二学期が始まってすぐくらいです。
1 親友の兄
人が住むこの世界に最も近しき異世界は、いつからか“紅世”と呼ばれるようになった。
紅世から来た客は、人から望むままに奪い、攫い、喰らった。
“人”は為されるがままだった。対抗できる力が無かったから。
共倒れの危機を悟った客の一部が人を使って同士討ちを始めたが、解決へは至らない。
手の届く、視界が通る場所だけでも救いたい。そのありふれた決意は――物語を大きく歪める。
―*―*―*―
未だ夏の日差しが残る、茹だるような暑さの中で新学期が始まったころ。
吉田一美は日常に沿い、なじみの八百屋に買い物へ来ていた。
恋する少年、坂井悠二に食べてもらうお弁当のメニューを考えるが、いまいちまとまらない。玉ねぎやジャガイモが積まれた山の前で立ち尽くしていると、聞きなれた『草履』の音がすぐそばで止まる。振り返ると、やはり“彼”だった。
「よう、一美」
渋く落ち着いた色の着流しを纏う美青年。祭りでもないのにその装束は、現代日本では場違いな印象を持ちそうだ。しかしこの青年の場合、今時見かけないほど――神秘的なまでの――純和風な顔立ちが、その場を“そういう設定の”ドラマのように調和させていた。
「こんにちは、池さん」
同級生である池速人の兄、雅人。彼とは行きつけの食糧店でよく行き会う関係だった。
「明日の弁当か?」
「はい。何かおすすめの食材は入ってましたか?」
思えば、初めて会った4月もお弁当のメニューに悩んで立ち尽くしていた。悠二にシャナが急接近して、お弁当を作ることを決心したその日だった。
自分のために作っていた物とは決定的に違う、彼のためのメニュー。今までの自信があった料理も、途端に陳腐に思えて、泣きそうになっていた時だった。
――「赤こごみの初入りか。使うか?」
誰も目にとめない八百屋の隅にたたずんでいた珍しい山菜を手に取り、差し出してくれたのが彼。この和服のかっこいい人は最近見かけるようになったが、声をかけられたのは初めてだった。
調理法も知らず、断るのも怖くて出来ない吉田に、持っていた買い物メモの裏にレシピを書いて渡してくれた。
彼のレシピ通りに作ったおかずは、自分の舌と悠二の反応の双方に上々だった。
それをきっかけに、珍しい食材の解説や特に味がいい食材の見分け方、調理方法を少しずつ教わった。彼のお陰で吉田の料理の腕は更に磨き上げられたと、自分でも実感できた。
名前を聞き池速人の実兄だと知ったのは、5月ごろだったか。
「うお八にメヒカリが入ってた。いいのは取ったがまあ売れ残ってるだろ」
雅人がそう言い、ここから三分ほど歩いた魚屋の袋の中を見せてくれた。見たことのない魚だ。
「それは、塩焼きとか……?」
「新鮮なら刺身でもなんでも旨い。骨も柔らかい方だ」
お弁当に入れるなら、半分に切ってから揚げとかしてみようかな――と想像を働かせたところで、慌てて礼を言う。
「後で行ってみます。ありがとうございました」
「おう」
雅人は短く返し、山から玉ねぎをいくつか選んで買い物かごに入れた。
―*―*―*―
「おいしい! 毎日ありがとう、吉田さん」
「そんな……坂井君に食べてもらえるだけで……」
「ん、悠二」
