オーロラに転生ですか?   作:オーロラ・ル・フェイ

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後書きは基本的にストーリーに絡める気のない書きなぐり(思いつきの蛇足)なので気にしないで


パパ活ですか?

オーロラは昨晩暗殺されかけた。

 

だがオーロラが隠蔽したこと、目撃者がいなかったこともあって騒がれることはなかった。屋敷は吹き飛んだが、オーロラの屋敷は定期的に吹き飛ぶので、誰も違和感を覚えなかったのだ。

 

「……ふぅ有り難う。貴方の淹れるお茶はいつも美味しいわね」

「今日ぐらい休んでもいいんだよ?」

「一ヶ月もお休みを貰ったんだもの。それに、これだけは他の誰にも任せるわけにはいかないわ」

 

その日は、かねてより準備を重ねてきた計画の一つを実行へと移す重要な日だった。

内心はぐちゃぐちゃでも妖精の時のように身体に影響が出るわけでもない。

 

「ごめんなさい。全部は飲めそうにないわ」

「そっか。じゃあ僕が残りを飲んじゃおうかな~。うぅぅん!オーロラとの間接キスっ!これだけで何倍も美味しく感じるね!」

「んもうっ」

 

気休めだが、リラックス効果のあるハーブティーを朝食がわりに済ませたオーロラは一息おいてアルトリアを呼び出した。

 

「なに?ママ、うげっ!?」

「やぁ、愛娘よ」

「どうして()()()()()()がここにいるの?」

「真名を言わなかった事には感謝するけど、いい加減パパって呼んでくれてもいいんだよ?」

「ママ、私この後授業があって忙しいんだけど」

 

「アルトリア。一つ提案なんだけど巡礼の旅に出る気はない?───メリュジーヌ(ランスロット)を連れて」

 

 

ガチンっとアルトリアの表情筋が凍りついた。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

シェフィールドには丸一日かけてたどり着いた。

一応他国の領土になるということで、そこから手続きに半日ほど要したが、オベロン曰くオーロラが一筆したためてくれたお陰で、これでも大分早く入れた方らしい。

 

「ここが冬の國か。どんな寒々しい静閑とした國かと思えばソールズベリーと同じじゃないか」

「そうだね。同じぐらい都会みたい」

「え?それって本気で言ってる?僕が初めてこの街に入った時はドン引きしたな」

「ドン引き?」

ほら、それ。とオベロンは藤丸とダヴィンチが首からさげた札を指差し、うげーと舌を出して嫌悪感を露にする。

 

「そう言えば、街に入る時に貰ったけどこれって何の意味があるの?」

「それは登録済みの人間である証さ。いいかい?冬の國では人類に権利はない。あらゆる権利が初めからないものとされている。金によって売買され、ご主人様の道楽を充たす為に死ぬまで飼われる、妖精にとってのペットなんだよ」

 

 

「は?」

 

藤丸の思考が止まった。

しかしダ・ヴィンチは「成る程、これが剪定事象として人理から弾かれた原因か」と納得がいった。

 

「アルトリアはかつて二つの國は一つだったと言っていたが、源流はこちらなのかな?」

「あぁ。正解だ」

「つまり彼女が異聞帯の王なんだね。このブリテンを統治し、妖精至上主義の国家という自らの楽園を作り上げた。だが、それにしては綻びが目立つ。これが彼女の望む國の在り方なら春の國は汎人類史寄り、もちろん神代のだが、あまりに反している。決別したと言ったが、全く別の思想を持った片割れなど不安分子でしかない。それを好きにさせているということは何かそうせざるをえない理由があるのかな?」

「うん。ご明察通り、冬の國の女王モルガンこそがこのブリテンを作った元凶さ。綻びに関しては半分彼女の甘さで、もう半分はオーロラが強すぎるからだろう」

「強すぎる?」

 

例えば一つの國としての在り方に限界を感じ、立場上、対立せざるをえなくなっただけで本人同士は仲の良いままであった。そういったケースなら容易に想像がついたが、強いと言われて首を傾げる。

 

「本当はここに出る前に彼女と会わせるつもりだったんだが、時間の都合がつかなくてね。うーんそうだな、オーロラは強いよ。本当に強い。騎士団があるがぶっちゃけ國の防衛なら彼女の片手間で事足りる」

「それってどれぐらい?」

 

そこで藤丸は気を持ち直した。ひとえに強いと言っても千差万別。神霊や獣、覇王に、大英雄、竜種にぐだぐだなど色々とある。

 

「例えば、トリスタン。君が万全な状態だとして1秒耐えられるかどうかの相手かな?」

「私が1秒、ですか」

「並の英霊なら彼女のテクスチャに触れただけで剥がされてしまうからね。グランドほどの強靭な霊基持ちか、聖槍込みのアーサー王なら、まあ触れるぐらいは出来るんじゃないかな?」

「剥がされるだって?それが出来るってことは最低でも神霊クラスだぞ」

「でもそんな危ない力を持っていたら誰も近づけなくなるんじゃない?オンオフ出来るとしたら、その間に暗殺とかの危険があるよね?」

「あーすまない。君の頼みの綱である英霊達では太刀打ち出来ないと言えば、彼女の強さを理解してくれると思ったんだが、偏った説明だった。場合によっては君たちは彼女と戦わなければならないかもしれないんだし、正確に把握しておく必要があるよね」

「出来ればそんなことにはなりたくないけど」

「必要があればするしかないだろ?」

「……うん、そうだね」

 

あのバビロニアを思わせる美しい國を作った女王オーロラ。そんな相手と戦いたくはないが、異聞帯と特異点では訳が違う。空想樹は伐採されているらしいが、1%でも、0.1%でも、汎人類史を乗っ取って自らの國を存続出来るのなら……この世界にとって自分達は倒すべき悪になりうる。

英霊が通用しないとなれば、別の対抗策をなるべく早くから用意しておく必要があった。

 

「僕の知る限りのことを伝えよう。この國に愛着はあるが、僕は汎人類史のサーヴァントだ。そういう区別はついてる。ま、長くなるからマシュ・キリエライトを見つけてからだね」

 

人間を家畜化しているというシェフィールド。

藤丸達は彼女を探したが、運悪く入れ違いでグロスターに向かったのだと情報を得ることになった。

 

 


 

アルトリアは不思議だった。

ロビンはオーロラのことを愛しているのに、生きていたことに喜びと絶望を感じていたから。

そして、私とお姉ちゃんを命をかけてでも守りたいと思っているのに、どうしてその中にママはいないんだろうと疑問に思っていた。

それを今朝聞こうとしたら、それどころじゃなくなった。

 

一方その頃

???「さて、最強のドラゴンを倒すならってギリシャから命からがら盗んできたはいいものの……どうしたものか」

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