東方銀腕録   作:カンパネラ35

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最近忙しすぎてやばすぎる小説を書きたくても書く暇がないそんな状態になってしまっています。ですが合間合間になんとか書いていきたいそんなところでございます。ところで皆さん、型月で好きなキャラって誰ですかね。私は元々女の子キャラが可愛いって理由で見たりやり始めたんですけど気付けば好きなキャラはエミヤ、アンデルセン、ベディ、黒桐くんと男キャラまみれになってしまいました。皆さんの中にもそんな人いませんかね?


第二話 地底

side さとり

 

今日もいつものように書類仕事に明け暮れていた。私の名前は古明地さとり幻想郷の中でも厄介なもの達が押し込められている場所『地底』の管理をしている妖怪である。かくいう私も覚妖怪という心を読むことができる種族であり地上でもさらには地底でも大抵の者たちには忌み嫌われている。…一体私は誰に対してこの説明をしているのかしら?私以外に心を読めるものなどいないというのに。少し疲れているのかしら…。とりあえず私は休憩がてらこの地底の中央に佇む屋敷『地霊殿』を歩き回ることにした。私の心の読める範囲は自分で決められるわけではなく範囲内に存在するもの全ての心の声が勝手に聞こえてくる。故に私は嫌われる。人も妖怪も探られたくない腹はあるものだから。だからこの地霊殿には私と妹の『こいし』とペット達が住んでいるだけである。そのペット達の中でも力を持ち人の姿をとれるのが『霊烏路空』こと『お空』と『火焔猫燐』こと『お燐』である。この二人には旧灼熱地獄の管理を任せており地獄烏であるお空には温度調節を火車であるお燐には怨霊の管理と死体運び(死体は灼熱地獄の温度調節に使われる)を任せている。なので息抜きのための散歩といいつつこれも仕事の一環なのである。歩き回るだけで何か問題があればこの第三の目が教えてくれるのだから。そして少し歩いた頃急に多くの心の声が聞こえて来た。どうやらペット達が一箇所に集まり何かを見ているようである。場所は中庭のようだ。心の声が多すぎて聞き取りにくいが断片的に『人間』という言葉が聞こえて来る。どうやら中庭の方に人間がいるようである。先ほども言ったがここには人間などいるはずがない。少し面倒なことになりそうだと思いながらも私は中庭に足を進めた。

 

side out

 

———

 

side 燐

 

あたいとお空が灼熱地獄の管理にひと段落つけて屋敷の中に戻ろうとするとその途中に一人の人間が倒れてた。あたいは途中で死体を落っことしたかと思い近づくとどうやら違うみたいだ。だってその人は一度見たら絶対に忘れられないような特徴的な見た目をしていたから。その人の見た目はよく本とかに出てくるような騎士そのもの。綺麗な銀髪に西洋の鎧にマントをつけて腰には剣をつけている。そして一番目を引くのはなんといってもその右腕だった。彼が彼女か分からないがその右腕は———銀の腕。義手であることは分かる。あたいはその右腕に目を奪われた。それはお空も一緒であったらしく目を丸くしてその人を見つめている。あたい達が近寄って行ったのを見てか他のペット達もいつのまにか近くに来ており周囲を取り囲んでいた。

 

「ねぇ、お燐この人誰かな?」

 

あたいは分からないと答える。だが一つだけ確かに分かるのはこの人が幻想郷の人ではないということだけ。確実に外来人である。だが何人か外来人と話したことがあり外の話を聞かせてもらったことがあるがその話とこの人の見た目はあまりにもかけ離れすぎている。とりあえずはさとり様に相談しなくちゃそう考えた時だった。

 

「何事ですか。」

 

side out

 

———

 

「さとり様。」

 

さとりが声をかけると全てのペットの視線がさとりに向かう。

 

「とりあえず、お燐とお空だけこの場に残って他の子達は別の場所に行っていてちょうだい。心の声が多過ぎて何にも聞こえないわ。」

 

さとりがそういうと集まっていたペット達は各々散らばっていく。そして最終的にはお燐とお空とさとりと倒れている人だけが中庭に残った。

 