悠二がお弁当に舌鼓を打ち、吉田が照れて、平井ゆかりことシャナが対抗してお菓子を放る。想い人の悠二や幼馴染の平井ゆかりは、一方は既に人間ではなく、もう一方は存在しない。幼馴染の“存在”を継いでいたシャナは、悠二をめぐるライバルである。日常に非日常が紛れ込んだ『日常』は、既に吉田にとってかけがえのないものとなっていた。
「……」
ウェハースを悠二に放ったシャナが、得意げに胸を逸らす。
「……」
頬をわずかに膨らませる吉田。
「ふ、二人とも……」
悠二が間に入るも
「甘受しろ果報者」
池速人がばっさり切り捨て
「外の気温より遥かに暑いねヒュー」
佐藤がニヤニヤと茶化し
「暑い暑い。高校の冷房設置が望まれる」
田中が大仰に頷き
「わ、私もお弁当……作ってもなぁ……」
緒方が田中を見ながらつぶやいた。
吉田はこんな『日常』が好きだった。恋敵の存在に頬を膨らませていても、彼女そのものを嫌いになれなかった。
いつものように(一見)険悪な(風に見える)空気に押しつぶされた悠二が、息継ぎを求めるように話を逸らす。
「よ、吉田さん。この魚のから揚げは何? 多分初めてだけど……」
「メヒカリです。行きつけの店に偶然入っていて……」
「聞いたことないな。凄くおいしいよ」
今度はシャナが頬を膨らませる。その横で緒方が感心した目で吉田に言う。
「一美って時々、すごいマニアックというか聞いたことない食材を使うよね」
速人が眼鏡をきらりと光らせた。
「そういうのをおいしいって絶賛できるレベルで調理できるのは、流石だね」
池君、言いすぎだよ……と赤くなりながら窘めようとするが、次々と同意が帰ってくる。
「本当、そう思うよ。プロにだってなれるんじゃない?」
悠二がそう言うものだから、吉田はすっかりあがってしまった。
「こ、これも池君のお兄さんのお陰なんです……!」
一瞬静まり返って、様々な反応が返ってきた。
シャナは無関心、というより悠二が吉田をほめていて不機嫌だ。
佐藤、田中、緒方は少しの驚き。
「へぇ、池に兄貴なんていたんだ」
池は驚きと居心地の悪さ。
「あ、うん。……それより吉田さんと知り合ってたんだ」
そして、悠二は――
「本当に? まさにいが!?」
最も大きな驚きを現わしており、皆の注目を集めた。
「あ、えーと」
知っているにしてはあまりにも不自然な驚き方で、言い繕おうとする。
「兄貴は病気で御崎市から離れてたんだ。治ったから戻ってきたってこと」
そう、速人が助け舟を出した。
あー、そういうことか。おめでとう――知らない人物なりに祝福し、別の話題へと移って行った。
―*―*―*―
悠二にとって、池雅人は優しい兄だった。
坂井家と池家は、悠二が幼稚園の頃から家族ぐるみで付き合っていた。4つ年上の雅人は、弟の友達である悠二を速人と共にたくさんかわいがってくれた。
異変が訪れたのは、悠二たちが小学生――雅人が中学生の時だった。
いじめ、だったそうだ。詳しい内容は速人からも聞いていない。それをきっかけに不登校となり、引きこもるようになった。
池家はかなり荒れ、悠二や千草たちの訪問も速人が拒絶するようになった。悠二はそれ以上何もできず、ただ、約束した。
(落ち着いたら、また3人で遊ぼう、か)
小学生だった悠二にとって、それが精いっぱいだった。ずっと心のしこりとして残っていた、果たされていない約束。
(元気になってくれたんだ……!)
