とあるギンガのPartiality   作:瑠和

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お久しぶりです。今回は大容量一万文字!(四捨五入)
通常の二話分になります!お楽しみを!次回もたくさんあります!!お楽しみに!(ただし投稿は遅くなるおそれあり!すいません!)

語彙力ないので読みずらいかもしれません。すいません(いまさら)


第二十四話 打倒

-side チンク-

 

 

これは、私たちが現在の戦闘に介入する少し前の話だ。

 

私たち戦闘機人は、アキラにハッキングを食らい、操り人形としてウィード脱獄の手伝いをさせられた。一瞬の油断を突かれアキラの思うがままにされてしまった。

 

だが、そんな私たちの前に今アキラは私たちの洗脳を解除した状態で座っている。

 

「…よくも、謝罪もなしに私たちの前に現れられたな、アキラ…」

 

「……洗脳したのは俺だ。俺じゃなきゃ洗脳は解けないだろ」

 

洗脳解除できるものが近くにいなければならいという意味だろうが、そんなことは全員わかりきっている。

 

「まぁ…お前らの洗脳を解いたのも、ウィードの野郎の提案だがな」

 

「お前…」

 

私たちはよく聞かされていないが、ウィードとアキラの因縁は相当のものだと聞いている。そんな男と手を組む姿は、正直なところ見損なったというよりも、アキラのギンガを思う気持ちが伝わってくるようで、なんとなく息苦しいという感じだ。

 

少しの沈黙。その後、セッテが前に出た。どう見ても怒っているようだった。アキラに感情を芽生えさせられてからも無感情な感じのセッテだったが、今ばかりは感情的になっていた。

 

「お前は…自分が何をしたかわかってるのか!!」

 

もちろんアキラの気持ちもわかっているだろう。だが今は、管理局員として、アキラの家族としての正義を貫くつもりだ。

 

「……」

 

何も言わないアキラにセッテは胸倉をつかみに行く。

 

「何とか言ったらどうだ!?いくらギンガとアリスが誘拐されたからと言って………犯罪に手を染めるなど…私が知っているアキラ・ナカジマは!ギンガの旦那でアリスの父親のアキラはこんなことはしなかった!」

 

「……」

 

アキラは何も言わないままセッテの腕を掴んで投げ飛ばした。

 

「!」

 

「セッテ!」

 

セッテに皆が駆け寄る。アキラに一瞬敵意を示す視線が向けられるが、全員が怖気付く。アキラの眼に圧倒されたのだ。皆、そんな目のアキラを初めて見た。いや、私とノーヴェ、ウェンディは知っている。あの日、ギンガに致命傷を負わせた私達に向けられた視線と一緒だ。

 

「…お前が知ってる俺なんて俺は知らねぇよ。いいから俺に従え。従わねぇなら殺す」

 

アキラは拳銃を取り出した。

 

アキラに恩義を感じているナンバーズも少なくない。ウーノやディエチ、セッテなんかが特にそうだ。特にギンガと戦った私たちにも優しくしてくれた、家族として受け入れてくれたアキラには感謝しかない。アキラの意見をたててやりたいが、みんな彼の横暴っぷりに中々賛同できないのだろう。

 

「…アキラさん」

 

「…なんだ?」

 

ウーノが前へ出た。アキラはウーノへ拳銃の銃口を向ける。

 

「私が…協力します……過去との決別のためにも、あなたへ…恩義を返すためにも」

 

「ウー姉!?」

 

「その代わり、妹たちは返してあげてください。彼女たちに罪をこれ以上かぶせるわけにもいきません」

 

その発言にアキラは予想外の反応を見せた。ウーノを銃のグリップで殴ったのだ。

 

「うっ!」

 

ウーノは額から血を流して倒れる。

 

「!!」

 

「アキラさん!?」

 

「罪じゃねぇ!!!これは!正義の鉄槌だ!!」

 

アキラはウーノに近付いて胸倉を掴んで無理やり立たせる。

 

