雄英の入学試験に遅刻したのですよぉぉ!orz 作:十六夜冬歌・読9書1
「必要書類よし、筆記具よし、運動着と各種アイテムよし。それじゃあ行ってきますなのですよ」
持っていく荷物のチェックを終え、いつも通りの大荷物になったバックパックを背負い机の上に置かれた写真立てに写る両親に声をかけて最近住み始めたばかりの家を出た。
あ、別に両親が死んでるとかでは無いので安心して欲しいのですよ。
むしろ今も世界中を飛び回って変なお土産を送ってくるくらいには元気いっぱいの自慢の家族なのですよ。
そして今日はあの雄英高校の入学試験の日、必ずやヒーロー科に入ってみせるのですよ!
ーーーーーーー
「んー、今日はこっちなのですよ」
今の家から雄英高校までのルートは電車で行くかバスで行くかの2つがあり、今日はなんとなくバスの方がいい気がしたので近場のバス停に向けて歩き出した。
「みんなー、お姉さんにおはようございますしよっかー」
「「「「お姉さんおはようございまーす!」」」」
「はーい、おはようなのですよー」
それから何事も無くバス停に着き、雄英高校方面のバスを待っていると引率の保母さんとちっちゃな子供達がやって来て朝の挨拶をされたので私もニッコリと笑みを浮かべて挨拶を返す。
「ねーねー、おねぇさんはどこいくのー?」
「私はですね〜、雄英高校に受験に行くのですよ〜」
「ゆーえいこーこー?」
「そうですよ〜。そして合格したらヒーロー科に入ってすっごいヒーローになるのですよ」
「「「「おねぇさんヒーローになるの!?」」」」
バスを待つのに飽きたのか話しかけてきた女の子の質問に答え、ヒーローになると言うと他のお喋りしていた子達もバッとこちらに顔を向けてキラキラとした尊敬を感じるような視線を向けられた。
そして次の瞬間には僕も私もと子供達が声を上げ、そこからそれぞれの個性の話に変わっていき、その矛先は当然のように私にも向いてーー
「なぁなぁ、ねえちゃんはどんな個性なんだ?」
「私の個性ですか〜?私の個性は『ふわふわ』なのですよ〜」
「ふわふわ?なんか弱そうな個性だな!そんな個性でヒーローになれるのかよ?おれの個性の方が絶対強いぞ!」
「ふふふ。別に弱くても問題ないのですよ。こうやって私の手が届く分をしっかりと守れればいいのですから」
「うわっ!?やーめーろー!はーなーせー!このおっぱい女ァ!」
ーーそんな事を言う小生意気な男の子をちょっとしたお仕置きも兼ねて思いっきり抱きしめてやったのですよ。
こういう子にはよく効くのですよねぇ、これ。
「ねぇ、きー君。そんなにおねぇさんのおっぱいがいいの?やっぱり男の子はおっきいのが好きなの…?」
「は、はぁ!?ちげえし!こんなのただの肉の塊だろ!好きでもなんでもねぇよ!」
「でもさっきおねぇさんのおっぱいに顔いれてうれしそうだったよね?ねぇ…?今もきー君……」
おぉっと、これ以上はヤバい気配がするのですよ!?
という訳で男の子を即リリースするのですよ。
「きー君を返してくれてありがとうおねぇさん。さぁきー君、私とお話しようねー」
「え、あっ、おい!引っ張るなって!?」
そしてすぐさま連れて行かれる小生意気な男の子(きー君)。
「いやぁ、最近の子は進んでるのですよ、ふぅ…」
さらばきー君、きっと君の将来はその女の子のおしりの下なのですよ。グッドラック。
まぁ、それはそれとして私がきー君を抱きしめたのを見た時から他の子達が順番待ちの様に並んでいるので1人ずつギューっと抱きしめてあげたのですよ。ギューっ。
「ふわふわしてる〜」
「私もおっきくなれるかな?」
「先生みたいに固くないね!」
「あ、僕知ってるよ!先生みたいにおっぱい無い人はまな板って言うんだってお父さんが言ってたよ!」
「先生はまな板なの〜?」
「ち、違うからね!?先生はまな板じゃないからね!ちゃんとあるから!!」
「でも先生はおねぇさんみたいにボインってしてないよ?ぺったんこだよ?先生の方が大人なのに」
「貧乳はステータスだから!希少価値だからァァァ!!」
お父さんは子どもに何を教えているのですよ!?
そして保母さん元気を出すのですよ。だからそんな恨めしそうに私の胸を凝視しないで欲しいのですよ。
え、無理?慰めよりも胸を寄越せと言われましてもこちらも無理なものは無理なのですよ!?
