を生成した。

 

「さぁいくよ!!」

 

「!」

 

フォースは一気に切りかかってきた。シグナムも対抗する。金属と氷がぶつかりあい、何とも言えない接触音を出した。

 

「おぉぉぉぉ!!」

 

シグナムは一気にケリをつけようとフォースの剣をはじき、レヴァンティンを連結刃に変え、炎を纏わせた状態で切りつけた。フォースはそれを新たに精製した剣で防ぐと同時にさらに複数の剣を精製しそれをシグナムに飛ばした。

 

「あはは!急ぎすぎてない!?」

 

「黙れ」

 

シグナムはすぐに剣を元に戻しフォースが放った氷剣を弾く。シグナムはレヴァンティンをボーゲンフォルムに変形させ、弓を放った。

 

「その程度!アロンダイト!!」

 

フォースはアロンダイトを放ち、シュツルムファルケンを相殺した。シグナムは驚いた。シュツルムファルケンを簡単に相殺されたことではない。はやてが使う技である。それをフォースが使ったことに驚いたのだ。

 

「なぜ……」

 

「まだまだ行くよ!!クラウソラス!!」

 

「ぐっ!!」

 

呆然としているシグナムにクラウソラスが放たれた。シグナムは一瞬反応が遅れながらも何とか防ぐ。

 

「貴様…それは我らが主の魔法だ。どこでそれを…」

 

「あは、あんたたちのデータなんて腐るほどあるんだから、模倣魔法なんていくらでも作れるに決まってんじゃん♪。これまでの戦いで多くの手の内を晒してきたんだからさぁ!!」

 

フォースはそう叫び、バルムンクを放った。

 

シグナムはレヴァンティンを一度鞘に戻し、突進する形でバルムンクの刃を避け、フォースに迫った。

 

「ふっ!!」

 

「アイスシールド!!」

 

居合切りでフォースを切ろうとするが氷の盾によって防がれた。

 

「はぁ!!」

 

「おっと……どうしたの?ずいぶん勢いがよくなったじゃん?」

 

「なに、迷いが晴れただけだ。我が主の魔法を使うから何かと思ったが、模倣したものであればそれは所詮まがい物、取るに足らんことだ」

 

シグナムはもしかしたらフォースが夜天の書の何かにかかわる、はやてに関わる何かなのではないかと危惧した。だが単に模倣された物であれば問題ないと判断したまでだった。

 

「どうかな、私は、私たちはただ偽物として作られただけじゃないからねぇ。性能も威力もオリジナルの何倍も高い!機動六課なんて目じゃないってことよ」

 

その言葉にシグナムは思わず笑みをこぼした。

 

「ふ…」

 

「…何がおかしい?」

 

「所詮貴様は本物を模して造られただけのまがい物だということ。だとすれば貴様らがその魔法で我らに勝てる道理はない」

 

「なんでそう言えるの…」

 

「なぜならそこには血が全く通ってないからだ。魔法に込めた想いも、情熱も、願いも…」

 

シグナムの脳裏にふと、アインスの顔がよぎった。

 

「そんな魔法では我ら倒せると思ったら大間違いだ」

 

「行ってくれるじゃん……だったら、そのまがい物であんたを完膚なきまでに倒してくれるわ!!」

 

フォースは魔力を集束し、フレースヴェルグをシグナムに向けて一斉掃射する。シグナムはシュランゲフォルムで魔力弾を打ち落とす。

 

「……っ!」

 

「前回とは状況が違う………さっさと終わらせてもう…」

 

 

一方でヴィータはロクの相手をしていたがやや苦戦していた。今回ロクは前回の雪辱を果たすべくさっさとヴィータを倒し、小此木のもとへ行こうとしていた。そのために既にルーラーアーマーを起動させていた。

 

「んなろぉ!!!」

 

「遅いっ!」

 

ロクは全力でヴィータの排除の望んでいた。ヴィータの攻撃は威力は高いが接近がメインなうえに機動が読まれやすいという欠点があった。ロクのルーラーアーマーはリーチが長く、素早さもある。ヴィータとは少し相性が悪かった。

 

「くっ…アイゼン!」

 

諦めずにロクにアイゼンで殴り掛かるがロクのルーラーアーマーの腕の鎧で簡単に防がれ競り合うまでもなく弾かれる。

 

「のわぁ!!…のやろぉ!!」

 

ヴィータは吹っ飛ばされながらもシュワルべフリーゲン4発を打った。

 

「さっさと失せろ」

 

