Lostbelt No.EX-異聞統合封土ガイア-地に落ちた林檎 作:飴玉鉛
「ど、どうぞ……粗茶ですが」
「忝ない」
士郎から差し出された茶を、セイバーは自然に受け取った。
世間一般の武士というもののイメージを具現化したような老人である。士郎はなんとも言えない緊張感を覚え、居心地悪そうに肩肘を張っていた。
当然と言えば当然だろう。何せセイバーはあの柳生宗矩である。彼は活人剣の開祖であり、宗矩の著した兵法家伝書の一節『一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。しかるに、一人の悪をころして万人をいかす。是等誠に、人をころす刀は、人を生かすつるぎなるべきにや』という言葉は、あの赤い外套の弓兵を想わせるものだ。士郎が兵法家伝書を知らずとも、その思想を体現する宗矩の醸す空気感――鋼鉄でありながら柳の如き存在感は重苦しく感じられた。
彼がその気になれば、一息に首を刎ねられる。それだけの力の差を感じた。あの宮本武蔵とも並び称される、日の本の史上に於いて無双を謳われる剣士の風格は、まだ未熟な士郎には大き過ぎる。
――場は新都より移って衛宮邸である。
武家屋敷のような衛宮邸に、初めて訪れたはずの宗矩が最も馴染んでいるのもおかしな話だが、彼の纏う『和』の空気は調和を齎し、同時に場の空気を引き締めてもいた。
宗矩がいる所に白野在り。彼はライダー・アルトリアの隣に配置され、宗矩は凛と士郎に挟まれている。凛の隣には桜、その隣に白野、アルトリアと続いている形だ。
「――なんだか上手く乗せられたわね」
苦々しく言ったのは凛だ。桜の肩越しに睨みつけられた白野は、明らかにリラックスして肩から力を抜いていた。まるで身内に囲まれた時のような安心感すら懐いていそうである。
茶を啜った白野は、のんびりとした調子で茶碗を置く。そうしながら桜に向けて礼を言った。
「桜さん……いや、馴れ馴れしいな。間桐さん、ご馳走様です」
「あ、はい。……お粗末様です?」
「遠坂。早速だけど話を詰めたい。慎二も、士郎さんもいいかな?」
「……俺はいいぞ。そういうのは慎二と遠坂に任せる。気になった事があれば口を挟ませてもらうけどな」
「私もいいけど……ねえ、岸波くんだっけ? あなた、あからさまに私と桜への態度が違うのはなんでなのよ? 衛宮くんに至っては『さん』付けだし」
テーブルの真ん中に置かれている携帯電話の向こう側に間桐慎二がいる。その慎二は名前で呼び捨てで、凛は苗字だ。桜にも妙に距離感が近い。もやっとするものを感じた凛が突っ込んだ。
すると白野は虚を突かれたような顔をした後、苦笑しながら頬を掻いた。
「あー……それについては、オレの話をしないといけないんだけど。……まあいいか、どのみち話しておいた方が話も進ませ易い。信じられないかもしれないけど、本当の話だと思って聞いてほしい」
まず自分がアムネジア・シンドロームという病気に罹っていたこと。それにより記憶がほとんど無く、自分の名前ぐらいしかはっきりしないこと。だというのに、まるで自分じゃない自分がもう一人、
その
遠坂凛や間桐慎二、間桐桜に関しては自分の世界で知己があったような気がする。衛宮士郎は自分の恩人であるから、例え自分が知っているものより十歳以上若くても丁寧に接したいこと。
あと桜だけは絶対怒らせたくない。現状で把握している自身の背景について白野は語った。
「……衛宮くんが十歳以上若い? ってことはアーチャーみたいな外見ってことよね。なのにどうして衛宮くんとアーチャーを結びつけて判断できたの?」
凛から見て英霊エミヤと衛宮士郎は似ていない。だからそう問いかけたのだが、白野からしてみるととても似ていると感じていた。中身の話ではなく、容姿としてだ。
身長は全然違うが、顔立ちとか眉毛とか。知っていれば確かに同じ顔だと判別が付く。凛や士郎が最初にエミヤを見た時、両者を結びつけて見られなかったのは、まさか未来で士郎が英霊になっているだなんて想像もできなかったからであり、エミヤという印象が独立してしまったからではないだろうか、と白野は思う。事実はどうあれ、とうの士郎は面白くなさそうに凛へ言った。
