ふたりはプリキュア Origins Light   作:シン・ナス

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黒歴史は排除したので新しく転生しようと思います。あ、マックスハートの後の話です。


プロローグ 星の園

「逃げるんだッ!」

 

 星の園の妖精たちは迫り来る闇から逃れるように逃げていた。

 

「逃げても無駄だ。壊してしまえ、クライナーッ!」

 

 牙を持ち妙に悪い目つきをした、侵略者の幹部らしき者が出すクライナーと呼ばれる黒い影の怪物が妖精たちを追い回す。

 

 おしまいだとしゃがみこむ妖精。少しでも生き延びようと闇と反対方向に逃げる妖精。だがどんなことをしようと、闇に溶かされていくのは変わらなかった。

 

「きゃッ……」

 

 ある妖精が転び、闇に襲われそうになった瞬間だった。

 

「だぁーッ!」

 

「はぁーッ!」

 

 どこからともなくその拳と脚は飛んできて、クライナーを吹き飛ばしたのだ。

 

「大丈夫?」

 

 黒い服を身に纏った、茶色の髪を持つ少女だった。

 

「ここからできるだけ遠くに逃げるのよ」

 

 白い服に身を纏った、黒い髪を持つ少女だった。

 

「あなた方は……」

 

 星の園の空気が変わった。

 

 侵略者たちは思わず目を見開いた。

 

 妖精たちは涙ぐんで少女たちを見た。

 

 それらの理由は明白であった。

 

「光の使者、キュアブラック!」

 

「光の使者、キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!」」

 

「闇の力の僕たちよ!」

 

「とっととおウチに、帰りなさいッ!」

 

 そのふたりは、闇を祓う伝説の光の戦士、プリキュアなのだから。

 

「まさか……始まりの戦士? それとも、ジャアクキングを処断した戦士……? いや、まさかな。やってしまえッ!」

 

 侵略者の幹部の一人が指示すると、クライナーたちが一斉にふたりに襲いかかる。

 

「行くよホワイト」

 

「うん、ブラック」

 

 ふたりは全力ダッシュを始めると眼前の敵を次々に蹴散らす。

 

「ダダダダダダダァァァッ!!」

 

「ハァーッ、ヤァーッ!」

 

 物理的にパワーで殴るわ回転エネルギーを駆使して蹴りを繰り出すわで無双するふたり。

 

 立ちはだかる敵を全て粉砕すると、幹部を捕捉する。ブラックがさらに加速してホワイトから先行すると先ずは一撃、次に一撃。その間はまさに一瞬。恐らく一ミリ秒も無いだろう。

 

 ブラックが無言で後退すると、変わってホワイトが連続蹴りを始める。最後のひと蹴りでバック宙をし、上下が逆になった瞬間に幹部の腕を掴みそのまま、元の体制に戻る運動エネルギーを投げ技に昇華し、幹部は上へ吹き飛んだ。

 

「ホワイト、ナイス!」

 

「ブラックもね」

 

 お互い一声かけると、打ち上げられた敵幹部を見据える。

 

「よっし、いつもの行っときますか!」

 

 ブラックの右手とホワイトの左手がぎゅうっと握られ、其々開いた方の手を天に掲げる。

 

「ブラックサンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

 ブラックとホワイトの手に稲妻が落ち、ふたりは虹色の輝きを放つ。

 

「プリキュアの美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

 手の平を前に突き出し、稲妻がスパークし始めた。

 

「「プリキュア・マーブルスクリュー……」」

 

「フッ!」

 

「はッ!」

 

 その手を一度後ろに下げリチャージを行う。

 

「「マックスーッ!」」

 

 次の瞬間、黒と白の光線が混じり合い幹部に超高速で近づく。幹部は避けるそぶりを見せず防御の態勢をとり、光の奔流に飲み込まれた。

 

「ホワイト、今日はなんだかパワーがすごかったミポ?」

 