「奴らは罪を犯した!!今はその罪人を裁くことだけ考えろ!!黙示録は最悪の破壊兵器だ!それを止めることのどこが悪だ!?もし悪としか考えられないのなら正義の為に悪を貫け!!」

 

「…」

 

全員が圧倒されてると、部屋の扉が開いた。

 

「落ち着きなよ。全員怖がってるじゃないか」

 

ウィードが現れた。セッテ以外のナンバーズは彼とは初対面だ。

 

「テメェは黙ってろ。ウィード」

 

「いいから。君は大人しくしてて。僕が細かく君たちに協力を仰いだ理由を説明しよう」

 

「……あんたがウィードか」

 

ノーヴェが最初に前に出た。

 

「ああ。初めまして。ナンバーズ諸君」

 

ウィードはアキラの手を掴み、ウーノから離させた。

 

「暴君を気取るのはいいが、もっと効率的にやらないと。時間もないんだし」

 

「チッ…」

 

「私が丸め込ませておくよ。君は頭を冷やしてきたまえ」

 

アキラは舌打ちをして部屋を出ていった。ウィードはそれを見届けると、ため息をついて座った。

 

「やれやれ、彼の愛…ギンガ・ナカジマに対する思いは少々行き過ぎてる気があるね。でも分かってやってくれ、彼も曲がりなりにも父親だ」

 

「まぁ…わかってます。………それで、私たちに協力させたい理由っていうのは?」

 

「ああ、よく聞いてくれたまえ」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

セインに運ばれ、ギンガは地面の中を進んで108部隊へと向かっていた。父と仲間が監禁されていると知り、今すぐ助けたいとおもったのだ。状況を聞く限り、すでにスバルは救出され、ゼロ・ナンバーズは既に一人が死亡、二人が倒され逮捕、一人が逃走、スカリエッティとともに逃げ出したトーレとクアットロも逮捕されて事態はどちらかというと言うと管理局が有利だ。

 

主犯格であるクラウドはきっとアキラが倒してくれるだろうとギンガは考えていた。

 

「よし、侵入完了」

 

セインとともに、ギンガは108の隊舎の中の隊長室に浮上した。ここには鎧騎士はいないし監視カメラもない。

 

「さっき見たけど結構な人数捕まってるし、鎧騎士が結構な数いるね」

 

「…なんかおかしくない?」

 

「え?」

 

「話を聞いた限り、ゼロナンバーズは私たち管理局の戦力の総動員で互角……次元管理局…本局の部隊を次元転移装置をハッキングすることで差し押さえて、地上本部のみで今互角…。本局を押さえてるなら最大戦力であるクラウドが地上本部に行けばすぐに殲滅はできたんじゃ?」

 

「んー…じぶんでやるのがめんどくさかった?」

 

「…管理局をあんなに恨んで、ゼロ・ナンバーズよりも強力な兵器を持っているのに?」

 

「んーそう言われても私にはわからないよ…」

 

セインは使いなれてない頭を使いすぎて頭痛を引き起こしてる。

 

(さっきアキラ君のところに現れるまでクラウドは…いったい何をしていたの?)

 

ギンガは疑問に思いながらもとりあえず現状を打開することにした。ギンガは捕まったがこれと言って何かされたわけではない。なのでポテンシャルは充分だ。

 

「セイン、私がとりあえず父さんたちを助けてくる!アリスをお願いね!」

 

「ええ!?私赤ちゃんなんてあやしたことないけど!?」

 

「今は寝てるから大丈夫!すぐ戻る!行くよ!ブリッツギャリバーA(アサルト)!」

 

ギンガはブリッツギャリバーを掴んで隊長室を出た。そしてすぐ横にあった消火栓火災報知器のスイッチを押した。

 

108の中に警報が鳴り響く。隊の中のシステムはフィフスにコントロールされていたが、どうやら消火栓等のシステムは管轄外だったようだ。ギンガの予想通りだ。

 

(鎧騎士にも聴覚や視覚からの反応はある。急にサイレンが鳴れば………)