「遠坂、あまりそこには触れないでくれ。俺が将来アイツみたいになるとか考えたくもないぞ」
「あ、ごめん。けどそれだと岸波くん、あなたは私達より未来から来た人間ってことになるわ。平行世界だとかそういう次元を超えてる。それはどういう事なのか説明できる?」
『そんなのどうでもいいだろ。まだ聖杯戦争未経験の執行者サマがいるのを忘れたのかよ。大体記憶が曖昧とか言ってる奴にそんな質問して、素直にこう思いますだなんて答えられると思ってんの?』
「うぐっ……」
ケータイから慎二の声がする。凛はどうにも、異聞聖杯戦争が始まって以降の慎二が苦手だ。まるで人が変わったかのように鋭いのだ、やり辛いったらない。……後。慎二が凛をやり込めるのを見る度に、桜が楽しそうにしているのがどうにも気になる。
『悪いんだけどさ、僕は遠坂みたいに脇道に逸れて話をしてやるほど気が長くないんだ。本来僕とオマエは敵同士だし、戦いの趣旨的にも相容れないはずだろ。なのになんのつもりで同盟を組みたいなんて言い出したのか、全部話してもらわないとこっちとしても頷けないね』
「………」
『……なんだよ。僕からはそっちの状況は分からないんだ、黙ってないでなんとか言えよ』
「ああ……そのつもりだ。けど……なんか懐かしいのに、どうにも違和感があるなぁって」
『はあ?』
「ごめん、こっちの話だよ。それより本題に入って同盟を固めたいのは俺も同じだ。その後に今後どうするかについて話し合いたい。ひと先ずそういう流れでいいかな?」
その場の全員の顔を見渡し、特に異論がないのを確かめた白野は話し出す。
落ち着いた声音だ。どこか場を呑む風格すら感じる。その佇まいに王であるアルトリアは感嘆の念を覚えつつも耳を傾けた。
「――まず異聞聖杯戦争。これについての説明は?」
『要らない。それは全部僕から話してある』
「了解。なら基本的にオレ達は不倶戴天の敵同士だって認識になってる筈だ。慎二を除いたマスターだってそう考えてると思う。……でもオレは違う。このルールには穴があるんだ」
『……なんだって? なんだよそれ、勿体ぶらず教えてくれるんだろうな』
白野の言葉に、アルトリアを除いて最も危機意識の高い、暗示に掛かっている慎二が反駁する。
ルールに穴。そんなものが本当にあるのか? 慎二だって何度も考え、穴なんか無いと判断したから今の体制を取ったのだ。穴があると言うなら是が非でも聞き出し、検証しないといけなかった。
「勿論。正確にはルールじゃなくて……そうだな、戦争の仕組みそのものだ。いいか、皆。ガイアの最終目的だとかはこの際置いといて、考えてもみてほしい。遠坂あたりならピンと来ると思うんだけど、オレ達の世界は全部で七つ横並びにされて、生存競争をさせられてる。そしてこの七つの世界は星の内海にあるんだよ」
「………あ。もしかして、
「うん。本来交わるはずのない平行世界がかなり近くにあるって状態なんだ。で、七つの世界はガイアの胸先三寸で何時でも消せてしまえるんだけど、この世界の構造こそがオレからしたら穴になる」
「……どういうことだ?」
士郎が首を傾げると、白野はその顔を真っ直ぐに見た。
「士郎さん。貴方だったら自分の世界の為に、他六つの世界を全部切り捨ててしまっても良心は痛まない?」
「……いや。助けられるなら、助けたいとは思う。正直話が大きすぎて実感は湧かないけどな。あとその士郎さんっていうのはやめてくれないか? 背中がむず痒くなって仕方ない」
「じゃあ……士郎先輩?」
「……それもなんだか嫌だな」
「あの……つまり岸波くんは、何が言いたいの?」
慎二の苛ついてる雰囲気をケータイ越しに感じた桜が声を発する。すると白野はあからさまに背筋を正した。桜はその様に苦笑してしまう。同年代の少年に畏まられるのに慣れていないのだ。
