とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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年明けから少し経った以来ですね。このペースじゃ平成以内に終わりそうにないし、平成の間限定で日付決めて投稿しようかなと思います。守れなかったらすいません。

次回は2月5日投稿です!皆さんお楽しみに!感想、投票、評価、随時募集中です!


第二十一話 発動

ー管理局 会議室ー

 

 

ここでは、フランシスとアストが睨みあっていた。アストの手には拳銃が握られている。

 

「動かないで。できれば引き金を引きたくはありません」

 

「……そうだね。私もあなたとは戦いたくない」

 

フランシスは案外あっさり両手を上げて降参の意を見せる。

 

(罠…?もしゼロナンバーズなら私なんかじゃ敵わないはずだけど…)

 

「私はここに、あなたたちが興味を示す姿として送り込まれた。本部に検査の為に連れて来られれば、検査用の機械から本部のシステムに入ることが出来る…。昨日、クラウドの宣戦布告の後、向かわせたあなたたちの部隊、全滅したでしょ?」

 

「ええ。そうね」

 

小此木の命令で隠密に送り込んだ戦闘部隊。だがクラウド側にその部隊の存在が気づかれ、全滅させられたのだ。

 

「あの部隊の存在をばらしたのも私」

 

「でしょうね。私はあなたの前で小此木さんからのメールを開いたから薄々そんな気がしていたわ」

 

「もうこの管理局もクラウドに消され、なくなるからそろそろ正体明かしてもいいかなって思ったから行動に出た。裏であなたたちを殺そうと思っていた」

 

「…」

 

「でも、考えが変わった…このデータを見てからは」

 

「ッ!動かないで!!」

 

「落ち着いて。何もしないわ。私にはそこまで戦闘能力がないもの」

 

フランシスは上げていた手をいったん下げ、ポケットからデータチップを取り出し机の上に置いた。

 

「…これは?」

 

「当時のデータを掘り起こしたら見つかった。いろいろ調べてみたけど、改変や編集なんか行われてない当時の記録」

 

「いつの…?」

 

「クラウドの生きていた里が…管理局によって滅ばされた日の…。管理局の作戦記録……」

 

 

 

ー西部 ロク担当区域ー

 

 

 

ロクの前に、アキラが上空から降ってきた。その姿は以前のような白を基調とした姿ではなく、黒いバリアジャケットを着て、愛刀である紅月を背負いながら。

 

「貴様…今まで見ないと思ったが…尻尾を巻いて逃げたわけではなかったか。誉めてやろう」

 

「……」

 

ロクの言葉を無視し、アキラはちらりと背後で倒れているメグを見た。

 

「アキラ…あんた………」

 

「無事か」

 

アキラは一言だけ尋ねる。

 

「え…ええ……」

 

「ならいい。下がってろ」

 

アキラはロクのほうに歩いていく。ロクは片腕だけのルーラーアーマーを構えた。ロクは無意識にアキラの謎の気迫を恐れていた。アキラは何も言わない。無言でただ歩み寄って来る。

 

ロクはやられる前にやろうと先に攻撃を仕掛けた。

 

「一閃焔刃」

 

「アクセラレイター…ハザード」

 

次の瞬間、アキラが一瞬紫色の光を放ったかと思うとその場からアキラは消えた。そして、ロクがその事に気づくよりも先に、ロクの腕が残っていた巨大なルーラーアーマーごと切り落とされた。

 

「!!」

 

ロクが腕の痛みに気づいた瞬間アキラはロクの目の前に戻ってきた。

 

「ぐっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!きっ…貴様ぁ!よくも私の腕…腕をぉぉ!」

 

ロクは残った腕で携えていた刀を抜き、軽いパニックになりながらもアキラに斬りかかる。アキラは紅月を再び抜いた。

 

紅月の刀身は以前よりもずっと、赤い色になっていた。

 

「遅ェよ…っ!」

 

アキラは紅月を踏み込みながら切り落ろし、ロクの刀と共に首を斬る。5秒にも満たない瞬時の決着だった。

 

