うるせーぞ決闘者ども!   作:バルバドス

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遅れましたが感想ありがとうございます。



TURN6 決闘狂戦士(デュエル・バーサーカー)

「私は手札から魔法カード、調和の宝札発動!手札の攻撃力1000以下のドラゴン族チューナーを墓地に捨てて2枚ドローする」

 

となると考えられるのはドラゴン族のシンクロテーマか。そこそこあるが、どれで来る?

 

「手札から太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)を捨てて2枚ドロー!」

 

太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)

まさか、青眼(ブルーアイズ)デッキか。

 

「そしてエンドフェイズ!墓地の太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)の効果発動!青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)をデッキから特殊召喚する!」

 

空から咆哮と共に現れたドラゴン。デュエルをしている者なら知らぬものはいない、強さと美しさを備えた無敵の龍。青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)

 

「挨拶代わりの青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)よ。私はターンエンド」

 

どぎつい挨拶だこと。さて、青眼(ブルーアイズ)デッキは攻撃力3000でビートするのはもちろんランク8、星9のシンクロ、融合と型も多彩で厄介この上ない。

 

「僕のターン、カードドロー」

 

そう言えば今日このデッキだったな。単体の攻撃力は劣るが、展開力は勝っている。とにかく並べて盤面を整えるか。

 

「まずは手札から強欲で貪欲な壺を発動!デッキトップから10枚裏側で除外して2枚ドロー!」

 

ドローして直様除外したカードを確認。完璧だ、展開に必要なカードがデッキに残っている。

 

「そして手札から剛鬼スープレックスを召喚します。そして召喚時効果で手札の『剛鬼』を1体特殊召喚できます」

 

「へぇ、剛鬼か。相手としちゃ悪くない。さぁ、ぶつかってこい!」

 

あぁ雪さんがどんどん戻れない所へ。あんなにお上品だった雰囲気は何処へ。

 

「あれ、昨日の暗黒界じゃない。お前何個デッキあるの?」

 

「い、いっぱいあるの」

 

前に言ったよ、僕はデッキを適当に一個持ち歩いてる変わった人なの。

 

「手札から剛鬼ツープラトンを特殊召喚します」

 

さて、これで『剛鬼』モンスターがフィールドに2体。

 

「フィールドのスープレックス、ツープラトンでリンク召喚!リンク2の剛鬼ジェットオーガを特殊召喚します」

 

「剛鬼ツープラトンには確かリンク素材になったらリンクモンスターの攻撃力をターン終了時まで1000上げる誘発効果があったな。それを使って相打ちでもするか?」

 

「いえ、青眼(ブルーアイズ)だけ沈んでもらいます...墓地に送られた剛鬼スープレックスの効果を発動します。デッキから『剛鬼』と名のついたカード1枚を手札に加えます」

 

剛鬼の展開はまだ終わらない。ここから更に並べて青眼(ブルーアイズ)を一気にねじ伏せる。

 

「手札に加えるのは剛鬼再戦、そして発動します。墓地のレベルが異なる剛鬼2体を守備表示で特殊召喚します。もちろんスープレックスとツープラトン」

 

「いいぞ遊飛ぃ!滾ってきたぁ」

 

「え、あ…っと、僕はリンク2のジェットオーガと、スープレックス、ツープラトンの3体でリンク召喚。さぁフィールドというリングに上が...あ!今の忘れてください!リンク4、剛鬼ザ・ジャイアントオーガ!」

 

結東市に来て一ヶ月、純朴な田舎青年の僕はこうして結東市カラーに染まっていくのか。勢いで恥ずかしいこと口走ってしまった。今何歳なんだ僕、公園でこんなこと叫ぶのは小学生までだぞ。

 

 

「いいぞ遊飛!ジャイアントオーガがフィールドと言うリングにインだ!」

 

 

やめて筋太郎君。僕はさっきの失言そよ風に乗せて忘れようとしたのに。

 

「ほぉ、ジャイアントオーガか。これまた厄介なモンスターだな」

 

何か来たぞ。メガネかけた若い男性が突然喋りだした。

 

「そんなに厄介なのか?」

 