「オレがこの異聞聖杯戦争に勝てたら。オレが勝てなくてもライダー……慎二の陣営が勝ったら聖杯に願ってほしいことがある。遠坂は察しが付いたかもだけど、それは
『……ガイア。つまり運営との交渉権だって? そんなものを手に入れて何が……ああ、なるほどね。それなら確かに僕らにも旨味がある』
「ちょっと待ってくれ。俺はまだ理解できてないぞ。きちんと最後まで話してくれ」
「世界の仕組みが横並びになってるって事は、明白に
「……すまん、そうしたら大変な事になるのはなんとなく分かるが、ガイアって奴にとってそれをするメリットが思いつかないぞ」
白野の言う目的は、凛と慎二に一定の理解を示させるものらしい。だが士郎と桜には今一ピンと来ない目的だった。納得していない様子の士郎に、白野は簡単に言った。
「ガイアのメリットならあるんだよ、士郎先輩。だってガイアは2000回以上も七つの世界で異聞聖杯戦争をしてる。いい加減手に入るデータとかいうのも似たり寄ったりになってるはずだ。だから新しい形態に変化させて、別の角度からのデータを手に入れられるなら、ガイアも聞く耳を持つとオレは思う。ガイアにも許容できない願い――自分の目的にそぐわない願いはあるはずだろうけど、交渉という形に持っていけたら無理な願いを省いて話を進められるんだ」
「二つの世界を、一つに重ねる……そんなことをしたら、その世界はとても大変な騒ぎになるんじゃないですか……? それこそ神秘の秘匿だって……」
「騒ぎにはなるね。けど間桐さん、世界が滅んじゃうよりはよっぽどマシだと思わないか? しかもそんな事になったら異聞聖杯戦争の事も隠し通せないけど、裏返せば二つの世界分の頭で、皆で問題に挑める事になる。その混乱を纏めるのは偉い人達の仕事だろう? 何もオレ達が全部を解決する必要なんかないんだ。急場を凌げたら後の仕事は丸投げでいいと思う。……どうかな?」
『……なるほどね。けどガイアがこの話を呑まなかったら? 交渉できたとしても上手く纏められる保障なんかないんだぜ? そこはどうするんだよ』
「まず前提として、オレは今回の勝ちを同盟相手に譲ろうと思ってる。オレと慎二が最後まで残った陣営になれば、オレはセイバーに自害を命じる。もちろんセイバーも納得してる話だ」
「サーヴァントを……自害させるですって?」
「そうだ」
『だから交渉が没になっても、主導権は僕らにあるって言いたいわけだ。ハ、悪いけど信用ならないね。オマエもそんな話で納得させられるとは思ってないだろ。どう僕らを信用させるつもりなんだ』
「オレの傍に、常に遠坂か士郎先輩を置いとけばいい。怪しい動きを見せたら即座に殺してくれて結構だ。……こう言えば、オレの言いたい事は解るよな」
『ライダーが消えて、セイバーが残っても、最後に願いを叶える権利はこっちが握れる……ってことか?』
「その通り。何せ慎二は現地のマスターだ。他のマスターはサーヴァントが消えたら元の世界に送還されるけど、慎二だけはそうはならない。謂わば慎二だけの強みなんだよ、
白野が言い切ると、場には沈黙が落ちた。
自分を殺したらいいと簡単に言ってのける白野は、どこか超然とした雰囲気を感じさせる。
淡々と自身にとっての最善の手を打つ様は、まるで王のようですらあった。
凛は、必要に迫られたら、殺せる。凛にとっては、この神秘の秘匿に関する問題を有耶無耶にできるメリットもあるし、合理的にものを見て非情な決断を下せるだろう。だが士郎には無理だ。
罪もない人を殺せるほど、士郎はまだ鉄心に徹せられない。凛も士郎に手を下させるつもりはなかった。故にその役目は凛が負うことになるのだろう。しかしそうなったら……。
『――話は分かった。遠坂も、衛宮も理解できたよな?』
慎二が確認すると、二人は曖昧に返事をした。
『桜。そういうわけだから、オマエが遠坂に代わってライダーへの魔力供給を担当してくれ』
「え……? わ、私が、ですか……?」
『岸波の監視役は遠坂が適任だ。衛宮は論外だからな。となるとオマエしかいないって話だよ。いい加減衛宮も察しが付いてるだろうけど、桜は間桐の正統な後継者だ。サーヴァントへの魔力供給ぐらい簡単に出来る。いいからやってくれ』