速人曰く、外出そのものなら数年前からしており、深夜のコンビニへ行っていたらしい。
――「きっかけは、いつかしっぺ返し来そうで怖いんだけど、株で大儲けしたことらしい」
3月頃から、急に家族の前に顔を出すようになったそうだ。
――「なんか吹っ切れたんだろうな。学校行く気も就職する気も無いらしいけど、家事の手伝いとかたくさんするようになった」
特に料理は、引きこもっていた期間暇つぶしで知識を蓄え自分で夜食を作るうちに、母親より上手くなっていたとか。
――「良く言って家事手伝い、悪く言って自宅警備員だからさ、まだ。だから言わなかった」
悠二は『約束』を持ち出して、雅人に会えないか打診した。
速人は決意したように頷き
――「引きずってでも連れてくる」
そう返答した。
―*―*―*―
放課後、悠二は一人で公園に来ていた。昔3人でよく遊んだ、思い出の場所に。
(最後に会ってから――もう6年も経つのか)
しみじみと思いを馳せながら、すっかり小さく見えるようになった遊具をぼんやりと眺める。
(えーと、今年で20歳……僕もまさにいも、すっかり大人だな)
ふと、存在を喰われたことで身長も伸びず歳も取れなくなった自分を思い出す。
(僕は、こんなにも変わってしまった)
影のように纏う『非日常』。フレイムヘイズの少女と、朝は肉体面の鍛錬に励み……夜は人ならざる領域、『自在法』の鍛錬に精を出す。
(僕が変わってしまっても……例え、いつかこの町を出るとしても。たまには昔に戻っても……いいよね)
視線を宙に戻し、池兄弟の到着を待つ。やがて――
速人が着流しの人物と連れ添って公園に入った。
「どういうこと――だ?」
速人が、
思わず零れる驚愕。シャナとの鍛錬で培われた“戦いへ臨む精神”が悠二を我に返す。
「速人。買い物」
「なんでだよ」
“雅人”は全く違和感なく、親友と接する。
「いいから」
「……ま、ここまで来たんだし、いいか」
遠巻きに見える悠二と“雅人”を見比べ、ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、速人は大人しく公園に背を向けた。
そして。公園には悠二と“雅人”が残った。
近付き意識して初めて分かったが、“雅人”の紅世の気配は、不自然なほど薄い。
「池雅人か? そうじゃない誰かか?」
低い声で詰問する悠二は、マージョリーから受け取った連絡の『自在法』が込められた付箋を確かめる。
ラミーのように保持する“存在の力”が少ないが故――“雅人”は人間の域を超えていない――悠二でさえ今まで気づけなかった。
“徒”の気配とは決定的に異なっているから、フレイムヘイズか。付箋をいつでも使えるように、力を込める。
真っ先に考えられるのは、シャナが平井ゆかりと入れ替わったのと同じケース。しかし、目の前の“雅人”は『まさにい』の面影を残している。
そこから導き出された答えは二つ。
『まさにい』がフレイムヘイズとなって、速人に紅世の事情を教えて関係を再構築した場合。
そして、『まさにい』は悠二よりも前に“狩人”に喰われており、悠二が喰われて“存在の力”を認識するよりも前に
“雅人”はため息をつき、腕を組んだ。
「“覚の嘯吟”シャヘルのフレイムヘイズ、『
フレイムヘイズは、親友の兄の存在を使っていると、堂々と宣言した。
雅人だという感覚を押しのけて、そいつを観察する。
容姿や名前からして、日本人なのだろう。黒髪を細く一つに結った、中性的な美しい顔立ちだ。
しかし、悠二にはフレイムヘイズらしいと映らなかった。それは人間一人の域を出ない“存在の力”のせいかもしれないが、今まで見てきたフレイムヘイズたちの“美しさ”とはベクトルが違って見えたからだ。
シャナをはじめとする御崎市に留まる彼女ら、今は町を去ったカムシンは、例外なく“浮世離れした美貌を貫禄で現実に留めている”という共通点を持っていた。
しかし、“徒”のような『あり得なさ』や『違和感』も無い。
言葉に落とし込むとすれば、『神秘的』。テレビで見るアイドル的なかっこよさともまた違い、最も似ているとすれば――掴めども決して手が届かない月が持つ美しさか。
「いいぞ、呼んでも」
ミコトと名乗ったフレイムヘイズが、起伏の無い脱力した声で言った。視線は悠二が隠し持つ付箋に向けられている。
「別に襲ったりしねーよ。ばれた以上は挨拶する、そんだけ」
確かに攻撃に移ろうとする気配や“殺し”は見られない。悠二は最大限警戒しつつ、付箋を取り出した。“存在の力”の量なら悠二の方が圧倒的に上だが、相手はフレイムヘイズ。間違っても勝てるとは思っていない。
「シャナ。新しいフレイムヘイズが来た」
『どこに?』
こんな時だが、おそらく察知できていないだろうシャナが少しも疑っていない様子に、嬉しさを感じた。
「御崎第二公園。目の前にいる。『びょうりのかえて』、ミコトと名乗った」
『ああ』
これはアラストール。安心と諦めが混じった声だった。
『目の前にいて名乗ったのなら、敵ではなく、害も無い。坂井悠二、我らも急行する』
その口ぶりは、全く知らない相手ではないようだ。警戒はもちろん解かないが、わずかな安心が胸に去来する。そのまま遠話を切った。
「もうすぐシャナ――『炎髪灼眼の討ち手』が来る」
「知ってる」
ミコトはいつの間にかだらしなくベンチに腰かけていた。
名前は悠二がこの町で付けた『シャナ』しか言っていない。アラストールの声で分かったのか?