「!」

 

「天誅…」

 

シャマルの目の前にロクの首が落ちる。シャマルにとってはそこまでショッキングな光景ではなかったのか声は挙げなかった。だが、少し目は背ける。

 

「アキラ…あんた……なにも殺さなくても…」

 

「殺さなきゃ、殺されるただそれだけだ」

 

「アキラ君!いまのはなに!?」

 

シャマルがアキラに詰め寄る。

 

「今の、私の見間違いじゃなきゃアクセラレイター…この世界にはない技術」

 

「…」

 

アキラは黙ったままだ。シャマルがさらに前にアキラに近寄ろうとしたとき、アキラが紅月に手をかけ一瞬、金属音がしたと思うとシャマルが倒れる。

 

「かっ…」

 

「アキラ君!?」

 

そこに後方で待機していたフェイトたちが駆け付けた。

 

「…」

 

だが、アキラはなにもしゃべらずその場から飛んでどこかへ行ってしまった。ボロボロになりながらもルーラーアーマーを装備していたロクと戦闘していたメンバーはアキラを追いかけることができなかった。

 

 

 

ー北西部ー

 

 

 

セヴンと小此木の戦闘。それは熾烈を極めていた。だが小此木とセヴンは互いにほぼ互角の戦力だったが、わずかにナインスが戦力を上回っていた。

 

「それ!」

 

「ぐぅぅ!!」

 

小此木はセヴンに強力な蹴りを食らった。小此木はとっさに数重に重ねたシールドを張ったがセヴンの蹴りはシールドを貫通し、小此木はそのまま背後にあったビルを二件ほど貫いて止まった。

 

「がっはぁ…!」

 

「ん…呆れるほど頑丈だね」

 

「ぐぅぅ…あぁぁぁぁぁ!」

 

小此木は黄色い魔力を身体から放出し、一瞬でセヴンの背後に飛んだ。

 

「!!」

 

「飛べ!!!」

 

小此木の腕から強大な魔力砲を放った。セヴンはその攻撃を両手に持っていた剣ではじいた。

 

「嘘だろ…」

 

「カラミティ!」

 

セヴンはそのまま剣を構え、大災害級の一撃を小此木に放った。斬撃効果が付与された魔力の竜巻が小此木と眼下の街を襲う。

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

全身を切り刻まれ、そのまま小此木は上空へ投げ出された。

 

「もーらい♪」

 

更にセヴンをは小此木に追い打ちにかかる。小此木の真横に高速で移動し両手の剣を振り上げ、全力を持って振り下ろす。小此木はダメージを食らいすぎたことと自身の扱った魔力の負荷で朦朧とする意識の中で何とかガードを展開した。

 

「ごあ!」

 

小此木は地面に叩きつけられた。だがセヴンは一切手加減しない。小此木を叩き落してすぐ、片手を上空に上げて魔力の塊を精製した。

 

「雷撃」

 

セヴンは巨大な雷属性の魔力球をそのまま地面に叩きつけられ、動かない小此木に投げられた。

 

だが、セヴンの雷撃は小此木に直撃する前に、消滅した。

 

「……なんでかわかんないけど、あんたに魔力は通じないみたいね」

 

「はぁ…はぁ……」

 

「じゃあ、切り殺そうか」

 

小此木は本部に通信を取った。

 

「すまない。思ったより苦戦している。枷を外してくれないか」

 

通信をしていて小此木が動かないことでセヴンは一気に小此木に接近し、剣を構える。

 

「さよなら」

 

「そう言わずに…見てるんだろう?今だって死にかけてるんだ」

 

セヴンの剣が小此木の首に届く直前、小此木はその剣を素手で止めた。シールドを張っていたわけではない。何も持っていない手でビルをも真っ二つに斬る威力のセヴンの剣撃を止めた。

 

魔力攻撃を全く受けない瞬間を見ても驚かなかったセヴンもさすがに驚き、汗を流す。

 

「!?」

 

「ふぅ…すまないね。まだ僕も全力では…」

 

