伝説と呼ばれた義足   作:アストラッド

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 ヒロインがシノンの癖に出番すくなくね?と思ったら正解、俺もそう思う


アドレナリンVS毒の鮮鳥

 「あんた……緊張してるの?」

 

 俺は顔をあげると、そこにはシノンの顔があった。

どこか心配そうな、呆れてるようなその顔が気分が乗

らない俺に少しだけ元気をくれる。

 

 「少し、調子があがらねぇんだよ」

 

 「なにそれ?負けたらただじゃおかないからね」

 

 「わーってるよ」

 

 もうすぐ試合だ、立ち上がり体を解しておく。

電脳世界とかいえ、脳ミソからの信号で動かすのだ。

準備運動も無駄ではない、気休め程度だけど。

 

 「じゃ、言ってくるぜアミーゴ」

 

 「私、男じゃないけどね」

 

 「アモーレの方が良かったかい?」

 

 「あんたは調子に乗って……ほら、これあげる」

 

 「あ?こりゃ……」

 

 手渡されたのは、12.7mmのヘカートの弾丸をネッ

クレスの様にした物だった。俺は意味を察してそれを

首にかける、なかなかシンプルだがいけてやがる。

 

 「倒せたら返してやるよ」

 

 「待ってなさいよ、あんたを最初に倒すのは私。そ

  れ以外は絶対に許さないから」

 

 「了解だ、姉貴」

 

 そう言った瞬間、視界が切り替わる。待機場所に転

送された様だ……腰のホルスターにウイングマンを、右

手にピースキーパーを持って待機する。

 

 「さーて、対戦相手は……あいつだったな」

 

 カウントが0になる、戦場への転送が開始されまた

視界が移り変わる……そして俺は配信ボタンを押しなが

ら静かに呟く。

 

 

 「レディ?スタディ?ゴー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さーて、パーティーの始まりだな」

 

 あいつの事だ、目立つ場所で俺を待ってるに違い

ねぇ。それどころかこっちが見つけるまで攻撃して

こねぇ事もあり得る。

 

 

 「散歩と行こうか、勝手に待たせてやるよ」

 

 ステージを見ながら歩く、壊れたビルにひび割れ

たアスファルト、散らばったガラスにガソリンの漏

れた自動車。

 荒廃した世界って感じがプンプンして結構好きだ

、砂漠エリアは名残みてぇなもんが少ないからな。

 

 「オクちゃーん、ハロォ!!

 

 「……カナリアにでもなったか、くそ鳥」

 

 全壊した建物の瓦礫が山盛りになった場所、その

一番上にピトフーイはたっていた。それもRPGロケ

ットランチャーとM201A1を抱えてだ。

 

 「それで、事件の犯人については検討ついた?」

 

 「いや、この大会には出るだろうとおもってな。

  あんたは……ターゲットになりに来たか?」

 

 「うーん♪ご明察、だから私も本戦まではいきた

  いなぁ……ってさ」

 

 「自殺志願のアントワネットってか?動画のネタ

  にすらならねぇな」

 

 「同類の癖に♪」

 

 「てめぇと一緒にすんなっつーの。俺はスリルを

  求めてんだ、そしてお前はデッドオアアライブ

  を楽しみてぇんだ……取り返しがつくかを考え

  てるかないかの違いはでけぇぜ」

 

 「ふーん……じゃあ」

 

 ピンフーイ……ピトはロケットランチャー二丁を

俺ことオクタンに向かって投げつけた。イヤな予

感がした俺は、専用のホルダーから興奮剤を取り

出した。

 

 「デッドオアボンバー♪」

 

 「くそったれ!!」

 

 ストレージから取り出した銃を構えるピト、オ

クタンはその銃に見覚えがあった……馴染みの店

で並んでいた新作、ランページだった。

 胸に興奮剤のアンプルを射した瞬間、ピトがラ

ンページの引き金を引くのが見えた。奴はミサイ

ルランチャーを撃ち抜き爆発させる事で、オクタ

ンを倒そうと考えたのだ……勿論、数秒後には大

爆発がおき周辺を消し飛ばす。

 