「………」
士郎も莫迦ではない。この期に及んで桜が魔術も知らない一般人だとは思っていなかった。
それでも複雑な気持ちになる。桜だってこういう事態になって覚悟はしていたが、知られたくないという思いはあった。勿論、慎二だって本当なら巻き込みたくはなかった。
『……桜。頼む。何度も世話になっといてアレだけどさ……もう一度、今回だけ助けてくれ』
「兄さん……」
『交換条件ってわけじゃないけど、全部が終わったらさ……その、なんだ。桜のこと、
「え? …………それって」
罪悪感はある。これから罪滅ぼしをしていけたらいいなって、慎二は思っていたというのに、更に頼ることになるのは不本意だった。だがそうしないといけない。いけないから……せめて
しかし、桜にとっては魅力的な対価に思えたのだろう。ちらりと凛を一瞥して、それから士郎を見た。二人が頭に疑問符を浮かべるのを尻目に、桜は意を決したように応答する。
「……わかりました。私なんかでよければ、セイバーさん……じゃなくてライダーさんへの魔力供給をさせてもらいます。その代わり、今の話を忘れないでくださいね、兄さん」
『忘れないよ。桜と衛宮には積もる話もあるだろうし、早速二人で話しときなよ。今まで黙ってたこととか、桜から全部話しちまえ。話し辛いだろうから二人きりでさ』
「はいっ。先輩、ちょっとこっちに来てくださいっ」
「え? あ、あぁ……」
「ちょっと! まだ大事な話の途中なんだけど!?」
『バカ二人はほっとけよ。遠坂は抜けちゃ駄目だぜ? 大事な話の途中なんだからな』
鈍い士郎と凛はまだ分かっていないだろうが、慎二は桜の想いぐらい解っている。故に容易く桜に好機を作るぐらいはできた。
桜に腕を取られ退室させられていく士郎を凛は本能的に止めようとする。だがそれも制止されて、彼女はなんとも言えない危機感のようなものを覚えた。
このままじゃいけない。そう思っても、止めることはできなかった。
そんな有様を見て、白野はなんとなく察する。
(あぁ……なるほど。こっちの桜は士郎さんが好きなんだな。……
頭を振る。振って、白野は慎二に確認を取った。
「――同盟成立、って事でいいんだな、慎二」
『ああ、今のところはね。握手はしてやれないけど、ご破算になるまではよろしくしてやるよ、馴れ馴れしい異世界人』
正式に同盟が締結される。サーヴァント二騎の陣営、それは強力な戦闘力を発揮するだろう。
だが――まだ足りない。
白野は可能な限り急いだ。急いで同盟相手を見つけた。
だがそれでも遅すぎたのだと白野は感じている。
この遅れをどう取り戻すかが今後の課題だろう。
今は手持ちの情報を交換し、認識を擦り合わせ、作戦と方針を立てる。それからだ。全ては。
† † † † † † † †
自らの分身とも言えるサーヴァントが負傷した。
その報告に、衛宮切嗣は背筋にひやりとしたものが伝うのを感じる。
『マズいな』
(ああ……マズい)
アサシンが念話で言うのに、切嗣は同意する。
彼がどう動き、どのような判断で事を起こしたのかは知っている。
見つかるはずがない。気づかれても撤退するまでの経路を辿られるとは思っていなかった。
であるのに、狙撃された。それが意味するのは、
(僕の思考パターン、暗殺者の行動原理を知悉した敵が居る。なのにアサシンを負傷させた一射だけで、追撃もなく見逃したという事は……殺ろうと思えばいつでも殺れると思っているか――)
『――それを含めて僕を泳がせていれば、それだけ都合が良いように盤面が廻ると計算しているか、だ。傷の具合からして、数日僕が動けなければ良いとも判断している』
(アサシンが撹乱していたのは計算通り、これからも頑張ってくれ、ただし自分の思い通りになる範囲で、というオーダーが入ってるわけか。……舐められたな、僕も、お前も)
『だが実際に思考も行動も読まれた。これは暗殺者として致命的だろう。どうする?