話しながら小此木は剣を受けた手とは逆の手を振り上げる。

 

「!」

 

ナインスは一瞬命の危険を感じ、上へ飛んだ。

 

「ない!」

 

小此木が手を振った。セヴンは避けたが小此木が手を振りきった方向にあったビルが切れた。

 

「なっ…」

 

「よそ見は…」

 

「!」

 

小此木の声に気づき、セヴンは急いで小此木を見る。小此木は手を前にして巨大な魔力球を精製していた。

 

「雷撃!」

 

「クロス!!」

 

小此木が魔力球を放ったがセヴンはその魔力球を両手の剣で十字に切り裂いた。突然の猛攻にセヴンは少し驚いていた。

 

「これで……少しは対等に戦えるかな」

 

擦り傷や血でまみれてはいるが小此木の表情には若干の余裕が戻っていた。そして袖に隠れて見えなかったアーマーを袖口から落とした。

 

「枷がようやく一つ外れた」

 

「君…もしかして」

 

セヴンは少し小此木の腕に目をやり、考えた。

 

「ん?気づいたかな?」

 

「…いや、なんでも。自分の鏡と戦ってると思えば、楽しいさ!楽しいからいいさ!!」

 

セヴンは笑いながら小此木に向かって突進した。

 

「狂ってるねぇ!」

 

セヴンの両手分剣撃を小此木は再び片手で受け止める。そして瞬時に懐から球を取り出し、受け止めた手とは別の手で握った。

 

「!」

 

「エア…!」

 

そして握った手には風が圧縮されその拳がセヴンの腹に叩きつけられた。

 

「ハンマー!!」

 

「ぐ…」

 

一瞬耐えたように見えたセヴンだがそのまま吹っ飛ばされる。だが、吹っ飛ばされる直前に剣撃を小此木の腹に入れた。小此木のバリアジャケットが一部破れ、切り傷から血が流れる。

 

エアハンマーを何とかしのいだセヴンが小此木の姿に少し驚く。

 

「効いた?」

 

「チッ!バインド!」

 

「!」

 

セヴンの腕にバインドがつけられる。

 

「こんなの!」

 

白い球を握り、その手をセヴンに向けた。

 

「響け終焉の笛!ラグナログ!!」

 

小此木の手から、チャージタイムなしではやての魔法、ラグナログが放たれた。

 

「くぅ!」

 

セヴンはラグナログが当たる直前にバインドを破壊し、脱出を試みたが間に合わなかった。ラグナログに巻き込まれ、砲撃の終わりと同時に地面に落ちた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「今の効いたよ」

 

「…」

 

気づけば背後にセヴンがいた。ラグナログを食らって落ちたはずのセヴンは幻術だった。しかし、少しは食らっていたようだ

 

「ソニック」

 

小此木は黄色い弾を握りしめ、「ソニック」とつぶやくと共にその場から消えた。

 

「高速移動…」

 

何が起きたか分かったセヴンは冷静に判断する。その背後に小此木が現れ、剣を振り下ろしたがそれをセヴンは見向きもせずに防いだ。だが小此木はセヴンの無防備な背中に赤い球を握った拳で殴り掛かる。

 

「ギガント!シュラーク!!!」

 

「!?」

 

予想外の衝撃にセヴンは驚いた。背中で受けたのはただの拳。だがその衝撃はまるで天高くから超重量の物体でも食らったような衝撃だった。

 

「ぐっがぁ!!」

 

セヴンはそのままビルに叩きつけられたが叩きつけられた直後に反撃に魔力剣撃を飛ばした。小此木はその斬撃を片手で防いだ。

 

「チッ……厄介だなぁ!その体ぁ!!!」

 

「こっちはこの世界、そして街の平和!更にプライドをかけて戦っているんだ!もう優勢には立たせない!」

 

「生意気なんだよ!!!」

 

ナインス

 

 

セヴンは珍しく激高し、拳を引いた。

 

「アクセル!!」

 

前に突き出したナインスの拳から複数の魔力弾が同時に放たれた。小此木はそれらを手のひらで受けるとともに消した。

 