 

混乱し、慌てている鎧騎士をギンガは背後からの飛び蹴りで頭を叩き落す。ギンガは綺麗に着地したが、すぐに鎧騎士が現れる。

 

「はぁ!」

 

ギンガはローラーシューズを滑らせ、鎧騎士の懐に入り込み、リボルバーナックルを当てる。背後に新たに現れた鎧騎士の気配を察知し、右手のストライクナックルのハンドバスターを放っった。

 

ギンガはそのまま数体の鎧騎士を倒し、ゲンヤたちが捕らえられているオフィスに乗り込んだ。

 

「父さん!みんな!」

 

「ギンガ!?」

 

すぐにゲンヤたちを見張っていた鎧騎士が動き出す。数は4。ギンガは蹴りで一体を飛ばし、切りかかってきた騎士の槍をイージスシールドで受け止め、ほぼ同時に襲ってきた鎧騎士をハンドバスターで撃った。

 

そしてシールドで攻撃を防いでいた騎士に右手についている装備の先端を当てた。

 

「デュエルブレイカー」

 

パイルバンカーが鎧騎士の身体を貫通し、鎧騎士は動かなくなる。さらに一体と、最初に蹴り飛ばした一体が襲い掛かって来る。

 

「リボルバーブレイク!」

 

ギンガは一体をリボルバーナックルで殴り飛ばし、最後の一体を竜巻旋風脚並みの空中回転蹴りでぶっ飛ばした。

 

鎧騎士は、魔導士数人がかりでやっと対等の相手だ。それを一瞬、しかも一人で片づけられるギンガは相当な強さだ。普段はアキラに守られ、陰に隠れがちだが108部隊の副隊長で管理局が重宝する戦力なだけある。

 

「父さん!大丈夫!?」

 

「ギンガ!お前こそ大丈夫か!?」

 

「私は大丈夫!みんなも無事!?」

 

「ギンガ副隊長!ご無事で何よりです!私たち以外の武装隊が別の部屋に…」

 

「わかった。隊長室のセイン呼んでくるね。父さんとみんなはセインに付き添ってもらって外に…」

 

その時、オフィスにある二つの出入り口から鎧騎士たちが入ってきた。

 

「!。みんな下がってて!」

 

全員部屋の隅へ行く。さっきは4体だけだったが今回は10体近くいる。一人で捌ききれるか少し不安なところではあるがやるしかない。

 

「はぁぁぁ!」

 

ギンガは鎧騎士の軍団に特攻する。リボルバーナックルで二体まとめて殴り飛ばす。そして横にいた鎧騎士を蹴り飛ばそうとしたが、別の鎧騎士に不意を突かれ、死角から殴られた。直前でシールドを展開したが即席の薄いシールドは破られ、ギンガは壁に叩きつけられる。

 

「うっ!」

 

「ギンガ!」

 

「ハンドバスター!」

 

ギンガはすぐ体制を立て直し、ハンドバスターを放った。一体仕留めたが三体が同時にこちらに向かってくる。

 

「くっ!ちょっと無理することになるかな……」

 

ギンガは向かってくる二体の鎧騎士の間に飛び込み、両手を地面について両足を鎧騎士に向かって開いた。鎧騎士は左右に吹っ飛ぶ。さらに一体突進してきた。ギンガは両手を引く。

 

「ツイン……ブレイク!!」

 

リボルバーナックルとストライクナックルで同時に殴る。その威力は絶大で鎧騎士の上半身は吹っ飛んだ。

 

「ギンガ!後ろだ!!」

 

ゲンヤの叫び声が聞こえた。それと同時にギンガは後ろ回し蹴りを放った。

 

「空牙!!」

 

距離感はばっちりで鎧騎士にギンガの蹴りは最も威力の高い部分にあたり、鎧騎士は壁を貫通して吹っ飛んだ。

 

「よし、行ける!」

 

そう思ったのもつかの間。さらに追加の鎧騎士が部屋に入ってきた。

 

「……キリがない!!!」

 