「…なるほど。大体状況はわかりました。」

「どうしますかさとり様?」

「…そうですね。とりあえずは起こしてみないことには分からないでしょう。」

 

さとりはゆっくりと倒れている人物に近づいていきその肩を掴み軽く揺らす。するとその人は、少しの呻き声を上げゆっくりと目を開いた。

 

———

 

side ベディ

 

軽い揺れを感じ目を開ける。そして目を開き思考が安定してくると最初に浮かんできたのは「何故?」であった。私は確かに聖剣を返還し消えたはずなのに、と。そんな私の目にまず飛び込んできたのは目のついた球体を体に纏う桃色の髪をした少女の顔。そして少し他に目を向けると覗き込むようにこちらを見る黒髪で右腕に棒と背中に羽を生やした少女と赤い髪に猫の耳と尻尾を持った少女がいた。私は混乱したこれは一体どういった状況なのかと。

 

「…えっ。」

 

桃色の髪の少女が声を上げる。どうやら何かに驚いたようでこちらを見て驚愕の表情を浮かべている。とりあえずは彼女達に話を聞いてみるしかなさそうである。私はとりあえず()()を付き立ち上がる。そこで私は驚愕した自らの右腕を見て。そこには未だ銀の腕(アガートラム)が存在していた。

 

「おっと、それ以上考えてはいけないよ。」

 

その声にその場にいた私を含めた全ての者が声の出所を探る。だが私だけは声の主が誰なのかを分かっていた。あの男がいるのならば聞かなければならないこの腕のことを。

 

side out

 

「こっちだよ。」

 

全員が再び聞こえた声の方向に目を向ける。そこには白いローブを見にまとった青年が立っていた。

 

「やぁやぁ、お疲れ様サー・ベディヴィエール。私は君にいろいろと説明をしにやってきた。君は今の状況に大層混乱しているだろうからね。我らが王が君に説明をと言っていたねだから私がやってきたというわけだ。」

「あなた方は一体?」

「うん?…あぁ、そうか君は確か覚妖怪の…。君は私たちの心の声が聞こえない事に混乱しているんだね。だけどすまないとりあえずその説明は後にしてもらえないかな?彼はまだこの世界『幻想郷』のことを全く知らない。そんな状態で能力の事を説明しても意味がないからね。もう少しだけ待っていてほしい。」

 

そういうと、彼———花の魔術師マーリンはベディヴィエールへと向き直る。

 

「さて、待たせたねベディヴィエール。まずは君が最も知りたいであろうその右腕と王がどうなったかを話そう。」

 

そして、マーリンは王に聖剣を返還出来たこと。そしてその王が消える間際にベディヴィエールに褒美を取らせると言い始めたことを話した。

 

「そして、その褒美こそが今君がいるこの場所、幻想郷の旅行と君の右腕についているものというわけだ。」

「なるほど、では私は許されたとそういうことですかマーリン。」

「ああ、そうとも。王は最後に君を許すとだが忘れろとは言わないとそういっていたよ。だからこそ君にその右腕を託したのだろう。」

 

その右腕はベディヴィエールにとっての罪の証。元々ベディヴィエールはその罪を忘れるつもりもなかった為それを受け入れる。

 

「それでは、聞かせてください先ほど言っていたこの地のことを。」

「それならば彼女達も交えて話そう。彼女達はこの世界でも有数の実力者に数えられる者たちだこの世界を語るのならば彼女たちほどの適任はいない。…それに。」

 

チラリとマーリンが少女たちに目を向ける。釣られるようにベディヴィエールも目を向けると、先程の桃色の髪の少女がマーリンをこれでもかと睨みつけていた。

 

「やっとですか…。」

「待たせてしまったね。今度こそ君たちの疑問も含めてこの世界のことを説明しよう。」

 

マーリンの説明によると幻想郷とは忘れ去られた者たちが訪れる最後の楽園。神や妖怪などといった現代において信じられなくなった神秘の数々が未だにおり少女たちもそういった存在であると。ここはカルデアのマスターであった立香の故郷である日本の一角に結界を張って隔離されている場所であると。

