続き書けたで候。
では、どうぞ( ゚д゚ )クワッ!!
1―A控え室にて、城戸真司は待機していた。
今日は体育祭本番であり、クラスメイト達は各々リラックスして過ごしていた。
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期す為、着用不可なんだよ」
いじける芦戸を尾白がなだめる。
体育祭ではコスチュームの着用が禁止されている。
平等にするために体操服での活動が義務付けられているのだ。
「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
飯田の声が響く。
「もう時間か」
真司が席を立とうとした、その時───
「緑谷」
轟が出久を呼び止めた。
「轟君………………何?」
出久は少し戸惑いつつも返事をする。
クラスメイト達も、何事かとその様子を見守っていた。
「客観的に見ても、実力は俺の方が上だと思う」
「へ!?うっ、うん……」
「お前、オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが……」
すると、轟はハッキリと告げた。
「お前には勝つぞ」
それは宣戦布告であった。
「───城戸、お前もだ」
そして同じく真司にも……。
「お前には戦闘訓練で一度負けてる。USJじゃ、俺は見てるしかなかった……が、お前は戦った。しかもあんな化け物相手に勝ちやがった。はっきり言って、お前は俺より強い。でも、俺はもう負けるわけにはいかねぇ。特に城戸……お前にだけは……絶対に負ける訳にはいかねぇんだ」
轟は真司を睨みつける。
まるで親の仇を見るような鋭さで。
「轟……」
真司も目を逸らさずに、轟を見る。
三人のただならぬ雰囲気にクラスメイト達もざわつき始めた。
「クラスNO.2がクラス最強に宣戦布告……!?緑谷も巻き添えくらってる……!?」
見かねた切島が轟をなだめる。
「急に喧嘩腰でどうした!?直前にやめろって……」
「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だって良いだろ」
だが轟はその手を払い除け、引き続き真司を睨みつける。
「轟君……轟君が何を思って僕に勝つって言ってんのか……はわかんないけど……そりゃ君の方が上だよ……実力なんて大半の人に敵わないと思う……客観的に見ても」
そのとき、黙っていた出久がが弱弱しくながらも話し始めた。
「緑谷もそういうネガティブな事、言わねぇ方が……」
「でも……!!」
出久は声を上げた。
「皆……他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって遅れを取る訳にはいかないんだ! ───僕も本気で獲りに行く!」
出久の本気を感じ取った真司も嬉しそうに声を上げる。
「ははっ!良く言った緑谷!轟、俺だって負けない!!いや、轟だけじゃない!!!」
真司は控え室を見回しながら言った。
「爆豪や切島、飯田やお茶子ちゃん、梅雨ちゃんに透ちゃん……他の皆にだって負ける気はさらさらない!!!天辺は俺が取る!!!!」
真司の言葉に触発されたのか、爆豪が声を荒げて叫ぶ。
「上等だ仮面野郎ォオ!やれるものならやってみやがれ!!お前だけじゃねぇ!!デクも半分野郎も!!俺の前に立ち塞がる奴らは全員ぶち殺して!!!俺が一位になる!!!完膚なきまでの一位になってやるぞッ!!!!クソがッ!!!!!」
爆豪はそう言うと、真司、出久、轟の三人を睨み倒し、舌打ちしてから出ていった。
それぞれが複雑な思いに駆られる中、いよいよ雄英体育祭が幕を開ける。
◆◆◆
『雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!?敵の襲撃を受けたにも拘らず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!ヒーロー科!!1年!!A組だろぉぉ!!??』
「わあああ……人がすんごい……」
「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか……!これもまたヒーローとしての要素を身につける一貫なんだな」
観客のあまりの多さに思わず萎縮する出久。
飯田はと言うと、冷静に体育祭での目的を推察していた。
そして我らが真司はと言うと……
「燃えてきたな!ドラグレッダー!!」
「ガォオ!!」
ドラグレッダー(小型ver)と共に気合を入れていた。
「ドラちゃん、元気そうね」
すると真司の側にいた梅雨がドラグレッダー(小型ver)の頭を撫でる。
ドラグレッダー(小型ver)は撫でられるのが気持ちいいのか、その表情はとろけていた。
「ガォォォォ」
「ふふふ。可愛いわね」
完全にマスコットと化していた。
『B組に続いて普通科C・D・E組……!サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科……』
次々と他のクラスが入場していく。
そして全クラスが集合し、いよいよ開会式が始まろうとしていた。
「選手宣誓!!」