果たしてこのまますべての鎧騎士を倒せるかどうか不安になった刹那、声が聞こえた。

 

「ディバインバスター!!」

 

オフィスの窓ガラスが割られ、魔力砲が鎧騎士の大体を吹っ飛ばした。全員の視線が窓の外へ行く。そこにはなのはがいた。

 

「なのはさん!」

 

なのはは頷いたと同時にギンガに向かって魔力砲を放つ。

 

「シュート!」

 

「!」

 

ギンガが一瞬シールドを貼ろうとしたが魔力砲は綺麗な曲線を描いてギンガを飛び越え、その背後にいた鎧騎士を打ち抜いた。

 

「…」

 

「此処から支援するからみんな窓から脱出して!!」

 

「外に魔力クッションを用意してありますです!さぁ!早く!」

 

小さくて気づかなかったがリインフォースツヴァイもいたようだ。

 

「ギンガも早く!」

 

ギンガも脱出しようとするが、まだ捕らえられてる仲間とセインとアリスのことを思い出す。

 

「私はしんがりを…あっ!隊長室にセインと別の部屋に武装隊が…」

 

「大丈夫!そっちはもう助けた!みんな外にいるから早く!」

 

さすがエースオブエースと思った。なのははギンガの腕を信じて先に他の隊士を助けに行っていたのだ。それもこんなに早く。ギンガは鎧騎士を追加3体ほど吹っ飛ばして最後にオフィスから飛び降りた。

 

だが鎧騎士も当然ギンガたちを追いかけ、オフィスから飛び降りようとする。

 

「フロストブレス」

 

リインフォースが放った氷属性の魔法がオフィス一帯を包み込み、凍り付かせた。鎧騎士は止まった。

 

「行きましょう!」

 

ギンガはなのはたち共に108部隊を脱出した。外にはすでに管理局が発進させた護送車がいた。セインと他隊士も護衛者の中にいた。

 

「ギンガ!」

 

「セイン!!アリス!無事でよかった!」

 

「じゃあお母さん!娘さん頼んだよ!」

 

セインはアリスをギンガに預けた。

 

「セイン!?」

 

「私はお届け物があるから!」

 

セインはディープダイバーで潜っていった。

 

「…」

 

きっとそれぞれの役割を与えられているのだろう。そう考え、ギンガはナンバーズとアキラを信じた。

 

「アキラ君…」

 

 

ーノーヴェ・オットー・ディードVSサードー

 

 

 

アキラに協力を強要された三人はサード相手に戦闘をしていた。

 

「はぁ!」

 

「おらぁ!!」

 

主な攻撃はディードとノーヴェが行い、オットーがサポートに回っている。だがナンバーズ二人係での攻撃にサードは動じる様子はない。

 

「ふふ…ナンバーズ二人で私一人押さえられないとは…」

 

いくら六課の隊長さえも凌ぐナンバーズとはいえルーラーアーマーを付けたゼロ・ナンバーズはそれを上回る強さだった。サードは二人を抜いてオットーに攻撃を仕掛けるがディードが防ぐ。ギリギリだが何とか防ぐことが出来た。

 

「…!。私の速度についてこれるとは、驚きです」

 

「どこ見てんだよおらぁ!」

 

背後からノーヴェが攻撃を仕掛けるが、紙一重で躱される。次の瞬間にはサードは三人の視界から消えた。

 

「加速…っ!!」

 

「なんだこのデタラメなスピード…」

 

眼で追えるか追えないかくらいのスピードで三人の周りを飛び回る。ノーヴェは腕のガンナックルを構えるが狙いは定まる筈はない。

 

数発放ってみるが当たらない。刹那、ノーヴェの背後にサードが突っ込んできた。サードは槍の切っ先をノーヴェに向けて突進したがその間にオットーが入り込んだ。

 

次の瞬間、血飛沫がノーヴェの背後で舞った。

 

「…っ!」

 

「…オっ…オットー!!!」

 

サードは槍を引き抜いて次の攻撃に移ろうとするが、槍は抜けない。

 