 

「これで大方間違いないかな?」

「えぇ、それだけ知っていれば十分でしょう。…さて、では今度はこちらの質問に答えていただきますよ。」

「あぁ、もちろんだとも。」

「まずは、貴方たちは何者なのかそれを教えていただけませんか。」

「ふむ、ならば自己紹介だね。私の名前はマーリン。人呼んで花の魔術師さ。」

 

その自己紹介にさとりが目の色を変える。さとりは本を読むのが好きである。そして魔術師マーリンという名前も聞いたことがある。

 

「…マーリンですか。ではあの『アーサー王』の?」

「この世界でもかの王のことは伝わっていると。あぁ、もちろんそのマーリンさ。存在としてはむしろ人間よりも君たち妖怪に近いかもしれないね。」

「なるほど、かなり胡散臭いということは分かりました。それでそちらの方は。」

「我が名はベディヴィエール。円卓の騎士の一員です。」

「…隻腕ではないのですね。やはり伝承とは違うものなのでしょうかね。」

「そこはかなり複雑な事情があってね。それは後で彼自身に聞きたまえ。さて、まだ聞きたいことはあるだろう?」

 

そう、さとりが本当に聞きたいことはこんなことではない。先程からずっと違和感がある。それは———彼ら二人の心の声が全く聞こえないからだ。

 

「何故私の能力が貴方たちには効かないのか教えていただけませんか?」

「能力?それは一体…?」

「おっと、そうだそれを説明していなかった。彼女達のような幻想郷の実力者である少女達は大抵能力を持っているんだよ。そこにいる彼女ならば『心を読む程度の能力』と言ったような感じだ。そして、今彼女には私達の心の声が聞こえていないということさ。そして、その理由は私にある。」

 

マーリン自身はそもそも今ここには存在していない。彼自身は今もまだアヴァロンにいるからである。心など読めるわけがなかった。そしてベディヴィエールはマーリンによって偽装の魔術がかけられている。それがさとりの能力を弾いてしまっているのだ。

 

「なるほど、そういうことですか。」

 

さとりも納得がいったようである。伝承で読んだだけだがマーリン自身の実力は推して測れるというものである。ああいった伝説などに登場する人物又は英雄達は大抵が人外もいいところなのである。

 

「さて、これで終わりかな?それなら私は帰らせてもらうよ。…あぁ、そうだ出来れば彼をここに住まわせてやってはもらえないかな?」

 

さとりは少し考えた後に頷く。

 

「えぇ、私も彼に興味があります。色々と聞きたい話もありますし了承しましょう。」

「お心遣い感謝します。」

「いえ、大丈夫ですよ。…そういえば私達の自己紹介がまだでしたね。私は古明地さとり。この地底の管理を行なっています。幻想郷の地理などについてはまた後で説明しましょう。よろしくお願いしますねベディヴィエールさん。ほら二人も。」

 

さとりは後ろにいる二人にも自己紹介を促す。

 

「うーん、まだよくわかってないけど、とりあえず悪い人じゃ無さそうだね。あたいは火焔猫燐。気軽にお燐って呼んでよお兄さん。ほら、お空も。」

「うにゅ?私?私はお空って言うんだ〜。難しくて何言ってるか分かんなかったけどよろしくねえーっと「ベディヴィエールさんよ。」そう、ベリビエールさん!」

「すまないねぇお兄さん。お空鳥頭だからさすぐに名前覚えられないんだよ。」

「えぇ、大丈夫ですよ。改めて自己紹介を。私の名前はベディヴィエール。お好きなように呼んでください。」

「えぇ、ようこそ地霊殿へ。歓迎しますよ。」

 

ベディヴィエールの幻想郷生活が始まる。

 

 

 




なんか今回の話予想よりも長くなってしまった。もう少しパッと書くつもりだったんですけどね。とりあえず書き終われて良かった。というわけで次回も見ていただけると嬉しいです。
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