オーロラに転生ですか?   作:オーロラ・ル・フェイ

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裏切り

オーロラは最強になったが、頭があまり良くない。

アルビオンがそうだったのか、元の魂がダメダメだったからなのかは分からないが、最高峰の頭脳を持っていても感情で物事を判断してしまうので、政治などの高度な心理戦が求められる場所では決まって、ムリアンにその代理を任せていた。

 

「せい、けん?」

「そうそう政権じゃなくて、聖なる剣と書いて聖剣。それをカルデアは欲しがってて、私達以外には用意出来ないの。それの交渉役をお願いしたいんだけど、いいかしら?」

「まぁ!カルデア()()()に聖剣をお渡しになられるつもりですか?それはおすすめいたしません。もし、見返りをお望みでしたら、このNFFサービスにお任せを!あらゆる品を取り備えております」

 

まだ改心していないコヤンスカヤが、身を乗り出してきた。

 

「うーん。カルデアスって用意出来る?あれを使ってやりたいことがあるんだけど」

 

この申し出になんとも思わないのが『今の私』である。

人間だった頃なら『カルデアと敵対するなんて!』なんて正義心から即断りを入れていた筈だが、ヌンノスの言っていた魂が完全にアルビオンに成った影響だろう。

彼らの物語も、想いも、全て知っている。それに感銘を受けて、助けになりたいと強く思っていた。

この世界に転生してから彼らの為に行動することが生きる原動力だった。

 

だが今は違う。出来るだけ尊重してあげたいが、極論、自分達の為の犠牲としてなら許容出来る相手だった。

 

「……まじで言ってます?」

「ええ。何かおかしなことを言ったかしら?」

「恐らくオーロラ様はカルデアスはカルデアの所有物なので交渉の材料になると判断されたのでしょうが……あれ、もうカルデアの手に負える存在ではなくなってますよ」

「そうなの?だとしたら……どうしましょう。力の消費はなるべく抑えたいし……でも、南米はあれがいるだろうから近寄りたくないのよね」

「オーロラ様は何をしようとしているのですか?」

 

そこでムリアンが声を上げる。

彼女になら、言ってもいいか。

 

「新しく星を創ろうと思うの。そこに皆を連れて引っ越そうかなって。でも何もない星じゃ退屈でしょう?だから資源をいくらか分けて貰おうと思って」

 

ヌンノス曰く、全く同じものだと反発するそうだから土台だけパクろうと思っていた。

 

これが事前に決まっていたら、光の壁が現れる前にセファールをぶん殴って資源を奪い返していたのだが、今考えても仕方のないことだ。

 

「星を、ですか……」

「と言っても希望者だけよ?一度食べて、私の一部として組み込まないと光の壁を越えたら消えてしまうし、多分。モルガンは絶対ついてこないと思う」

「最高じゃないですか!やりましょう!直ぐ!今すぐにでも!」

「でも、資源がないのよね。私の力で作ることも出来るけど、そこまで力を使うと回復に時間がかかってしまうし、もしセファールなんかが襲撃してきた時に守れる力がない」

「ブリテンのように妖精達を殺し合わせればいいじゃないですか?」

「ブリテンだって数万年をかけてここまで大きくなったのよ?星一つを賄おうと思ったら、一億年以上かかってしまうわ」

 

そう言えば、コヤンスカヤはかなりの資源を蓄えていたような?

 

「……南米異聞帯をおすすめいたします!安全なルートはこの私が、NFFサービス代表として、きっちりと組ませていただきますので!」

 

それでも星一つ分には届くまい。やっぱりコヤンスカヤも襲えば……。

溢れた涎を拭う。

 

「カルデアスが異星の神の正体で、ビーストです!!!」

 

ここで二部七章を迎える前に死んだ『俺』の記憶しかないオーロラは、二部のネタバレを食らった。

 

「それって、ほんと?」

「はい!今は地上から姿を消し、潜伏していますが、もしよろしければ獣の権能を使って、送り届けることも可能ですわ!!!」

 

成る程。つまりカルデアスは消しても問題がない。むしろ消さねばならない敵ということか。

 

私は彼女の手を取ることに決めた。

 

「聖剣は貸し出すだけのつもりだったけど、貴方の望みは?」

「カルデアに聖剣を渡さない。いえ、せめて私がカルデアに敗北を認めるまで、お願い出来るでしょうか」

「分かったわ。でもいいの?一生渡さないことも出来るけど?」

「そこはまぁ……私なりの美学だと思っていただければ。負けるつもりはありませんが、死んだあとに足にしがみついて嫌がらせするような『みっともない悪役』になるつもりはありませんので。それに私は商人ですから。オーロラ様には是非とも、うちの専属モデルとして写真集を取っていただければと!」

「……そうね。もう色々と契約しちゃってるし専属は無理だけど、一回ぐらいなら、いいわよ」

「ありがとうございます!!!」

 

オーロラは肌の露出が多い服を着るのが苦手だった。寝るときは全裸だし、全裸なら見られても平気だが、性的に見られると分かっていて、そういう服を着て写真をとられるという行為が物凄く苦手だった。

だから利権問題をガチガチに固められて行った水着撮影の時は普通に泣いた。撮影の時には出さなかったが、その日メリュジーヌが勃たなかったぐらい泣いていた。

 

それでも今回は水着でも受け入れるつもりである。ビキニでも、最悪、紐でも受け入れるつもりだが、コヤンスカヤがその覚悟に気付けたかどうかを確かめるには写真集を買うしかないだろう。

 

 

「交渉はムリアン、貴方に任せてもいい?」

「ばっちこいです!任せて下さい!!!」

 

 

それからだがコヤンスカヤは暫く、妖精國に居座ることになった。

流石にここまで暴露してしまっては、カルデアスも無事に返すとは思えない。

状況次第では勝てない相手ではないが、リソースの無駄だとほとぼりが冷めるまで、グロスターで商売をすることにしたらしい。

 

カルデアも数日に及ぶ長い交渉の末、それを受け入れ、補給と整備が済んだらブリテンを去ると話が纏まった。

 

「結婚式を開こうよ!!!」

「結婚式?」

 

 

ブリテン最後の祭りが始まろうとしている。




マリス「おまっ!?マジでふざけんなよ!!!」
カーマ「大変ですね~格のないビーストは」
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