「?」

 

「ぐぅ………捕らえた…」

 

オットーは自身の身体を犠牲にサードを捕らえた。だがそれにサードは焦る素振りも見せず、自身に付けられたフェイトとエリオの能力である電撃をオットーに流した。

 

「ぐぅぅぅ!!!」

 

「オットー!!」

 

「その手を離しやがれ!!!」

 

「ふぅ…もう飽きました」

 

左右から攻撃を仕掛けてきた二人にサードはため息をついて魔力雷を固めて作った槍数百本を遠隔操作で二人に投げた。

 

「雷槍天羅殲滅ノ型」

 

空を覆うほどの無数の槍にノーヴェとディードは貫かれる。雷属性の魔力ダメージとはいえ、二人は意識を失って落ちていった。

 

「最後はあなたですね」

 

「ぐぅ…」

 

 

 

ーチンク・ウェンディVSフォースー

 

 

 

「はぁ!」

 

チンクがスティンガーを投げる。だがそれはフォースが発生させた吹雪によって吹き飛ばされる。ウェンディが背後から魔力弾を数発放ったが即座にフォースが放った魔力弾に相殺させられた。

 

だが、相殺された魔力弾のうち二発が輝きを放ちながら爆散した。

 

(閃光弾!?)

 

その瞬間、チンクがスティンガーを投げた。そのスティンガーがフォースのすぐ近くまで来た瞬間指を鳴らし、ISを発動した。

 

スティンガーは爆発した。だが爆風が晴れると同時にフォースの姿は消えていた。

 

「!?いったいどこに」

 

「チンク姉!」

 

吹雪にまぎれ、フォースはチンクの背後に移動していた。背後とはいえいくらか距離がある。しかし、はやてと同じ強力な魔力砲をウェンディが気づいた時には既に放っていた。

 

(いつの間に…っ!)

 

チンクは魔力砲に飲み込まれそうになったがウェンディがギリギリで助けた。

 

「すまない!」

 

「いいッス!それより…!!」

 

ウェンディが警戒するより先にフォースがウェンディの前に現れた。ウェンディはそのままライディングボードで突撃したが途中、氷の剣に襲われ、落ち落とされた。

 

「ぐぅぅ!!」

 

「ウェンディ!あぐっ!」

 

ウェンディが落ちるとともにチンクも当然一緒に落ちる。

 

(膨大な魔力量、そして強力な氷結魔法とスピード…厄介だ!)

 

「…つまんなーい。あんたら攻撃向きじゃないし、そこまで速いわけでもない私に追いつかれるって何ぃ?」

 

フォースはゆっくり氷の剣を持って近づいてきた。

 

(ふざけんなッス…ボードに乗ったあたしよりもはえぇなんて速くないって言わねぇッス!)

 

「うぁぁぁぁぁ!!」

 

チンクはフォースに抱き着いた。小さな体で必死に取り押さえようとした。

 

「…なんか秘策あるのかと思ったら……こんな…」

 

フォースは氷の剣を振り上げる。

 

「チンク姉!!」

 

 

 

ー遠く離れたビルー

 

 

 

ここではディエチが自身のカノンを構え、チンクたちの戦闘区域に狙いを定めていた。

 

「ありがとう、チンク姉。これなら、狙いは定まる」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ー数時間前ー

 

「さて、君たちに協力を仰いだのは、やはり頭数が欲しいからだ。洗脳状態じゃ戦闘に支障をきたすだろうから洗脳も解かせた」

 

「…戦闘に支障を?」

 

「ああ。彼女達は君たちよりも性能は低い。だがスカリエッティの直接行う調整、そして黙示録のデタラメな力を加えられれば君たちに下す単純命令じゃあ勝てないだろう。それに、洗脳を解いた今の状態でも」

 

「…なるほど。それで?」

 

「彼らの計画を勝手に調べたことがある。クラウドは必ずルーラーアーマーという鎧を使うはずだ。その鎧の原材料は黙示録から生成される暗黒物質、スタッフ……」

 