「あぁ。剛鬼ザ・ジャイアントオーガは自身の攻撃力以下のモンスターが発動した効果を受けず、自身とリンク先のモンスターを対象にした効果を攻撃力を500下げることで無効に出来、更に攻撃力が変動していると1ターンに一度相手ターンでも攻撃力を1000上昇できる効果を持っている。そして先程リンク素材に使われたジェットオーガはリンク素材に使われた場合、フィールドの剛鬼モンスターの攻撃力をターン終了時まで500上昇させる効果がある。そこにツープラトンの1000上昇の効果を合わさり、3000+500+1000+1000の5500となる。青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)を真正面から殴って破壊するには十分な火力だ」

 

 

どこにいても名も知らぬ解説役が出てくる。しかしこれだけは非常に助かる。あの人の説明通り、青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)を倒すには十分すぎる火力を用意できた。

 

「リンク素材として墓地に送られたツープラトンの効果とジェットオーガの効果発動、まずはツープラトンからの効果処理でジャイアントオーガの攻撃力を1000アップ。そしてジェットオーガの効果で500アップします。更に剛鬼ザ・ジャイアントオーガの効果で自身の攻撃力が変動している時に、攻撃力を1000アップできます。これで計5500、バトルフェイズに入ります!」

 

伏せカードもない、真正面からねじ伏せるだけだ。

 

「剛鬼ザ・ジャイアントオーガで青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)を攻撃!攻撃名はなし!」

 

ジャイアントオーガは大剣を振り上げて、青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)を脳天から叩き切った。途端爆発し、その熱と煙が雪さんを襲った。

 

「やるなぁぁぁ!」

臥竜院雪 LP5500

 

爆炎に巻き込まれながらも心の底から嬉しそうなシャウトを響かせる。雪さんに褒められるのは嬉しいけど、僕が褒めてほしいのはこの声じゃなくて数分前のあのお淑やかな声なんだ。

 

「僕はこれでターンエンドです。そして剛鬼ザ・ジャイアントオーガは元の攻撃力3000に戻ります」

 

「流石だ国光遊飛…いや、噂通りだ!!」

 

「な、なんて言いました?」

 

「大学で10戦無敗のデュエリストがいるって聞いてたんでね、前から興味あったんだよ。くく、アンタとなら血湧き肉躍る死闘(デュエル)ができそうだぁ!」

 

え、噂になってるの?いや、そんな僕は事あるごとにデュエルしろって絡まれるから嫌嫌やってただけだぞ。って言うかデュエル関連はすぐ街中で噂になるな。何この街、越してきて一ヶ月で10戦も絡まれたのか、僕。

 

「剛鬼ザ・ジャイアントオーガは確かに強力だが素の攻撃力は3000。今ならなんてことはない…さぁ行くぞ遊飛いぃぃ!ドローだ!」

 

「おぉぉ!決闘狂戦士(デュエルバーサーカー)のデュエルが見れるぞ!」

 

解説役のお兄さんがすごい興奮してる。

 

「手札からドラゴン目覚めの旋律を発動!手札を一枚捨てデッキから、攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族2体を手札に加える!私は青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)青眼の亜白龍(ブルーアイズオルタナティブドラゴン)を手札に加える」

 

この2枚ということは、早速青眼の亜白龍(ブルーアイズオルタナティブドラゴン)がくる。

 

「私は手札の青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)を相手に見せることで、手札から青眼の亜白龍(ブルーアイズオルタナティブドラゴン)を特殊召喚できる!こい!」

 

見せるだけで3000のアタッカーが出てくるのは脅威にほかならない。しかもドラゴン目覚めの旋律で見せるための青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)も一緒に持ってこれる。

 

青眼の亜白龍(ブルーアイズオルタナティブドラゴン)の効果で破壊したいが剛鬼ザ・ジャイアントオーガは攻撃力以下の効果を受け付けないんだったな...なら!」

 

 

「相打ちでもする気か?」

 

「いや、そんな単純な手を使うデュエリストじゃない。ジャイアントオーガを超える手があるんだ」

 

 

筋太郎君と男性のやり取りの通りだ。この人はただの脳筋デュエリストじゃない。狂戦士(バーサーカー)なんて呼ばれているが中身は緻密なデュエルを展開するはず。その証拠に剛鬼のカード効果もすぐに口から出た。口から出るのは威勢の良いデュエリストの言葉だが、その内実は策士。油断も隙もないデュエリスト。

 

「私は手札から死者蘇生を発動!墓地のモンスター1体を特殊召喚する!」

 

墓地には青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)がいる。それを蘇生してエクシーズでもする気か?