そういってロクはルーラーアーマーの腕の間に火炎で包まれた鉄球を放った。ヴィータのシュワルベフリーゲンと酷似している。

 

ロクの鉄球はヴィータのシュワルべフリーゲンを打ち消しヴィータに向かっていった。

 

「舐めんなぁ!!!!」

 

だがヴィータは素直に打たれる性格ではないアイゼンをギガントフォルムで打ち返した。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

ロクはルーラーアーマーの後方に装備されてるブースターを稼働し、鋼鉄の拳でヴィータに返された鉄球に突進し、鉄球を押し返した。さらに鉄球ごとヴィータに突進していった。

 

「なぁ!?ちょ、ちょっと待」

 

予想外の反撃に反応しきれず防御もままならず吹っ飛ばされた。

 

「がぁ!」

 

「落ちろ」

 

ロクはそのままルーラーアーマーの剣を展開し、火炎を纏わせてヴィータを全力でぶった切った。ヴィータはそのまま地面に叩きつけられた。アイゼンはとっさの防御に使われたが防ぎきれずに真ん中から綺麗に折れていた。

 

「ごほっ…………」

 

「ふぅ…終了だ」

 

ロクはその場を後にして小此木のほうに向かおうとした。が、背を向けたロクに鉄球が投げられた。

 

「…まだ立ち上がるのか」

 

「……悪ぃな…………こちらとら、諦めが悪くて…負けず嫌いなもんでなぁ!」

 

額から血を流しつつ折れたアイゼンを二刀流のように持ち、ヴィータは立ち上がった。周りと比べ、ヴィータは負けているように見えるがそれは当然だ。ロクはシグナムとヴィータのデータをベースに力をふるっている。さらにルーラーアーマーによって力をかなり引き出している。今ヴィータは、いうなれば実力を倍にしたヴィータとシグナム、二人を同時に相手にして知るようなものだった。

 

「一つ伝えといてやろう。貴様が何度立ち上がろうと、私に勝つ確率は0だ。諦めろ」

 

「そういうわけには…」

 

ヴィータはロクに向かって飛んだ。

 

「いかねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「愚か者が」

 

ロクは両手から生成した炎をルーラーアーマーの刃に集中させた。そしてその刃をヴィータに向ける。

 

「一閃焔刀」

 

「!」

 

ヴィータは自分に向けられた刃を避ける気でいた。しかし、ロクの放った一閃焔刀は居合い斬りと見間違える程のスピードで放たれた強力な突きだった。

 

シグナムの炎熱変換と剣術、そしてヴィータの破壊力。それらを併せ持ったロクにヴィータの鉄槌は届かず、避ける間もなく無力にも吹っ飛ばされた。

 

「ぐ…………くそ…」

 

一閃焔刀によってかなりの距離吹っ飛ばされたヴィータはようやく墜落を始めた。こちらが全力を出すまえにやられた悔しさを噛み締めながら。

 

ヴィータが負けたのも無理はない。ロクは模倣魔法の他に自身で手に入れた戦闘技術があった。それと模倣魔法、さらに最初から全力全開のルーラーアーマー。強さで言えばロクはゼロ・ナンバーズのなかでも4番目だった。

 

墜落しているヴィータを誰かが優しく空中で受け止めた。

 

「う…」

 

ヴィータが瞳を開けると、シャマルの顔があった。

 

「シャマ…ル?」

 

「ヴィータちゃん!大丈夫!?」

 

「大したことねぇ…ちょっと油断しただけだ…」

 

「動いちゃダメよ。大丈夫。あなたが戦っていた相手のところにはフェイトちゃんが向かってるわ」

 

フェイトは以前の戦闘でゼロ・ナンバーズの強化のため、魔力を奪われて動けていなかったが、ついさっきようやく動けるようになったのだ。

 

「そうか……情けねぇ…」

 

「今回は運が悪かったわ。敵の強さを見くびってた。ただでさえ強い相手にデバイスまで壊されたら撤退したほうがいいわ」

 

「チッ…」

 

 

 

「フォトンランサー!」

 

「そんな牽制技!意味がないことをわかれ!」

 

復活したフェイトはロクを相手に基本的に逃げながら戦っていた。復活したとはいえまだ魔力は全開ではない。しかも相手は全力を出し、一撃を避ける度に背後で大きな爆発が起きている。まともに相手をすればすぐ落とされるだろう。

 

「…」

 

(あの両腕の巨大な腕型の鎧。あれさえ突破して本体に直接、一撃必殺さえ入れば…)