「…」

 

そこまで説明してウィードは懐から一つの弾丸を取り出して全員に見せた。

 

「まぁ名前はすごくても所詮は魔力で構成された物体だ。だからこれが効く」

 

「……それは?」

 

見た目はただの銃弾にしか見えないことにノーヴェが疑問を抱いて質問した。ウィードは少し笑って質問に答える。

 

「これは「魔力断裂弾」と言ってね、昔に作られたがほぼ実用化はされないで終わった代物だ。これが撃ち込まれたら最後、魔力回路が断裂、リンカーコアと肉体に多大なダメージを負わせ、最悪死に至る。生きてたとしても、魔力を持った人間ならもう魔導師への復帰はできなくなるね」

 

「そんなものが…JS事件で私たちに打ち込まれてたら危なかったかもね…」

 

「そう、元々犯人拘束為に作られたのに、犯人を殺してしまっては意味がないということで試験段階で廃棄された兵器さ。これをその鎧に当てられれば、ゼロ・ナンバーズは突破できるだろう」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ー現在ー

 

「さぁ、死になさい」

 

「IS!レイストーム!!!」

 

サードが雷を圧縮した精製した槍をオットーの心臓めがけて振り下ろそうとした。だがそのタイミングでオットーが魔力断裂弾をレイストームに乗せてサードの鎧に撃ち込んだ。

 

「!!!!!」

 

 

 

ー西部ー

 

時を同じくして、ディエチがチンクたちの戦闘エリアのフォースを狙って魔力断裂弾を撃ち込んだ。

 

普通だったら、長距離から飛んでくる弾丸にフォースは気づけたはずだ。だが目の前で無意味に抵抗するチンクの相手をしているせいか、もしくは相手が弱いことによる慢心からきた油断か、フォースは魔力断裂弾に当たってしまった。

 

「なに!!!!!」

 

魔力断裂弾が命中した瞬間、フォースとサードのルーラーアーマーに紫電が走り、炸裂した。それだけではない。魔力炸裂弾は肉体に命中してはしないものの、体と密着状態にあった鎧が魔力炸裂弾により崩壊したためゼロ・ナンバーズにも影響が出た。

 

「うぐぁぁぁ!!!」

 

「はぁ…はぁ……うまくいったな。ディエチ…」

 

チンクは遠くのビルを見つめて言った。そしてスティンガーを地面で苦しんでいるフォースに向ける。

 

「大人しくしろ。変に暴れれば死ぬことになるぞ」

 

「くぅ…なめんじゃ…あがぁぁぁぁ!!」

 

フォースが抵抗しようとしたとき、再び全身に激痛が走り、かなりの量の血を吐いた。フォースは鎧の薄い部分に魔力断裂弾が命中したのか身体にも大きな影響が出ていた。

 

「だから動くなといった。ウェンディ。捕獲だ」

 

「了解ッス」

 

 

 

ー南西部ー

 

 

 

南西部で魔力断裂弾を撃ち込まれたサードは同じく落ちてのたうち回っていた。だが、フォースの現場とは違い、援護にきた三人とも動けない状態で、捕獲はできない状態にあった。唯一意識があるオットーも確実に魔力断裂弾を当てるためにサードの槍を甘んじて受けたために動けずにいた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

(出血がひどい…意識が朦朧とする………早くサードを捕獲しないと…でもその前に…ボクの命が…)

 

「…なるほど……魔力断裂弾ですか…管理局がそんなものを使うなんて…想定外でした」

 

サードは少し苦しそうな表情で槍を杖にしながらふらふらと立ち上がった。

 

「!?」

 

「残念ながら私のリンカーコアは大したダメージを受けていません…少々辛いですが、無理をすれば…動けます」

 

サードは魔力電気で作った電気信号を身体に流し、無理やり身体を動かした。

 

「IS…」

 

「撃たせませんよ!」

 

サードは槍から電撃を発射し、オットーを吹っ飛ばした。

 