ちなみに体育祭の司会は18禁ヒーローミッドナイトが務める。
「18禁なのに高校にいていいものか」
「いい」
「いや、18禁だからこそいるべきではなかろうか」
「だな」
「静かにしなさい!!選手代表!!」
生徒達が各々呟くなか、いよいよ選手代表が発表される。
「1ーA 城戸真司!!」
真司の名前が発表されると、A組一同は彼に視線を向ける。
「しゃあっ!いくぞドラグレッダー」
「ガォ」
そして真司は壇上に上がり、ミッドナイトからマイクを預かる。
ちなみにドラグレッダー(小型ver)は側で浮いて主人の様子を見守っている。
「皆さんこんにちは!俺の名前は城戸真司!こっちは相棒のドラグレッダー!どうぞよろしくお願いします!!」
真司が元気よく挨拶すると、会場が微笑に包まれる。
真司の明るいキャラクターに場が和んでいるのだ。
元々選手宣誓には台本が用意されていたのだが、そこは安定の真司クオリティ。
覚えるのを忘れていたため、アドリブで本番を迎える事となったのである。
「さっそくだけど、この中でヒーローになりたい、ヒーローに憧れてるって人はどれくらいいるかな?」
真司のいきなりの質問に会場にいる全員が困惑する。
「なりたいって人はちょっと手をあげてもらっていいかな?勿論、年齢性別は問わないんで。あ、プロヒーローの方々は上げてもらわなくても大丈夫っす」
真司の問にパラパラと手を上げる人物が……。
そして段々とその人数は増えていく。
会場にいるほとんどの者が手を上げていた。
「皆はどうだ?」
真司は反対方向を向く。
真司の視線の先に雄英の生徒達がいる。
勿論、全員手を上げている。
それを見た真司は満足そうに頷いた。
「良く分かった!ありがとな!!」
そして真司は再び前を向くと、話し始める。
「ここにいる皆、ヒーローに憧れてるってのが良く分かった。勿論、雄英の皆も。
いきなりの言葉に生徒達が驚く。
「目を見れば分かる。ここに立っている奴らのほとんどが、自分はヒーロー科の引き立て役だって思ってる。なんでそんなに投げやりなんだ?個性がヒーロー向きじゃないからか?入学試験で実力を発揮出来なかったからか?」
真司のその言葉に図星を突かれた生徒は多い。
ヒーロー向きではない弱個性と言われた者達が、普通科や経営科には多く在籍している。
勿論、ヒーロー科の試験をクリア出来なかった者達も。
「皆、ヒーローってのを何か勘違いしてないか?」
真司の言葉が響き渡る。
「ヒーローはヴィランを倒すだけが仕事か?いや、そうじゃない。たとえ戦闘向きじゃない個性だったとしても必ず何処かにその個性を必要としてくれる人がいる。別に敵を倒す事だけがヒーローじゃない。物を作る、人を支える、助ける、率先して小さな事を手伝う事が出来る人だって、
スタジアムが無音となる。
「個性の強さだって関係ない。たとえ無個性であってもだ。無個性だからヒーローを目指しちゃいけない?そんなことあるはずがない。ふとした何気ない行動や、ちょっとした一言で人は救われることだってあるんだ」
真司が脳裏に思い出すのは己の両親。
二人共強い個性を持っているヒーローではなかった。
だが、真司の中では間違いなく一番の最高のヒーローだった。
「その中には勿論、ヒーローだって含まれる。ヒーローだって人間だ。疲れるし、怪我だってする。病気だってするし、悩んだりもする。そんなヒーローを誰がサポートをするんだ?誰が支えるんだ?俺、思うんだ。
いつの間にか、真司の言葉に誰もが聞き入っていた。
「……俺がヒーローを目指す理由はさ、今はもう天国にいる両親が言ってくれたんだ。『優しくて思いやりのある貴方ならなんにでもなれる』、『お前のやりたいようにやれ』って。だから俺、決めたんだ。『俺の目の前でもう誰も傷つけさせやしない』って。だから
真司は叫ぶ。
「だから皆にも夢を持つことを諦めないでほしいんだ!重要なのは個性のあるなしなんかじゃない!!自分がどうしたいかだ!!!もしかしたらヒーローになれないかもしれない!もしかしたら夢半ばで挫折してしまうかもしれない!
だけど、それでも……確かに残る物はある!!
だって誰かを助ける権利は……人を救う権利は……皆、平等にあるんだから!!」
時間にしてたった数分の選手宣誓に人々は聞き入っていた。
十分すぎる程の言葉の重みがあった。
「「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」
個性というどうしようもない悩みを抱えていた者達でもつい歓声を上げるほどに。
「だから皆、ヒーローに本気でなりたいなら、全力全開で俺にかかって来い!ヒーロー科だけじゃない!普通科サポート科経営科、お前達全員、相手になってやる!!だからこの体育祭、最初から最後まで全身全霊で楽しんでいこうぜっっっっ!!!」
「「「「「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」
会場が湧き立つ。
プロヒーロー生徒関係なく盛り上がりを見せている。
このとき、城戸真司という少年は間違いなく日本中から注目を受けていた。
次回は障害物競走なり。
変身して度肝抜きます。
では、また( `・∀・´)ノ