オーロラに転生ですか? 作:オーロラ・ル・フェイ
「……なぁ、これって。どう見ても人間、だよなぁ……私、保健体育の成績だけは良かった筈なんだけど、人間も妖精みたいにポンって生まれるものなのかな?」
「いや、あり得ない。どっかの大妖精に吹っ飛ばされたとかじゃないか?」
「……ここ、は。ロビンさん?」
マシュが目覚めた時、目の前にいたのはカルデアと契約している疑似サーヴァントのロビンと彼と同じ年頃の少女だった。
「なんで、俺の名前を知ってるんだ。ん?……いや、俺が純粋に忘れてるだけか?アンタ、名前は?」
「え?私は…マシュで………そうです。オーロラ様にここで眠るように言われて」
「はぁ?オーロラがこんな校庭のど真ん中で寝ろだなんて非常識なこと言うわけないじゃん」
「校庭?……えっと、ここはソールズベリーで合っているでしょうか?」
「まぁ、ソールズベリーではあるけど。その前にカリブルヌス学園な」
「かりぶるぬす?」
マシュが周囲を見ると、確かに校舎や体育館のようなものが確認出来た。どうやら自分が座っている場所は、ならされた運動場のようである。
マシュはクエスチョンマークを浮かべた。
自分が眠っていた土地に学園を建てたということなのだろうか?
オーロラ様はここには誰も立ち入らせないと言っていたが、何だか少し妙な感じがする。
「ここは、ソールズベリーで、カリブルヌス学園……私の居た妖精歴がなかったことになり、本来ここには学園が建っていた?」
オーロラは今の私は女王歴の『私』とは合流しないと言っていた。並行世界のように枝分かれするのではなく、初めからなかったことになると。
「あの、すいません。ひとまず先輩達と合流したいのですが、どちらにいらっしゃるのでしょうか?」
「先輩?」
「あ、マスターです。カルデアのマスター藤丸立香」
「……知ってる?」
「いや、聞いたこともねぇ」
「えっ、そんな筈は……いえ、まさか!」
先ほどから妙に話が噛み合わない。共にした時間は短かったとはいえ面識のある相手に顔を忘れたと言われて地味に傷ついたマシュであったが、マスターであるリツカのことすら知らないと言われて、その違和感の正体に気付く。
「もしや、ここはまだ過去なのでは?」
そう。ここは、妖精歴700年。
風の氏族オーロラが精力的に活動していた最後の年。これ以降の彼女はソールズベリーに籠りきりになり、一日の半分以上をベッドの上で過ごすことになる。
呪いの進行が速まったのだ。
「過去ぅ?」
「だとすれば、ロビンさんの隣にいるアナタは…ダフネさん」
その決め手となったのは、目の前の少女ダフネ。
(不思議です。初めて会った筈なのに、そんな気がしない。お顔が、ブーティカさんと似ているからでしょうか?)
後にも先にも、オーロラが名指しで親友と言ったのは彼女一人だけだった。
「そうだけど、何だ。もしかして新入生か?こんな卒業間近になって、私たちにわざわざご挨拶とは嬉しいね!」
「卒業するのは俺だけだろ」「は?頭おかしくなった?私もアンタとタメじゃん」「だって、次の進級試験の再試験落ちたら留年するじゃんお前」
「落ちないよ!最近はオーロラんとこに泊まり込みで勉強教えてもらってんだ!これで受からなきゃウソでしょ!」
ロビンが語ってくれた物語では、彼の最後。目の前で彼女は胸を貫かれて殺されたらしい。
マシュはホムロさんに何も出来なかった自分に再びチャンスを与えようとしている。
そう、何者かの作為を感じずにはいられなかった。
短話 【強さの秘訣】
「え?僕が強くなった理由?」
某日
取材班は妖精騎士ランスロットの元を訪れていた。
『ええ、ご噂によればランスロット様は霊基を損傷し、万全ではない状態だとされていますが、ここ近年、明らかに力が増しているように見受けられます。何か竜の妖精として特別な方法があるのでしょうか?』
「……あぁそういうこと。なに、簡単な話だよ?君たちには真似できないけど」
『やはり竜の妖精特有のものだと?』
彼女は首を左右に振って笑う。
「違う、違う。普通に修行して、ご飯を食べて、そしてオーロラと汗だくSEッ」
ノイズが走る。
『……すいません。よく聞き取れませんでした。もう一度よろしいでしょうか?』
「だから、僕の体液とオーロラの体液をヌチョヌチョと穴にッ」
また走る。
『申し訳ありません。もう一度よろしいでしょうか?』
「※聞いてもいないのに性事情について語り出した為、省略※……愛(R18)だよ」
『なるほど、愛ですか。つまり想いを力に変えているのですね』
取材班は何とか記事にしようと頑張ったが、「こういうの(猥談八割)はうちの雑誌では取り扱えないよ」と、泣く泣く情報局局長(シルフ)の手によりボツされた。