「がぁぁ!!」

 

「さぁ……あなたとそこらに転がってるナンバーズの息の根を止めて、おしまいです…」

 

オットーは腹部の出血を押さえながら壁に体重を預けながら立ち上がった。出血多量で意識が朦朧としている。顔の色もどんどん悪くなっていた。

 

「…今のあなたになにができると?」

 

「何ができるかできないかじゃない……僕は…あなたを止めるように言われてここにきている!だから…何があっても、下がるわけにはいかない!」

 

サードは少しため息をついて雷を圧縮して生成した魔力槍を構えた。

 

「……では、死になさい」

 

魔力槍は放たれる。オットーに避ける体力はない。反撃する体力も。あと数センチでオットーの身体に当たるという瞬間、ビルの向こうから小型のブーメランが飛んできた。そのブーメランが魔力槍を破壊し、オットーを守った。

 

「!?」

 

「どなたですか?」

 

「…」

 

オットーの背後にあるビルの屋上に、人影があった。

 

「七番の…」

 

「あとは私にお任せを…」

 

セッテはオットーの前に降り立った。マリアージュ事件の時渡されたセッテの新しいデバイスとバリアジャケットを装備して。

 

「セッテ…」

 

白を基調としたコートにピンクのラインが入ったデザインのコート。緑と黒のカラーリングのインナー。そして、腰に添えた分裂可能な2本の短剣が合体した剣が2本、合計4本。

 

短剣というより短いブーメランを半分にしたような形状の刃だ。

 

両腕に着いた可動式の刃、肩に装備された短剣、計七本の刃を装備したバリアジャケットだった。

 

「少し待っていてください。すぐ終わらせます」

 

「ごめん…ありがとう……」

 

オットーは安心したことで気が抜け、そのまま気絶して倒れた。セッテはオットーの怪我の具合を見てすぐにサードと対面した。

 

(ノーヴェやディードに比べてダメージが……出血がひどい、早く終わらせないと……)

 

「…少しは楽しめそうですね」

 

「楽しむ間もなく終わらせてやる」

 

セッテは腰の剣を取ってサードに切りかかった。サードは雷属性を付与した魔力弾を数発放つ。セッテは剣でそれを全て切り落とすそれと同時にもう一本の剣を抜き、サードに投げた。

 

「ふんっ!」

 

サードは槍を振って剣を弾いた。その瞬間。セッテがISを発動させた。

 

「ブーメランブレード」

 

2本の剣は分裂し、4本の短剣となってセッテのISで自在に飛び回る。

 

「チッ!」

 

サードは空中に逃げた。ブーメランはそれを追っていく。

 

「サンダーフォール!」

 

ブーメランがサードに追いつく前にセッテを狙ってサンダーフォールが落とされた。

 

「ブーメランブレード!!」

 

セッテはよけようとせず、ISを発動させた。腕の刃と肩の刃が起動し、セッテの前に飛んだ。使い方が違うだけでこの三本も先ほど飛ばした四本の刃と形状が同じだ。

 

三本の刃は持ち手の部分を重ねて回転し、円盤状を保つように回転を続けた。それが盾となり、セッテを守った。

 

「クアッドブーメラン!」

 

サードに迫っていたブーメランがセッテを守ったように合体し、今度は巨大なブーメランとなってサードを襲った。

 

「くっ!」

 

スピードと威力が4倍になったブーメランは先ほどのように簡単にはじけず、サードは槍で防ぐも防ぎきれずに吹っ飛んだ。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

セッテは先ほど盾にした刃を腕の装備に戻し、それを構えて吹っ飛んだサードに向かって突進する。サードは得意の高速移動で避けようとしたが、魔力断裂弾の影響もあり、うまく魔力を運用できなかった。

 

「しまっ…」

 

「双刃砕鋸!!」

 

サードはセッテに砕かれるような削られるような攻撃を受け、魔力ダメージでノックダウンされた。

 

「……ふぅ。オットー!ノーヴェ!ディード!!」

 

 

 

続く

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