それよりも、真っ先に訊ねねばならないことが――
「……まさにいは」
「喰われた」
既に分かっていることの確認だが、やはり堪える。自分と平井ゆかりを除けば、家族や親しい友人が喰われた記憶が、悠二には存在しなかったのだ。
「喰ったのは“狩人”……だな?」
「ああ」
御崎市に在った膨大なトーチを作り出した、“紅世の王”。雅人もその災厄に巻き込まれたのだ。
そうでないと、辻褄が合わないが……。
(こいつ、なんで今まで隠れてたんだ?)
御崎市が孕む大きな歪みに誘われてここに来たのなら、何故シャナたちと共闘しなかったのだ?
だが、それは後だ。二つの大きな気配が到着した。
「悠二、変なことされてない?」
「来てくれてありがとう。ちょっと話しただけだ」
シャナと、ヴィルヘルミナ。
ミコトは二人にして四人の姿を確かめ、片手を上げた。
「よーお久しぶり。大願成就おめっとさん」
あくまでも気安い口調だが、シャナもヴィルヘルミナも表情を変えない。
「あなたに祝福される憶えは無いのであります」
「理解困難」
「新しい契約者だよ。“天壌の劫火”」
シャナを見ながら答える。親しいと言える間柄ではないとは、悠二にも分かった。
シャナが悠二を遮るように、ミコトとの間に踏み出る。
「単刀直入に質問する。この町に来た目的は何?」
「またドストレートな」
呆れたように足を組みなおす。
「『都喰らい』。これで分かったか?」
それは“狩人”フリアグネが為そうとした、都市を丸ごと“存在の力”へと変える秘儀。それをまさか“行う側”では無いだろうが……。
「して、どうだった」
アラストールが重く問う。
「不可能」
「そうか」
アラストールやヴィルヘルミナたちには、それで通じたようだ。
「いつこの町へ訪れた」
「3月」
「私たちが来る前から? なら……」
“屍拾い”はともかく、“愛染の兄妹”と“千変”が町を襲ったあの時も、教授の実験も、町にいながら見過ごしていたというのか?
「これはそういうフレイムヘイズであります」
「絶念」
ヴィルヘルミナが鉄面皮を崩さず、疲れたように思える声を出す。
「いつまで滞在するつもりだ」
「未定」
アラストールも、認めるというよりは観念しているような感じだ。
「我々が貴様の存在を知ったからには――」
「分かってる、協力する」
ミコトはミコトで嫌々ながらという感じだ。
ベンチから立ち上がり、背を向けた。
「マージョリーんとこ挨拶してくる。滞在先は悠二に聞け」
「気安く呼ぶな――!」
雅人でもない癖に。
悠二の怒りを受け流し、ミコトはそのまま去って行った。
―*―*―*―
悠二、シャナ、ヴィルヘルミナはそのまま公園に留まっていた。
「あいつが『眇理の還手』?」
「シャナも知ってるのか?」
「噂だけ」
ヴィルヘルミナに無言で促され、シャナは知っている彼の情報を伝える。
「調律師で、『最弱のフレイムヘイズ』として有名」
彼の薄い気配は、『自在法』で隠しているのではなく素だと、悠二の感覚が告げている。
「確かに、僕も会うまで気づかないくらい力が無いなら……ん?」
シャナの紹介に、いくつも矛盾が混じっていることに気づいた。
「調律師って、……カムシンみたいに、強くて長生きなフレイムヘイズが、使命のためになるんだったよな。そもそも……」
シャナが頷く。
「
フレイムヘイズ――いや、“紅世の徒”も含む“この世の本当のこと”に関わる者たちは、弱肉強食が基本だ。その例外は『
シャナと悠二は、ほぼ同時にコキュートスを見る。
「あれは例外中の例外……恐らく先にも後にも彼奴一人だろう」
そう前置きをし、アラストールが語り始める。
「まず、契約する“覚の嘯吟”からして特殊だ。あれは実態を持たず、神霊として“徒”の間に揺蕩うとされている『導きの神』」
「神?」
「アラストールと同等の?」
「神とは」