(………)
切嗣は調達してきた双眼鏡を覗く。
そこから視えるものを確認した切嗣は、不敵に笑った。
彼もこれまでただ潜んでいた訳ではない。少しずつ道具を調達し、装備を整えている。
常に周囲を警戒し、情報収集は可能な限り行なっていた。
故に、それは必然だった。深山町の民家に隠れ潜む切嗣は、見つけていたのである。
(――携帯電話)
『なに?』
(現地のマスターは、協力者を前面に出し、自らは引き篭もっている。連絡手段は携帯電話で行なっている可能性が高い)
民家に入っていく姿を確認したきり、部屋のカーテンを閉め切って、出て来る気配がない。
故に切嗣はそう判断していた。彼は
当然、現地の時代、文明レベルも調査済みだった。
(サーヴァントと行動を共にしている現地人が、携帯電話を持っていたら教えてくれ。傷が癒えるまで表立ってはお前も動けないが、僕の眼になるぐらいはできるだろう?)
『……なるほど。
(いいや)
この時、はじめて切嗣とアサシンの意見が割れた。それは辿った人生、積んだ経験の差がそうさせたのだろう。切嗣はここで、勝負に出る決断を下したのだ。
アサシンは最も脅威度の高い槍兵の始末の算段を立てたというのに、切嗣は別の敵を見ていたのである。その敵とは、
(――ぶつけるのは
『なんだって? ……なぜだ。キャスターは僕にとってカモだぞ、寧ろ最後まで残していた方がやり易くはならないか?』
当然の判断を下しているアサシンに、マスターは言う。それは、あくまで仕事と割り切っているアサシンとは違い、絶対に勝つという強い意思がある故の選択である。
(違うな。僕を含めたマスターにとって最も恐ろしいのはアーチャーとキャスターだ。ランサーなんかじゃない。アーチャーはアサシンを負傷させた手際から見て、絶好の好機が来ない限りまず終盤までは姿を隠してるはずだ。でないとアサシンを脱落させなかった意味がないだろう。となると中盤から終盤に掛けて一番力を付けてくる
『……いいだろう。だがランサーはどうする?』
(問題ない。
『………』
暫しの沈黙を挟み、アサシンも切嗣の意図を汲んだのだろう。
機械的に彼は了承した。
『了解。アンタの指示に従おう。確認するが、僕が今するのは情報収集のみでいいんだな?』
(ああ。――アサシンの傷が癒えるまでは、
思考を読まれているのなら。読まれているなりに、冷静に対処する。
例えどれほどの窮地に陥ろうと、全盛期以上の精神強度を獲得している切嗣に
絶体絶命の死地など何度も乗り越えてきた。今回も乗り越える。それだけの話だった。
――汎人類史にて。魔術使いの傭兵の業界で、伝説的な知名度を誇るに至った魔術師殺しは今、明白に全盛期を超えようとしていた。全ては、世界を救う為。
アサシンは感情など捨て去ったはずなのに、どうにももう一人の自分に対しては神経がざわめく。多分、嫉妬の気持ちが湧いているのかもしれないなと、彼は自嘲も込め皮肉げに吐き捨てた。
『
感想評価等よろしくお願いします。
勝者予想アンケ第3弾!
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