 「あの改造屋、厄介な奴に厄介な銃を売ったも

  んだぜ全くよ!!」

 

 煙からオクタンが猛スピードで走り出てくる。

空になったアンプルを放り投げ、

 

 ー 興奮剤 ー

 

 一定のHPを使用して、スピードを1.5倍にする

薬物系のアイテム。オクタン作のオリジナルアイ

テムであり、運営からも許可を得ている。

 効果は重複せず、また効果時間もやく10秒前後

と短いがかなり効果的なアイテムである。

 

 「この銃、面白い機能があるんだよねぇ!!」

 

 円筒状の物体を取り出したピト、それをランペ

ージに装填しオクタンへと銃口を定める。

 

 「ハリーハリーハリー!!」

 

 「くそ鳥が!」

 

 恐ろしいほどの弾丸がオクタンの足元に土煙を

上がらせる。勿論、オクタンは猛スピードで一直

線に走り弾丸を回避し物陰へと移動した。

 

 「なんて奴だ、ありゃSTR要求値がバカたけぇ

  んじゃねぇのかよ!!」

 

 「どうしたのオクちゃーん!!早くやろうよ!

  どうせHPがなくなっても死なないんだから

  さぁ……早く真っ向からやろうよ」

 

 「テメェ……やっぱイカれてやがるよ」

 

 懐から取り出した手裏剣爆弾……アークスター

を右手で握りしめながら、オクタンは微かな怒り

に包まれていた。

 

 「ソードアート・オンライン……あんなにスリ

  ルのあるゲームをプレイ出来なかったなんて

  悔しすぎるもの」

 

 「そりゃ何度も聞いたぜ、カナリアの次はイン

  コにでもなったか?」

 

 「殺したかった、命のやり取りをしたかった。

  私の命を賭けに出して、最高のスリルを味わ

  いたいの!!分かるでしょ?オクタン」

 

 「チッ……全くわかんねぇな、ピトフーイ。

  俺はこのゲームを楽しむ為のスリルだ、テメ

  ェみてぇな命ポイポイ女と……一緒にすんな!」

 

 アークスターをピトめがけて投げつける。それ

と同時にピースキーパーを構え、突撃する。

 

 「テメェに構う暇はこの試合だけだ!速攻で終わ

  らせてやるよ!!」

 

 「しびれるぅ!で・も」

 

 ギリギリ爆発範囲に入っていたのか、ピトに放電

の様なエフェクトがまとわりついていた。

 その隙にピースキーパーの射程に入ったオクタン

は迷いなく銃口を向けた……瞬間、何かが真正面から

飛んできた。

 

 「?……なっ!?」

 

 それはランページ、ピトは近付けさせない様に得

物を自ら手放していたのだ……しかも、おまけ付きで

だ。

 

 「プラズマグレネード!?」

 

 「バイバイ、オクちゃん」 

 

 オクタンの視界は光に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やるねぇ、オクちゃん」

 

 肩にダメージエフェクトを輝かせたピトはそう

言いながら、爆心地よりも向こう側を見つめる。

 一方、オクタンは物陰で医療アンプルを打ち込

んでいた。

 

 「クソが!やっぱり狂ってやがるぜあいつ!

  ジャンプパッドで飛んでなきゃ終わってた

  ……あの近距離は自爆の距離だ」

 

 ギリギリでピトに当たらなかっただけで、もう

少し投げる位置が近ければピトの自爆で終わる所

だった。

 

 「肩に打ち込んでやったが、こいつはもう使い

  もんにならねぇな。あとは……取って置きと

  ナイフくれぇか、あのデカブツのドロップし

  か持ってきてねぇぞ」

 

 オクタンは肩を落としながら呟く、手にもった

ウイングマンは焦げており銃口付近はえらく変形

している。

 

 「ナイフで仕留められるか?グレは沢山あるが

  ……仕方ねぇ、出せる様にしとくか」

 

 メニューを操作しおえ、立ち上がるオクタン。

静かにピトの場所へと向かう彼とは裏腹に、配信

のコメント欄はせわしなく流れていく……。

 

 

 

 

 

 "超レア銃じゃねぇか!!"