「君はその鎧で、極端に魔力を上げただけ…。君は橘アキラと同じだな」

 

「え…?」

 

「いや?そろそろ終わりにしようか」

 

小此木は両手の指の間に弾を挟み、握った。そして、少しだけ通信を取る。

 

「すまない…一分、いや、三十秒だけでいい。枷を全部外してくれ。もう、決着だ」

 

小此木は通信を切り、深呼吸をして気合いを入れる。

 

「オクテッド・ブラスト」

 

本気で来る、そのことにセヴンは気づき、全力を出すために奥の手を出した。激しすぎる二人の戦いもまもなく終わりを迎えようとしていた。

 

「マイティギア!オン!」

 

二人がお互いがいた位置から飛ぶ。お互いの足場はその飛んだ衝撃から地面がめくれ上がった。

 

 

刹那、二人がぶつかる。だがぶつかった瞬間から全開の二人の戦いは始まっていた。魔力砲の打ち合い、剣の競り合い、殴り合い。周りには見えない速度で。衝撃は近くのビルを崩し、地面のアスファルトは捲れた。時々入る一撃はナインスにはダメージに小此木には何の変化与えない。

 

「クソっ!クソっ!くそぉ!!なんで!ゼロナンバーズ最強の!私が!」

 

少しずつ、すこしずつセヴンは劣勢になっていく。

 

「終わりだ…」

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

一瞬、小此木から悪魔のようなプレッシャーを感じ、セヴンは叫んだ。

 

「ディアボロ・オクテッドスマッシュ」

 

両手をセヴンの腹部に叩きつけた。セヴンはルーラーアーマーを砕かれ、そのまま地面に弾丸のような速度で叩きつけられて気を失った。

 

小此木は、疲れ切った表情で地面に降りた。そこに一人の女性が現れる。クアットロとフィフスを秒殺した女性だ。

 

「ツムギ?」

 

「いや、カエデだ」

 

「そうか…どうしたんだい?」

 

「お前の戦闘が長引いていると聞いてな。見に来た。それにしても情けない。こんな相手にいつまでも苦戦してるとは」

 

「仕方ないだろう。僕らはあまり表に出てはいけない。力をそんなに見せるわけにはいかなかったんだ」

 

「ふ、結局最終解放までしていては世話ないな」

 

「…まぁそういわないでくれ。でも僕らは今回出ていて正解だった。手先である彼女らがここまで強いとはね…。他は大丈夫だろうか」

 

 

 

ー西部ー

 

 

なのははトーレと拮抗した勝負を続けていた。小此木とセヴンほどではないが充分激しい戦いで、辺りへの被害も中々のものだった。

 

「はぁ、はぁ…」

 

「はぁ…はぁ…」

 

(高町なのは…いったいなんだ?こいつは…。さっきよりも明らかに強くなってる…。なぜだ?)

 

なのはは記憶から消されているが、リュウセイにリンカーコアの治療を受けている。先ほどまでは反応できなかったトーレの高速の攻撃にも何とか対応できるようになっていた。

 

「アクセル…ッ!」

 

「インパルス…!」

 

二人の技が再びぶつかり遭おうとした瞬間、トーレの上空からアキラが現れ、トーレに蹴りを入れた。トーレはその威力に耐えきれず、地面まで吹っ飛んだ。

 

「!?」

 

「えっ!?」

 

二人とも予期せぬ事態に驚く。

 

「アキラ君!?」

 

「…」

 

なのははアキラに驚いたがアキラは声をかけられても少しなのはを見て、すぐにトーレの追撃に入った。

 

「くっ!IS発動!!」

 

「アクセラレイターハザード」

 

「!?」

 

アキラの身体が紫色に光り、なのはもぎりぎり反応できるトーレのISの高速移動、アキラが発動したアクセラレイターハザードはその速度に追いつき、パワーは上回った。

 

トーレは一瞬で背後に回ったアキラの剣を受け止めたが受けきれず、背後に吹っ飛ばされる。

 