ヴィルヘルミナが補足する。
「“紅世”における世界法則を体現する特殊な存在であります」
「格上」
「“天壌の劫火”ならば『審判』と『断罪』を司る『破壊神』」
「アラストールって、そんなに偉い……というか凄い“紅世の王”だったんだ……」
「“王”ではなく“神”であります。“覚の嘯吟”ならば『喚起』と『伝播』を司る導きの神」
「怪訝」
ティアマトーが普段より更にぶっきらぼうに言い捨てる。
「『封絶』や、フレイムヘイズの存在を知らしめた神ね」
「それって、いい神様じゃないの?」
シャナでさえ複雑な表情だ。
「彼奴が広めるものは、必ずしもフレイムヘイズの使命に沿うものではない。近年ならば“紅世”の存在を知らしめようとする集団[
つまり、その後先を考えない
「話を戻すと、『眇理の還手』の異様に少ない“存在の力”は、契約するのがそもそも実体を持たない“神”の中でも特殊な存在だからであります」
「自称」
フレイムヘイズは過去、現在、未来の“存在の力”を器に見立て、その中に契約する“王”を入れる。ミコトの場合、器があったとしても満たす中身が無い――と、本人が言ったそうだ。
「弱いと“伝わる”のは、“神”ではなく“王”として契約する“覚の嘯吟”に、攻撃する力が無いから?」
「その通りであります」
「正解」
フレイムヘイズとしては最低の身体能力に加え、一般的な攻撃手段である炎弾も出せないとか。
「そんなフレイムヘイズが……どうやって生き残ってるの?」
ヴィルヘルミナ、ティアマトー、アラストールが一瞬黙った。
「彼奴自身は“螺旋の風琴”にも劣らぬ自在師。知る者らはそう伝えるが……」
しかし、それだけで名を馳せることは、絶対にない。
「最も警戒すべき点は、フレイムヘイズ“徒”双方に、積極的に関係を持つことだ」
シャナと悠二は目を見開いた。
同じように力の無い“徒”だったラミーがまだ生きているのは、フレイムヘイズの使命に影響の無い範囲で行動し、厄介ごとにも自分からは首を突っ込まないからだ。それでも『戦闘狂』と呼ばれたマージョリーに執拗に狙われ、命の危機に陥った。
その在り様と真逆だというミコトは、フレイムヘイズからは“徒”に与する裏切り者として、“徒”からはそもそもフレイムヘイズというだけで討滅する理由となる。更に影響力が大きすぎる『導きの神』を内に秘しているなら、何故積極的に狙われないのか理由が分からない。
「
つまり、アラストールも何故かはよく分からないらしい。
「邪魔であるからと殺しても死なないのであるならば、味方として黙認し協力させる。我々が『眇理の還手』に取れる最善手は、“気を許さないまま利用する”ことであります」
「順応」
受け入れた上で、おかしなことをしないように見張る、と。
契約する神も、契約者のフレイムヘイズも、何とも迷惑な存在だった。
最後の疑問を、シャナは問う。
「あいつと『都喰らい』はどう関係あるの?」
ミコトは“不可能”と答え、アラストールたちは納得した。
「彼奴は過去『都喰らい』が引き起こされた時、“棺の織手”と共にいた。故に原理以上の“秘儀”を知っている」
「じゃあ、“狩人”は無駄に御崎市の人たちを!?」
その企みの一環で存在を失った悠二が勢い込んで詰め寄るが、アラストールは冷徹に処断する。
「坂井悠二。“徒”の放埓に、無駄も有意義も無い」
それも一つの“本当のこと”。
どうもこんにちは、初めまして。
この度灼眼のシャナ二次小説を書かせていただきます、白井茶虎です。
章ごとにぼちぼち書き溜め、区切りがついたら連日投稿いたします。
タグの意味やその他詳しいことは、活動報告にまとめて書きます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
早速原作改変です!
悠二と池の関係 (原作)中学から→幼稚園から