 

「火竜一閃!」

 

ロクがフェイトに向けて炎熱砲を仕掛けた。だがフェイトはヴィータと違い逃げに回ってスピード重視に動いているのでそうそう当たるものじゃない。

 

「はぁ、はぁ…」

 

「ちょこまかと、鬱陶しい!シュルベフリーゲン!」

 

今度は誘導性が高いシュルベフリーゲンを20発同時に放った。

 

「バルディッシュ!」

 

『ザンバーフォーム』

 

フェイトは冷静にバルディッシュをザンバーフォームに変形させ、素早く器用な非行でシュルベフリーゲン同士の自壊を誘導し、打ち落としきらなかった数発をザンバーで切り落とした。

 

「あぁ!イライラする!」

 

「サンダースマッシャー!」

 

フェイトが隙をみてサンダースマッシャーを打ち込んだ。ロクは腕の鎧で防いだ。サンダースマッシャーが鎧に命中し、爆煙が起き視界が曇った隙を見てフェイトはソニックフォームになった。

 

(この一瞬!)

 

一気にロクの背後に飛び、バルディッシュで切り裂こうとした。だが、ロクは背後のフェイトの姿に気づいていた。振り向き様に超高速の剣撃を放った。

 

「っ!!」

 

ソニックフォームで防御の薄いフェイトはそのまま切り裂かれ、空中に血を撒き散らしながら墜ちていった。

 

「他愛ない…」

 

もう敵はいないだろうと思い、小此木がいる方に飛ぼうとした瞬間、腕の鎧に遅延型のバインドが発動させられた。

 

「バインド!?いつの間に…」

 

(さっきの…目眩ましの砲撃……?)

 

ロクが考えていると、背後で魔力の集束の気配と雷の音がした。

 

「なに!?」

 

自分の背後の上空に、先程落とした筈のフェイトがいた。

 

「何故…」

 

「悪いわねぇ」

 

ロクの横のビルの屋上から声がした。見るとそこにはまだ包帯を身体の所々に巻いたメグが立っていた。

 

「貴様!」

 

「アタシ幻術は得意なのよ」

 

フェイトがやられたように見えたのは、メグ幻術だった。

 

「雷光一閃!」

 

ロクが憤りを感じているうちにフェイトが大型の魔力砲を打つ準備を完了させる。

 

「この程度のバインドォォ!ルーラーアーマーなら!」

 

ロクは全力でバインドを破壊しようとルーラーアーマーの力を全開にして抵抗したが、フェイトのバインドの上にさらにバインドが巻かれた。

 

「大人しくしなさい!」

 

シャマルのバインドだ。

 

「プラズマザンバー…ブレイカァァァァァァァァァァァァ!」

 

フェイトのプラズマザンバーブレイカーが放たれた。それと同時にロクがかなり無理矢理バインドを破壊し、一瞬で火炎を剣に集中した。

 

「一閃焔刃!!!」

 

二つの技がぶつかり合い、巨大な爆発が起きた。あたりの建物は吹っ飛び、地面にクレーターができた。

 

メグはギリギリでシャマルに守られ、大事はない。

 

「ハラオウン執務官は…」

 

「わからないわ…あなたを守るので精一杯だったから」

 

爆煙が収まり視界が晴れてきたころ、フェイトとロクの安否が確認できた。

 

「ハラオウン執務官!!!」

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイトはクレーターから離れたところで倒れているのが確認できた。シャマルはメグを抱えてフェイトのもとまで飛んだ。

 

「ハラオウン執務官!」

 

「フェイトちゃん!」

 

「う…」

 

二人はフェイトの近くに降り立つと、急いで駆け寄った。

 

「う……シャマルさん」

 

「駄目よあんな無理しちゃ…まだ魔力が完全に戻った訳じゃないんだから」

 

「すいません…でもあれくらいしないとたおせなかったので」

 

「はぁ………まぁ、いいですけど。それより敵のほうは?」

 

「わからないです。打ち合いになったので…」

 

「………はぁぁぁぁぁ」

 

「!」

 

ロクの声がした。

 

瓦礫の中から、片腕の鎧の刃が折れ、全身に魔力ダメージを受けた跡が残るロクが出てきた。

 

「中々…やるな。あのいけすかない男から殺してやろうと思ったが、良いだろう。あの男同様私の鎧を破壊したのだ。貴様らも殺してやろう!」

 

 

 

続く




次回、なのはVSトーレ、激闘!?そしてクアットロらの前に現れる影…?
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