「ぐぅぅぅぅ!!だぁぁぁぁ!」

 

トーレは吹っ飛ばされる途中で地面を足に付き、ブレーキをかけて逆にアキラに突進した。そして向かってくるかと思わなかったアキラは腹部にトーレの拳を食らって後退させられる。

 

「チッ……ヴァリアントハッキング…」

 

アキラは吹っ飛びながら左手から触手を四本伸ばし、それをむき出しになったビルの鉄骨やコンクリートに刺した。

 

「何を…」

 

「トランス!」

 

その鉄骨やコンクリートは紫色の光に包まれ、ガトリングガンやロケットランチャーに変形し、それが自動的にトーレに攻撃を仕掛けた。

 

「なに!?」

 

トーレは弾丸をぎりぎり避ける。

 

「なんだこの能力!?」

 

「…」

 

アキラはさらに触手を別の場所に伸ばし、自動で攻撃をする武器を数秒の間に量産した。

 

「蜃気楼の騎士団(ミラージュナイツ)」

 

アキラの生み出した武器たちがトーレに一斉に攻撃を仕掛ける。

 

「この程度で!IS」

 

トーレは大量の弾丸が飛び交う場所の中でわずかなに生まれる弾幕の隙間を縫って数発掠りながらもアキラに接近した。

 

「私を止められると思うなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「甘い」

 

アキラの目の前まできた瞬間、トーレの真下の地面が爆発した。

 

「!!」

 

だがトーレとてそこまで甘くはない。すぐさま爆発を察知し、アキラの背後に回り込んでいた。

 

が…

 

「なに……」

 

トーレはいつのまにかアキラに切られていた。アキラは振り向きもせずに紅月でトーレを切ったのだ。そしてトーレの動きが一瞬鈍くなったところを狙い、蹴り飛ばした。

 

「くあっ!」

 

「一閃必中…」

 

吹っ飛ばされるトーレに向かい、アキラは剣の切っ先を向ける。そして可能な限りの力を籠める。力を籠めることでアキラの腕は少し痙攣を起こし、限界を超えているのか皮膚が少し裂けて血が噴き出している。

 

「くっ……アクセル!トラストォ!!!」

 

「!」

 

トーレはとっさにシールドを張ったがアキラのアクセルトラストはそのシールドを貫通し、トーレのルーラーアーマーは砕かれた。

 

「…かっ…………」

 

当然トーレはノーダメージとは言えない。強化筋肉でも耐えきれない一撃を食らい、大量に吐血する。

 

「ごほっ…」

 

「…」

 

何も言わずアキラはさらに追撃する。

 

「くっ!!インパルス…ブラスト!!」

 

「…」

 

アキラはトーレの出した魔力剣撃を左手だけで弾いた。

 

「くっ!だらぁぁぁぁぁ!!」

 

更に接近してきたアキラをトーレは拳を思いっきり前に出した。アキラは頬に拳が掠ったがアキラは動じず、砕かれたルーラーアーマーが砕かれ、むき出しになった腹部に強力な拳をめり込ませた。

 

「あっ…がぁ……」

 

トーレはそのまま吹っ飛ばされ、5件のビルを貫き、街にある銅像をぶっ壊して止まった。

 

「はぁ…はぁ…」

 

アキラの身体から光が消え、アキラはその場に座り込む。それと同時にアキラは自身の身体を押さえて苦しみ始めた。

 

「ぐがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「アキラ君!」

 

なのはがアキラのもとへ飛び、そのまま倒れかけたアキラの身体を支えた。

 

「大丈夫!?今の力は…」

 

「るせぇ…触るな…」

 

アキラはなのはの手を振り払う。

 

「でも…」

 

「そうそう。きみじゃどうにもできないんだから」

 

そこに、聞き覚えのある声とともに、誰かがやってきた。なのはが振り返るとそこには一人の男性が立っている。その男を見た時、なのはは驚きを隠しきれなかった。

 

「ウィード…」

 

「やぁ、久ぶりだね」

 

 

 

 

続く


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