そんな少し悲しい出来事がありつつもバスが来るまであと10分という所でそれは起きた。
「せんせー、バスのうんてんしゅさん寝てるよー?」
不思議そうな声で保母さんに話しかけたのはさっきの個性の話の中で視力強化系の個性を持つ男の子。
その子は道の先を指差し、保母さんと私はそれに吊られるようにそちらを見てーー
「うわぁ…なのですよ…」
「きゃあああ!?」
ーーバスが猛スピードでこちらにまっすぐ突っ込んで来ようとしているのが見えたのですよ。
「み、みんな逃げて!?あなたも早く!」
目測であと20秒、これはもう避けてる暇は無いのですよ。
私一人なら問題なく避けれるのですが子供達もいるのに放って置くわけにはいかないのですよ。
「大丈夫なのですよ。でも危ないので子供達と一緒に下がっていて欲しいのですよ」
「あ…あなた何を…?」
「あれを止めるだけなのですよ」
残り10秒、さぁやるのですよー!
私の個性『ふわふわ』は触れた物を生物無機物問わず文字通りふわふわさせて、ふわふわしたものを操る事ができるという個性。
そして一言にふわふわと言っても柔らかいふわふわだったり浮かぶようなふわふわだったりと色んな種類があって、個性が出た初めの頃は『ふわふわ』とは?と悩んだものなのですが今日までの生活の中で問題なく使えるようになったのですよ。
「まずはエアクッションからの落とし穴」
まず私と暴走バスとの間の空気に触れて低反発枕みたいにふわふわさせてバスを包むように受け止めて一回目の減速。
次に地面に触れて人をダメにするソファのように地面をふわふわにする事でバスが地面に沈み込むようにハマっていき二回目の減速。
「とどめのバルーンタッチなのですよ!」
最後に眼前に迫ったバスの車体に直接触れ、バスを風船のようにふわふわと軽くさせて受け止める事で更に減速。
そして空気・地面・私の3つに前進を阻まれたバスは地面のふわふわを解除した事でピッタリと前半分が地面に埋まった状態で地面に固定されて停止した。
「ふぅ…、これでもう大丈夫なのですよ。あとはエンジンを切るだけなのですよ」
後ろでポカンとしている保母さんと子供達に安心するようにニッコリと笑いかけ、それから車体を地面に埋めながらも未だにタイヤを回し続けているバスを見る。
まずは男の子に寝ていると言われていた運転手なのだが外から見ても分かるレベルに顔色が悪くなっていてこれは即座に救急車案件だと判断。
次にバスに乗っていた乗客達だがこちらは見て分かるようなけが人はいなかったがそれでも身体を打ち付けたりしたのか何人かは顔を顰めていた。
「今からガラスをぶち破るので離れていて欲しいのですよ!!」
そんな中の人達に聞こえるように大声を出しフロントガラスの片側(運転手さんの居ない側)に持ってきていたテープを貼っていく。
これでそこまで破片は飛ばないのですよ。
そしてテープが貼り終わりフロントガラス近くから乗客が離れた事を確認した私はフロントガラスをぶち破る為に持ってきていた折りたたみ式スレッジハンマーを振りかぶりテープを貼り付けた場所に打ち付けようとした所でーー
「ちょっと待ったァァァ!?君なにしようとしてるの!?」
「えっ?」
ガッシャーンッ!!
「「あっ…」」
ーー私を止めようと走りよって来ていたピッチリボディスーツの金髪女性は1歩間に合わず私に手を伸ばした状態で固まってしまったのですよ。
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ボディスーツの女性は日本のヒーローでMt.レディというヒーローなのだと教えてもらったのですよ。
何故あの場所に来たのかと言えば当然ですが暴走バスの通報を受けたから。
そしてMt.レディは巨大化できる個性らしいのでその力で暴走バスを受け止めようとしていたそうなのですよ。
まぁその前に私が個性を使って受け止めてしまった訳ですけども。
それから更に少しして警察と救急車が到着。
Mt.レディや他にも駆けつけたヒーロー、警察、救命員の人達と協力し運転手さんは救急車に乗せられ救急搬送、乗客達も順次検査や事情聴取を受けて解放されていき、これで万事解決と思った私はというとーー
「えー、
ーー現在パトカーの中で絶賛取り調べ&お説教中なのですよ。
個性を使った事に加えてバスのフロントガラスをぶち破った事、他にもまぁ色々とお説教が増えていき・・・・・
AM.11:54
お説教が終わり解放された時にはとっくに受験受け付け時間どころか午前の筆記試験が終わっている予定の時間になっていたのですよ。
「雄英の入学試験に遅刻したのですよぉぉ!」
そして私のヒーローアカデミアは始まる前から終わってしまったのですよ……orz。
一話から警察のお世話になる主人公の簡単な容姿イメージ
ゆるふわ金髪
ヤオモモよりワンサイズ上のたわわ
身長150くらい
登山に行きそうなバックパック