 

「私は墓地から、深淵の青目龍(ディープ・オブ・ブルーアイズ)を特殊召喚!」

 

...そうか、ドラゴン目覚めの旋律の時に捨てていたカードが1枚あったな。それがこれか。

 

深淵の青目龍(ディープ・オブ・ブルーアイズ)が特殊召喚に成功した時、デッキから儀式魔法か融合魔法カード1枚を手札に加えることができる。私はデッキから...『カオス・フォーム』を手札に加える!」

 

「カオス・ォーム!?まずいぞ!」

 

そうだよお兄さん。これ以上デカイのが並ばれるのはきつい。

 

「いくぞ遊飛ぃ!手札からカオス・フォーム発動!手札の青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)をコストに降臨せよ!!ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン!」

 

3体目の龍が雪さんのフィールドに現れた。しかもカオス・MAXの攻撃力は4000。ジャイアントオーガを上から殴るには十分だ。

 

「バトルフェイズ!カオス・MAX・ドラゴンでジャイアントオーガを攻撃!混沌のマキシマム・バーストぉ!」

 

カオス・MAXの全身から放たれた光がジャイアントオーガに突き刺さり、爆炎が巻き起こった。

遊飛 LP7000

 

「まだだ!深淵の青目龍(ディープ・オブ・ブルーアイズ)で直接攻撃!滅びの深淵疾風弾(ディープストリーム)!」

 

「くっ!」

遊飛 LP4000

 

深淵の青目龍(ディープ・オブ・ブルーアイズ)の口から放出された光弾が地面に接触すると破裂し、爆風と目が痛くなる光が飛び散った。

 

「まだまだあぁ!青眼の亜白龍(ブルーアイズオルタナティブドラゴン)の直接攻撃!滅びのバーンストリーム!」

 

「ぐわぁぁぁ!」

遊飛 LP1000

 

今度は亜白龍(オルタナティブドラゴン)の攻撃で生じた爆風で耐えきれずに後ろに吹き飛ばされた。

地面に数度バウンドし、背中を何回も打ち付けた。

 

「な、なんで。これは映像のはずなのに」

 

「デュエルディスクの裏設定ってやつだ。これがあるとデュエルの中で痛みを感じられて、死闘(デュエル)してるんだなって、思うんだよ」

 

え、それ僕に何も言わずにやったんですか?

雪さんの独断なんですか?一言ないんですか?

 

「アンタもデュエリストならわかるだろ?デュエルってのは心が震えなくちゃ楽しくない。それはただ単純なデュエルでは生まれないんだ。こうして、肌で、心でデュエルを感じとることが、本物の死闘(デュエル)なんだよ。なぁ遊飛、楽しいだろ?」

 

「んなわけないでしょ!ふざけんなよ結東市のデュエリスト共!」

 

思わず怒鳴ってしまった。こんなに怒りで声を荒らげたのは初めてだ。自分で言うのもあれだが僕はかなり温厚だと思う。だから、自分でもこんなに怒鳴れるんだなと驚いた。

 

「全部デュエルで片付けるな!デュエルでなにか賭けようとするな!デュエルに変な機能や要素を持ち込むな!僕だってデュエルが好きだ!好きだからこそ、純粋にカードゲームとして楽しみたいんだよ!なのに、決め事だの賭けだの順番だの...もういいよ!疲れるんだよ!」

 

思いの丈全部吐き出した。一ヶ月僕が味わった結東市の洗礼が走馬灯として蘇る。

 

「国光遊飛、アンタがデュエルを本気で愛してると言うなら。ここから逆転してみせろ、そして証明しろ。お前の言う普通のデュエルが、死闘(デュエル)を上回れるかを。さぁ、アンタの全てを私にぶつけてこい!」

 

ほーらそういう所だよ!そして何言ってるかよくわからないし!そういう所についていけないの!

 

「メインフェイズ2だ。私は亜白龍(オルタナティブドラゴン)深淵の青目龍(ディープ・オブ・ブルーアイズ)でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れよ、No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー」

 

 

「ここでタイタニックギャラクシーか。きついな」

 

「あのモンスターってどんな効果なんだ?」

 

「効果は3つあるが、何より辛いのが1ターンに一度魔法効果を無効にしてエクシーズ素材にしてしまう効果だ。剛鬼の展開の要、剛鬼再戦を封じてきたな」

 

 

リンク4に繋げるにはほぼ必須の剛鬼再戦。そこをメタられるときつい。それに攻撃力4000のカオス・MAX・ドラゴンもいる。

 

「さぁ、遊飛!来い!」

 

「僕の、ターンドロー」

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