「なんでかしら、久しぶりな気がしてちょっとハッスルしちゃったわ」

 

 ホワイトの腰のケースから出ている声はホワイトの相棒の光の園の妖精、ミップルだ。

 

「ブラック、どうしたメポ?」

 

 ブラックの妖精メップルはブラックが少し考えているのを見て尋ねた。

 

「なーんかおかしいわねぇ」

 

「なにが?」

 

「手応えがないって言うか……」

 

「ぶ、ブラック! う、後ろメポ!」

 

 すると、メップルは何かに気づいて慌ててブラックには警告する。

 

「え……」

 

 倒したはずの敵幹部の脚がブラックを捉えていたのだ。

 

「遅いわ!」

 

 間に合わない、防御の態勢を取ろうとした瞬間だった。

 

「ルミナス・ハーティエルアンクション!」

 

 幹部の脚とブラックの肌の僅かな隙間に光の壁が形成されたのだ。

 

「なに⁈」

 

 幹部は驚きを隠せ無かった。対照的にブラックはその壁の技の発動主を直感して満面の笑みを浮かべた。

 

「ルミナス!」

 

「間に合って良かったです!」

 

 三人目の戦士、シャイニールミナスだ。

 

 ホワイトが二人に駆け寄る。

 

「少し遅かったじゃない。どうしたの?」

 

 ホワイトがルミナスに尋ねるとルミナスは困ったような表情をして答える。

 

「星の園が助けを呼んでるから三人で行こうとしたら、わたしだけなぜか入れなくって……」

 

「四苦八苦してたポポ……」

 

 ルミナスの妖精ポルンもルミナスと同じような反応をしていた。

 

 敵の幹部がルミナスを見て目を見開いた。

 

「シャイニールミナス⁈なぜ光の園のクイーンの核がここに……」

 

 心底困惑している様子だったが、幹部は再び構えた。

 

 と、次の瞬間だった。

 

『そこまでだ、ヤミコト』

 

 女性の声だった。

 

「なぜです女王陛下⁈」

 

 女王陛下と呼ばれた女性はホログラムでそこに立っていた。

 

『私に意見するでない。まぁしかしな、理由がなければ納得せぬのがお前であるが故、教えてやろう。帰ってきたらな』

 

 ヤミコトと呼ばれた幹部はどこか腑に落ちない様子だが頷いた。

 

「は、仰せのままに」

 

 ヤミコトはその場から消えてしまった。

 

『さて、光の園の戦士よ。そなたらには退場していただく』

 

「何ですって⁈」

 

 三人はとっさに身構える。

 

『なに、殺そうと言う訳ではない。ただ過去に送り返すだけよ。記憶を封じた上で、な?』

 

「過去ってどういう……キャアッ⁈」

 

 ホワイトが尋ねようとすると三人の足元に突然穴が現れて飲み込まれてしまった。

 

『ふん。星の園の連中も面倒なことをしよって。過去から人を連れてくればややこしくなるだけだと言うのに。それとも、アレか。学習せんだけか? 思考する場所には光しか詰まっていないヤツというのは困るもの……む、喋りすぎたか』

 

 言いたいことだけ言ってから女王はふわっと消えた。

 

「行ったロプ?」

 

「行ってしまったラプね」

 

 妖精の城の最深部で隠れていたふたりの妖精がひょっこり顔を出す。

 

「始まりの戦士を見つけないとロプ。ラップル?」

 

「そうラプね、ロップル。人間の世界に、光の中の星の力を持つ少女と、光の中の闇の力を持つ少女がいて、そのふたりが始まりの戦士だ、という伝説を信じるしかないラプ」

 

「そうと決まれば早速GO! ロプ!」

 

「あんまり焦ったら見つかるものも見つからないラプよ!」

 

 ロップルとラップルは光の球体となってふわふわと旅立っていった。

 

 




次回はいつかわかりません。
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