 

 "配信じゃ使ってねぇよな……"

 

 "GGOに実装されてたのかよ!"

 

 "STR足りんのかよ……"

 

 "GGO壊れちゃうねぇ~"

 

 "リアルじゃ、肩外れる代物だろ?"

 

 

 

 「なんだリスナー……そうかい、じゃぁ止めに

  使ってやるよ。このゲームの1番バカな装備

  をよぉ!!」

 

 スリルを楽しみたい、興奮を味あわせたい、何

よりもあのクソ鳥のピトに一泡も二泡も吹かせて

やりたい。

 

 「見せてやるぜぇ、アイツにムカついてる奴も

  大勢いるだろ?今日は俺のアンチも楽しみに

  してな……スカッとさせてやるよぉ!!」

 

 走り出すオクタン、建物の影から猛スピードで

飛び出しビルの谷間を抜け、ナイフを持ったまま

ピトに正面から向かっていった。

 

 「銃なんて捨ててかかってこいよピト!」

 

 「乗ってあげるよオクタン!!」

 

 お互いが珍しく名前で呼び合う。オクタンは特

注のバタフライナイフを、ピトはフォトンソード

を手に持ち相手を挑発する。

 

 「そうこなくっちゃなぁ!!」

 

 「そのナイフ良いねぇ、つばぜり合いできるん

  だぁ……いくらしたの?」

 

 「装甲板を20枚分だよ!オラァ!!」

 

 「たっかいねぇ!!」

 

 火花が散り、視線は交わる。

特注のナイフはフォトンソードを受け止め、その

刃が溶ける事はなかった。しかし、押し退ける事

は出来ず状況は変化しない。

 

 だが、オクタンは何も考えていなかった訳では

ない……腰につけたフラググレネードを左手で掴み

、起動する。

 

 「スリルってのはな」

 

 「マジか……」

 

 「こうゆう事だぜ!!」

 

 コンマ数秒、オクタンは足の方へフラグを投げ

る。ピトとオクタンの2人は爆風で吹き飛ばされ

る……その最中もオクタンは忙しなくメニューを操

作し、準備を進める。

 

 「やるねオクちゃん!!」

 

 ピトは太ももに納めていたハンドガン、AM.45

を手に持った。両足は吹き飛んでおり、歩けはし

ないがそれはオクタンも同じ……ピトはそう考えて

いた、だから銃と体を自分の後ろに向けた。

 

 「これで終わらせようよ!」

 

 「あぁ、この1発だ」

 

 視界に映らないが声は上から聞こえる、ピトは

視線を勢いよく上へ動かす……そこには、超大型の

ライフルを構えた義足の無いオクタンがいた。

 

 Anzio 20mm

 

 アンチマテリアルライフルの中で1番の射程と

言われている伝説級のライフル。最大有効射程4.

5km、放物線をほぼ描かない威力、しかし最大

重量は脅威の60kg、撃てば肩が外れるほどの火力

……故に要求ステータスは意味不明なほど高い。

しかし、空中ならばそれも関係ない。

 

 「お前の好きな……」

 

 「さいっこう……」

 

 「レアモンだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お互いに引き金を引く、雷鳴に似た銃声の後に

何かが落ちる音と衝撃が響く。

 

 「いてぇ……あの女、今度会ったら覚えてろ」

 

 ボロボロのオクタン、そして上半身が吹き飛ん

だピトのアバター。オクタンはアンツィオを隣に

投げ配信を見ているフォロワーに宣言する。

 

 「俺の勝ちだ!楽しかったか?」

 

 後に配信を見ていたシノンは語る。

 

 「認めたくないけど、最高の勝ち方だったわよ

  ……無駄は多かったけどね」

 

 オクタンは少し疲れた表情で、配信画面を切り

替え待機場所に転送されるのだった。

 

 

 




 なんかよくわからんくなったけど、
私はアンツィオがスゲー好きなんだよね。
楽しめたら幸いです。


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